イラスト入り
ムシシリーズの新刊!
今作は過去作のシモン×葵編に出てきた弟テオドールとフリッツのお話。まずあんなに可愛くて不憫だったテオが大きく成長してて感動でした…!
養父母やその息子達、実兄とその伴侶みんなに愛されていて、その自覚がありながらも、生い立ちの所為でどこにも本当の居場所を見出せず誰の唯一にもなれないと寂しく思う20歳のテオドール。彼が好きなのは幼い頃実家から亡命した時に愛を与えてくれた19歳上のフリッツ。養父母やフリッツを困らせたくないと気持ちを伝えるつもりはなかったが…
養父母家族がみんな良い人でテオを可愛がっていて読んでいて楽しかったです…!
テオは実母の事もあって愛する事や愛を求める事に後ろ向きなのですが、フリッツに伝えると決めたら猪突猛進勢いよくいっててめちゃくちゃ良かったです。笑
逆にフリッツは最初はテオを思ってその告白を断るのですが、いざテオを受け入れると目は逸らすしちょっと赤くなるし、40間近の大人なのに可愛い攻めってどういう事!?とニヤニヤしてしまいました。笑
テオに想いを寄せる当て馬君が登場するのですが、どこまでも紳士で優しくて彼には幸せになってほしいと願うばかりです。
歳の差が好きで、歳下が保護者に押せ押せな関係性が好きな人にめちゃくちゃオススメです!シリーズ未読でも読めるとは思いますが、テオの背景を知っているとより楽しめると思うのでぜひシリーズ通して読んでほしいなと思います。
久しぶりに読める!と楽しみにしていたムシシリーズ。
恵まれているがゆえに幸福で、少しだけ不幸という言葉がとても印象的でした。
樋口先生は、1人の人間の中に渦巻いているとびきり重たくて、とびきり一途な愛を描くのが上手い作家さんですよね。
今作も、テオという青年の心の動きをじっくりと追いかけられる1冊でした。
結論から言いますと、萌えた萌えないで言えば…残念ながらあまりツボには刺さらないまま読み終えて今に至ります。
正しくは「萌える寸前で終わってしまった」かな。
というのも、自身の未来のビジョンが見えずにひたすらにぐるぐると不安定な状態で思い悩むテオの心情は痛いほどに伝わってくるんですね。
じっくりコトコトではないですけれど、思い返せばかなりのページ数で思い悩んでいるのではないでしょうか。
彼の生い立ちを考えれば、ただひとつの愛を求めてやまないのも理解ができるもの。
樋口先生の心理描写が上手いがゆえに、ぐるぐると苦しい時間が続きます。
だからこそ、後半にはきっともっとドカンと萌えられる何かが待っているはずなんだと、私はフリッツに大きな期待をしすぎてしまっていたのです。
フリッツの言動もテオのことを心から愛しているからこそなのだけれど、うーん…これは攻め視点もほしかったなあ。
19歳もの年齢差があるハイクラスの大人が、真っ直ぐに愛をぶつけてくる小さなテオに臆病になる姿はいいなあと思いつつ、途中までの溺愛っぷりからの焦れの長さと甘みの少なさに萌えきれずでした。
テオの心理描写と彼を愛する周囲の人々は好みだったのですけれど。
これから先が気になる2人かなと思います。
ムシシリーズの新作楽しみにしていました。
今回は、[愛の在り処をさがせ!][愛の在り処に誓え!]のスピンオフ。
今までいくつか出てるSSでテオがフリッツに片想いしているのは知ってた。さてこの2人のお話はどんななんだろうと読み始めたら、ムシ要素少なめ普遍的なお話に感じました。
・年の差
・年の離れた兄弟のように育った仲
・歳が離れているがゆえ?の執着と過保護さ
・好きな人と付き合えないならどうするべきか
ずっと1人を思い続けて何度もアタックするのか別の人を探すのか、好きだけど報われないままずっと1人で過ごすのか。
自分ならどうするかな?って感情移入しながら読みました。
側から見れば両思いに思える2人なのにテオが告白すると頑なに拒むフリッツ
なんでなんだ?なんか訳ありっぽい匂わせがあるんだけど、その伏線通りの理由で拒んでたフリッツ。わたしゃ納得いかんかったよ。未来に悲しませるかもしれないからって今悲しませるの?どんな理屈やねん!
テオに失恋したのに、『断られても何度もアタックしたらいい』と助言してくれた友達のアントニー。めっちゃいいやつだよ。フリッツやシモン、葵のような華やかさはないにしてもきっと美形で素敵な男なんだろうよ。きっとオーストラリアでいい恋人出来るはず。
テオが可愛いあまり、自分たちの身内にしたくて堪らないフリッツの両親のノリが凄かった。フリッツなんかにはテオは勿体無いって息子よりもテオって感じだし、なんなら孫達はどう?なんて誰でもいいからとにかくテオを招き入れたい感がすごい。2人の障害にならずに今後もテオサイドの味方になってくれる事間違いない。
そして、フリッツがあんなに不甲斐ないとは思いもしなかったです。愛の在り処〜では私の推しキャラだったのにー。テオに尻に敷かれる未来しか見えない。
このシリーズ、大体はエロエロなのですが今作は純愛な2人でした。この先エロエロになるんだろなー。
コミコミスタジオ特典小冊子にフリッツ視点のSSがありますので、興味のある方はぜひ読んでみて欲しいです。面白かったです。
それにしても、樋口美沙緒先生は一貫してテーマが[愛]なのだな。樋口先生がシナリオで参加されているこの春リリースされた旅と街おこしのアプリゲーム(なんて紹介w)でも[愛]について考えさせられるストーリーがあるの。
メインストーリーが面白いのでよければやってみて欲しい。
ムシシリーズは全く未読です!って方でも、わかるようにはなっています。
ですが。出来れば…
「愛の在り処をさがせ!」
「愛の在り処に誓え!」 を読んで欲しい。
更に望むなら、一作目の「愛の巣へ落ちろ!」
も読んで欲しい。
そして、シリーズの他作品は読んでなくても全く影響ないです。
まず、「愛の巣へ落ちろ!」でムシシリーズの世界観を網羅出来ます。
ハイクラス・ロウクラスだけでなく、攻・タランチュラ×受・性モザイクなので、ハイクラスの中でのタランチュラの位置や性モザイクについても理解できます。(テオは性モザイクじゃないけど、研究テーマにしています)
今作でも、攻めの七雲澄也くんの名前だけ論文か何かでチラッと出ます。
こちらは、ドラマCD、コミックスもあるので是非。
続いて、「在り処〜」2作。
2作読まずにはいられない続き物。読んで。
「愛の嘘を暴け!」は「在り処〜」のスピンオフなので、これを読んでいるかどうかは結構大きい気がします。
何故なら「在り処〜」はムシシリーズの中でも、少し毛色が違う。
舞台となるケルドア公国が独特なんです。
ケルドア公国は「愛の嘘〜」のテオの母国。
テオの兄・シモンとその子を産むために嫁いだ(嫁がされた)性モザイクの葵の話なのですが、一作目はかなり壮絶。
二作目は、シモンどうした?ってツッコミまくり。面白いです。
特殊な環境下で幼少期を過ごしていたこと、テオの母親や使用人達からされた扱い、今作の攻・フリッツの存在がどういったものだったのかが、わかります。
テオの愛されたい、望まれたい、自分の帰る場所が欲しい、といった欲求がどこからくるのか、を知って欲しい。
だから、「在り処〜」2作品は読んで欲しい。
ちなみに、「在り処〜」はドラマCDありません。ドラマCD向きではない話だけど、私はめっちゃくちゃ好きです。
それを踏まえて。
「愛の嘘を暴け!」良かった。エロが少な過ぎて、ムシシリーズか?と思ったけど。フリッツ、ヘタレおじさんだな、と思ったけど。
良かった。良かったよ。親戚の子の成長を見守った気分だわ。
感想少ない(笑)
個人的にはアントニーを選んだ方が幸せになれるんじゃ…と思ったが、ただ1人しか愛せないんだからしょうがないわね。
葵が元気そうで何より。産ませ過ぎだろ、と在り処に誓え!で思っていたので。
愛の在り処~のスピンオフ、フリッツとテオのお話。とても良かったです。
テオの幸せは自分のことを1番に愛してくれる人と家族になりずっと一緒に暮らすこと。でもその相手は何度考えてもフリッツでなければならなくて。
みんながテオの幸せを願っているけれどそれを叶えられるのはフリッツだけなのだと何回も作中繰り返されるのがフリッツこんなに想われて幸せ者だななんて思いました。テオがフリッツに想いを告げたところ勘違いだと言われてしまい色々と理由はあったのですがテオが最後には押していくのがいいですね。
テオからの真っ直ぐな愛の言葉に照れちゃうフリッツも可愛い。シモンに筋を通すために関係を話す時に真っ青になってぐったりしてたり。フリッツ、しっかり!なシーンが多々見られて面白かったです。
にしても帯にムシシリーズ、第10弾とあって驚きました。これからも新作が読みたいシリーズです。