電子限定おまけ付き
大学生の力良は人が空を飛ぶという夢を叶えるため研究に没頭するも、なかなか成果があがらず周りから理解もされなかった。そんな時超優秀な編入生里見と急に距離が近づく事態になり…。
美しくどこか冷めた瞳の里見が抱えている秘密、それを知った時に力良はそれでも一緒にいたいと思って。「普通」ってなんなのか因われずに、お互いの存在が支えであり希望になる2人の関係がとても素敵。
里見には訳ありで上半身に大きなタトゥーが入っているのだけど、これがまたすごく美しくて切ない。同じ未来を見つめて歩む2人の姿が、実に尊くて愛おしい。
攻めはめっちゃくちゃ苦労人ではすまされない予想以上の闇を抱えているお方だということはわかったんだけど、「背中に浮かぶ闇と希望と再生の物語。」を作りたいという趣旨で生み出されたキャラの範疇を超えてこないというんでしょうか。
里見の苦悩が突き刺さる!!とかじゃなかったんですよね……。
なんでだろ…。
あんな育ちからどうやってここまで這い上がってきたのかが、一切描かれてないからかもしれない。
「全寮制に入れるつもり」と親戚らしき人が電話で言ってたけど、全寮制=私立なので月に10万くらいは最低でもかかるわけで、それをあの親戚が出してくれたのか?すごいな……とか。
「編入」で研究室にやってきたとあるけど、どこからなぜ編入してきたのかもわからないし。
で、大学は奨学金で行ってるのかなぁ?
バイトに励む苦学生って感じでもなく、研究に没頭できてるようだし……
そして、一人暮らししてるみたいだし。
そのお金はいったいどこから?!
「普通」になりたいという気持ちが原動力だったとしても、「高卒で働く」のではなく「国立ではなく私大の工学部で研究に没頭する」というのは、彼の生い立ちからすると「普通」どころか、哀しいかな「贅沢な高望み」だと思うんですね。
その「普通」を手にするまでどれだけ苦労したのかというのがまったくわからない。
そこは想像力でしょ!なのかもしれないけど、やっぱりお金をどう工面してるんだろ?って思ってしまって。
受けもチョロすぎて光属性の圧倒感がないというか……。
タトゥーは綺麗だなぁと思いました。
もしあれが和彫だったら、またお話が変わっていましたね。
文句ばかりですみません……
総じてかわいらしいお話でした。
里見くんの雰囲気が剣呑で、主人公の力良がおぼこい感じなのでその対比もあり、小鳥ロボットの飛行の研究という珍しい題材もあって、どんなお話なのか序盤からわくわくしました。
読んでいくうちに、クールだしなんでも出来て優秀だし、それでいてちょっと怖いような感じがする里見の陰の部分が、どんどん明らかになっていきます。ヘビーな過去や人一倍努力していること、闇の中でもがいて苦しんでいること。そんな彼が、力良を好きになって居場所を見つけられて、本当によかったと思えました。
vol.2.5で雨上がりの空を背景に「晴れた」と笑った力良の笑顔が眩しくて、このお話の象徴でもあるなと思いました。
ラストシーンの里見の笑顔は青空の似合う、まるで力良の笑顔のようで、これからも二人で支え合いながら生きていくのだろうと思えて、大変すがすがしかったです。
一つだけ物足りなかったのは、里見が力良を好きになったエピソードです。もっと何かあるとよかったです。
重い過去を抱えた攻めが、純粋で心のきれいな受けに救われるっていう好きな展開、設定のはずだったんですけどなんでかそこまではまれなかった、、、
少し駆け足感があったからかなと思います
受けはノンケ?だと思うけどなんでか最初から攻めに触られて抵抗せずに受け入れていたし、
攻めは過去がだいたい想像は出来るけどあくまでさらっとしているしで、
キャラに共感しながら読み進めるのが難しい部分がありました
絵はすごくきれいです、特に表紙。今度の新刊もですが毎回顔面が良すぎるし、吸い込まれる
目も印象に残りました。
受けはエッチなどの時と普段でだいぶ違い、堕ちてる、!!!って感じの目でした
目にハイライトがなくなる感じ??
完全に好みだけど、攻めがそういう目でも受けは目の光が消えない方が好きなので少し残念でした
「…雨 そうか…上がるんだよな…」と小さな声でひとりごちた里見のセリフがとても印象的です。
そしていつ雨が止んだかも気付かずに眠れた事実。
2章の終わりで力良と朝を迎えた里見が力良の本当の意味での自分にとっての存在意義を確信したシーンではないでしょうか。
そしてこのお話の最後のページの最後のカットのセリフ。
同じように力良と朝を迎えた里見ですがあのひとりごちた朝とは違います。
とても晴れやかに、自らの手でカーテンを開け力良に向かって言います。
「見て 晴れてる」
完璧すぎる最後に、里見の笑顔に、そして恐らく柔らかく、眩しそうに里美を見返す力良を想像し…涙が溢れます、止まりません。
そして表紙をもう一度見て思います。
雨上がりのように水分を含んだからこそ光るこの輝いた青空の中の2人。
雨は上がったね!良かったね…と。
本当に素敵なお話しです。
元々先生の作品が大っ好きでしたが今迄の2作とはまた違った傾向の本作。
この作品に触れた事で先生の表現される「BLの世界」が本当に大好きだ!と改めて実感し、ずっと応援していくぞ!と誓った1冊です。
少し胸が苦しくなる切ない背景もありますがそこに屈さないで足掻きそして救われる2人を通して琴線に触れて来るお話しです。
夜明けのお姐さま方にはおススメしたい大好きな1冊です♡