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表題作モネ・マーダーズ

サム・ケネディ,FBI上級特別捜査官プロファイラー,46歳
ジェイソン・ウェスト,FBI美術捜査班,33-34歳

あらすじ

ある事件をきっかけに伝説のFBI行動分析官、サム・ケネディと連絡を取り合うようになったFBI美術犯罪班のジェイソンは、有能で冷たい彼の不思議な魅力に惹かれていた。8ヵ月後、サムからサンタモニカで起きた殺人事件への参加要請を受けたジェイソン。久しぶりの再会に心躍らせるが、サムはなぜか冷たい態度を示す。そして死体のそばにはカンバスに描かれたモネ風の油彩画が残されていた。それは連続殺人犯の名刺だとサムは言う―。アートをめぐるFBI事件簿、シリーズ第2作。

作品情報

作品名
モネ・マーダーズ
著者
ジョシュ・ラニヨン 
イラスト
門野葉一 
翻訳
冬斗亜紀 
媒体
小説
出版社
新書館
レーベル
モノクローム・ロマンス文庫
シリーズ
マーメイド・マーダーズ
発売日
ISBN
9784403560392
4.8

(71)

(59)

萌々

(11)

(0)

中立

(1)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
10
得点
340
評価数
71
平均
4.8 / 5
神率
83.1%

レビュー投稿数10

よかったー!

前回の体の関係から電話越しだけだけども会話もして少しステップアップした状態で始まったと思ったら?
サムがジェイソンの近くに出張してきたのに直接伝えられ無くて嫌な予感がする→サムのつれない態度で。
え!何勝手に自己完結して終わらせてるの!?とサムにイライラさせられました。
ジェイソンには全く思い当たることが無いことがさらに可哀想そうで。

拒絶した原因も昔亡くなった恋人で、しかも殺されたことが明らかになるのですが。もう絶対的に勝てないやつが来てしまった。王道展開が来てしまった……

その上明らかにクソ重感情をジェイソンに向けているくせにサムは友にならなれると思ってて。そんなこと言っちゃうところ、人の感情はおろか自分の感情にすら鈍感なの?不器用だねえー!とサムのことが逆に好きになりました。

攻めサム×受けジェイソンですが今回はリバで攻めのサムがボトムをする回。というのもサムがどうしたいか聞いてジェイソンが抱きたいと言ったら分かったと、承諾してくれて、え!?と私だけで無くジェイソンも驚いていたのには笑いました。
めちゃくちゃ良かった……

こんな微妙な関係で次巻に進むのか!?と思ったら最後の最後でにっこり。読んで良かったー!と思わせる素敵なキスシーンでした。
あのシーンの挿絵が見たかったな…!と欲が出るくらい好きなシーンです。

1

ケネディ貴様

サスペンスとしてハラハラドキドキしながら読めました。
面白かったです。

血の跡を追って死体を見つける所とか、霧の立ちこめる墓場とか、島についてからは基本ハラハラドキドキでした。

それにしても犯人を見誤ったケネディにちょっと違和感を覚えました。
真犯人と対面していないから仕方ないのかな。
ウエスト捜査官も怪しいと思った相手のこともう少し調べておけよと思いました。

許可した上司にも責任がありますが、猪突猛進なウエスト捜査官の行動が犠牲者を増やしたとも言えるし、犯人を炙り出したとも言える(画家の命は救ったか)。
犯人の片割れには国外逃亡されるし、美術捜査の方は示談になるし、仕事に関しては殆ど良い事なし。
あまりスッキリする解決ではありませんでした。
それでも面白かったですが!


恋愛面はモダモダにちょっとイライラしました(笑)

ケネディの主張がウエストにはどうしようもなくて、可哀想でした(ウエストが)。
思わせぶりに連絡取り合ってた癖に何言ってんの!? と思わずにはいられなかった。
好きだけど付き合えない、でも友人でいたいってそんな〜!?!? 両想いと分かっていてこの言い分はズルすぎる。
しかも付き合えない理由が……亡くなった人(思い出)には勝てないしね……。

とはいえ感情をハッキリ明言はしないので、その分ラストの展開が良かったです。
ドキドキした。二人とも良かったね。

3

タキシードスーツにFBIの防弾ベスト

ウィンター・キルを並行して読むと幸せになれます。自分は先にウィンター〜を読んでいたのでこちらを読んだ後すぐに読み返しました。今読み返したら神評価にしておけばよかったと後悔。

1巻の最後のセリフで湧き上がっていたらサムに…ケネディに奈落に突き落とされる。ええいジョシュ・ラニョン先生の攻めはいつも煮え切らないわね!攻めと書いてしまいましたが、今回サムは年下にお尻を差し出す側です。それなのにセックスでも仕事でも主導権を握るボスはサムに見える。彼は上司ではない!その通り。

彼らが1巻の後、夜中の長電話を繰り返しているという事実にうっとりしたいのにここは奈落。"何ヶ月もの電話"…ほぉそんなに。"いつもの深夜の電話"…ほぉいつもときた。"真夜中の長距離電話""挑発的な言葉遊び"…だからそこまでしといてなんでよサム・ケネディ!このミスターどっちつかず!

そんなミスターの四六時中ジェイソンのことを考えてるという熱烈な告白も事件解決も、全てはシプカがトリガーでシプカのおかげなわけですが、彼はもういないという。多弁でチャーミングな首突っ込みたがりはジョシュ・ラニョン先生の主役ポジションなのに、運命の悪戯で退場するシプカ。この世は紙一重です。

彼らがうだうだやって結局ホテルの部屋に雪崩れ込むもんだから、それなら最初から素直になっとけばいいのにと思ったり。それじゃあ物語は広がらないけど。1巻で今後ありますよと匂わせたサムのFBI志望動機は思いの外あっさり明らかに。まだ悶着ありそうですが。犯人はまだ捕まってないとかね。

今回もロマンティックに終わりましたが前巻があるので過剰な期待は禁物。しかしながら会場の誰より背が高い堤防の如き肩を持つ男が、パーティーの主役と堂々たるキス。この挿絵も見たかった。

「モネ、モネ、カネ」は原書なら「Monet, Monet, Money」なのかな。

3

ラストシーンが最高!

シリーズ二冊目。相変わらず渋い!
作中時間は前作から八カ月後で、悩むケネディから関係を切られるところから始まる、切なさ・辛さがいっぱいの一冊。新たな登場人物、シプカがとても好きだった……。

なぜかケネディのいる現場に呼び出されるジェイソン。前作で語られた事件以来の再会で、その間ずっと電話だけの遠恋状態だったらしい。なんつう可愛いことを!と萌える間もなく、ケネディは関係の終わりを示してくる。二人とも葛藤しつつも表面上はクールに振る舞う大人なため、本当に終わってしまいそうでヒヤヒヤする。

二人の追う別々かと思われた事件は、徐々に絡まり合っていく。その節々で起こる、何かありそうでない二人の絡まり方も良い。近づいたかと思えば遠のいている関係がもどかしく、心を掴まれていく。
実はケネディに衝撃を与えていたらしいシプカの存在も良かった。にっこり笑顔の挿絵なんて彼が初めてじゃないかな。よくしゃべる好青年で、欝々とした雰囲気を爽やかにしてくれる良いキャラだった。

散々遠回りして、やっとケネディが拒む理由を明かす。なんてベタな!ってのはいいとして、そんなに臆病な面を見せてくるとは思わず、びっくり。前作同様、捜査以外では強気が消えたモジモジっぷりを披露し、ギャップ萌えを提供してくれた。
ラストのエピソードもまたベタだが、あのケネディがやるのか!?っていう驚きのせいで、ベタなのが逆に新鮮に感じられた。

本編の渋さを忘れたかのように甘々な二人で締め。この終わり方も最高。

別の翻訳作品でも思ったが、与えること・与えられることに関し、日本とはかなり違う捉え方をしているのが分かる。こういう考え方が根底にあれば、受けがただ守られるだけの姫として描かれることがないのも納得。
日本には根付かないだろう文化や価値観の違いも感じ取れて面白かった。

ここまで読んで、未完シリーズと知った。今作は一応二人が幸せな状態で終わっているため、完結するまで次を読むのは待とうと思う。

3

まさかのFBI小説のオハコな展開?…

 美術ビジネス業界のウンチクもあり、今回もストーリーが面白く、新鮮でした。アート界が舞台ということもあり、登場人物のゲイ率が高い。
今回はまさかの…展開があり、衝撃でした。。二度と無い経験だよね??
 ケネディも何と同じ体験(こちらはもっと重い)を過去に経験済みという事も判明します。それが原因でケネディが○○と結婚しているという形容にも噴いたw。意外とケネディの乙女(?)な部分に触れられて面白かった。あくまでもハードボイルド小説なので、甘さ控えめの中で、今回はスイート風味があった方かな。あくまでジョシュ・ラニヨン基準です。

 終盤から舞台が島に移り、閉ざされた島の秘密に興味が惹かれました。最後はハリウッド映画のような盛り上がりも見せ、とても面白かったです。ただ事件の犯人や動機も主人公の推測等で語られて終わり、なのが気になります。犯人や事件に関わる重要関係者から真実や心情が語られないのが、日本のサスペンス・ミステリードラマや小説に慣れている身からすると、少し物足りなく感じるのは否めません。犯人側のドラマも見たくなる。お国柄の違いかな?
事件が日常にあるFBIにとっては、日々こなす実務の一つにしか過ぎず、こちらの方がリアリティがあるのかな。。現実はその時の突破的な衝動で事件が起きる事も多いだろうし。犯人が事件を起こすに至った動機や育った環境まで気になるのが、日本人の性だと実感しました。

5

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