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表題作フェロモン探偵 花嫁になる

如月雪也(白松龍一),映の探偵助手で実業家
夏川映,探偵事務所所長

あらすじ

画家として復帰するため個展の準備を進めていた映に、探偵の依頼が舞い込んだ。かつて婚約者を押し付けた親友からの頼みで断れず、映は北天村の神社で結婚式をあげた花嫁が連続で殺傷されているという事件を調べることに。村では「オタキ様の祟り」だというが、その真偽を確かめるため、映は白無垢を着て雪也と結婚式をあげることになり……!? フェロモン過剰な美形探偵シリーズ、感動の完結編!

作品情報

作品名
フェロモン探偵 花嫁になる
著者
丸木文華 
イラスト
相葉キョウコ 
媒体
小説
出版社
講談社
レーベル
X文庫ホワイトハート
シリーズ
記憶喪失男拾いました~フェロモン探偵受難の日々~
発売日
電子発売日
ISBN
9784065231128
3.6

(9)

(2)

萌々

(4)

(2)

中立

(0)

趣味じゃない

(1)

レビュー数
3
得点
32
評価数
9
平均
3.6 / 5
神率
22.2%

レビュー投稿数3

愛すべき貴重な作品

電子のセールをきっかけに、ボチボチ読み始めた『フェロモン探偵シリーズ』
ひとまずこの11巻にて終わりとの事で…非常に寂しい。
以前、シリーズの6冊目の『フェロモン探偵監禁される』のレビューにて、続きさえ気にならなければどこで読むのを辞めても良い作りの作品と書いたのですが、逆に、延々と読み続けられる、良い意味で力の抜けた作品だとも思うのです。
私、シリーズものは大抵の場合、設定やストーリーに忘れや取りこぼしがあっては嫌だと新刊が出る前に読み返したりメモしたり、ついつい気負ってしまうのですが、フェロモン探偵シリーズは、時間を置いてから続きを読んでも、そういえばこんなキャラクターいたなとか、そんな話だったわ、と気楽に楽しめました。
そういう意味でも、愛すべき貴重な作品だと思う。
時間を忘れて没頭してしまう作品も大好きだけど、何かの合間に、息抜きに、と読める作品も大切だと思う。

6冊目以降のシリーズを通した感想。
6冊目はシリーズにおいて、一区切りついたと思わす重要な巻だった。以降、個人的に多少の中弛みというか…若干の惰性と言いますか…ただただ映(あきら)と雪也愛しさに、ふたりを愛で続けたいが為に読み続け、
そして9冊目『フェロモン探偵アイドルを追え!』が抜群に面白かった。
映の異常なフェロモン体質という設定が生き生きと輝き、それに伴い、雪也の異常な執着や愛情も爆発し、可愛いのなんの。
探偵もの、推理ものとしての面白さもありました。(前後の巻に比べ9巻の神率が高いのも納得。)
10冊目『フェロモン探偵守りたい人』もシリーズにおいて雪也の過去に触れる大事な巻だと思う。
そして、11冊目『フェロモン探偵花嫁になる』
丸木文華先生といえば!の、因習にとらわれた山間の村を舞台とした事件にワクワクが止まりませんでした。
楽しかったです。

このシリーズの推しポイントは、個人的に、主役ふたりが変人なところ!
丸木先生があとがきに「主役二人は変人」と書かれていたのですが、その言葉通りに本当に変なんです。ふたりともが。笑
それがもう最高に良いんです!とにかく笑えます。
(脇を固める面々も基本的に変な人ばかりだったように思う。)
あとは、雪也が映にみせる執着も推しポイント!
雪也は俗に言うスパダリなのですが、それを記憶の彼方に消し去るほどの、変人執着ぶりなのです。
その様をぜひ見ていただきたい。

ゆるーい謎解きも、重ーい愛も、濃ゆーいエロもシリーズを通して変わらずにあり続け、その安定感がとても好みでした。
作品トーンは明るく笑えるのに、主役ふたりが抱える暗い過去が良い具合にストーリーを引きしめていて、、
やはり、さすがの丸木先生!
面白かった!おすすめです♪


①記憶喪失男拾いました
②学園潜入してみました
③浮気男初めて嫉妬を覚えました
④恋人の秘密探ってみました
⑤ヤクザに惚れられました
⑥フェロモン探偵監禁される
⑦フェロモン探偵母になる
⑧フェロモン探偵蜜月のロシア
⑨フェロモン探偵アイドルを追え!
⑩フェロモン探偵守りたい人
11)フェロモン探偵花嫁になる

2

花嫁を襲う悲劇の真相

本シリーズは実業家兼探偵助と探偵事務所所長のお話です。

受様が負い目を持つ友人から依頼された
友人の故郷で起こる不審な事件を解決するまで。

受様は日本画の大家と琴の名手である両親の
3人の子供のうち、最も2人の才能を継いた次男でしたが、
自分の性指向に悩んだ末に家を出て探偵事務所を開きます。

攻様はヤクザの稼業を嫌って起業、
悠々自適な生活を送っていましたが、
友人の頼みで近づいた受様に惚込んで
受様の助手となり、番犬と化します。

受様は攻様と関わりを深める中で
徐々に過去を払拭し、家族との関係も改善、
再び日本画家としての活動を始める決意をします。

攻様も受様の恋人の地位を確立した事で
ここ最近は受様への異常なほどの
嫉妬心と執着心も落ち着きを見せていました。

受様は個展の開催を目指して新しい絵を描いていますが
受様の活動再開により、昔の知人友人から
よく連絡が来るようになります。

そんな中で受様は大学時代、
親友と言えるほどの中だった1人の友人から連絡を受け
会う事になります。
その友人は受様の許婚者だった女性の元恋人です。

受様は許婚者を託す相手として
さりげなさを装って2人のキューピットとなった過去が
負い目となっていました。

しかし、
再会した友人は受様に元婚約者と別れた事を謝り
受様への友情が変わりない事を示してくれ
今度結婚することになったと打ち明けてくれます。

おめでたい事だと喜ぶ受様でしたが
友人からある悩みを打ち明けられます。

友人の故郷のしきたりで
村出身者は村で結婚式を挙げているのですが
ここ数年、村で指揮を挙げたカップルの花嫁が
相次いで事故に見舞われているというのです。

最初はただの偶然と思われていましたが
3年ほどで結婚した8組のカップルのうち
5組が何らかの事故にあい、2人は亡くなっていました。

結婚を急いでいる訳ではないけれど
こんな状況で村で式を挙げるという事も
他で式を挙げるとも言い出せずにいたそうですが

受様が探偵をしている事を知って相談してみたらしく
友人としては軽い気持ちだったようですが
受様はかつての負い目もあり、
その依頼を引き受ける事にします。

そして攻様と共に友人の故郷だという
福島の奥地の村へと向かうのですが

予想以上に閉塞感のある村で
余所者である受様達は村人と話をすることすら
ままなりません。

果たして花嫁たちを襲った不運の謎は解けるのか!?

シリーズ11作目となる本作は
受様が友人の故郷で花嫁に起きている事故について
相談された事から始まる物語になります♪

しかし、今回一番驚いたのは
本作がシリーズ完結巻という事です!!

シリーズ当初に戻っての探偵業で
受様の推理も冴えわたっていましたし、

犠牲になった花嫁よろしく
受様が白無垢をきて攻様と挙式するのも
その後の攻様との情事とかも
2人らしくてすごく萌得させて頂きましたし、

シリーズとしては
攻様との出会いによって変わってきた受様は
過去に向き合う事で自分の性嗜好を認め
再び日本画と向き合う事を決め

受様のトラウマが払拭されて
ある意味凸凹コンビな攻様という伴侶を得て
受様の未来はシリーズ当初よりも
ずっと明るくなったと思いますが

攻様の実家絡みのあの方とか、
受様と同じくフェロモン過多のあの方とか、
まだまだ含みを持った方々とのお話がありそうなのに

まさか2人の"結婚"でシリーズが終わってしまうなんて
想像の範囲外でした ๐·°(৹˃ᗝ˂৹)°·๐

でもこの2人が平々凡々な日々を送るとは思えませんので
またいつか新たな事件に巻き込まれた2人を
覗き見できる日が来ることを願っています!!

1

まさかの

作家買い。
丸木先生の人気シリーズである『フェロモン探偵』シリーズの11巻目にして、なんとまさかの完結編。丸木先生の書かれたあとがきを読んで愕然…(あらすじにも「感動の完結編!」て書かれてましたね)。めっちゃ好きなシリーズだったのでこれで終わりかあ…、と寂しい気も抱きつつ。

今シリーズでは映さんが監禁されたり、母になったり、ロシアまで行ったり、さまざまな地で、ありとあらゆるトラブルに見舞われてきましたが、今巻はずばり「花嫁」。いやいや、なぜに花嫁…?と思いつつ手に取りましたが、いやはや、そういう展開かー、と。無理なく映を花嫁にできる、丸木先生の手腕に脱帽です。

ということでレビューを。ネタバレ含んでいます。ご注意ください。





画家として再度筆を持ち、個展を開くことを決意した映。そのためにアトリエで絵を描くことに没頭しているが、今まで音信不通だった映が再び絵を描き始めた、ということで彼のもとには旧知の知人が訪ねてくることが多くなった。そして、その中に、映の大学時代の親友もいて。

彼は間宮。
幼馴染で、かつ幼いころからの許婚だった瞳を、自分の都合で押し付けた相手だった。その時の贖罪の気持ちもあり間宮と再会を果たす映だったが、そこで間宮に彼の田舎のとある出来事を相談される。村で式を挙げた新婚夫婦のうち、花嫁が事故に巻き込まれることが頻発しているのだという。

婚約者がいて結婚を控えている間宮は、彼女を守るためにもそれが偶然なのか否かを調べてほしいと依頼してきて―。

というお話。

間宮の実家は山間にある小さな村。
いかにも閉鎖的な空気を醸し出すその村に、映は間宮、そして当たり前のようについてくる雪也を伴って赴くが。

フェロモン探偵シリーズは、基本的にはコミカルなんです。丸木先生と言えば結構ドロドロなエロエロな(エロエロは今シリーズも同じだけど)、結構暗いイメージを放つ作品も多くありますが、その中で今シリーズは異色な作品。

が、今巻はそのシリーズの中ではちょっと毛色が違うっていうのかな。
人が亡くなるとか、小さな閉鎖的な村で秘密裏に行われている儀式とか、丸木ワールド満載なダークな展開です。ダーク一色では決してなく、そこに安定の雪也の執着心とか、二人のコミカルなやり取りも描かれていて面白いのにちょい怖い。みたいな感じ。

今巻は女性がひどい目に遭うシーンが描かれていて、それががっつりと書かれているわけではないのに心にジワジワ染み入ってくるっていうのかな。人の哀しみとか、ダークな部分が描かれていてちょっと切ない気持ちになりました。

肝心の「花嫁」の部分ですが。
なるほど丸木先生が描くと花嫁はこういう風に描かれるんだな、といった感じ。白無垢を着た映と、その映を抱きつぶす雪也の濡れ場はたいそうエロティックで、しかもその時の場所がアレなこともあって、背徳感とか、エロさとか、そういうものが満載です。が、セックスシーンだけじゃないんですよ。

花嫁になる、その意味は。
二人の繋がりは、まさにこうであって欲しいという繋がり方で、最後の2人のシーンにしんみりしてしまった。カタチ、ではなく、想いが大切なんだなーって。

これでこの二人に会えなくなるとか残念過ぎる。
日永さんとの関係とか、龍二との絡みとか、いやいやまだたくさん読みたかった!
またいつか、どこかでこの二人に会えることを願って。

2

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