ボタンを押すと即立ち読みできます!
今作も泣かされました。
樋口先生のムシシリーズ、感情がもってかれるのですごく疲れます。
が、読んじゃう。
絶対的な女王に縛られる綾人、クロオオアリの助けがないと生きられない里久。
綾人と里久ががんじがらめのしがらみから抜け出して、それぞれが少し大人になってしっかりと自らの足で立って勝ち取ったふたりの暮らし。
最後は文句なしのハピエンなんだけど、
それまでの道のりはまぁ辛かったですね…
どうしていつも、いたいけな受けが拉致られるんだ…涙
カフェのテラスで綾人が手紙を書いてるっていうあのくだりが大好き。
ムシシリーズ第2巻、綾人と理久のお話。
ストーリーは王道ラブロマンチック。
エロ度は少なめとなっているけど、個人的には設定がどエロく感じます。
1巻の澄也と翼でも、タランチュラの毒が媚薬のように作用したり、糸が触手のように動いたりなど、ムシの特性を生かしたエロにドキドキしましたが、この綾人と理久の体液のやりとり…(意味深)
クロオオアリの綾人が出す蟻酸と、クロシジミチョウの理久が出す甘露が、お互いが気持ちよくなる快楽どころか、生命そのものにまで作用する(それがなければ生きていけない)というところが、すごくエロいと思うんです。
甘露はなければないで、クロオオアリは生きていけるのかもしれないけど、一度その味を知ってしまえば、それを得るためにすべてを捨てるくらい虜になっちゃうわけですよ。
最後ようやく2人が本当の意味で身体を繋げるシーンは、その言わば命の源、を互いに与え合う喜びが伝わってくるようで、まさにハピエン、ひとつになる幸せに溢れていました。
そんなふうに身体面でも離れ難いふたりですが、お互いの心には幼い頃からの淡き純情が。
まさに初恋を叶えるストーリーです。
理久はたったひとり、最後のクロシジミチョウ。
すぐに枯れてしまう花の命さえも愛しんで絵に残しておこうとするような、あらゆるものに愛をたくさん注ぎたい、心の優しい子です。
理久は狭い世界に閉じ込められるようにして生きていますが、そのなかでほんのわずかな繋がり(天ちゃん)や過去の思い出、写真からふくらませた温かな風景などを絵にして、その絵柄で焼き物を作るのがとても好きで、なんというかその愛の表現が、もうとても健気でたまらなくて…
なので、その理久の愛そのもののお皿を綾人が割ってしまったとき、同じように理久の心もこなごなに砕け散ってしまいました。
でも、綾人の心もやはり同じように砕けてしまっていたんですね。
子供なりに覚悟を決めて理久とともに駆け落ちしようとした綾人が、仕組まれた別離によってひとりになってしまってからずっと、綾人も壊れていました。
理久といることだけが望みだった幼い綾人が、周りにも、そして当の理久からも「王になれ」と望まれていると誤解し、感情をなくすしかなかった綾人。
理久に憎しみや悲しみをぶつけるようでいても、それでもふとしたときの優しさや好意が隠しきれず、綾人の心には、どこにも行けない愛が膿んでしまっているようでした。
つらい目に遭い記憶喪失になってしまった理久の痛みはいかばかりか。
自分を忘れた理久を前に、どれだけの後悔と自責の念が綾人を襲ったか。
心の苦しみを少しずつ癒していったのは、幼い恋心の過去をやり直すかのような文通で、この辺りからの流れが本当にかわいいかわいいかわいい。
街子マドカ先生の挿絵の理久に(手紙読んでる)心をむぎゅっと掴まれます。
理久が意を決して関西にいる綾人に会いに行くところで、ものすごーく可愛さに胸を打たれた文章がありまして。
P243
自分は綾人に好かれたら、嬉しいのだと気がつくと、理久はあまりにドキドキして、息ができなくなりそうだった。
なんて可愛いことを書くんだ樋口先生。
こういう文章がすきなんだよなぁ…
読者を虜にして離さない甘露のようです。
ふたりを引き離した有賀の女王ですが、私は彼女をあまり憎めません。
家を背負う覚悟を貫いているからかな。私情じゃなく。
血の強いものを王にしなければならない、そして絶滅に瀕したクロシジミを最後まで守り抜かなければならない。
彼女もひとり戦っているのだと思うと、綾人と里久の苦しかった紆余曲折も、けして全く不要なものではなかったと思うのです。
最後やっとやっと甘露を口にした綾人。
このシーンを楽しみにしていました。
ありがとうございました。
書き下ろし、綾人の溺愛ぶりがたまらず。
ようやく全ての愛を注げるようになったんだもんね…愛と慈しみにあふれた世界で2人が生きていることを、いまも想像しています。
ムシシリーズ最新刊を読んで完全にハマり、順番通りではないのですが一冊ずつシリーズ作品を読んでいます。
まだ2作品しか読んでいないんですが(こちらを合わせて3作品)、どの一冊も毎回毎回読みながら泣いてる。自分でもびっくり。。
こちらの「愛の蜜に酔え!」は、既読3冊の中で一番攻めが可哀想というか、救われてくれーー!!と強く思わされた作品でした。
記憶を失った里久に拒絶され震えながら背を向けて涙を流す綾人の姿が、もう、たまらなく切なかった。。( ; ; )
そして、里久(受)が強く変わっていく様子、自ら立ち上がって行動しようと変容していく様子が頼もしく力強く、ぐーっと胸を打たれる感動がありました。
それぞれの生態から、共依存的な関係でないと生きていけない二人。
体の弱さもあって、一見受けの里久の方が綾人(攻)に一方的に寄りかかっているように見えるけれど、実は綾人も里久以外の人ではきっとだめで、心は救われない。
一度は引き裂かれ、粉々に砕けてしまった恋の破片をもう一度繋ぎ合わせた二人の絆に、胸が震えて仕方ありませんでした。
そしてシリーズ全般に言えることですが、種族ならではの特徴を使ったえちが…たまらないよーーーー…!!
蟻酸を注入しないと生きられなかったり、胸から蜜が出ちゃう描写がなんともエロス。。最高でした。
はー……なんて最高のシリーズなんだ。まだまだ未読作品があるので、一冊一冊大切に読んでいこうと思います。
週の始まりから徹夜して読んだけれど、悔いなし!!文句なし!の、神作品でした。
これからの二人に幸あれ…!!!
最後の攻め視点のお話も、執着溺愛っぷりが伝わってきてにんまり( ̄ー ̄)
はあ、、最高。。
かなりこのcp好きかもしれない…。里久もまた健気受けだけど前作よりキツイ目に遭ってる…しんどかった…。しんどかったが記憶をなくしたあと、綾人とまた距離を縮めてついに気持ちが爆発する瞬間よかったなぁ。記憶が戻るのもあのバリバリに割った食器を綾人が全部くっつけてそれを手に取った瞬間というのがいい。綾人もかわいそうだった…ひどいところももちろんあるけど。運命に翻弄された2人という感じですちょっと泣いた…。
今まで読んだBL小説の中でベスト10に入るくらい好きな作品です。
BLを読み始めたばかりの頃は、ファンタジー要素のある作品にはあまり興味がなかったので有名だとは知りつつも読んでいませんでした。
「パブリックスクール」がとても良く、同じ樋口美沙緒先生の作品だということで、“ムシシリーズ”を読んでみることにしました。その中であらすじと設定を読んで一番気になったものを読もうと思って手に取ったのがこの作品です。
結論から言うと、とてもとても良かったです。
ムシシリーズは、他の作品で言うところの身分差と、虫の生態を組み合わせた唯一無二の作品だと思います。身分差ゆえの行き違いが切ないです。そしてなによりクロオオアリとクロシジミチョウの共存関係がうまく作品の中に落とし込まれていてとても面白かったです。
気になって読み終えた後調べたりして、勉強にもなりました。
男性同士の恋愛の葛藤は全く描かれていませんが、普通の恋愛小説としてでもすごく面白い作品だと思いました。
一番この小説で好きなのは、綾人のグンタイアリの病の設定です。怒ると目も髪も金色になるという特性が話の展開のなかですごく綺麗に描かれています。
とにかく綺麗で切なくて最高の作品です。