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表題作パブリックスクール-八年後の王と小鳥-

エドワード・グラームズ,27歳,英国貴族で社長
中原礼,25歳,編集者

その他の収録作品

  • 八年目のクリスマス
  • つる薔薇の感傷
  • あとがき

あらすじ

パブリックスクールを離れて8年後──。
かつて義兄として慕っていたエドと恋人同士になった礼。けれどエドは、イギリス貴族の御曹司で、世界を相手にビジネスを展開する大会社の社長。どんなに想い合っていても、口煩い親族たちや社交界は、天涯孤独で財産もない日本人の礼を侮り、決して認めようとはしない…。
そんな中、遠距離恋愛中だった礼は、仕事で渡英し、長期出張の間、エドと一緒に暮らすことに!?

作品情報

作品名
パブリックスクール-八年後の王と小鳥-
著者
樋口美沙緒 
イラスト
yoco 
媒体
小説
出版社
徳間書店
レーベル
キャラ文庫
シリーズ
パブリックスクール-檻の中の王-
発売日
ISBN
9784199008429
4.6

(390)

(315)

萌々

(44)

(18)

中立

(4)

趣味じゃない

(9)

レビュー数
30
得点
1809
評価数
390
平均
4.6 / 5
神率
80.8%

レビュー投稿数30

2人がイギリスで再会するときの主人公の感情がもう可愛すぎてときめきました!

0

王のはかり知れない深い想いに心打たれました

エドワードの抱えてきた重責、孤独、深い愛情が今作でやっと本当の意味で理解できた気がします。

愛する人を守るためにその気持ちを隠しながら必死に努力し絶大な力を得ても、そんな自分の隣にいてもらうためには必ず痛みは伴い苦しい思いをさせてしまう。

そのことを怯えながらも正直に礼に伝えそれでもなお、その覚悟をもった上でそばにいて欲しいとすがるように願うエドの告白にとても心を揺さぶられました。

なんて傲慢で身勝手で、けれども酷く哀れで愛おしい人だろうと泣きたくなるくらい胸が締め付けられました。

礼にそういう辛い体験を実際にさせテストするのも、エド自身本当はすごく辛いことだろうし、礼を傷つけると分かったうえで実行するということは、最終的に拒まれる可能性もある恐ろしい賭けだったと思うと、この王の想いの深さは本当に計り知れないなと思いました。

散々傷つき血統という超えられない壁に散々打ちのめされた礼が、エドの苦しみや深い想いを理解し受け入れエドを選ぶと告げるシーンは、本当に感動的でしばらく涙が止まりませんでした。

礼がデミアンに会いに行き、自分が貴族に殺されかけた時、デミアンの作品が頭に浮かんだと自分なりの考察を語るシーンがすごく印象的で、デミアンの冷たい態度にも狼狽えず肝を据えて話す姿に、今までの気弱な礼とは違う強さを感じました。

腹を割って話したことで、デミアンと心を通わせることができ、本来の目的が自分の意向どうりに進んだのは、エドの後ろ盾だけではなく、紛れもなく礼の誠意が届いた結果だということが伝わってきてとても好きなシーンです。
(ポストカードのくだりも素敵でした)

これからの二人には、こちらが想像もできないような大変な日々が待ち受けているかと思いますが、ジョナス、ギル、オーランド、ロードリーという素敵な仲間に支えられながら、少しでも心穏やかに笑顔で二人の尊い時間を過ごしてほしいなと思います。                                                        

0

『パブリックスクール-檻の中の王-』→『パブリックスクール-群れを出た小鳥-』の続編です。

今回もすごく良かったです。
感想にするのが難しいのですが、醜い感情を含めて全部が全部礼のことを想っての感情で
すっごく重い愛を感じることが出来ました。


エドが礼に会いに来るまでの8年という月日。
その間のエドのことが書かれており、とてつもなく切ない気持ちになりました。
愛してるのに、今すぐ会いたいのに会えない。
エドが礼を守れるようになるまで、礼がエドのことを好きでいる確証もなにもないけど
エドには礼が必要で、そのために必死に頑張ってきた8年なんだなぁって、読んで改めて思いました。


礼がイギリスに3ヶ月出張が決まって
二人は一緒に住むことになるんですけど
ラブラブな二人がずっと見られるわけじゃなくてそこも切なかったです。

ほんとに色々なことがあってハラハラしっぱなしだったのですが
ロードリーの「エドはあなたの前だと、社長でもグラームズでもないらしい。あなたがあの人を、ただのエドワードにしてくれる。」と言う言葉がもうダメでした。
エドが泣くのは礼の前だけなんですよ。
礼の前だけではただのエドワードになって愛を乞うんですよ。
エドには礼だけだと、この作品を読んで改めて思いました。

あぁ…ほんとにすごく良かったです。

0

やっとここまで…!

前巻の群れを出た小鳥でやっと思いが通じ合ったと思ってましたが、やはり2人の間には高くそびえ立つ立場の壁があったということがこの八年後の王と小鳥で浮き彫りになりました。

日本に生まれ育った私には到底理解できない、貴族と庶民という身分差。それが21世紀の今でもイギリスには根付いているんですね…。

身分、立場、お金すべてを持つが愛だけ持たないエドが愛しかない礼に惹かれるのは当然のことだったんじゃないかと。14歳のエドからすると礼との出会いがどれだけ衝撃的だったのか、この八年後の王と小鳥を読んでやっと理解ができました。そしてそれを飛ばすことなく、丁寧に描写し続けた樋口先生の手腕に感動しかありません。ここまで2人の世界にのめり込んで応援できたのは樋口先生の誘導の賜ですね。

イギリスのパブリックスクールで思春期を過ごした礼でさえ、エドの孤独や背負った一族の重みに気付けなかったのだから、2人が完全に理解し合えるのにこれだけの年月が必要だったのも納得です。礼もエドがどんな決意で礼に会いに行ったのかちゃんと理解したからこそ、イギリスでエドと生きていく覚悟が決まったので、もうホントにエド良かったね!という気持ちです。

エドの秘書ロードリーも言っていたように、礼の前でだけはCEOでも貴族でもなく、ただのエドという男でいられるから、礼にはたくさんエドを甘やかしてほしいし、2人の幸せが永遠に続くことを祈ります。

2

結ばれてからも一波乱。

パブリックスクール3巻目にあたる今作は、出張で3ヶ月イギリスに訪れることになった礼とエドがプチ同棲し始めるおはなし。英国の壮大で美しい情景描写がロマンチックな気分にさせてくれました。

まとめると、

*英国に出張で行った礼がエドと期間限定のプチ同棲

*礼の仕事を無断で管理したり、裏で手を引くエドに礼が激怒→価値観の違い問題

*貴族の血を引いてない事へのグラームズ家の差別や英国の貴族かそうでないかの価値観について哀しむ礼

*英国でも誰もが知るエドと一緒になる事への覚悟。差別や危険な目にあうこと、純情だけでは生きていけない事を理解し歩めるか

↑こんな感じでした!

3巻目にして、1巻のときに巻戻ったように、エドの礼の自由や意思を奪うような行動・発言が目立ったように感じました。それもこれも、ここは治安の良い日本ではなく、"貴族達の偏見や嘘にまみれたイギリスだから"というエド。

でも、自分の信頼してるビジネスパートナーを悪く言うエド(礼に下心があって仲良くしてると言い張るエド)を理解できず、ふたりは価値観の違いに戸惑い、なんども同じ事でぶつかり合うような描写が多かったかなと思いました。

とはいえ、ずっと喧嘩状態とかではなく言い合っても話の終わりには、エドの方から『仲直りのキスをしよう』といってくれたり、礼が傷つくのが不安なんだというエドの怯えるような表現に、理解できないながらも涙が出てしまいそうな感情を抱きました。

勿論、長い時を越えてやっと恋人になれた2人なので所々に甘い時間もあり、まさに英国紳士といっていいようなエドの口説き文句、赤くなる礼は心から祝福したくなる気持ちになります。

もともと、礼は展覧会の打ち合わせで来てるので作家との会話が何度かあるのですがこの巻のキーマンにもなる問題児な作家、デミアンとの展開がかなり良かったかなと思います。
やっぱり、さすがは我らのコマドリちゃんですね♡


素晴らしかったです。

2

とても考えさせられる作品

すごい大作だ。
でも、途中で読むのをやめようかと思ったこともあり、少し時間をかけて読了しました。

レイには、いい加減腹を括れよと思いましたし、エドの傲慢さには嫌気がさしました。
だけど読み終わってみて、これはレイの成長記なのだと感じたのです。
八方美人で優しくて危ういレイが、エドと一生一緒にいるための覚悟をする……ある意味、開き直る。
ここにレイの成長を感じました。

でも、エドがとった手段は好きではないです。
レイを傷つけ、周りを傷つけ、挙句に全てを捨てて自分を選べと迫る。
結局、エドは何も捨てないじゃん。
なのに、レイにだけ捨てさせるのか?と思いました。
エドの愛って自分勝手でとっても重い……
だから、相手に同じくらいの愛を返してほしいと望むのは違うと思いました。
エドは弱くて強引で、いつまでもどこまでも王様で……
最初から全然ブレてないんだよな。そこが凄いよ。

これでもう大丈夫とは思えないし、レイにはもっと強くなってほしいけど、この結末には納得です。
モヤモヤしたり考えさせられたり、途中からぐっと面白くなっていって、やっぱりすごい作品だなと感じました。

1

共に生きていく覚悟を持つ

3作収録されていますが、タイトルになっている「八年後の王と小鳥」が大部分です。
本編終了から8ヶ月後。年末から3ヶ月間仕事でイギリスに来ることになったレイ。幸せな蜜月を過ごすかと思いきやそうもいかず……。

ハッピーエンドのその後ですが、問題は山積み。エドと生きていくということはどういうことなのか、イギリスで直面するレイ。弱いままでは隣にいられない。更に成長し、覚悟を決める話です。
エドの想いの強さと孤独を強く感じます。本当にエドにとって、レイは全てなのだと深く感じました。
本編2作読了後に読むべき作品。

1

王が王たる

◾︎エド(イギリス名家の息子)×礼(日英混血遺児)
一口に蜜月編もは言い切れないからこそ、この巻の意味がある!

如何程殺伐に始まったBL小説でも、巻数が進むにつれて攻めが丸くなり過ぎてしまう作品があることを知ったので、この作品はエドがあくまでもエドであり続けたところが好きでした。
礼に何よりも自分を優先するよう、怒り、懇願するエドがどこまでも王様です。
今時の普通の小説なら女性に、BLでいうなら受けに、仕事も私生活も好きにさせるのが令和流でしょう。そんな中エドがエドたる矜恃を守り抜いてくれて、大変楽しめました。
突然の発砲シーン含め往年のBL作品を感じる。

2

エドの覚悟と努力が素晴らしい。

エドの素晴らしい愛。愛する人を守れる自分になる為に自分を高める事を頑張った、誰にも頼らずに。
パーフェクトだし、もっとエドさんの幸せでドロドロな感じ頂きたかった。
礼はちょっと傲慢だよね。最後まで礼はあまり好きになれなかったわ。
減るもんじゃないんだからって誰にでも親切なのは駄目だわ。
干渉に文句言う前に、お前の危なっかしさはどうなんだ。
エドの自分への愛情に甘え過ぎにしか思えない。

こっからは礼が覚悟決めてエドさん幸せにしろよ。と思いました。

2

余韻が残り続けている…

文句なしの神評価。
二人の愛の話にひたすら圧倒されました…。
私BL小説でこんなに胸を熱くしたの初めてです。
この高みを知ってしまったら今までこういうかんじね…と読めていたBL本も茶番に見えてきてしまうのではないかと少し怖くなったくらいです。

このパブリックスクールシリーズ。
前作「檻の中の王」と「群れを出た小鳥」の私の評価はそう高くありませんでした。
最後まで読みたいと思える惹きつけは感じていたのですが、どうにも礼の性格と愛され展開が好みじゃなかったんです。
だけどここまで読んでようやく真の魅力に気付けました。
この前作がなかったらこの感動はなかったし私の好みのかんじであればこのラストはなかったな、って。
最後の巻が一番好きだなんて珍しいのですが、だからこそ前作の愛おしさが増しました。

どうにも心から応援できなかった礼に対してエドを愛してくれてありがとうと心から思いました。

本場の知識はないのですが、作者はイギリス貴族の知り合いでもいるのか?と思うくらい英国風味豊かで驚きです。
日本人がイメージして書いたような…ではなく本場の人間性、空気感、世界観が直に伝わってくるような読み応えでした。

正直BLでこんなに心打たれる作品があるとは思いませんでした。
そして私には想像できないほど強大な愛の力を知れて胸がいっぱいです。

エド視点が入ったことでエドから見た礼の姿、健気さ、無償の愛にはとても胸が痛熱くて…これが前作から加わっていたらここまでグッとこなかったと思うんですよね。
この作者はもういいじゃないか!とこっちが痺れを切らすくらい話を熟してくれると思いました。

そもそも「檻の中の王」をあらすじ見て読み始めた私はパブリックスクール自体に大きな秘密があると思ってたんですよ。
それから礼を守るためにエドは彼を遠ざけてるのか?って。
でもそんな話ではなく…彼の礼に対する一つの気持ちが最初から最後まで繋がり続けたことに胸を熱くしています。
おいおいマジかよ…と思うくらいのエドの直接的な愛は読んでいて本当に楽しかったです。

うーん。どんな言葉にしても安っぽく聞こえてしまう気がする。
それくらい二人の深い深い魂でつながった愛の話…。
礼とエドだったからこその唯一無二と思える話…。

そしてこのどんぴしゃなイラストだったからこそイメージがよりリアルになり膨らみましたよね。
ずっと見ていたいと思える表紙…。

このお話に出会えて良かったです。
3クールくらいでアニメ化してほしいくらいだ!!!!

6

出会えて良かった一冊となりました

1巻読んで、これは修行か?!ってくらいに二人の気持ちが重ならないので、もうダメ〜!!とりあえず甘い二人をください!!となり、二巻すっ飛ばして、8年後なら多少は好転してるだろうという期待を込めて三巻から読んだ私。

なので【八年目のクリスマス】は大歓喜!!!!
待ちに待ったエド視点!!
もうこれだけであぁ三巻読んで良かった〜と思えた。

礼を永遠に失うということは、己の魂の死だと思っているエドに萌えに萌えました。
そして礼からもたらされる愛によって、再び両親のことを愛してみたい…と思えるようになる最後がとても好き。

ジョナス視点の【つる薔薇の感傷】を経て最後の【八年後の王と小鳥】
ついに、ラブラブ・糖度100%の始まりか?と思いきや……

出たよ……出た。
ラスボスというか、エドとは切っても切れない「お貴族様」「青い血」「血統」問題が、改めて礼の前に大きく立ち塞がる……。

礼視点で描かれているので、相変わらず礼にはイライラさせられました。
何も考えずに愛の事だけを考えていられたリーストン時代は良かった……的なことをエドに言えちゃう礼。
愛のみ考えていられたのはあくまで礼だけということに未だに気づいていない……
恋人になった今ですらエドがどういう立場の人なのか、エドが自分を諦めないでいてくれたということはどういう事なのか、どれだけ苦労したのか、何一つ理解していない様子に腹が立って仕方ないし、エドが不憫過ぎます。
一巻も二巻も見返りは求めていないと言いつつも自分の愛が届くかどうかだけにやたら終始していて、愛する人のことを本当に考えてはいないという印象が強かったのですが、やっぱりなぁと。

ようやく涙のエドの告白で自分の愚かさを知り「何も知らなかった」とエドに謝るんだけど、エドファンの私からすると、ほんとに今更何言ってるんだか…勘弁してくれよ……10年遅すぎるわ!!と思ってしまうわけで……。

血の滲むような努力を重ねて、礼を迎え入れることに立場上は文句を言わせないところまで登りつめたエド。
だけど自分といる限りは世間からの下世話な好奇心や、口さがない連中、そして腐敗しきった親戚から完全に礼を守ることができない。
そんなエドが「だがそれでも、俺を、捨てないでくれ…」と頼む。
「血統や権力や金ごと、俺を愛してくれ」と。拒絶に怯えながらもそんな俺を、受け取ってくれ、と。

こんな心から血を吐くかのような、辛くて、苦しくて、でも求めてやまない気持ちが溢れる告白がかつてあっただろうか?
圧巻だった。

そして礼。
「きみは僕のために、ラベンダーを摘んで」「そのエドだけ、僕にちょうだい」で涙腺決壊。
読んでる途中でなんどもイライラさせられた礼。
その礼にこんなにも泣かされる羽目になるとは……お主やりよるな!!と思ってしまいました。
そして二人の愛がこんな深いところまで辿り着くとは思いもよりませんでした。

一巻はオーリー登場以前はちょっと辛くて読み返せないのだけど、ここ数日間、二巻、三巻と幾度となく読み返してどっぷりと浸かってます。

一巻の開始早々で、読むのやめようか迷ったけど、やめずに読んで良かった!と心底思います。

ーーーー
デミアンと絵画鑑賞することになったけど、またエドはヤキモキしちゃうんだろうなぁ。
以前から無自覚人たらし&無自覚魔性受けだったけど、肝が据わった礼はしなやかな強さも兼ね備えて、ますます惚れる男が続出しちゃいそうだけど、ここまで総受け化しなくてもいいと思う。
ーーーーー
貴族の血の重みに関する壮絶な描写やら偏見に凝り固まった糞みたいな親戚連中についてはある意味ファンタジーかなと。
米国人女性との結婚のために王位を捨てたエドワード8世といい、バツイチ外国人女性と結婚したヘンリー王子といい、王族がかなり自由なことをやってるのに、現代に生きる貴族がそこまで血に拘るのかなぁ?って思ったのも事実。



8

<3

aaaaand with that I've finished reading all three books in this series and BOY AM I DEVASTATED because this series was so good (':

to be super, duper honest however, I liked the second book more than this one. Maybe because the second book still had to deal with them getting together, so that element of heart-wrenchingness (???) was still there but for this book, I felt that I didn't get that oomph that the first and second book gave me. Also, I felt that there were too few drawing scenes and some scenes which should have been illustrated (eg: Ed and Rei getting reuniting at the airport) weren't. Many scenes were so emotionally-charged bu without the illustrations, it just made them fall a little short.

I DID HOWEVER LOVE THE THROWBACK SCENE IN THE BEGINNING with Ed and Rei playing in the snow, now that really made my day because Ed has been completely smitten since the start.

I'll say this again, I need there to be a spin-off for both Gil and Orlando. The two of them deserve so much happiness too pls sensei give my boys some love ):

it was a great journey with this book and I'm so glad I picked it up. Now I'm just gonna wait for any extras because my love for EdxRei can't stop here!!

7

エドの告白に涙

身分差BLというのはよくありますが、ここまで貴族と庶民という格差や認識、血の違いを真っ向から書かれている作品はそうそうないと思います。
価値観の違いをまざまざと見せつけられた気分。
私は庶民なのでエドの背負っている血の重さや重圧のすべてを理解できないですが、それよりも何よりも礼を選んで礼のために生きることを決断したエドの愛の深さは痛いほど感じました。

独占欲が強くて礼の仕事のことにも権力を使おうとするエドに度々振り回される礼ですが、礼も頑固なところがあるのでなかなか譲れず、すれ違う二人に大丈夫か?!と最後までハラハラさせられました。

なので最後のエドの命を懸けたような、全てをさらけ出した全身全霊の告白には非常に心打たれました。
普段、俺様傲慢なエドのあんな泣きながらの告白を聞いたらもう受け止める以外ないです!

礼は礼で最終的に開き直ってスッキリした様が読んでいて気持ち良かったです。
前作から比べて強くなったなぁ。

つい前作を最初から読み直したくなってまた一気に読んじゃいました。
この二人ならもう大丈夫だろうと安心できる結末で本当に良かったです。

5

3作目にして変化した大人な二人の関係に刮目。

なるほど8年越しでつきあって、そのあと甘々な展開になるかと思いきやそうではなく。
持つものと持たざるものと。それぞれまったく生き方が違いながら、自立した大人の二人がどう寄り添い、愛し合っていくか。

この永遠の課題とも思える困難を、つきあいはじめた二人を通して正面から描こうとする作品は、すでにBLの枠を超えている気がします。
P300あたりから続くエドの告白は、3作を通して二人の関係と成長を見守ってきたきた読者にとって山場。
「恋人を傷つけるすべてから守る」というスーパー攻め様があたりまえ?のBLというファンタジー世界のなかで、
「傷ついたお前の心を俺は救うことができない、自分の心を救えるのはお前自身だけだ。それでも俺を捨てずに愛してほしい」
「お前さえいれば、分からない者のことを愛してみたいと思う」
これを言葉にできるって、そしてこう言わせる力があるって、すごい。

コマドリちゃんこと受けのレイは、仕事には前向きに取り組んでいるかと思いきや、相変わらず恋愛に関してはうじうじしていて、カンが悪く、見ていてイラッとすることも多々あるのですが(苦笑)、最後の最後にこのエドの告白を受けて、開き直ったところが爽快。このまま肝の座ったいい奥さんになりそうで一安心。

7

これを読まずに、このシリーズは語れない!

 本当の意味で、このシリーズを理解できたのは表題作を読んだから。1作目より2作目の方が断然良かったけれど、3作目の「八年後の王と小鳥」はシリーズの核となる話で必読の書!!そして、涙なしには読めない。
 エドが告げる言葉「―俺の血を抜いて」には、英国貴族にとっての血統の意味と重さと価値観などすべてのものが集約されている。それらを真に理解したとき、エドワード・グラームズという男の立ち位置と根本が理解できる。そうして初めて、エドのこれまでの言動の意味合いと想いの深さを知ることができ、それらの凄さに圧倒され打ちのめされる。
 多くのものを持ちながら、レイを愛することで多くのものを失っているエドの覚悟はすさまじい。そんな彼を語る言葉は見つからない…。最高の攻。愛されて育ってきたレイは、人の愛し方を知っていたからエドの心の隙間を埋めることができたのだろうか?レイのことは最後まであまり好きになれなかったけれど、エドを愛することで受ける苦しみすべてを受容すると決心してくれたことは、嬉しかったし心の底からホッとした。愛は血統を超えた。エドが幸せなら、何も言うことはない。

 他に2話収録されている。
  一つ目は「八年目のクリスマス」でエド視点。
 イギリスで一緒に過ごすはずだったクリスマスの予定が、レイの仕事の都合でキャンセルとなり、エドは大人げなく怒ってレイと口喧嘩するが、仲直りの電話をした際に、レイの12月27日から3月末までのイギリス出張が決まったことを聞く。少し遅いクリスマスをグラームズのマナハウスで過ごすことにする2人。電話を終えてから、父母を愛してみたくなったエドはクリスマスカードを買って店を出る。
 現在の2人の話を軸として、随所に回想(レイとの初めての出会い、共に過ごした思い出、離れていた8年間のこと)が入る。そこに溢れるエドの想い―レイを失って初めて知る、その存在の大きさ。そして苦悩―レイを諦めることは自身の精神の死であるから、叶わない夢を捨てることができない…「To be, or not to be・・・」ここではハムレットの名言が引用されている。

 二つ目の「つる薔薇の感傷」はジョナス視点の短編。
 レイから、エドが会いに来てくれたという喜びの連絡をもらって不機嫌になるジョナス。レイの今後を心配するあまり、香港で乗り継ぎするエドを捕まえてレイを泣かすことになるのではないかと責め立てると、エドは「だから、お前がいてくれるんだろう」「レイの家族の代わりになってやって欲しい」「俺を支えて欲しい」と頭を下げてくる。そんなエドにビックリするジョナスは、もっと早くそう言ってくれていたなら、レイに恋人を作るようすすめなかったのに…と少し後悔。

10

脇キャラにも光を当てた

大団円の後のお話なのでファンブックに近いです。
ですので、本編未読者は先に読まれてからがお勧めです。

一本目は攻めのエド視点。
クリスマス休暇を取れなくなった礼へ、嫉妬や寂しさから怒りが爆発してしまうエドのお話です。

二本目はエドの友人で、礼の親友ジョナス視点。
礼へ近づこうとするエドへ拒否反応を示し、礼に内緒で勝手にエドへ忠告しに行くお話でした。
彼は受け入れた者へ愛情深く、特に礼へは家族のような愛を示しています。
本編冒頭に名前だけ出ていたジョナスがまさかこんな風に礼を思い、彼の幸せを一身に願うような人であったとは二作目を読むまで思いもしなかったですね。

三本目が表題作で、受けの礼視点。
クリスマス休暇は流れましたが、年末からイギリスへと渡り、五年間エドを待ち続けながら暮らした思い出の屋敷でエドと甘い時を過ごす…と思いきや、やはり解決されることのない貴族と庶民の間の高い壁と暴力が彼らの前に立ち塞がりました。

今回礼は、パブリックスクールで過ごした時間は閉じ込められていたのではなく、本当は守られていたのだと知ります。
自分にとって、ただエドを見つめ愛されることを望んだ時代は今よりもずっと楽だったのだと。
ただエドにとってはスクール時代も礼と離れていた八年間も、ただ愛を隠すこと、その愛が奪われ壊されないように必死で、息をつけることなどなかったのだということも察します。
礼の愛し方とエドの愛し方は、彼らの血統が別物なのと同様まったく違うものですが、それでもお互いの手を離したくないと伝えあえたことを嬉しく思いました。

個人的には、ニューキャラクターのブライトがすごく好きです。
立ち居振る舞いはスマートなのに、可愛らしく恋心を抱えていたりして。
彼のお話が読みたいなあ。

4

壮大な愛の物語が完結

 どうもこのシリーズを単体で時間を空けて読み進める精神的強さを私は持ち合わせておらず、1巻の評判を伝え聞いたのち、電子書籍で1巻ずつ買い進めて、この3巻が出るまで親鳥のように温めていたものでございます・・・・・(T_T)邪道極まりなくてすみません。本当に素晴らしい作品でした。
 アワードで上位に入っているのを横目に見ながら、見て見ぬふりをするのは辛かったですが、最後まで一気に読み終えてシリーズとして当然の神評価でございます。ということですみません、シリーズとしての感想も合わせてここに。
 1、2巻の胸を鷲掴みにされるような、絶望と無償の愛の間に感じられるあたたかな友情や恋しい気持ちや青い切なさは3巻にはなかったけれど、気持ちが通じ合った後がスタートなんだと思い知らされるようなひとつひとつの出来事が、あのカードにつながっていると思うと、もうただただ先生のお力にひれ伏すばかりでした。
 礼は『持たざるもの』と『持てるもの』の間を期せずして行き来することとなり、翻弄され、傷つき、喜び、その中でもやっぱりエドに対する愛だけは変わることなく。しかし他のすべての人に対する愛も携えているから・・・エドの心中お察ししますという感じでしたね。
 私自身、読み進める途中に、傲慢な気持ちが心を巣食った瞬間がありました。影響を受けやすい自分のこと、すぐにまた1巻へ戻って読み直し、レイの「与えられなくていい。せめて密かに愛し続ける」その姿をもう一度心に留めて、1日を過ごしたこともありました。
 最後の『王と小鳥のバレンタイン』。ただただイジメに耐えるとか、それを怒りに変えるとか、辛い、足りない日々を何か他のもので代替してやり過ごすというようなことではなくて、心の底から愛することでひとつの結論を出していくような悟りのようなものを幼い時から習得していた礼の幼い頃のクリスマスカード。『八年目のクリスマス』にもう一度戻って読み進めたら、涙が止まりませんでした。
 それをずっと心の中に大切に持っていたエドにも、ただただ感服するばかりで。歳の離れた弟が幼い時に書いてくれた『お手伝い券』とか思い出してしまってまた涙・・・・・・(笑)
 エドはただ甘やかして、守って縛る愛ではなくて、愛することで受ける苦しみもすべて受け入れてもらう、礼に自ら乗り越えてもらって離れない方法を導き出したんですよね。孤独な王さまはいろんな意味で超人すぎて(あ、夜の方も・・・)これまでに読んだスーパーな攻め様たちには無かったものを感じました。ま~ちょっとまだガキですけどね(笑)
 これからも草葉の陰からふたりを見守るような、老婆心ながら彼らが歳を重ねていくところを見ていきたい気持ちです。

11

印象のダブルミーニング

題名通り、8年後、恋人になった後の2人。

「八年目のクリスマス」
今年のクリスマスは恋人になった礼がイギリスにやってくる。その為に8ヶ月の間ずっと頑張り続けたエド。
そんなエド視点での礼への愛と執着が語られます。
出会いの頃の愛に怯えるエド。今年のクリスマスにもうすぐ会えると浮かれるエド。礼に仕事が入り感情が制御できないエド。別れた8年間の発狂するほどの礼への想い。コマドリに優しい心を傾ける礼だからこそ愛した。礼が来られないのなら自分が日本へ行けばいい…
いつもの理性で感情を抑えたエドに、礼からのご褒美のような提案が。
嬉しさが顔に出てしまうエドです。素敵なクリスマスを…

「つる薔薇の感傷」
ジョナス視点。
エドとの過去のため、エドと礼が結ばれる事に反対しているジョナス。礼には自分のようになって欲しくない。エドが8年越しに遂に礼に会ったと聞いてエドを問い詰めるが…
エドの深い深い礼への想いが痛いほど。
対してジョナス。ジョナスはちょっと思ってたタイプと違ってました。被害者面してない所はいいけど、エドとは真剣じゃなかったんだ…って思ってしまった。そしてエドも自分とは真剣じゃなかったって思ってる。でもジョナスとの事でエドは家族と断絶したわけでしょ?ちょっとモヤモヤ。

「八年後の王と小鳥」
前2編がエピソード系だったので油断してたら、クリスマス後にイギリスでの長期出張の礼と同居している3ヶ月の間にまた蒸し返される「青い血」の問題。
越えられない身分差の恋。それは古今東西繰り返されてきたNLのメロドラマの命題。
爵位、貴族の恩恵、名誉、人脈、財産、それら全てを捨ててもいい、君だけがいてくれれば…その懇願。
俺だけの存在、俺だけのコマドリ、俺だけのスミレ、俺だけの野兎、俺だけの礼…
そこからどうBLに帰結させるのか。
俺はエドワード・グラームズだ、血統や権力や金ごと、俺を愛してくれ。だが俺にはお前の傷付く心は救えない…ひざまずき、また尊大に立ち上がるエドに向かって、礼もまた自分の足で立ち「きみを選ぶ。」と続ける。
2人の魂の同等性…これなんだと思う。
1巻の表紙、それは愛さない事で愛を貫こうとする挑戦的な若きエド。
3巻の口絵、それは自分はまだ礼を護れないのか、と自分を疑う今のエド。
エドこそが不憫で、健気で、想いに弱っている姿を晒していたのだろう。
礼こそが強引にエドを愛で絡め取ったのだ…

…『百年もすれば死ぬんじゃないか。』その短い一生の中の2人の、激しく行き違いそして熱く結ばれた愛の時間。素晴らしく濃密な読書体験が出来ました。素晴らしい。

6

うーん

前作パブリックスクールがよかったので電子化を待って買いました。
精神的に大人になった二人が見れることを期待したのですが、レイがいい大人になっても子供っぽ過ぎてちょっと…でした。
前作は二人ともティーンエイジャーだったのでなんとかレイのうじうじ具合も可愛いと許容できたのですが弱っちい受けはあまり合わないようです。

12

エドワードの思い

パブリックスクールシリーズの完結編。
大人になったエドワードとレイが、お互いの思いを確かめ合っての遠距離恋愛8ヶ月後、レイはようやくイギリスのエドワードの元へと行くのですが…。

最終巻にきて、ようやく自ら語り出したエドワード。
「個人の話じゃなくて、国の話。次元が違う」
レイへの愛を守り通して、やっとそれをレイに伝えられるだけの地盤を築いたエドワードの、途方もない努力と孤独。
ただの個人のエドワードとしての愛だけではすまない、次元の違う全てのしがらみや重圧も込みで、それでもレイが、本当に自分を選んでくれるのかを、震えて請い願うエドワード。
エドワードの荒療治に、レイの肝も据わります。

第1巻ではただただうつむいて、自分の愛だけに閉じこもっていたレイの話から、第3巻ではこんなに激情を秘め続けたエドワードの重たい恋の勝利の物語に辿り着いて、感無量。
1巻目単体の評価を変える気はないけど、シリーズ全体を通しての評価は「神」で。

15

あれから……

パブリックスクールの続編。その後。
エドと礼の8年後の様子を書いたお話になっています。
想いがが通じ合って漸く恋人同士になった二人。
礼が仕事で3ヶ月イギリスに滞在することになり、待ちに待った蜜月に期待に胸を膨らませて9年ぶりにイギリスの地に降り立ったのだけれど、そこでは想像していなかった苦難が待っていて……という、またもやここまでするかという受への試練でした。

パブリックスクール時代を経て、日本で順調に仕事をしていた礼は、それなりに自信もついて、他者との関わりも上手く出来ると自負している部分がありました。
けれどもそれはあくまで【日本】でならの話で、イギリスで再会したエド、友人のギルやジョナス、オーランドとの関わりの中で、徐々に違和感を感じ不安へと変化していきます。
【イギリス】における礼の立場はアジア人で庶民という、どうしようもない壁があって、持てるものと持たざるものとして明確に分けられていました。
そんなことは分かっていたはずなのに、エドとの仲はだんだんとぎくしゃくして拗れていく様子は、見ていて本当に辛かったです。

私はエド贔屓なので、礼の性格にはまま苛ついていたのですが、今回もご多分に漏れずイライラしていました。確かにエドは自己中心的で高慢ちきに見えるかもしれないのですが、そんなエドと恋人として生きていく上で、なにひとつその意味を理解してなかったのは礼の方だと読んでいて思っていたので、礼のそれこそ自己中心的な行動が鼻についてたまらなかったです。
そうなってくると、段々と礼の昔の【ぼくか弱いの……】が見え隠れてしてきて、中盤読むのがしんどくなっていたのですが、終盤の弱みを見せるエドの姿にノックアウト。
彼の脆さに萌え滾り、にやにやが止まりませんでした。
ちょっとページが足りなかったのか、後半はもの凄い駆け足になっていたのが残念なのと、酔って完全に性格が変わっている礼には首を傾げましたが、酔っ払いエッチがあまりに萌えたので全てが帳消しです。

結果的には丸く? 収まって、これからも些細なことで悩みながらも、二人で手を取り合って前に進んでいくだろう姿が見えたので安心しました。

4

人を「愛する」ことを描いた13年分の想いの記録

シリーズ3作を総括してこのタイトルを付けさせていただきました。
出会い~学生時代を描いた「檻の中の王」、
卒業と別れを経て再会を果たした「群れを出た小鳥」、
結ばれたがゆえの障壁と共に生きていく二人の課題を提示した本作「八年後の王と小鳥」……。
ただ「圧巻」の一言に尽きるシリーズです。

偏見ではありませんが、BLというある種限定された市場にこの作品が置かれている理由が私には分かりません。
確かに同性愛が含まれていますが、それは要因の一つでしかあらず、仮にこれが男女だとしても「愛」という普遍的なテーマを扱っている傑作ではないでしょうか?
誰かを愛することだけが生きるよすがである礼と、
この世の全ての富と権力を得て愛だけを持たずにいたエドという対照的な二人の愛し方。
それを突き付けられた読者はそこに本質的な「愛」の姿を見られると思います。

メリットデメリットなど考えず人の弱さに寄り添って愛を注ぐ礼と、
その愛を受け取ったエドは持てる権力の全てを使い策略を巡らせて、
あらゆる火の粉(庶民やアジア人、ゲイであることに対する批難)から礼を守ろうとします。
礼が少しでも傷つけられれば、
「俺はあなたを何度でも殺します」
と言い切って、実の叔父に銃を突きつけ手を汚そうとする――。
王室とも繋がる400年の歴史を棒に振り、たった一人を愛し抜く彼の姿は、
とてつもなく重いと同時に一途でもあると思わされるのです。

礼がエドや他者へ注ぐ愛、エドが礼や他者へ注ぐ情に「人間愛」を見たのは私だけでしょうか?

何も持たない、ただ互いの人格に恋い焦がれた末結ばれた二人の人生。
波乱は多いと思います、不安やすれ違いも多々あると思いますが、
生涯寄り添って生きていってほしいと切に願っています。

蛇足になりますが……

今後シリーズ4弾、5弾と続くなら、大変楽しみにお待ちしておりますのでご検討下さい樋口先生。

22

一言でいうなら

声を大にして言いたい。
「「 イギリス貴族めんどくせーーーーーーーーーーっ( ´△`)!! 」」
ようやく結ばれた2人からのその後。
甘い蜜月でも待っているのかと思いきや、これがまた重っい。
何度でも言います。
イギリス貴族めんどくせー。
なんにせよエド、まだ頑張ってたのねと思う1冊でした。

お話は、二人がようやく結ばれてからその後の話。
エドの視点からスタート。
気持ちが通じ合ったとはいえ、礼にも仕事はあるわけで
イギリスと日本で離ればなれの2人。
エドからみた過去から現在が描かれております。
正直読みにくかった。
ただ、どれだけ礼が好きなのか。
クリスマスが待ち遠しいのか。その一言に尽きる。

後半は礼視点。
久しぶりに「なにいってんだこの人」のセリフが聞けて
なんだか懐かしい気持ちになりました。
長期の出張でイギリスへやってきた礼。
相変わらず絶倫なエドとの交合はエロスでマル。
エドしか見ていない礼にやきもちをやくエドはさすがと言うところ。
今回の大きな標題としては貴族との格差、立場の差。
想い悩みそれから~という部分が苦しかった。

ここから後の二人の生活~な話も是非読んでみたいな

amazon限定ペーパーはエドの秘書さん視点のお話。
この秘書さんが何気に好きです。
頑張っていただきたい。いろんな意味でw

14

もこ

コメントありがとうございます。
ここのシリーズ他にもでてますね^^。
買ってはいるものの読めずにいたのを思い出しました。
さっそく探してきますv

ユーリマ

イギリス貴族めんどくせー、に笑えましたwそして作品読後のどこか寂しい心がなごみました。楽しい感想をありがとうございます。

美しい世界

もっともっとこの本の続きが読みたい!たくさんの愛すべきキャラクターたちのお話が知りたいと思う作品です。エドワード・グラームズの英国貴族としての立ち振る舞いの大変さや中原礼の3歩下がって見守る姿が健気で本当に幸せになって欲しい二人です。でもこの作品を読む限り今後どんな困難が二人に降りかかっても二人の愛の力で乗り越えていくこと間違いなしと確信しました。それを踏まえた二人の幸せな姿を読んでみたいです。親しい友人に囲まれて幸せそうな二人の姿が見てみたい!3巻通して甘いところが少なく苦労の連続なのでデレデレした二人の生活を覗いてみたい!

17

白鳥とアヒル

パブリックスクール3巻。
レイのイギリスでの長期出張がきまり、3か月間エドと一緒に暮らすことになりますが、8年ぶりのイギリス生活で自分が混血児で忌み嫌われていることを改めて痛感させられます。

エドの親族からだけでなく、町の人間からもアジア人でエドにふさわしくないと思われていることを知り、エドとの将来に不安を感じるレイ。
一方のエドもレイを守りたいがために、逆にレイを監視するような接し方をしてしまい、二人の思いが噛み合いません。

愛しているだけではどうにもならない現実に葛藤する二人が切なかったです。
白鳥とアヒルは愛し合い続けられるのか。
白鳥の群れを飛びだした白鳥はどうなるのか。

エドに他を捨ててでも自分を選んでくれと言われ即答できなかったレイが現実味があって良かったです。
悩み葛藤して覚悟を決めた決断だからこそ二人の絆は強まったのだと思います。
困難を乗り越え寄り添い続ける二人が想像できます。

すごく素敵な作品でした。
そして魅力的な脇キャラ多いのでスピンオフも読んでみたい。

17

聖母マリアを思わせる美しい表紙

エドの激しいヤキモチにニヤニヤ。
レイは相変わらず天然タラシ♪

期間限定のラブラブ同棲生活かと思いきや、二人の関係は不穏な空気に。
新キャラの秘書ロードリーとデミアンが良い味出してました!

今回は8年前にも増してレイはヒエラルキーに苦しめられたけど、エドの、血統や権力や金ごと俺を愛して、の叫びが痛々しくて胸が抉られた。
魂で結ばれてる二人なら、乗り越えていって欲しい。
ぜひ結婚まで続編書いてほしいです!

18

お・重い。。

パブリックスクール卒業後の2人のその後を描いた短編集的な続編。
幼い頃の受け・レイの無垢な健気さに改めて泣けます。。
本編ではあまり描かれなかった攻めのエドの心の揺らぎや葛藤がより見えました。
それにしても攻めの立場やら血統やらが重過ぎて、萌えというより、苦しくなるくらいでした。。
一緒にいることがこんなに困難なのかと。。
攻めなりに受けを守りたいという気持ちからの行動だとは分かるのですが、正直何が正解なのかどうすれば良かったのか、いまいち良く分かりませんでした。。
ただ、これからまたどんな困難があっても2人で乗り越えていくのでしょう。

4

重い血の宿命と愛を抱いて

パブリックスクール第3巻となります。
レビューをするには、あまりにも苦しい物語でした。
読んでいて、心が大変痛みました。

物語は、3編で構成。
最後の「八年後の王と小鳥」が表題作となります。

◆「八年目のクリスマス」

エド視点。
イギリスで仕事をするエドと日本で仕事をするレイ。
両想いになってから八か月ぶりの逢瀬になる予定だった
クリスマスが、レイの仕事の都合で取消になってしまい…?
というのが物語の流れです。

幼いころの回想で、エドのために夜の庭で雪兎を作ってあげる
レイが、健気で愛らしくてたまりません。
エドがこの時どう思ったのかも読んで欲しいポイントです。

◆「つる薔薇の感傷」

ほぼジョナス視点。
2巻でレイがエドと再会する前に、ジョナスが2人の行く末について
どんな憶測をしたかが描かれています。
憶測よりも、はるかに素敵な結果になりましたね~♪

◆「八年後の王と小鳥」

≪あらすじ≫
年末から3ヶ月の間、イギリスのフラットで同棲することになった
レイとエド。
甘い3ヶ月の同棲が始まると思われましたが、レイにとっては
苦しい試練の連続となります。
エドの親類からは、パーティでは東洋人、混血児、男娼と蔑視されたり、
挙句の果てには、エドとのあまりの価値観の相違に失望してしまったり…
果たして、レイとエドの行く末に、幸せな未来は
待っているのでしょうか…?

----------

冒頭は、あま~く物語が始まります。
もぉぉぉぉ、あまりのラブラブっぷりにあてられちゃいます><

この物語は、ほぼレイが主人公。
甘い年末年始の後は、レイのつらい試練が待ち受けています。


まず周囲についての試練。
これが一番大変なところかもしれません。
しかも、試練の種類は一つだけではないです。
エドは貴族・グラームス家の当主として、
親類皆から注目を浴びる存在でした。
それは、尊敬の眼差しもありながら、
若い有能な当主への醜い羨望もありました。
親類のパーティに呼ばれ、心ならずもそこへ赴くエドとレイ。
周囲の陰口は、予想していたとはいえ酷い!
猿ってなんだよ! こんな可愛いレイに向かって!
そして、無視するなー!
嫌がらせもするなっ!

エドがついに堪忍袋の緒が切れて、
皆に冷静に対応しながら、レイを連れて
パーティを途中退席したときは、胸がスーッとしました。
ザマア!
でも、もっと早くレイをあの嫌な視線達から救って欲しかった。
しかし、それはレイを侮辱することになると思ったのかな?
ここの場でのレイは驚くほど我慢強く、前を見据え、
静かに対応できたと思います。
――――眉一つ動かさず、敢然と辛苦に立ち向かえ
という、リーストンのノブリス・オブリージュの通りに
行動できたレイを誇らしく思うシーンでした。
400年の貴族の血統なんて、蹴散らしてしまえ!!


ストーリーのクライマックスとしては、脅迫され、ひとりで
エドを快く思わない親類の家に赴くレイの姿が描かれます。
必死でエドとの関係を国民に知られないよう、なんとかひとりで
解決しようとするレイの健気さに心打たれると同時に、
エドをどれほど大事に思っているかが、分かるシーンでもありました。
エドの親類に脅迫され、暴力を振るわれ、怪我をするレイ。
そこに助けに来るエド。


それから、レイが目を覚ました後のエドの長い独白が
あまりにも悲しく、孤独で、寂しく、心を打たれます。
まさにクライマックス中のクライマックス。
目頭が熱くなり、思わずポロリと涙が出ました。
まさか、エドの言葉で涙が出ようとは……考えもしませんでした。

まず怪我をさせたことを謝るエド。
危ないと知りながら、わざと親類の家にレイをひとりで行かせ、
レイ自身をテストをしようとしたことを告白するエド。
テストしたことは、確かに驚きましたが、そのあとのエドの
理由の告白で、それも納得できました。
エドはレイを守る。
全身全霊をかけて、これからもエドはレイを守っていくのでしょう。
でも、どうしても今回のようにレイを守りきれないときがあります。
それを知っておいて欲しかったのだと…。
グループのCEOとして君臨するエド。
しかし、レイがいなければ全て意味がないと言います。
この言葉は、あまりに重く、切ないです。
今の身分も地位も肩書も金もすべて捨ててでも、
レイの方がずっとずっとずっとはるかに大事だなんて…。

そして何より心を打った言葉。
「どうか捨てないでくれ…」
涙を流し、手を震わせ、レイに懇願したエド。
あのエドが!
「捨てないでくれ」などと泣いて縋って懇願している……!!
ああ……、世界の全てを持っているようなエドにとってみても、
レイの愛以外、何も意味がないのだと…何の価値もないのだと
言っている…。
あまりにも切ないエドの涙に、目頭が熱くなり、
気が付けば、涙がこぼれていました。
まさかエドの言葉で、泣かされようとは……。



この物語の厳しいところは、
「これにてハッピーエンド」と言えないところです。
レイは、これからもっともっと今以上に辛い目に遭うでしょう。
それこそ、この本で書いたこと以上に嫌な目に。
エドが全力で守ったとしても、苦しい環境が待ち受けている。

「レイとエドはこれからも幸せに暮らしてほしい」なんて
簡単な言葉は言えません。
レイはこれからも心が死んでしまうほどの苦難にも遭うでしょうし、
ひょっとしたら、怪我では済まされず肉体的に殺される危険にも
さらされてしまう訳です。

エドに血統も宿命も全てを捨てる覚悟があるのだとしたら、
レイも全てを捨てて、どこか、誰も知らないところで
穏やかに暮らしてほしいです。
2人が死ぬまで、こんな厳しい環境が待ち受けているなんて、
考えられないのです。
そんなの私には耐えられません。見ていられない……!!
どうか、穏やかな日々がレイにもエドにも待っていることを
望んでやみません……。


これからのレイとエドにどうか多大なる祝福を。
どうか2人をお守りください…。

24

あやちゅけ

yumi333さま

コメントいただき、ありがとうございます!
「素敵なレビュー」などと言っていただき、感激しております><
感動と興奮のある作品だったので、実はレビューを書いてから、
しばらく寝かせておりました。 とても冷静ではいられなかったので、
文章に感情をぶつけすぎるかもしれないと思ったのです…
でも、yumi333さまのように参考にしていただける方がいて、
ほんとうに嬉しいです。
是非読んでみてください!
楽しみにもして下さい。期待を裏切らない作品だと思います。
コメント、ありがとうございました!(^^)

yumi333

この作品に対するあやちゅけ様の愛を感じました。とても素敵なレビューを有難うございました。参考にさせて頂きました。私はまだ未購入ですが、必ず読むつもりです。楽しみ。

樋口流(&yocoテイスト)、なつかしの身分差もの

前2作は既読。
8年後ということで、30代になっている二人の話かと思ったが
(←個人的な期待?)実際には違いました。
パブリックスクールを出てから8年後、
『群れを出た小鳥』の最後からは8ヶ月後の冬、
二人が恋人になってから初めてのクリスマス〜の話。

最初に短編が二つ。

『八年目のクリスマス』
思いが通じて後遠距離恋愛中のエドが、
久しぶりに会えるクリスマスを前にウキウキしている。
しかし、レイは急な仕事でクリスマスに渡英できないと言いだし……
子どものようにかんしゃくを起こすエドだったが……

『つる薔薇の感傷』
エドがレイに会いに行く前の頃のお話。
かつてまだローティーンの頃に肌を重ねたジョナスにエドが語った思い、
そして時が流れて……

    *    *    *    *    *


格式の高い貴族で且つ国際的な大企業のトップのエド。
前作で幸せにまとまったとはいえ、彼らが愛を貫くのには
数多な試練があることは明らかなことだった。
貴族と平民、しかもレイは混血、更には近親相姦の二人。

ただお互いを愛しているという気持ちだけでは、どうにもならない現実。
常に衆目を集める立場、ハイエナのような親戚達、
現実を見据えて耐える強さが必要なことを、エドは身に沁みており
一方のレイは分からない。
その齟齬が起こす事件と、それを乗り越えてレイが
あらゆる物を捨ててでも互いを選ぶという覚悟に辿り着くまで。


傲慢で孤独で愛に飢えたエドは、樋口さんの作品の中でも
個人的にはとても愛おしいキャラクター。
その思い入れのある彼にとって、求め続けた愛を得られた
本作でのレイの決断はどれほど幸福なことか!

一方レイは、例によって樋口さんらしい「聖なる者受け」なんだが、
そして他の作品に比べると、イライラさせられずにいたのだが
やっぱり「君は25歳にもなってバカなの?!」と言いたくなるような
あるいは、わざとなの?小悪魔なの?というエピソードがあり、
やはりイラッとしながらでも頁を捲る手は止まらない。


昔の少女漫画、あるいは少女小説のようなコテコテな樋口節は健在。
レイが親族にいびられるシーンや、監禁されそうになるシーン、
一方で彼の味方になるかつてのパブリックスクールの仲間達、
エドの秘書など、典型的で期待を裏切らない感じ。

そういう意味で、面白いのだが新鮮にハッと心を打つという感じでは
個人的にはなかったのだが、シリーズ中初めてボワッ涙が溢れたのは
最初の短編『八年目のクリスマス』の最後。
愛に飢えたエドがレイを得たことによって、自らの柔らかな心に
気がつきそれを受け入れることができるシーンに、涙がこぼれた。

貴族に対して葛藤的なアーティストのデミアン、
彼のキャラクターはなかなか面白いので、
彼を主人公にして、エド達のその後が見られるような
さらなる続編を希望。

コテコテのある種レトロとも言えるテイストに、
非常に綺麗でスタイリッシュなyocoさんのイラストが
現代的な魅力を添えているのが、また魅力的。

16

礼が試されるの巻

今回収録されているのは
「八年目のクリスマス」(小説Chara Vol.33掲載)
「つる薔薇の感傷」(Char@ Vol.20掲載)
「八年後の王様と小鳥」(表題作/書き下ろし)

●「八年目のクリスマス」
イギリスと日本で遠距離恋愛中のエドが、クリスマスに礼に会えるとウキウキする。でも急な仕事の都合で礼はクリスマスにイギリスへ行けなくなり
エドがっかり……でも、その代わりもっといいことが、というお話。

●「つる薔薇の感傷」
エドと礼がくっつく前、エドが日本へ礼に会いに行った頃のお話。
エドが礼に思いを告げることに対してあまり良く思っていないジョナスに
エドが、いかに礼が大切で自分にとって必要で…ってとこを訴えるお話。

上記に関しては過去に掲載されたものですのでこの辺で。

●「八年後の王様と小鳥」
表題作は「八年目のクリスマス」の続きになります。
序盤で、礼が貴族であるエドと恋人であると改めて実感し、ちょっと不安がよぎったり、使用人やオーランドから「レイをよく思わないエドに群がるハイエナ」の話を聞いたりで、今回の一波乱はこの辺りかな?という感じがムンムン。
今回のテーマは「貴族(白鳥)と混血児(アヒル)は愛し合えるか?」ってとこでしょうか。

案の定、礼が辛い思いをします。
知人のブライトには血統の話をされ、パーティーではエドの親族から、男娼だのエドが飼っているアジア人だの侮辱され、反撃してくれたエドがさらに親族から侮辱の言葉を吐かれる。エドが一族からの風当たりが強いのは、東洋人の血が混ざった自分という恋人がいるせいだと悩む礼。予想通り。
ほんでエドと礼が一緒にいるところをタブロイド紙にすっぱ抜かれ、礼にとっては辛い記事の内容にショックを受ける。
エドは礼と一緒にいるためなら何もかも捨てられる…と言いますが
エドに何かを捨てさせないと叶わない恋であることに苦しみます。

あれ、そういえば前巻までで、エドは礼を迎えに行く準備ができたから、日本に行ったんじゃなかったっけ?準備できてなくない?
誰にも文句言わせない的なこと言ってなかったっけ?まず身内が全然ダメじゃん!

エドに会社の役員から降ろされたチャールズに呼び出されて
誰にも告げずに会いに行く礼。ちょっと迂闊です。危ない予感しかしないのに。
完全に短絡的になっているチャールズから殴られ、監禁されそうになりますが、そこはエドが助けに来てくれます。

エドが仕組んだわけではないですが、礼が危険な辛い目に会うことが予想できた中で、エドが対処しなかったのは、エドなりの理由がありました。
いつか世間に礼との関係が知られることを予想し、“エドが選んだ東洋人の男性”として生きて行くこと、それを全て理解した上でエドを選んでほしいと。

エドの恋人であることで、礼が好奇の目にさらされること、蔑まれたり
反対に擦り寄ってくる者がいるであろうこと。
礼はフェアではないと思っているが、エドと関係があることで礼の仕事が
うまくいくこともあること。
そんな現実を礼に突きつけます。
エドには自分の血統は変えられないし、根本的な解決はしてやれない。
礼にはもっと楽に愛し合える人がいるであろうけれど
それでもどうか自分を選んでほしいと心から訴えるエドに心を打たれました。
礼はきっと辛いだろうけど、愛する礼に辛い思いをさせるエドはもっと辛い。
やっぱりエドの執着と愛は大きかった!

最後はちょっと礼も強かになり、腹をくくったよう。今後もっと嫌な思いをするだろうけど、どうかエドと末長くお幸せに。

好きなシーンは、2人が生活するフラットにて。喧嘩の途中で、時間の都合で仕事に戻らなくてはならなかったエド。玄関まで見送りに行かなかった礼のところまで戻ってきて「レイ、仲直りのキスは?」と。
偉そうな態度でしたが、やっぱり険悪なまま離れるのは嫌だったんだねエド。
ちょっと可愛かったです。

あと前巻でも思ってましたが、エド絶倫。絶倫だよ社長。

おまけのショートストーリーは表題作であまり感情の見えなかった
エドの秘書・ロードリー視点でのお話。
礼の事となると子供っぽくなるエドと可愛らしい礼の恋を支えていることに
喜びを感じているようで、嬉しかったです。
何考えてるのかあんまりわかんなかったからね。

なかなか中身の濃い作品でした。あのシーンどこだっけ、と読み返した時に
あれ、このシーンこんだけのページ数だったの?とびっくりしました。
ページ数の割に内容が詰まっているというか。
やっぱり樋口先生の技量なんだなぁと。
また続編があったら読みたいけど…もうないかなぁー。
今回2人とも辛い思いをしたので、ただただ甘々な2人が読みたいです。

48

ほほん

すみません。
表題作「八年後の王と小鳥」の間違いです。
大変失礼いたしました。

この作品が収納されている本棚

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