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表題作パブリックスクール-八年後の王と小鳥-

エドワード・グラームズ,27歳,英国貴族で社長
中原礼,25歳,編集者

その他の収録作品

  • 八年目のクリスマス
  • つる薔薇の感傷
  • あとがき

あらすじ

パブリックスクールを離れて8年後──。
かつて義兄として慕っていたエドと恋人同士になった礼。けれどエドは、イギリス貴族の御曹司で、世界を相手にビジネスを展開する大会社の社長。どんなに想い合っていても、口煩い親族たちや社交界は、天涯孤独で財産もない日本人の礼を侮り、決して認めようとはしない…。
そんな中、遠距離恋愛中だった礼は、仕事で渡英し、長期出張の間、エドと一緒に暮らすことに!?

作品情報

作品名
パブリックスクール-八年後の王と小鳥-
著者
樋口美沙緒 
イラスト
yoco 
媒体
小説
出版社
徳間書店
レーベル
キャラ文庫
シリーズ
パブリックスクール-檻の中の王-
発売日
ISBN
9784199008429
4.6

(392)

(317)

萌々

(44)

(18)

中立

(4)

趣味じゃない

(9)

レビュー数
31
得点
1819
評価数
392
平均
4.6 / 5
神率
80.9%

レビュー投稿数31

No Title

日本で開催される展覧会の準備のためにロンドンに渡る礼。待ち受けていたのはエドの愛情だけでなく「イングランド」の洗礼。 エドの覚悟、貴族社会、血統、日本とは違う背景、相変わらずエドの親戚たちからの扱いは変わらない…。今回はこのエドの覚悟を礼が初めて実感し、そして自分の甘さを痛感するターンでしたねぇ。 礼は人の善意を信じたいタイプだから受け入れるのはキツかったろうなギルとか、ジョナスといい友人がいて良かった。エドだけでなく彼らがいることは礼にとっても大きな支えだろうな。ロードリー好きだわ

0

2人がイギリスで再会するときの主人公の感情がもう可愛すぎてときめきました!

0

王のはかり知れない深い想いに心打たれました

エドワードの抱えてきた重責、孤独、深い愛情が今作でやっと本当の意味で理解できた気がします。

愛する人を守るためにその気持ちを隠しながら必死に努力し絶大な力を得ても、そんな自分の隣にいてもらうためには必ず痛みは伴い苦しい思いをさせてしまう。

そのことを怯えながらも正直に礼に伝えそれでもなお、その覚悟をもった上でそばにいて欲しいとすがるように願うエドの告白にとても心を揺さぶられました。

なんて傲慢で身勝手で、けれども酷く哀れで愛おしい人だろうと泣きたくなるくらい胸が締め付けられました。

礼にそういう辛い体験を実際にさせテストするのも、エド自身本当はすごく辛いことだろうし、礼を傷つけると分かったうえで実行するということは、最終的に拒まれる可能性もある恐ろしい賭けだったと思うと、この王の想いの深さは本当に計り知れないなと思いました。

散々傷つき血統という超えられない壁に散々打ちのめされた礼が、エドの苦しみや深い想いを理解し受け入れエドを選ぶと告げるシーンは、本当に感動的でしばらく涙が止まりませんでした。

礼がデミアンに会いに行き、自分が貴族に殺されかけた時、デミアンの作品が頭に浮かんだと自分なりの考察を語るシーンがすごく印象的で、デミアンの冷たい態度にも狼狽えず肝を据えて話す姿に、今までの気弱な礼とは違う強さを感じました。

腹を割って話したことで、デミアンと心を通わせることができ、本来の目的が自分の意向どうりに進んだのは、エドの後ろ盾だけではなく、紛れもなく礼の誠意が届いた結果だということが伝わってきてとても好きなシーンです。
(ポストカードのくだりも素敵でした)

これからの二人には、こちらが想像もできないような大変な日々が待ち受けているかと思いますが、ジョナス、ギル、オーランド、ロードリーという素敵な仲間に支えられながら、少しでも心穏やかに笑顔で二人の尊い時間を過ごしてほしいなと思います。                                                        

0

『パブリックスクール-檻の中の王-』→『パブリックスクール-群れを出た小鳥-』の続編です。

今回もすごく良かったです。
感想にするのが難しいのですが、醜い感情を含めて全部が全部礼のことを想っての感情で
すっごく重い愛を感じることが出来ました。


エドが礼に会いに来るまでの8年という月日。
その間のエドのことが書かれており、とてつもなく切ない気持ちになりました。
愛してるのに、今すぐ会いたいのに会えない。
エドが礼を守れるようになるまで、礼がエドのことを好きでいる確証もなにもないけど
エドには礼が必要で、そのために必死に頑張ってきた8年なんだなぁって、読んで改めて思いました。


礼がイギリスに3ヶ月出張が決まって
二人は一緒に住むことになるんですけど
ラブラブな二人がずっと見られるわけじゃなくてそこも切なかったです。

ほんとに色々なことがあってハラハラしっぱなしだったのですが
ロードリーの「エドはあなたの前だと、社長でもグラームズでもないらしい。あなたがあの人を、ただのエドワードにしてくれる。」と言う言葉がもうダメでした。
エドが泣くのは礼の前だけなんですよ。
礼の前だけではただのエドワードになって愛を乞うんですよ。
エドには礼だけだと、この作品を読んで改めて思いました。

あぁ…ほんとにすごく良かったです。

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やっとここまで…!

前巻の群れを出た小鳥でやっと思いが通じ合ったと思ってましたが、やはり2人の間には高くそびえ立つ立場の壁があったということがこの八年後の王と小鳥で浮き彫りになりました。

日本に生まれ育った私には到底理解できない、貴族と庶民という身分差。それが21世紀の今でもイギリスには根付いているんですね…。

身分、立場、お金すべてを持つが愛だけ持たないエドが愛しかない礼に惹かれるのは当然のことだったんじゃないかと。14歳のエドからすると礼との出会いがどれだけ衝撃的だったのか、この八年後の王と小鳥を読んでやっと理解ができました。そしてそれを飛ばすことなく、丁寧に描写し続けた樋口先生の手腕に感動しかありません。ここまで2人の世界にのめり込んで応援できたのは樋口先生の誘導の賜ですね。

イギリスのパブリックスクールで思春期を過ごした礼でさえ、エドの孤独や背負った一族の重みに気付けなかったのだから、2人が完全に理解し合えるのにこれだけの年月が必要だったのも納得です。礼もエドがどんな決意で礼に会いに行ったのかちゃんと理解したからこそ、イギリスでエドと生きていく覚悟が決まったので、もうホントにエド良かったね!という気持ちです。

エドの秘書ロードリーも言っていたように、礼の前でだけはCEOでも貴族でもなく、ただのエドという男でいられるから、礼にはたくさんエドを甘やかしてほしいし、2人の幸せが永遠に続くことを祈ります。

2

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