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ヤクザな花屋の龍のお相手は、帯刀家の次男です!
あの、帯刀家唯一のまともな子!
帯刀家のお母さんでお兄ちゃんでお姉さんで奥さん!
帯刀家の強力なストッパー!
だけど、そんな信の、いつも穏やかで優しい笑顔の裏には、誰にも見せない涙がたっくさんありました。
これ、すっごくわかるなぁ…、私はやりたい放題の長女ですが(笑)
けど、この立場独特の責任感とか使命感とか、あとは生真面目な性格ゆえのブラックポケットの深さとか、そういうのが凄くよくわかります。
小学生の男の子が、やっぱり小学生の弟のために、慣れない針と糸で体操服のゼッケンを縫う。
部屋の隅で、指に針が刺さるたびに、切なさとか苦しさとか寂しさとか、いろんな感情が噴出して、涙が出てしまう。
家族に絶対に見せないように、部屋の隅で一人で泣くんです。
想像しただけで、私も涙が出ました。
そんな小学生がいたら、ぎゅ~っと抱きしめてあげたくなる><
だから、そんな姿を見てしまった龍が信をほっとけないのも当然だと思う。
そして、たくさんの「特別」をくれた龍は、やっぱり信にとって特別な人になりますよね。
ゼッケン縫ってくれた、頭撫でてくれた、泣いてたら傍に居てくれた。
この2人は、ホントに、お互いまったく別の立場、別の考え方、背負っている悔いとか息苦しさも全然違うけど、何故だかわかりあえるし、分かってあげられるのは自分かもしれないと思っています。
それでも手を取り合うには、わだかまりが多すぎる。
龍の過去とか、信の家族を思う気持ちとか。
たくさん考えて、たくさん葛藤して、最後手を取り合わずには居られなかった理由が、「好きだから」ではなく「寂しのなら傍に居てあげたい」だったってのが、いかにもこの2人らしいなぁ…と思いました。
すごくゆったりした、あたたかい気持ちになれる、傷つきやすくて優しいカップルでした。
あ、信と秀がなんだかかわいかったです♪
お父さんの目を盗んで彼に会いに行く娘と、「もう、お父さんったらしょうがないわねえ」とか言いながらお父さんをフォローするお母さん。みたい。
仲良しでかわいいです、この受けっこちゃん2人!
シリーズももう五冊目。
イッキに読むのはもったいないので、週に一冊ぐらいのペースでゆっくりゆっくり読んでいこうと思ってたシリーズなのに、我慢できずに読み進んでしまう。
ついに苦労人の次男の明信がメインです。相手役は元暴走族で花屋の龍。
この巻は、実に惜しい巻だと思います。
カップリングとしては大好きです。
お話の中身も好き。
おとなしくて真面目な明信の悩みと、そんな明信を小さいころから見てきた龍。
とくにゼッケンのエピソードは胸がズキズキ痛いです。
その瞬間までは恋愛感情なんて一片もなかったのに、明信が酔ったはずみで事故のようにエッチしてしまい、そこからお互いに芽生えていく新しい気持ちにきゅんきゅんします。
龍が「つい」を連呼しつつ、申し訳なさそうにしてる場面、かなり好きです。
ただ…
どうしても龍の過去話、妊娠をからませてきたエピソードが私には地雷で。このエピソード、ざっくり削除してほしい。わざわざこんなトラウマ作る必要ないのになァと思いました。
なにより、元カノが明信のいる前で過去語りをはじめたのがヤダ。ドラマCDのレビューでも書いたんですが、あれは二人きりですべき話だと思う。あの場に明信を立ち会わせたのは、作者の都合だと思いました。
本当に惜しいです。
主役二人のキャラ大好きだしストーリーの流れも好きだし萌えるし、コミカルな部分とシリアスな部分のバランスも好き。だからこそ妊娠エピソードさえなかったらと思わずにはいられないです。