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表題作お伽噺は泡と消え

深海朱巳,高校生→26歳,キャバクラの支配人
丘雪也,高校生→26歳,ラーメン店店長

その他の収録作品

  • ever after(描き下ろし)
  • あとがき(カバー下)

あらすじ

ラーメン屋店長の丘は、高校時代からの親友・朱巳と長年セフレ関係を続けている。お互い好き合う気持ちは確かなはずなのに、丘は不完全燃焼だった初恋の思い出を引きずり、朱巳はヤクザの息子という立場からか人を寄せ付けず、孤独の影をまとって生きている。こんな関係いつかは終わる、終わらせなきゃ――そう思っていた矢先、ラーメン屋に丘の初恋に関わる男・駿河が現れて…!? 共依存めいた二人の両片想いアダルト・ラブ。

作品情報

作品名
お伽噺は泡と消え
著者
じゃのめ 
媒体
漫画(コミック)
出版社
幻冬舎コミックス
レーベル
バーズコミックス・リンクスコレクション
発売日
電子発売日
ISBN
9784344847880
4.3

(314)

(174)

萌々

(92)

(38)

中立

(4)

趣味じゃない

(6)

レビュー数
33
得点
1356
評価数
314
平均
4.3 / 5
神率
55.4%

レビュー投稿数33

美しいのなんのってじゃのめ先生の作品で
また推しをつくってしまった…ʅ(◞‿◟)ʃ

朱巳もカッコいいし…
なんていっても駿河がめっちゃ好みです!
水が滴るワンシーンで…結ばれてくれって
切ない気持ちになりました。。。
じゃのめ先生の描く人々は、
本当に喋らなくても表情で
「愛おしい」とか
「切ない」を感じさせてくれて
お互い好きっていうより愛してるが溢れてる。


0

両片想い、かな?

表紙をめくるといつものじゃのめさんの絵がありちょっとほっとするなど。
(カバーのイメージがなんか違った~)

割と無邪気なラーメン屋店主、雪也。幼なじみで同級生の朱巳とはセフレ。
朱巳はヤ〇ザの家に生まれ、それに雪也を巻き込めないと思っている。一方の雪也は、気心知れた朱巳とは惰性で続いているけれど、その関係に名前を付けられないで要る。。
という設定です。

じゃあ、俺にしとけば?という一言で始まった体の関係ですが、長くなればなるほど本心が行方不明、というちょっとこじれた二人でした。

どっちかというと雪也が自覚なしなのが罪深くて、彼の成長物語というのが正しいかもしれない。
ただただかっこよくクールで、自制している朱巳がせつないです。

0

タイトルがとても綺麗です。

こちらBLアワードで高得点だった作品だと気になってました。なんといってもタイトルがステキすぎる!
両片思いの切なさが泣けます。やっぱりモチーフは人魚姫なんですね。最初のシーンで、いっきに引き込まれました。泣いてる少年と波打つカーテン、海の中を揺蕩うようなとても綺麗なシーンだと思います
攻君→人魚姫 受ちゃん→王子様といったところでしょうか?
じゃのめ先生は宵々モノローグというお話が1番好きだったのですが、こちらの作品読んでみてとても好きになりました。
実は反社物って少し苦手だったのですが、あまりその辺には触れてなくて、ただただ2人の純愛がすばらしかったです。
朱巳くんのたとえ泡となって消えたとしてもって言葉が泣けます。家がヤクザだから丘につらい思いをさせたくないから、身を引こうとする朱巳はまさに人魚姫やん
お互いの孤独を知ってるからこそひかれ合うう二人
少女漫画みたいで、少女漫画にはない魅力が、BLにはたくさんあると思うのですが、片方がもう片方にもたれかかるのではなく、お互いがお互いのことを考えて行動する姿は素敵です。沖縄で再会してこれから2人の物語が始まって行くのでしょうね。
続編出ないかな?コマという男の子に興味ありますとうとう最後まで顔出ませんでしたが、あとセフレが何人もいるっぽい駿河とか
あと朱巳くんが非常に色っぽかったです筋肉のつきかたが美しいHシーンは濃厚ですが、なんだかさらっと読めました。私にはちょうどよいですとても画力のある先生だと思います。

2

まるで一本の映画のよう

初めて読む作家さんです。
上手く言えなくて申し訳ないんですが、なんだか映画みたいなお話でした。

駿河が現れて、あれこれどうなっちゃうの?と途中ドキドキしましたが、ただの良いやつでした。
濡れ場は多いけど一つ一つがサラッとしてるので胃もたれしません。そしてこんなに爛れてるのに純愛…なんだか邦画っぽい…。

ヤクザはヤクザでも、変に血が流れるような話ではないのでそこは安心して見れるんじゃないかなと思います。

絵が綺麗で繊細な描写がとても好きです。

0

良いお話ですね

評価がとても良くてタイトルにも惹かれて読んでみました。

良いお話ですね。遠回りと思いきや気持ちを積み重ねて。
丘の引きずったままの初恋の相手は実は…で。
しかも相手だと思ってた人は、全然違ってしかも大学デビューで別人のようになってて。
しかし彼のおかげで色々助かりましたよね。

なんだろう、とっても良いお話なんですが、スラスラ〜と目が滑ると言いますか。
絵柄や人物のポーズや等身の比率?とか表情とか…。
うーん、これは好みの問題なのかなあ。

住む世界が違ってもなんとかなる!

0

泡にならなくてよかった

初読みの作家、著者は絵が上手。素描が上手くてデッサンがしっかりしている。
手足首の関節が上手く描けているので、後ろ姿がエロ綺麗。
構成=伏線の仕込みも上手いので、観ても読んでも楽だった。 

自分の性癖を隠すのだけで精いっぱい、恋もできずに高校を卒業する丘、
たった一人、自分を受け入れてくれたのは、友人の朱巳。
そのままずっとダラダラと朱巳と関係を続け、仕事もバイトの延長でラーメン屋の店長職に就く丘。

二人が一歩踏み込み「家族」を意識しだすと、ダラダラが変わりだす。

朱巳は「人魚姫を読んでくれたコマ」を「使い捨ての駒」として当たり前に使う家族たちの考え方が嫌いだと丘に話す。
でも「図書館で人魚姫を読み、涙を流す」丘の初恋の人は誰なのか、コマの話を聞いても気づかない丘。
(著者の作品の主人公は総じて鈍感です)

朱巳の問にコマが語る 「怪物と人間 住む世界が違うってこと・・」を思い出して、朱巳は泡のように消えても、丘を守りたいと思っていた。朱巳の想いはとても深い。
朱巳に密かに庇護されていたことに気付かない。鈍感な丘君は幸せ者。


★この物語は、本当に仕込みが深い。
著者がを題材にした「人魚姫」。アンデルセンは、実は同性愛者。
パトロンの貴族へ失恋した失意を寓話にしたのが「人魚姫」だったのは、有名な話。
アンデルセンは国外追放を受ける、それでも諦められない気持ちを物語に込めて作った。
朱巳の気持ちも同様に深いって意味なのだと思う。

参考:アンデルセンの名作『人魚姫』に隠された秘密  https://bit.ly/3lFAkJQ

4

人魚姫はしあわせに…

高校生から始まった二人の恋
いや、恋なのに全く気づかなかった二人

この『お伽噺は泡と消え』なんだか脆く消え去りそうで、ドキドキしながら二人の跡を追いました。
本当に丁寧に丁寧に筆致が重ねられて行きます。
この絵にこのストーリー、本当に美しい。
本当にじゃのめ先生の絵は心に優しく美しく刺さりますね。
このストーリーにぴったりで、余計切ない。
攻めも受けも真っ直ぐ前を向き、お互いを思い遣り、そしてそれ故離れてしまう事もあったけど、それは全て長いこれからの二人の人生への踏み石で。
受けの見た図書室でのあの涙のシーン、何回も何回も想います。
そしてデカダンスな絵柄なのに、怠惰にならないストーリー運びの上手さ!攻め受け以外の登場人物の巧みさに、その人生の背景。
いやぁ凄いです。
惹き込まれ全てが愛おしい。

1

その恋は泡沫か本物か

ゲイである自分が後ろめたく、将来への希望が持てない丘。
ヤクザの家の子である自分は人を不幸にすると、意識的に人と距離をとって生きている朱巳。
高校時代からずるずるとセフレ関係を続けています。

お互い好きな両思い同士。
初恋相手との再会を経て、ずっと朱巳のことが好きだった自分を再確認し、丘は朱巳に「恋人になりたい」と告白しますが…
丘のことが好きだからこそ、ヤクザ一家の自分ではなく普通の人と幸せになってほしいと、その告白を拒む朱巳が凄く切ない。

愛の逃避行、音信不通、そして再会。
ある意味テンプレートな展開ではありつつも、2人のお互いへの愛が丁寧に描かれていてとてもよかったです。 

Hシーンも丘のエロ可愛さと朱巳の色気ダダ漏れドSっぷりが最高でした。

執着・共依存・両片思い作品がお好きな方は是非。

1

男の色気むんむんの朱巳に萌え〜!!

絵が更に更にパワーアップしていますよね!!

じゃのめ先生、キライの恋人、曲がり角に〜、カラフルな君と〜、黄昏2作、残像〜、と読んできまして、本作がいちばん好きです!!

なんてったって、朱巳がいい男〜〜めっちゃタイプ♡
大人の男の色気むんむんじゃないですか!!

で、実は朱巳の方が先に丘を好きだったってのが、萌え〜萌え〜です。

丘の初恋の相手が朱巳だったというのも、タイトルは朱巳がよく読んで涙していた人魚姫からというのもいい。

「おまえだって俺のこと好きだろ?」と言われて、黙った後「……うん」と手で顔を抑えて認める朱巳がいい。

家にけじめつけて丘を迎えに行く朱巳がいい。
(丘もいい奴で好きなんですが、朱巳萌えがすごくて朱巳いい、しか出てきませんすみません)

再会の場面もよかった(しみじみ)

沖縄に丘に会いに行った時、お姫様抱っこする朱巳がいい。
こういうの好きでしょと言う朱巳に
「大好き よし行け(キラキラ)」
「フハッ イエッサー」
の場面、すごく好き。

や〜、朱巳はもちろん、丘もいいし、何より2人のやりとりがいい。
どちらか1人でもキャラ萌えできればその作品を読むのが楽しくなるんですが、本作のように、ストーリーが良くて、CP萌えできるのがいちばんうれしい!作品ごと大好き!となってテンション上がります。

いい作品を読めて、いい2人を見られてよかった〜、先生ありがとうございます!という気持ちになる。

ツボったのは、駿河のオフ時のチャラ男っぷり。すごい豹変に笑ってしまいましたw

3

色気

じゃのめ先生って結構カメレオン作家だったんだな〜という嬉しい驚き。

全作品読めてる訳ではなく、デビュー前の個人サイト、デビュー頃の作品、黄昏&残像って流れで見てますけど、黄昏と残像の雰囲気があるのは最初の3ページぐらいだけでした。絵柄まで違って見える。デビュー前から濃かったのが、黄昏で線の細い青春感、今回でなんと言えばいいのか…退廃とまでいかない裏社会…軽薄感…
ペン(デジタルだろうけど)でも変えてるのかな?

朱巳の色気がずっと垂れ流されてる。絵のオシャレさと色気が良い。一方でストーリーはあまり癖がない印象。

ちょっと昔の某先生やあの頃の某先生を感じてみたり既視感が。

萌〜萌2

0

両片思いバンザイ

雑誌の方で読んでいて、すごく好きになったお話。
朱巳は無口で何も語らない。心の中に暗い思いを持っているけど。
丘の存在が朱巳には大切なのに.........。
両片思いで、キュンキュンしました。
もっとこの2人の話を読みたかったな。
朱巳にはこれから幸せになって欲しい。

afterstoryは雑誌ではなかった話なので、こちらを楽しみにしてたんだけど、丘に会いに行くのに時間がかかったのはこの為だったのね。納得。
それにしても朱巳のお金を稼ぐ才能が羨ましすぎる。
コマという男も出所するらしいし、その後の話がないかなーと期待してます。

1

圧倒的美!

じゃのめ先生の描く美人が本当に大好きで…
もうそれだけで億満点。
圧倒的美人の園…!!

特に顔の良い美人(アホみたいな表現ですが、本当に顔が良くて美人なんです)のクール?な攻めのだんだんと表情が増えていく様はまさに開花記録…!

ストーリーが素晴らしいのは勿論のこと、色気溢れる一冊に魅了されっぱなしでした。

1

攻めの一途さ、受けの信頼感がたまらない

 まず朱巳のビジュアルが圧倒的勝利! 少し長めの黒髪を流し、色っぽさと硬派さが同居した雰囲気が出ていて、最高でした。この見た目で昔から丘一筋で、付き合うことはできないけれど好きだから、丘の言動は何でも受け入れてあげる寛大さを持っているところもたまらないですよね。きっかけこそ突拍子もなかったものの、長年これほど甘やかされたら、丘が心まですっかり朱巳に靡いてしまうのも納得だなぁと思いました。

 対する丘も、朱巳に流されてばかりなわけではなく、自分の芯はしっかり持っていて、もう一度関係を改めようと自分から告白する潔さに好感が持てました。駿河と再会し、彼にもずるずる流されてしまうんじゃないかと心配しましたが、駿河も脈なし相手には手を出さない男だったので良かったですね。チャラいながらも話はちゃんと聞いてくれる良い友人になれたみたいで、丘の交友関係が増えたことも嬉しかったです。待ってて、と手紙に書かれた一言で朱巳を信じて待つと決め、挫けそうになりながらも、朱巳が迎えにくるまで信じ続けていた丘に、拍手を送りたくなりました。晴れて恋人となった2人に、暖かい土地で自分達にも周りにも堂々と愛し合える日々が訪れますように。

6

カバーイラストがいい

服を着ていない、このカバーイラストの二人はイイ。
レイアウトも、肉の付き方も、乳首の色とか、すごく効果的。
ストーリーも、数を絞った登場キャラが、しっかり効いていて、イイ。
冒頭の、尻穴広げたビッチな感じなエロも、そこからただのアホエロにならないのは、ちゃんとストーリーがしっかりしているのがイイ。
作品としては、よくできた、良い作品だとは思うのよ、でも、でもねぇ、
私的には、服の趣味が合わないの。
大人になってからの私服のサイズ感もそうだけど、特に最初の重要な図書館のシーンでの学生服の着こなしとかサイズ感にひっかかってしまって、お話の世界にうまく浸れないまま。
絵自体はとってもお上手で、裸のシーンだとちゃんと没入できるので、これは単に、服の趣味が合わないって事だと思うけど、ごめん、萌はやっぱりマイナスにさせてください。

2

雀影

セルフツッコミ
そうはいっても、服の趣味って、作品全体の主張とか、作者さんの趣味やセンスを反映してると思うので、私、やっぱりじゃのめさんの作品と相性あんまりよくないのかも。

お互いが唯一無二だった

ラーメン屋の店長をしている丘はゲイであることを隠して生きている。誰にも明かしたことがないそれを唯一明かしているのが朱巳。そしてふたりは親友でありながらセフレとしても続いている。
朱巳はヤクザの息子で、昔から周りが遠巻きに自分を見ているのを知っていた。「ヤクザんちの子」その事実を受け入れなければならなくなったと同時に独りで生きていこうと決めた朱巳にとって、周りの人間とは違う唯一の存在が丘だった。


はじめから拗れた訳ありの両片想い。丘視点が多いですが、丘はその気持ちを長年自覚していなかったように感じますが、朱巳はずっと好きでいたんですよね。大切で離れたくなかったからこそ自分から告げられなかった想い。
自分の立場をよくわかっている朱巳なりの悲しい優しさが切なかった。
愛の逃避行からの朱巳の音信不通、そして再会。ハピエンになってくれて本当に良かったです。

じゃのめ先生作品にはメインカップルのほかに個性的なキャラが居るイメージですが、期待を裏切らない駿河のクセの強さ!なかなかいい働きをしてくれたなと思いました(笑)

3

引き込まれました

ヤクザの息子×ラーメン屋の店長の親友兼セフレな二人のBLです。
じゃのめ先生の本は初めて買ったのですがめちゃくちゃ漫画がうまい方ですね。絵とかストーリー作りとかいうより漫画が上手いです。ぐいぐい引き込まれました。
受けの丘が健気で純情だけど男前でめちゃくちゃ可愛いです。攻めにリードされる受けじゃなくて二人の未来をいい方向に引っ張っていってくれる子なんです。攻めと受けの性格が全然違うんですがだからこそお互いがお互いに救われてるんだろうな〜とめちゃくちゃ愛おしい気持ちになりました。一生幸せに生きてくれ〜。

絵は少し特徴的ですが、クセが強すぎる展開などもなく万人受けするストーリーかなと思います。学生時代からの執着心引きずってるBLや拗らせてる親友BLが好きな方に特におすすめの一冊でした。

3

とてもとても良かった

お話もキャラクターもとてもよかったんだけれど、何より同じ人物の少年時代と青少年時代と青年時代の風貌がとても自然に描かれていて、この人の目には相手のあんな可愛かった姿も見えているんだと、隣でかっこよく育っていく様を見つめ続けたんだと思うとなんとも言えない気持ちになる

人魚の伝承の化け物としての面、人を喰らい惑わせ船を沈める悪い生き物だけれど優しい人間を装って恋をして、泡となって消える覚悟で好きな人に触れるとか!そんなんロマンチックが過ぎない?!
そんで手柄横取りの隣国の姫、なんぼなんでもあんな奴って思うじゃない!いい奴だけれど!いい奴だけれど!!
あんたのが良いって、どう見ても

朱巳の友達として雑に扱ってるように見せながら常に丘を喜ばせようとしてるの優しくて、でも丘も根っから優しい奴だからおかしいとまでは思えてなくて何年も愛されていることに気づかないのね
本当に優しい二人
でも、友達を腕枕して寝ないよ?見送らないって

コマが独楽の絵のジャンパー着てるのが残念で、朱巳みたいな優しい人がそういうの見てきたの苦しいだろうと思う
馬の絵じゃないところが逆に余計に悲しいし
好きな兄弟とすら恋のために決別するのが人魚姫だもんね
コマは朱巳が刑務所なんかと遠い世界に行ったこと、きっとそれが良いって思ってくれるはず、そういう普通の優しさはコマが教えたんだと思うんだ
コマも海から出てこれたらラーメン屋で働けそうな気がするんだけど…二人は暖簾分けで店持たないかな

2

jejejet

丘も自分のこと人魚だと思ってて、朱巳を海に引きずり込んだと後ろめたく思ってるけれど、朱巳がそれを救ってくれそうなのも素敵と思った
家族に言えたらきっともっと幸せになっちゃうよね

jejejet

初めてのときの丘の強張った様子がメチャクチャ良いっての、言いそびれた!
恥じらいと、戸惑いと恐怖と快感も??朱巳だけが知っているあの握りしめた手と表情、じゃのめ先生最高!天才!

とてつもなく好きな表情

じゃのめ先生の作品は『門限8時の恋人』以来なのですが、雰囲気のある絵がやはり綺麗。

高校卒業の時からつづく朱巳と丘のセフレ関係。
丘の初恋の人と思われる高校の同級生・駿河が現れたことでふたりの関係に変化が…
(駿河のオンオフの変貌ぶりと、服装のハイセンスさにはちょっとびっくりしちゃいました(笑)。)

いやもうですね、とにかく言いたいのは、朱巳の勤め先のトイレでの朱巳のあの表情がめちゃくちゃよいということで…!!
丘のことが大切だからこそ踏み込まないようにいつでも身を引ける気持ちの距離をとりながら、身体は独占するように深く優しく、時には激しく抱いていて。
その丘から告白をされて、気持ちの一線を超えたいけれど超えられない…、でも…!という複雑で笑ったような困ったような口元と眉、でも覚悟を決めた清々しさも感じられる瞳…、とてつもなく好きな表情です。
場所がトイレだとか、丘が吐いた直後だとかいうムードも何もない状態なんですけど、それがまたよかった。

ゲイである丘とヤクザの朱巳。
ずっと独りでいると思っていた同士のふたりが身体から繋がり、気持ちが繋がって、魔法(関係)がとけてしまいそうになっても想いは揺るがず消えることはない。
離れられない存在同士になったふたりが紡ぐ深い愛のお話しでした。

5

美しいです!

素敵なタイトルと両片思い設定と1巻完結に惹かれて購入したのですが、
とても繊細で色っぽいラブストーリーはすごく好きな感じでした!
2人の関係性が変わるときに必ず雨が降るのですが、雨って官能的なイメージがありますよね。

中学時代からの親友で現セフレ、たまったら逢って発散する割り切った関係の2人、という冒頭の軽めのトーンから、徐々に深まっていく展開にひきこまれます。ずっと一人でいようと思っているから、性欲処理にちょうどいいとうわべは強がってるけど、実は身体だけじゃなくて心もどーしよーもなく依存しちゃってる。離れられないのに、”親友”以上の気持ちを伝えられない事情が切ないです。

ファミリービジネスがやくざという境遇に苦しむ朱巳の唯一の救いで居場所のような存在が丘なんですよね。でも、自分はやくざやさん(怪物)だから大切な人(人間)を面倒ごとに巻き込みたくない、幼いころ何度も読み聞かせてもらった”人魚姫”の王子と人魚のように住む世界が違うから、交わっちゃいけないんだと思っている、すごく優しい男なんですよ→朱巳。だから孤独を背負っちゃう。それが独特の色気に変換されていて魅力的なキャラクターでした。

2人の関係に刺激を与えるのが、高校の同級生で地元にUターンしてきた駿河で、この人がナイス当て馬。丘がなんとなく同じ匂いを感じてた通りゲイなんですが、丘の初恋の秘密の鍵を握る男、2人にとってのキーパーソンで、いい働きをするんですよね~。この”実は”のストーリーがいいんです。(ところで、高校の図書室って高確率で恋が始まる場所ですね。)

キャバクラのトイレの場面に萌え転げました。(”おまえだって俺のこと好きだろ?”からの展開が好きすぎる。)じゃのめ先生、初めて読んだんですけど、言葉のセンスがとても好きでした。攻受のピロートークすら洗練されててかっこよかったので、もっと他作品も読もうと思います。

5

………、それから始まる二人のお話

 じゃのめ先生の柔らかくて優しい世界観が好きです。
 静かにモノローグのように言葉を紡いでいくシーンも、まるで映画や舞台を見ているようで引き込まれます。
 描き出される言葉の一つ一つに登場人物の心情と、心の中の情景があらわれているようで、まさに漫画だからこそ表現出来る世界なんだなと、感動しました。

 
 中学時代からの親友でセフレでもある丘(受け)と朱巳(攻め)の両片思いでちょっぴり切ない物語です。
 
 見た目はクールで男らしい朱巳ですが、実は自身の境遇をアンデルセンの人魚姫に置き換えちゃう程繊細でナイーブ。高校時代、人間になりたいという欲望を捨て愛する人の命を守る為に泡となって消えていく人魚姫に想いを寄せて、一人図書室で泣いちゃう朱巳……。。
 丘は丘で自身がゲイであることに後ろめたさを感じながらも、今を生きて行くために様々な感情に蓋をして曖昧に過ごしている。そんなだから高校時代に図書室で出会った、溢れる涙の人を初恋として忘れられずにいる……。
 そんな二人なのでお互いに心の内には踏み込めず、もどかしく曖昧なまま時だけが過ぎて行く……。
 
 サブキャラの駿河が丘の初恋のイメージを裏切る(色々な意味で……)程の良い人で良かった。
 そして泡となって消えることを受け入れていた朱巳に、丘が手を差し伸べることが出来て良かった。
 一年間、不安に思いながらも信じて待っていた丘の前に、何事もなかったかのようにさらりと現れる朱巳のかっこよさ。突然のことに動揺し、ジタバタしたりウルウルしたりで感情が忙しい丘……。
 もーっ!良かったよ〜っ!二人共〜!二度と離れるんじゃないぞ〜!
 
 いたしてるシーンで接合部分はほぼ描かれていないのに、それでも溢れ出る色気と臨場感。個人的に声も含め激しい描写は大好きなのですが、たまに「んっ?これは手か?脚か?……イチモツはどこだ?」みたいになる時があるんです。そうすると物語の世界から一気に現実に引き戻されちゃって少し残念に感じてしまうのですが、この作品では修正がほぼ入らなくて良いように描かれていて不自然さはありません。
 主人公の表情と体の動き、そして控えめな喘ぎだけで充分に引き込まれドキドキします、素敵。

 

5

攻めの幸せを願う

あらすじ買い。
表紙と中身の絵は結構印象が違いました。絵柄とキャラたちのファッションセンスは合わなかったんですがw画面の作り方や構図が好きでした!あおりと俯瞰が多く使われてて、妙な迫力を出してくるんです。こういう描き方ってBLだとあまり見ないな~と新鮮な気持ちで読みました。

登場から、なんだかんだ言いながら包容力のありそうな攻めが良かったです!お見送りする攻めが可愛く見えて好き。拗らせまくって、自分を人魚姫に重ねちゃう重症っぷりも良きw

初恋からセフレに両片思いに当て馬に身分差、再会も入ってたりして、一冊の中にときめき成分が大量に詰まってるんですよね、実は。攻めの嫉妬と独占欲も見られるし、内容充実でお得感がありましたw
二度目の告白シーンは神!このときの攻めの反応は何度でも見返したいくらい好きです!

受け視点で進むストーリーですが、気が付けば攻めを幸せにしてやってくれー!と全力で攻めの幸せを願いながら読んでました。
読後はじわぁっと幸せを感じられる一冊。タイトルもいろんな含みがあって、余韻をのばしてくれる感じで良いです。

6

まいったな、好きだ

"高校の同級生同士のセックスフレンドもの"
と聞くと、痛々しかったり、薄暗かったり、エロティックだったり、そんなイメージを持ってしまいがちなのですけれど、こちらの作品はそうではない。
読中・読了後に、じわじわじわ〜っと萌えが広がっていく言葉にならないこの感じ。
いやあ、これは好き。すごく好きです。
切なかったり、しっとりとした雰囲気はあるものの、両片想いと共依存関係の描き方がなんだか甘さや優しさを感じるものなのですよね。
2人の間に流れる空気がたまらなく好みでした。

「お伽噺は泡と消え」というタイトルが素敵です。
そして、作中のあちこちに登場する、人魚姫を彷彿とさせるエピソードの数々が上手い。
本来ならば人間とは相容れない、人の世界とは違う海の底で暮らす人魚達。
もし、異なる世界で暮らす人魚が、外の世界で暮らす人間を知り、相手を愛おしく想ってしまったら?

"人魚姫"と聞くと何を想像しますか?
BL的にはなんとなく、受けの切なくて苦しい悲恋ものになりそうなところですが…
このお話は、外の世界を夢見る人魚姫が攻め。
人魚姫に手を伸ばし、海の底から引っ張り上げる王子様が受けです。
攻めの朱巳も受けの雪也も、どちらも非常に好みのキャラクターでした。
お互いへの気持ちが優しい人同士のお話ですごく良かった。
なんというか、攻めの朱巳が色気たっぷりなのですけれど、ふとした時に可愛らしさも感じられて好き。可愛い攻めで好きでした。

綺麗じゃなくても、ゲロ臭くても、ピザやラーメン、酒にタバコ、ヤクザが登場するお伽噺があったっていいじゃない。
じゃのめ先生流のお伽噺、存分に楽しませていただきました。

7

こじらせた両片思い

セフレという関係から先へ進めず、かといって終わらせることもできずにいる二人の関係がもどかしく切なく描かれています。

丘も朱巳もお互い好き同士なのを何となく感ずいてるのがもどかしさ倍増で、早くくっついちゃえよ!って感じなんですが、朱巳の立場と心情的にそう簡単に決断できるわけでもなく…

そんな朱巳を丘が男らしく「お前と生きていきたい」と告白したり手を引いて愛の逃避行したりと、受けの方がリードしてる感じ。
男前な受けも好きだけど攻めの丘ももっとがっついた男らしい所をもうちょっと見たかったです。

見せ方や絵の雰囲気、世界観はやっぱり素敵で惹き込まれました。
ただセフレから始まる関係よりそこに行き着くまでの過程が好きな私の好みと、「黄昏~」と比べてキャラに魅力をそこまで感じなかったのでこの評価にしました。
ドキドキ感、高揚感がちょっと物足りなかったです。

脇キャラも良い仕事してるんですが、何だろう生理的にかビジュアル含めあまり好きにはなれませんでした。
厳しめ評価ですみません。。
ただ攻めのビジュアルとても良いです!!
ツーブロックはあんまり好きじゃないんですが初めてツーブロックカッコいいと思いました。笑

3

最高でした!!

じゃのめ先生の「黄昏シリーズ」の大ファンです。ハッピーエンドじゃなきゃ見れない私ですので…タイトルは(めっちゃカッコイイ!!)文学小説みたいな素敵な感じですけど、何か見た瞬間...ちょっと不安感が(笑)

二人とも自分たちの立場のせいで、両想いなのに一緒にいられない…
最後の最後まで緊張して読みましたが、あ~~~ハッピーエンドでした!!ありがとうございます。やっと結ばれて涙が出る…!
攻め、受けのキャラデザからストーリーまで、大人の恋って感じ。雰囲気自体がエロかったです。

2

雪也の可憐、朱巳の色気

じゃのめ先生の絵柄がどんどん好みのタイプになっていく…!

本作はタイトルからなんとなく寂しげで悲恋、というイメージがありました。
イケメンだけどゲイを隠してどことなく空虚な雪也。
性的にはセフレがいるけど、そのセフレは中高からの友達・朱巳。
なんでそうなった?その経緯が語られ、朱巳の方も人間関係を諦めている事情が語られます。
利害が一致してるから…という関係性なんだけど、もう初めっから「両片想い」の気配が色濃く漂ってる。
だってこの2人、全然爛れてない。
18から付き合って今気付くって…遅いヨネ。
で、雪也が表面上の関係を本当の恋愛にしようと動くんだけど…という展開。
まあ一悶着はあるけど…
ここで久々再会した高校の同級生、昔ど真面目今ヤリチンの駿河サンが、いい仕事してくれてます。ていうか単にお節介なんだけどね。
ここがコミカルな空気なのである意味いい抜け感を感じました。シリアスになりすぎずに雪也の恋心が露わになって、朱巳も…
朱巳が身軽になるには1年の時間がかかるんだけど、ともかく2人がまた会えて今度こそなんのしがらみもなく、っていうハッピーエンディング。読後感良し。
「お伽噺は泡と消え」っていうのは希望が泡になって消えてしまうという悲しい気配ではなく。
現実にはならないと諦めていた好きな人との未来、それはお伽噺じゃなかったんだ、本当になったんだ!っていう喜び。

6

修正一切なし!

もちろん作者買いでしたが、もちろん安定の神でしたっ!!

内容についてはみなさまが書いてくださってることで激しく同意でございます。

紙派の私、突然気がついたのですが、じゃのめ先生って、いつも修正ってどうなってましたでしょうか??

今回も可愛らしくカッコいいふたりの、素敵なシーンがたっぷりなのですが「あれれ?通常ならば現実にひき戻される白かったり線だったりの修正が一個もないぞ!!?」じゃのめ先生っていつもそうでしたっけ???

先生の既刊はほとんど持っておりますが、そんな目で見てなった…そして今はすぐに確認出来ない…

もしかしたらじゃのめ先生もお好きじゃないのかもしれませんね、修正。(って、勝手に想像して申し訳ありませんm(_ _)m)
描いたものを修正で消されて、世界観が崩れるって作者さんの意図したことではない筈です。そのものズバリを描かずともこんなにエロい!!素晴らしい発見でした。

ありがとうございました。

15

お伽噺は泡と消え

めちゃめちゃ良かったです
黄昏シリーズとは打って変わって
妖艶なアダルトな雰囲気

共依存の2人
両片思いなのに、しがらみがあって
なかなかのこじれっぷり

そんな中に出てくる
高校時代の同級生くんが良いキャラで和みました

攻めがヤクザでなかなか拗らせてるけど
受けもちょっとめんどくさい
そんな2人のズルズル続けてた関係が
変えるお話

タイトルになるほど納得でした
このお話は2人にとってお伽噺のようなものですかね

それぞれの生き方があって
何が正解か分からないけど
選ぶことができたことは良かった
これからの2人が幸せでいてくれるといいなぁと思えるお話でした

7

お洒落なタイトル・表紙から想像できなかった純愛

タイトルと表紙に惹かれて購入しました。
じゃのめさんの作品は初めて読んだのですが、絵が個性的で雰囲気がありますね。
動きも感じられ、そしてなんだか洒落ている。

キャラも初見はチャラそうで、設定もセフレからとの事で軽い感じの2人の物語かと思ってたのですが、予想以上に純愛でした。

2人の置かれている環境もキラキラしている世界では無く、雪也はゲイであることを周囲に言えず朱巳と関係を続けている事も後ろめたく感じている。
一方朱巳は家庭環境から、恋人や、まして家庭を持つことなど諦めているという陰りのある世界にいる。
いつも狭い部屋で篭りきりという所にも2人のバックグラウンドが表されています。

お互いに大切に想いあっているゆえにすれ違ってしまう2人の間に高校時代の同級生、駿河が現れた事で変化が訪れ…という展開でした。

執着を見せる割には恋人にはなれない、という朱巳にはもどかしさを感じますが、実家の家業を継ぐのであれば大切で幸せになって欲しい雪也を引き込むわけにはいかないと思ってしまう優しさなんですよね。
子供ならいざ知らず、大人だから家から出ればいいのでは?と思ったりもしますが、そう簡単にいかないのが裏社会の怖い部分なのかもしれない。

けじめをつけて迎えに行けるまで連絡をしない、という朱巳のスタンスは男らしいけど、雪也は可哀想だよー。
だけど1年ぶりの再会はドラマチックで、私もドキドキさせていただいたので良しとする(〃ω〃)

駿河のキャラ好きでした。
ゲイがみんなあんな風に自由に楽しく人生を謳歌できればいいんだけどな。
でも漫画は苦悩する主人公たちが見たいんだよな。

作者さんの他の作品を読みたいなって思いました。

8

期待し過ぎた…

作家買いです。
黄昏…シリーズが大好きなので。

表紙もタイトルも美しくて書影が発表されてから発売心待ちににしてました!
…が、正直ハードル上げ過ぎちゃったかも

綺麗に纏まっているとは思うけれどなんだろう…先生の既刊みたいに読んでうわわわぁイイ!!!とはならなかったんだよな
好きだったのは駿河くんくらいかなー

9

作品タイトルのセンスの良さ。

読み終わった今、本当に幸せな気分です。

ノスタルジーを感じるのは、朱巳と丘の過去と現在を行き来するストーリーだからだろうか。
学生の頃の図書室なんて、何かを想像したり、思い出したりしない方が無理だ……!

ストーリーの甘さと切なさの配分が私には程良く、読んでいる間中心地よかったです。(7:3くらい。アダルトラブとの事で、せつなめの話と覚悟して読んだからかな?私にはとても甘い話に感じられました( ´ ▽ ` )♡)

ハデな濡れ場はないんだけれども、一つ一つの色気がすごいのはどうしてだろう。これはまさしく、アダルト!!


自分が言った何気ない言葉が、行動が、誰かの救いになっていたり、拠り所になっていたりする。
朱巳はあの時、どれだけ救われたのだろうと思うと涙が出る。

きっと、この先、何度も読み返すと思います。
面白かった!オススメです。

11

楽しみにしていました!

じゃのめさんの新刊発売日が楽しみで仕方がありませんでした〜!
好きな作家さんならではですね、迷いなくぽちっと購入

…はぁー眼福。
話のテンポもよく絵も丁寧でおしゃれ、1ページ1ページ、大切にめくりながら読みましたがあっという間に読み終えてしまいました

前回の作品がお好きな方は間違いなくハマると思います!おすすめです♪

5

控えめに言って最高。

じゃのめさん、実は初読みでして。
ちるちるさんの作家インタビューでお見掛けして、めっちゃ面白そうやん!と思って購入してみました。

ヤバい。
めっちゃ良かった…。
なんて言うんだろうな。絵柄がちょっと独特って言うんですかね。
少年漫画のような、あるいは青年誌のような?キラッキラの恋愛ものを読ませる可愛い絵柄じゃないんですよ。

が、その絵柄が、味がある。
ストーリーに合ってるっていうか。じゃのめさんの紡ぐ世界観にKOされました。

ネタバレ含んでいます。ご注意ください。





主人公はラーメン店店長の丘くん。
彼には朱巳という名の高校時代からの友人がいる。朱巳は、丘くんがゲイだと知っている数少ない友人でもあり、親友でもあり、そしてセフレでもある。

自分と朱巳の関係は…?と悩む丘くんだけれど、二人の関係は曖昧なまま。
そんな丘くんが、高校時代の初恋相手の駿河くんと再会したことで歯車が回り始め―。

というお話。

凄く狭い世界のお話です。

丘くんと朱巳は恋人同士ではない。
だから二人でどこかに出かけることはない。
朱巳のマンションで会い、くだらない話をして、そしてセックスして。
ただ、それだけ。

けれど臨場感があるんですよね。
これが、じゃのめさんの描く世界なのかと圧倒されました。

二人ともに相手に恋愛感情があることを自覚している。
していて、なお踏み越えられない。
二人ともに、「そこ」に踏み入ることを躊躇っているから。

生ぬるく、そこはかとなく心地よく、このままでいいじゃん。
という曖昧な関係は、確かに居心地がいい。

痛みもなく、ただ漫然と過ぎていく日々。

そこに駿河くんというピースが嵌まったことで、彼らの関係もまた動き始めていく。

途中、朱巳視点に切り替わりますが、ベースとしては丘くん視点。
丘くん視点のお話ではありますが、この作品は丘くんの心情を描いた作品ではない。

朱巳が、「自分」を見つけ、つかみ取っていく。
そんなお話なのかなー、と読んでいて思いました。

今作品は、タイトルにもついているように、お伽噺、もっと言うと人魚姫がベースに混ぜられています。自分が欲しいものが、泡となって消えてしまうことがないように。

今まで生ぬるくくっついていたものを剥がすときには痛みを伴う。
けれど、その痛みも、出血も、相手を掴むために必要な痛みなのだと。
そんな二人の深い想いにめっちゃ萌え滾りました。

ゲイという性癖に対する葛藤。
実家がヤクザという孤独。
二人の抱えるバックボーンをきちんと回収しつつ進むストーリー展開も非常に秀逸でした。

あ、あとこれだけは言いたい。
朱巳の男の色香がヤバい…!
スーツ姿も、タバコを吸う仕草も、ラーメンを食べる時さえカッコいいって、これどういうこと?

じゃのめさん初読みでしたが、違う作品も読んでみたいと思います。

8

続けるために変わること

いつもよりアダルトな雰囲気の作品ですが、映画のようなストーリーと流れるような動きのある見せ方は顕在。
両片想いをこじらせたお話で、ツボど真ん中でした!

人の悲しみに寄り添える優しいラーメン屋・丘と、ヤクザの息子でクールなちょい悪・朱巳。
高校時代から長きに渡りセフレ関係を続けてきた2人が、それまでの関係から抜け出し、恋人に変わっていく姿を丁寧な心理描写で描いています。

とにかく、朱巳がカッコいい!
クールを装っているのに、丘にだけ見せた弱さに胸キュンさせられました。
ちょっと変わっているだけだと思っていた家族が、実は普通じゃなかった……
そう、まんまヤクザだったと思い知った時の朱巳の絶望、大切な人を失った悲しみには胸がギュッとなりました。

そんな朱巳を知らず知らずのうちに癒すのが丘なんですねー
丘の損得勘定なしの優しさが温かいんです。

そして、このままでの関係ではダメだと悩む丘の前に現れたのが、元同級生の駿河。
この駿河の劇的ビフォーアフターは可笑しかったです。チャラw
ベタな当て馬の登場で、独占欲を見せる朱巳の「噛み跡」に萌えました♡

なのに、丘とは絶対に付き合えないという朱巳。
振られてしまった丘が切なくて切なくて──。

ヤクザという〝家〟から出られない朱巳は、丘を幸せにはできないと思っているんですよね。
そして、そんな朱巳の固定観念を覆すのも丘でーー…

「変わりたい」と思う気持ちは、人との繋がりを通じて感じるものだと思います。
朱巳にとって、それは丘だったんですね。
丘との関係を続けるために、変えるべきものは変える…と、いう決断をした朱巳の潔さがまたカッコよかったです。

泡の様に消えた朱巳を信じ、1年も1人で待つ丘がいじらしい。
初めて自分で選んだ人生を歩き出す朱巳と、やっと動き出した2人の恋に胸アツでした。

Hは多いと思います。
おねだり上手な丘もですが、2人の肉感がエロかった。
後ろから見た2人のお尻が可愛くてニヤけました。

描き下ろしも深みがあり、ヤクザ怖い……と、思ってしまった;
家族という関係を盾にヤクザ稼業を継がせるような家族なら、私も要らないと思う。

最後まで飽きさせず、キュンとさせられたり切なくさせられたりしながら一気読みしてしまいました。
回想シーンが多いのも良く、さり気なく初恋を実らせちゃってるところも素敵でした。

9

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