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神様なんか信じない僕らのエデン (下)

kamisamananka shinjinai bokua no Eden

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表題作神様なんか信じない僕らのエデン (下)

喬織人,17歳,高校生
西央凛々斗,17歳,高校生

その他の収録作品

  • あとがき
  • カバー下漫画

あらすじ

体育倉庫で二人の逃避行が始まって三日。 西央の発情は続き、喬を求め続ける。
憧れの西央くんとこんなことしちゃってるなんて――… 浮かれる喬をよそに、身体には次第に変化があらわれる。
視力の回復、性器の付け根の膨らみ、香ってくるフェロモン――。
獣の発情期に似ていることに気が付く喬だったが、 変化は心にまで及び、西央に対して激しい独占欲を覚える!
これは動物としての本能か、それとも愛情なのか?
七日間が終わるとき、神様の悪戯によって選ばれた二人の出した答えは…
人類初のαとΩを描く、オメガバース前夜譚・下巻!
その後の番外編38Pが一ノ瀬ゆま先生に各SNSにて無料で公開予定!

作品情報

作品名
神様なんか信じない僕らのエデン (下)
著者
一ノ瀬ゆま 
媒体
漫画(コミック)
出版社
リブレ
レーベル
ビーボーイコミックスDX
発売日
電子発売日
ISBN
9784799751954
4.6

(529)

(427)

萌々

(58)

(26)

中立

(9)

趣味じゃない

(9)

レビュー数
41
得点
2454
評価数
529
平均
4.6 / 5
神率
80.7%

レビュー投稿数41

大好きになった漫画

レンタルで読んでみたらハマってすぐ漫画を買ってしまった。本棚にずっとあるシリーズのひとつになりました。
始まりの描き方が新しいし、現実的で面白かったです。

0

オメガバースを代表する名作

まだレビューしてなかったわ。先にドラマCDを聴いてから原作を読みました。

この頃やたらと多いオメガバース作品のひとつですが、人類初のαとΩっというユニークな設定を加えた、特に印象的な物語でした。

体育倉庫である二人の「エデン」が舞台の密かな七日間―
大きな事件はないものの、それでも自分が今まで触れてきたオメガバース作品の中で一番面白かったです。

やっぱり僕エデはキャラがいいんですよ。見た目や性格がαっぽい西央くんがどんどん「メス」になっていく描写が個人的に萌えたし、日々増していく喬のスパダリっぷりも大好きでした!

あと、ドラマCDも超オススメです!ぜひ聞いてみてください (^^)

2

丁寧な心理描写と並外れた画力

※上下巻あわせての感想です。

病院長の息子である喬は、同じクラスの西央を保健室に連れて行こうとしたが、発情した西央に迫られるまま、使われていない体育倉庫で関係をもってしまう。
それまであまり接点のなかった二人が、身体の関係から心を通わせるまでを丁寧に描いたお話。


ヒート(発情期)という表現や、アルファという名称は登場しますが、いわゆるオメガバースとは一線を画しています。
いわゆるオメガバースは、アルファ、ベータ、オメガの世界観が厳然として存在し、登場人物は第二次性の検査を受けるなどして「当たり前」に受け入れています。
本作では、オメガバースという言葉は登場しないし、第二次性の世界観もありません。
西央はわけもわからず、ただひたすら発情するようになってしまい、自慰をしても一向におさまらない。
フェロモンにあてられた(作中ではニオイと表現)喬が、やみくもに西央を犯しても勃起はおさまらず、西央は家に帰れなくなってしまいます。
発情がおさまるまで、喬は西央を抱き、支え続けるのですが、その間に何故か西央の考えていることが手に取るように心に入り込んできたり、見えないはずの西央の過去や心の傷に触れたりして、少しずつ二人の関係性が近くなっていきます。
くわえて元より学究肌である喬は、二人の間に起こっている尋常ならざる事態を解明しようと、調べたり持ち前の知識から仮説を立てるなどして、発情期、狼の群れのリーダーたるアルファ、という答えに行き着きます。

この作品のすごいところは、並々ならぬ画力もそうですが(フェロモンにあてられぐらぐらする描写や、ニオイの可視化など)、十代男子の心の不安定さと、諦めや葛藤を内包する無垢な魂、純粋な心の結びつきを、セックス描写と絡めて描ききっていることだと思いました。
言い方は雑ですが、上下巻通じて二人がやっている描写がほとんど。なのに、何もかもに意味があり、目が離せない。
このあとどうなっていくのか、どういう風に結論づけられるのかを知りたくて、最後まで一気読みでした。

3

これは…名作というヤツですね!

新刊のレビューの嵐に刺激されて初のオメガバースに挑戦中。
上巻で刺激的で壮大な世界観に驚嘆しておりましたが下巻はBLとしてのDKの近付く気持ち、交錯する想いを堪能しまたまた魅了されました!

喬くんのαとしての支配欲と庇護欲が渦巻いて、本来「穏便」を好み平穏に生きてきた彼の戸惑いや不安に悩む姿、西央君の明らかなカラダとココロの変化に悩み抗いながら受け入れる芯の強さ、DKの眩しさと始めてとなるであろう始祖としての神々しさを感じて目が眩みます。
こんな気持ちにさせる画力が本当に上手くて、見えないハズの空気や匂いがページから感じるようです。

本当にすごい作品を読んでいる!これは名作に違いない!と読み終わった今、ちょっと世界に叫びたくなる衝動に駆られそうです(≧▽≦)
しかも!この後があの私をエデンに導いてくれた新刊!
読むの、楽しみだーーーー!

1

英語タイトルは…

電子では後書き、紙ではカバー下に書いてありますが
「I don't believe in god,I belive in you」
となるらしいですね。
「僕らのエデン」は「君を信じる」って捉えるなんて情熱的‼

他にも2人の名前に込められた想いも興味深く、スゴイ壮大なスケールの世界観を創り上げる上で細かいディティールにも拘っているからこそ没入感を誘う世界が創れるんだなぁ…としみじみ思います。
まさに「神は細部に宿る」!クリエイターの真髄に触れた気がします。

新刊に備えて読み返しでのレビューです。
上下巻まとめて「神」!
こんなにも緻密に創り込まれた世界観を素敵な「絵」で魅せて下さって感無量‼
続刊への準備はバッチリです!
明日の電子配信まで興奮して8時間位しか寝れそうにありません♪(*ノω・)テヘ
冗談抜きに…!本気で楽しみですし電子配信も紙本から間髪入れずの配信の神対応!ありがとうございます♡
そしてこの素晴らしいシリーズ作品を生んで下さってありがとうございます‼

0

発想と着眼点にひれ伏すしかない

なるほどーーーーー!
と唸るしかないこの作品のタイトル
だから「エデン」なのね…!と。

この話をどう思い付いたのか、そしてどう組み立てていかれたのか、、、
先生の頭の中を出来る事なら覗いてみたい
創造のお話しを創造していくって事に着目する感性がクリエイティブそのもの‼
そもそもオメガバが生まれた時点でその非日常に驚きを隠せなかったけどそこを更に新たな視点で活かして掘って膨らませて…!
読者にとって想像を超える驚きを貰える事って感動ボルテージ爆上がりでメーター振り切れちゃう位幸せな瞬間♡

この作品はそんな感動が得られる貴重な作品です
下巻は「夜明け前」の上巻で撒かれた布石を回収していく「夜明け」の話
夜明け前の暗い中で抗い、手探りを繰り返した事で2人は夜明けに向けてその新しい陽の光を受け入れ始め、立ち向かっていきます
その自覚が彼らを無自覚に成長させていきαらしさΩらしさが表れ始めていきます
それは2人の倉庫の中での交わりにも変化は表れ……そして倉庫を出たラスト!
感情をぶつけ合うような告白、いいですね♡
2人のこれから、に期待出来る終わりは多幸感があって読後の満足度があがります

2度目のヒートが描かれる様子の新刊の2巻、楽しみ過ぎますっ♪


0

普通じゃなくても

自分たちの身体に起きている変化に気付き始めた上巻の終わりから、彼らなりに様々な仮説を立ててやがて答えを導き出すまでが描かれていた下巻。
本能に引っ張られていた部分を抜けて、冷静な頭で出した結論がシンプルな愛の言葉だったことにとても感動しました。

求め合っているのはお互いに惹かれているからなのに、その事実を認めてしまうのは簡単ではなくて。そもそも何が起きているのかはっきりしない状態で感情まで辿り着くことも難しかったと思いますが、それでも逃げずに向き合って最後には男らしく気持ちを伝えた喬が本当にカッコ良かったです。

これまでの自分とはガラリと変わってしまうような出来事ばかりだった西央も、それを受け入れながら最後まで"考えること"を諦めなかった姿がとても素敵だったなと思いました。

その変化に明確な答えが出ないままふたりは一緒にいることを決めたわけですが。普通と普通じゃないことの境目が曖昧になってもそこに運命や本能が絡まっているだけではなく、お互い同じ気持ちを確かめあった結末がとても美しいお話でした。読んで良かったです。

1

タイトルの意味は……

 また、凄い作品に出会ってしまった……。

 オメガバースは設定やストーリーの傾向的にイマイチ感情移入出来なくて、この作品も購入するのに二の足を踏んでたけど、もっと早く読めば良かった……凄く後悔。
 BLアワード前に読んだら間違いなく超長文のコメント付きで投票したし……。

 ストーリーは練られてて秀逸、コマ割りは映画のよう。
 二人の表情の描写が素晴らしく、そこから読み取れる心の機微にこちらの心を鷲掴みにされて、続編2話まで一気に全部読んじゃった……。
 
 寒くて暗くてカビ臭くて「普通」であれば不快極まりない体育倉庫が二人のエデン。
 宇宙規模の人体の進化が「体育倉庫」という極限られた空間で解明されていく。
 表面的な理由は違えど似たような想いを抱え、お互いを見ていた織人と凛々斗。
 体の繋がりは偶発的なモノだったかもしれないけど、心が求め合ったのはきっと必然……。
 人間は神様の手で生み出された存在だけど、理性も知性も得た人間だから二人でエデンを出ていくの……織人と凛々斗はアダムとイブのようだけどそうじゃないんだな……凄。
 
 よく練られた作品で、後書きに書かれていた主人公二人の名前もなるほどなぁって……目から鱗。
 でも、そうなるとなんで凛々斗の苗字は“西”なんだろうとか、イメージカラー(髪の毛、目の色)が赤?なんだろうとか……。
 そもそもオメガバって狼の群れからインスパイアされてるみたいだけど、αはともかくΩ自体が“終わり”なわけで……。
 この物語の世界観がキリスト教とか神話とかそんなモノを感じさせるから、なんとなく、この先の凛々斗の受難を暗示してるようで、色々と深読みしてしまうよね……。

 どうかどうか、二人に幸あれ……。

( Ωは身体的にハンディがあるっていうのはわかるけど、それが理由で虐げられるとか卑しい存在として扱われるっていうのは私にはどうも受け入れられなくて……。
 この先のストーリーがそっちの方向に進んでいかないことを願います。 )

 

4

覚醒

オメガバース前日譚ということで、未知なる自己の変化に戸惑う様が新鮮で読み応えがありました。

上巻よりもやや落ち着いてきた発情。
オメガバースを知る読み手としては、抑制剤なしによくぞ耐えきったとほめてあげたいです泣。

下巻のみどころはなんといっても織人のアルファとしての覚醒ではないでしょうか。
もともとの半端ない知識量にも脱帽。
さすが…アルファです。
自分たちの変化を肯定的にとらえられる精神力、問題解決能力、そして凛々斗を守ろうと懸命に努力する様、本当にかっこいいです。

擬態して二人で困難を乗り越えながら生きていくこれから…
是非とも読ませてください。

2

タイトル通り2人だけのエデン


今まで感動するオメガバースっていくつも読んできて、ボロボロに涙を流すことありましたが、この作品は涙をボロボロに流す感動というよりかは、話の濃さが、構成がとにかく素晴らしくて、本当に「すごい」しか出てこない、唖然としつつ感動していた感じです。終わったあと暫くぼーっとしました。

簡潔にいえばオメガバースにおけるアダムとイブの話って感じです。個人的に好きだったのは、2人が人類初だから、他の作品に見られるΩの社会的地位の低さなどがもちろんない事です。本当にただただいい世界でした。

出会えて良かったです。

5

なんか色々すごかった……!

上巻は、突然の発情期に襲われて何が何だかわからないまま、翻弄されまくりだった喬と西央。この下巻は発情期のピークを越えて終わりが見えて来たところからのスタートです。

厄介な発情期がようやく終わるという解放感と安堵とともに訪れる淋しさ。そして喬はαとしての支配欲・独占欲で頭がいっぱいになってしまいます。

喬の葛藤シーンが斬新でした。私はそんなに多くのオメガバース作品を読んだ訳じゃないので、こう言うのもなんですが、こんなにはやい段階でαが葛藤するのって珍しいような? 喬が持って生まれた探求心や理性でもって、暴れ出すαの本能をねじ伏せるシーンはすごかったです。自分が何をどうしたいか紙に書き出してる……!? こんなα見たことない!! いいですね、理性でもって荒ぶる野性に立ち向かう喬。

喬の想いがとにかく一途で、西央を解りたい、守りたい、西央から選ばれたいというひたむきさが眩しくて、最後の告白シーンがよすぎておばちゃんちょっとウルッてきちゃった……。

それから、漂うΩのフェロモン、ほどけるDNAの塩基配列、蛇や狼の姿をとって現れる欲望などの表現が神秘的で良かったです。

物語の全体から生きるということに対するポジティブな感じが伝わってくるというか。楽園を逐われたのではなく二人で自ら楽園を出たラストは、希望が満ちていると感じました。

続編があるみたいなので、楽しみにしています!

3

話の展開が魅力的!

画に迫力があって話の展開も魅力的で頭から最後までドキドキして息が苦しかったです。
高校生くらいのあの謎の万能感。αが開花していく様。αがオメガバースを解明していく過程はミステリーの解決編みたいな気持ち良さがあって胸が踊りました。

本来の性格とは違う、αとしての本能を自分らしく解決する攻めに頼もしさと格好良さ、αが彼で良かったという安心感を感じました。
オメガバース故に体から始まった二人だけど、そこに芽生えた愛情はとても素敵で安心しました。

2018年としっかり設定されている事も個人的には好きで…今、まさに彼らは最初の二人として困難に立ち向かっているのかなと思いを馳せてドキドキ。
本来ならオメガバースはファンタジーでしかないのに、たまたまだけれど、2021年こんな時代になって歴史的に見ても人類は大打撃を受けている。この異例の状況を打破する為とんでもない進化が起きたって不思議じゃないかも…なんて思えなくもない。そんな風に思いを馳せられるくらい、ストーリーの芯や設定がしっかりしていて本当に凄まじい作品だなと思いました。

1

ヒートに全振りすぎて

 濡れ場の描写は本当に綺麗でした。肉体美を存分に感じられます。喬と西央の表情も魅力的で、特に瞳の描写は秀逸です。陽キャで人気者そうな西央が心許ない表情や控えめな表情を見せることも多く、そのギャップも素敵でした。

 ただ、これだけの短い期間、ほぼセックスをして過ごした関係性の2人。そこをきっかけにして、日常に戻ってから本格的に恋人として睦み合う日々まで描かれていればまた印象が違ったかもしれませんが、ヒートが終わるのと同時に物語も終わるので、正直心情の変化、恋愛感情を育んでいく過程という点では物足りなさを感じました。もちろん、激しいぶつかり合いの中でこそ得られたものもあるでしょうけれど。2人とも魅力的だったので、普段の関係性も見てみたいですね。

2

オメガバース設定の転がし

下巻の作画の方が好きです!2人の高校生らしい可愛さが増した気がする。あとがき見るに長く描いてたから絵柄の変化大きかったのね。

人類初のオメガ性αとΩとの触れ込みで、その前提で読み始めましたが、そこに一ノ瀬先生独自のエッセンスが加わっていて面白いです。αの支配欲求で話を転がしたのは成る程!と。上巻みたいにエロが殆どだったらこんなにハマってなかったと思う。人類初のαが聡明かつ純粋な青年で良かった!告白シーンのロマンチックさ!終わり方も作品のテーマをしっかり完結させていて印象に残る。

先生の作品は「gift」のみ既読ですが、精神世界みたいなのが十八番なのか?彼が欲望と戦う演出は面白かった。やり過ぎるとくどいけど、良い塩梅。「gift」は神評価にしてるけどその辺の描写はちょっとくどいなと思った…

シーモア限定描き下ろし「おうちデートに来たんだけど」

2

アダムとイブのように

下巻。

オメガバース創世記としての着眼の新しさはあれど、下巻の始まりはBL鉄板の「思い込み/すれ違い」の物語。

喬は、西央は発情によって否応なく自分と行為をしている、と思っている。
同時に喬は知識を得て、自分の湧き上がる感情を「狼の群れのアルファのような支配欲求じゃないか」と分析もしている。
自分は西央が好き。
でも西央は?
言いたくて、言えなくて。
聞きたくて、聞けなくて。
そしてまだ続く西央のヒートと共に、交尾、交尾、交尾。
そう。2人の行為はセックスというよりも交尾的。

2人はこんな嵐に放り込まれて、どれだけ怖かっただろう。

少なくとも読んでる私はこんな状態は恐怖だと思った。
その恐怖感の視点が少ないから、ただ西央がいつも全裸で喬を欲しているだけのように読めてしまう部分が残念に思える。
ラストは、「そういう人類」が世界でも発現している…という描写なのかもしれないけど、少しわかりづらかった。
「世界初のアルファ」はコブのように抜けないpニスに変化した。
「世界初のオメガ男性」は妊娠可能なのか?
そこはまだ描かれていない。そんなところももやもや〜とする。

絵柄はきれいで読みやすい。
ストーリーの発想は素晴らしい。
総合「萌」で。

2

満足感

あまり色々書かないで感想だけ。
凝った文章は他の方にお任せします。
エロからの笑い、ほのぼの、シリアス、たまにアクション、深層心理、たまにトリビア、そしてエロ、しみじみ、エッ終わり?からのドーンみたいな、フルコースディナーでした。
良かった、お腹いっぱい、また来るわ!
そんな感じです。
凄い、凄ない?と思ったのでgift行ったら死んだ。底力。2次創作も覗いたら死んだ。
品質保証okそんな感じです。

6

すべてが尊い

えっ……私は何を読んでいるんだろう?これは……SF?ってなりました。素晴らしかったです。

読み始め、なるほどオメガバースだからエロいなぁふむふむと思っていた自分を殴り倒したい。途中からエロがエロじゃなく見えてきました。(超褒めてる)ストーリー全体が尊いです。

攻めの眼鏡っ子こと喬くんはナチュラルボーンかわいいし、西央は憂いがあって色っぽいしで、キャラクターもめちゃくちゃいい。

ネタバレになるので詳しくは書きませんけども、ラストの余韻もよかったなぁぁ。名作映画のようだった。なんか月並みな褒め言葉しか出てこない語彙力のない自分に腹立ちますけど。でもほんとにそう。そうなんだよ〜〜!

普段オメガバース読まない人にこそ読んでもらいたい、そんな作品でした。急いで先生の過去作買い漁ります。

5

告白シーンを解説して欲しい

苦悩する攻めが見られる下巻。本能に抗おうと頑張ってるんですけど、攻め本来の性格もあまり良くないんじゃ?と思えてしまいました。実はすごい奴感が鼻に付くwこういうとこも中二感出てるなーと思っちゃうんですが。

と、まあ攻めは嫌いでもお話は面白いです。普通であるように擬態しようってとこが良かった。決め顔はやっぱりイラっとするんだけどwこういう自分の中で決意するようなことを口に出しちゃうのが学生っぽくって。
辛い経験をしながら大人になる過程で、上手く生きていく方法を学んでいくっていう、そこをガッツリ見せられてるみたいな。すごく青臭くて恥ずかしくてグサっときます。

そして1ページを使った告白シーン。私にはこの攻めの言葉の良さが分からなかった。たった一人の異性って???「性」を特別なものとして、対になる概念として捉えた結果の言葉が異性ってこと?「性別」をそう捉える感覚がいまいち分からない。
受けに動物のメスと同じ症状が出てるってとこまでしか分かってない状態でのこの告白は、受けにとって認められた的な良さがあったのかな???同性と思ってた相手に、自分とは異なる性ですって言われたら絶望しない?と私は思っちゃったんですけど。
一番良いシーンっぽいので分かりたかったんですが、そもそも感覚が違うみたいで刺さりませんでした。

お話は面白かったです。

3

そうきたかー

最初あらすじを見た時、オメガバースものはもう飽和状態で、面白くするには難易度高いジャンルだよ…と思い、買うか悩みました。

でも買って正解でした。めっちゃ神作品。
思わず「そうきたかー!」と唸りましたもん。
人の描き方が濃い。人間観がしっかりしてる。私は少し某将棋漫画を思い出しました。いや、他作品の話し出すべきじゃないですね。すみません。

エロさもあり、人間ドラマもあり、凄いもの読ませてもらいました。無い訳では無いけどあまり見かけないオメガバース黎明期を主題として、終わり方も明るい感じで、すっきりします。

4

はじめての

衝動的な始まりだったふたりの関係がどう転がるのかというのが後編。
性衝動ばかりではなく、少しずつ変化していく関係がよい。
おそらく、日時的な部分でいえば、
さほど長い時間ではない。
けれど、それは二人にとってとても濃密な時間。

運命の番というのはオメガバースの中では
もはや誰が聞いてもピンとくる言葉ではあるが
そういう固定概念が未だない世界と考えると
感慨深いものがある。

少しずつ社会は変化していく~なラストも面白かった。
もう少しこの世界でストーリーが読んでみたい。
そんな作品でした。

1

すばらしいとしか言いようがございません

正直な所、上巻を読んだ時点では萌2でした。
でも、この話がハピエンとしても、オメガバ的に落とし所が私には予想がつかず、どうなるのか楽しみにしていたんです。

そ れ が…来ました!

喬が西央に告白するセリフ、コマ!!
感動。ちょっとウルっときました。
タイトル回収でもあり、こうくるんだと。
gift でも展開の鮮やかさがお見事で唸りまくったんですけども、また来た!すごい。
これで神決定しました。
(私の中では神評価は文句なし!な作品なので、そう多くはないつもり)

その後に続く喬のセリフも、2人の表情も最高で感動。

ここで、喬がこれを言えるのは、それまでとことん自分に向き合って、αの特性、オメガバについて、西央について、しっかり自分なりに考えていたからですよね。

先生の初期の作品でも心理描写がいい、引き込まれて好きだなと思っていたんですが、giftで、ちびケイ2人のやりとりと本体のケイの描き方がめちゃくちゃうまいと思ったし、好きでして。
理性(自分を守る)と本能(欲望)の葛藤とか、どちらが優勢になって、どう思考が変化して行動に変わっていくか、が如実に伝わってくる。ドラマチックに。見応えありまくり。

それが本作でもいかんなく発揮されていて。
喬の、αの本能と、理性とのせめぎ合い。
そこから自分の望みと照らし合わせ、最善の策を導き出す、喬の聡明さ、と良心と、誠実さ。
その描かれ方が見事だなと。
(説明過多、情報過多になりそうなところ、そう感じさせない手腕がすごい)
この一連の場面があってこその、あの告白のシーン!!が、これでもかと効いてくる。

もちろん、西央の心の葛藤も手にとるようにわかる描写が良くて。
喬と比べたらシンプルだし、わかりやすい。

西央は、感情面でキました。
喬にドキッとして「たらし」ときゅんとしている表情や、喬から着信があって慌てたり、手を握られてむずむずしたり、今すきと言いたい、とか「好き」がこれでもかと伝わって、激萌え!!

良いところを言い始めたらキリがないので、そろそろ切り上げたいのですがw

本能に導かれるまま体の関係を持った2人が、惹かれあっていくのに、心の整理が追いつかないのもよくわかる。
ヒートのおさまりと共に、いろいろ考えつつ、普通の(普通についての喬の話も興味深い)高校生の友だちのように過ごす時間がよくて。

そうしながらお互いのことを知り、自然に距離が縮まる時間が必要なわけで。
冒頭から怒涛のヒート現象だったけれども、ヒートのおさまりにより、心も冷えていくのではなく、逆にあたたかくなっていく構成もすばらしい。

笑える場面も好き(私にとっては重要で大好きな要素なので)
喬と西央母のやりとりとか、チンコントンだ!!ちんこ飛んだ!?とか、他にも2人の間でネタになるようなノリとか、どれもおもしろい。

ラストの告白前のやりとりもおかしいし最高。
セリフがいいし、西央が喬の顔をぺしっとしちゃったりww

お互い、好きだと自覚したのに、なかなか言い出せない切なさありつつ、わからないなりに探究してオメガバ性を受け入れていく。そして、お互いの気持ちも伝わって…と、すんごいプロット、構成、表現力だなと(ど素人のくせに偉そうにすみません)

この設定を高校生でやるのが、またピッタリで。
気持ち、身体、体験としても、初めての驚きと戸惑い。身体の変化とともに、心情、関係性の変化がうまく組み合わさっていて、計算尽くされているなと感心しきりです。

giftと、本作で一ノ瀬先生の作品は今後、有無を言わさず全買いだなと決定致しました(キリッ)

全私がスタンディングオベーションでございます。礼!!

4

下巻!素晴らしい!

こんなふうに!まとまるのか〜
まあ幸せになると思ってたけどね、でもね、ぜんぶひっくるめて、ほんとうに、幸せだな〜素敵だな〜っと、今胸がいっぱい

ニシオくん、エッロォ……たまらん色気、、ダンシコーコーセーってこんなにエッチで大丈夫ですか??ヒートってすごいなァ

そしてタカイくんの雄度がぐんぐんあがっていって!でもそれに負けない、ニシオくんへの愛、博愛、ではなくて、確かな欲が混じった、でも優しい愛

全体を通して、駆け抜けるような感じと、コーコーセー特有の青臭くて、でも純粋な思考がとてもわかりやすく描かれています

二人が、世界が、しあわせでありますように!

6

面白かった!

面白かった!
人類史上初のαとΩ、既存のオメガバース作品とは作風が違って面白く読めました。
まだαとΩの名称も無く、これが何の現象なのか科学的に考えて行く過程が興味深く読めました。
こんな格好良くないαっている?と思ってたけど、順に男らしくなって素敵で格好いいαになっていくのは読んでいてドキドキしました。
きっと彼はこの現象を研究してΩを守って幸せにするんだろうと確信しています。
Ωの彼はαに守られながらもαを支える事が出来る素敵な人間になるんだろうと思います。
素敵なカップルで幸せになって欲しい。
大好きな作品になりました。

7

新しくておもしろかった!


ちるちるさんでの初レビュー失礼します!いつも傍観してたのですがレビューせずにはいられませんでした…

まず題材が新しく斬新でした。オメガバースは今やたくさんの作品が溢れている中、オメガバースの始まりのお話なんて初めてでした!オメガバースの知識はおろか存在すらない世界のお話なんて一体どうやって展開されるのだろうか…と少し半信半疑でしたが話の流れが綺麗すぎてスラスラ読めました。ほ〜なるほどなるほど…なんて思ってしまうほどに(笑)出だしの現実帯びた様なエピローグと丁寧な心理描写で、オメガバースという現実離れしたジャンルでも入り込みやすかったです。
段々攻めくんに惹かれていく受けくんも良いのですが、なんといっても攻めの喬くんの豹変ぶりがもう…。気弱で地味だったはずの喬くんが、段々アルファの顔になっていく様が本当にかっこよかったです。まぁ知的で博識なこと。顔つきも変わっていって、わ〜アルファだ〜と私が喜んでしまいました。そら西央くんも惚れるわな…。
最後はハッピーエンドで後味も最高です。
1番最後にやっと2人に世界が追いついて来たような描写があったのがなんだかすごくホッとしました。また一段と2人が幸せになれることを祈ってます!素敵な作品でした〜!

7

最っ高にエロくてエモい

上下巻完読です。新しいオメガバース作品で新鮮に読ませていただきました。そして久しぶりの良作に出会えたなと思いました。この作品は、全オメガバースの原点、誕生を描いた作品です。相手を求め続けてしまったり独占欲を覚えたり、お互い初めての感覚に、戸惑い、これは動物としての本能か、それとも愛情なのかと葛藤してお互いにに向き合っていく姿が、丁寧に描かれていてどんどん世界観に引き込まれてしまいました。他にも、体育倉庫の暗い場所で描かれる2人の掛け合いや長いモノローグや台詞、全てのシーンが魅力的でした。「世界でたった1人の俺の異性」という表現も印象的で新たな性としてこんな例え方もありだなああと思い、エモさを感じました。

6

よかった

最後の数ページがすごく好きだった
いい終わり方だった

3

オメガバースそろそろ飽きてきた…という人におすすめしたい!

2021 年現在、商業BLの中でもオメガバースものというジャンル?が確立され数年たったなぁという印象があり、筆者自身もオメガバースものの名作と言われている作品は大方読み終えております。
α×Ωの魂の番、運命に抗うβ×Ω、はたまたβ同士や異世界ものなどなど、オメガバース設定を上手く利用した面白い作品はたくさんありますが、そろそろもう目新しい作品はでてこないかな、と少々オメガバースから離れかけていましたが…まだありました!
オメガバースの誕生の瞬間を切り取った作品というのは、あったようでなかったですし、オメガバース作品を読んだことのある人なら理解できるあるあるや設定を逆手に取ったりして、上手く使っていると思います。
ある種オメガバースへのアンチテーゼにも思えたり…?!(考えすぎですね!)

とにかく最近オメガバースあきてきたな、という人に見て欲しいです!

7

斬新だけど、響かなかった

「人生最初のαとΩ」という斬新な設定は面白いなと思います。ただ、萌2や神をつけるほど響くものは私にはなかったです。
作品が悪いのではなくて、私に合わなかっただけです。
絵は綺麗だけど私はあんまり好きじゃないし、2人だけの世界で強制エロっていうのもなんか恋って感じがしなくてあんまりときめかなかったし、それに、体育館倉庫に篭るっていう現実的じゃない設定もなんか好きじゃなかったです (ここまで作品を全否定)

とにかく、私の好きじゃない要素がオンパレードだったから私に合わなかっただけなので、ここまでレビュー読んで「え?最高じゃん!」と思った人は読んでみてください!

16

上巻に輪をかけて濃密で劇的でエモくて、そしてちょっと中二

美しくてエロくて優しくて圧巻でした…!

視力が良くなる、サッカーボールが物凄い速さでキャッチできる、別人格の声が聞こえる…
自分の力が目覚めてしまった中二感!
世界の終わりか始まりか、ふたりぼっち、リンゴ…擽られます。

上巻よりヒートは収まっていくのですが、それに反比例するように罪意識や強い嫉妬でドロ熱くなだれ込むのがすごかった。
西央くんの「エッチじゃないとこがどこにもない」身体の描き方がもう美しくて…身体の動きにデフォルメや効果音が少ないのもすごく綺麗。
彼の顔のつくりで、根がちゃんとした人なのだろうなと伝わってくるところも好きです。
二人の会話一つ一つに変化する表情が、どれも魅力的で見飽きません。

西央くんは身体の変化が怖くないのかと上巻で思ったのですが、3.4日ではまだ疑問と戸惑いの段階みたいですね。ヒートから脱して、その時当たり前だった感覚が抜けたと。
親身に心配してくれる喬の「怖い?怖いよね ごめんね」という優しい台詞が沁みます。西央の頬が染まります。
彼が怯えないから余り可哀想に見えないことは、読む上で救いになっているんですよね。

嫉妬で目の色が変わる本気の喬も堪りませんでした。
アルファとしての強烈なプライドや周囲への苛立ちが生まれ、今までの穏便な気持ちとの争いが起こる。
葛藤にかなりの頁数が割かれていて、それを終えて出てきた純粋な気持ちは清々しい。
「求められたい」が支配したいよりも欲張りかもという言葉は、考えさせられます。
独りよがりでなくより難しい次元。
本能に抗うのではなく、その声を聞いて更に上を行くような、好きな人への接し方には感動しました。

そして「異性」という言葉が、正に新しい性の意識の誕生として出てきたのも、自然で良かった!
現代(この漫画の舞台も現代ではあるけど)様々な性に少しだけ広がった理解が、更に加速したような延長を感じました。

喬は医者家系だし、アルファの性質は代々少しずつ形成されてたのでしょうね。
西央くんはまだ解明されていないし完成されていない身体の変化で、果たして身篭ったり、それ以前に定期的なヒートは大丈夫なのかとか、考えようによってはメリバです。
それでも、この二人はどうあってもきっと大丈夫と思わせてくれる終わり方で良かったです。
ちゃんと言葉にするって気持ち良いし、相手にちゃんと届くから大事だなと改めて思いました。
ああ、でも頸噛むシーンもハッピーでトロ甘なシーンももっと見たかった…

心理描写と画力とエロ、全て高いレベルで、オメガバース代表の一つになる作品、決定的な変化になると思います。

16

世界であなただけ。僕らのエデン。

うわああああ。泣きました!しとどに泣き濡れました。
これは、お久しぶりの。浄化系BLなのではっ⁈ 心の中のスタンディングオベーションが鳴り止みません‼︎
そもそも途中から。この暗い倉庫だけが舞台の、2人芝居の様な様相を呈してたと思うんですよね。西央くんの、喬の、長い長いモノローグ。何ページにも渡る長台詞。
いや、これは舞台で観たい。諸々無理めなシーンはあるけども!ソコじゃなく。
これは、しち面倒くさい事を、自分の負荷としてくだくだしい説明をしていたりするけども。シンプルに美しい、恋の物語なのだ、と思う。そしてそれは基本的で紛れなく純粋な。人類の営みで、未来永劫変わる事の無い、愛の物語なのだと。

上巻で、オメガバースの黎明期を体感する事になった西央くんと喬。西央くんが、喬の様な、頭が良くて優しい、優秀な男の子に出逢えて良かった、と私は安堵していたんだけど。
支配者であるところの α の側面をも喬は体感してしまう事となる。西央くんを守りたい、優しくしたい、この数日間の間に恋に似た感情の芽生えを感じる一方で、凶暴なまでの西央くんに対する支配欲に駆られてしまう。自分の中に沸々と湧き上がる黒い感情に怯える喬。
悪魔の様に、自分の精神に響く声もまた、紛れも無く自分自身なのだ。
この嫌な感覚と闘っている頃。西央くんもまた、こんな事になる前に付き合い始めた彼女の事よりも、喬の事を切なく想っている。ここら辺は、オメガバースあるあるで。
身体を触られて嬉しいのも、抱かれたくて、または抱きたくて仕方ないのも、互いに相手の方は、性欲処理への欲求なんだろうと切なく想いあっている。
自分ばかりが好きで、好きで、仕方ないのだと。
喬は気付く。支配したいのでは無い事を。西央くんに選ばれたいのだと。
それはもしかしたら。相手を好きになる事よりも、支配する事よりも。ずっと難しくて。素晴らしいこと。愛情を乞い願う事。

そうは言っても、まだ高校生で。親に、庇護される存在の子供なだけの2人。高校生らしく、ヒートの終わりをただ、秘密基地でお泊まり会をする様に穏やかに寝む夜。
夜が明けて、それぞれの日常に戻る前に。ひたむきな気持ちを言葉にする2人の、清々しい朝には涙。もうずっと涙。2人の間に起こった事は。喬の考察だと、人類の進化の途上かもしれないと言う。ヒートからずっと平熱が高いのに、平気な身体になったのも。ウイルスと闘う免疫機能が高まったのかもしれない、と。
おや。と、ここで未曾有のウイルスに見舞われた私たちの世界を思うとき。
そんな未来があっても良いな、と思うのだ。
ラストには、おそらく世界中で、始まっている。驚異的な人類の進化を予感させて終わる。
この舞台を見終えた明日は、昨日よりちょっと清々しい気持ちになれる。
私たちは明日もまたマスクをして出掛けなくてはならないけれど。人類の進化はもう始まっていると、信じたい気持ちになっているのだ。

0

オメガバ発情の話は星の数ほど読んで来たけど…


いち読者としては、何度も目にしてきたオメガバースのよくある発情期ですが…

人類初のアルファとオメガということで、本人たちが正体不明の症状に理解が追いつかず、頭がぐちゃぐちゃになってしまう様子を見るのは非常に新鮮な感覚でした!


特に下巻に関しては、オメガバースの身体の変化に加えて、心の変化の描写がとっても丁寧で面白かったです!

オメガバースを知らない本人たちは、オメガの「アルファのものになりたい本能」やアルファの「オメガを全部自分のものにしたい本能」が自分の狂気的な一面だと思って混乱します。

それゆえにコントロールしたり、辻褄をあわせようとしたり…お互いに葛藤して自分の本能と相手の本能に向き合っていく姿が、めちゃめちゃにかわいかったです。

オメガバースのエロエロを味わいつつ、ストーリー性も高く、新しい感覚を楽しむことができました!購入してよかったです!

14

オメガバースがとても苦手な人間が読ませていただきました

最高でした。まるで一つ一つのコマが絵画のごとく話を展開させていくようでした。
(頑張ってネタバレ少なめにレビューします)

私はもともとオメガバース特有の男性妊娠描写や人種差別表現が許せず、運命の番とか言っといて身体の関係から始まり後から恋愛感情をのっけただけの「そこに愛はあるんか?」っていつも疑問に思ってきました。しかし作者様のオメガバース解釈により、この二人は確かに出会うべき運命の二人だったんだ、と感じました。

もしかしたら「この漫画ヤってるだけじゃん」という意見が出てくるかもれません。
確かに性描写は多いのですが、違います。もし人間らしい理性や心がなかったら、人類最初の番はただ体育倉庫で盛っただけ、という味気ない漫画になったでしょう。
しかし彼らは本能のおかげで早くのうちから(1ページ目から)身体は繋がっていたのに、他の動物とは違って彼ら人間は「繊細な感情を持つ厄介ないきものだったから」、二人の会話や行動の節々に愛情を感じられました。そこに確かな愛がありました。

青年期の二人って言うのもポイントだったかもしれません、小さな楽園で戯れたり未来のことを考えたりする様子が見てて眩しいほどでした。
そこに神話的要素が盛り込まれているのもまた、ファンタジーのなせる技であり本当に圧巻でした。

私はオメガバースを敬遠しながらどこかこんな作品を待っていたような気がします。
オメガバース好きな方には勿論、私のようにオメガバースは苦手だなって思っている方にもぜひ読んで欲しいです。

25

今までになかった

まさかの人類最初のオメガバースの話
私はオメガバース大好きなので試し読み後面白そうだったので初の作者さんでしたが購入
大当たりでした!!
とにかくキュンキュン、健全な男子高校生って感じでリアルさもありましたね笑
受けは見た目チャラいけど中身いい子
攻めは真面目な優等生ごく一般的な感じ(まあ金持ちだけど)
なのにヒートが来てからの2人の本能が凄かった……
苦戦しながらも攻めが受けのために苦悩するとことか
ヒートが来てからの受けの色気とか攻めのアルファの本能と戦うとことか良すぎましたほんと
しいていえば続きがほしいな……
えっここで終わってまうの!?ってなりました笑
これからが観たい物凄く観たい!!!
お二人のイチャコラをもっと下さいとなりました。
だから、自分的にはもったいないなと思いました。
オメガバース好きな人は絶対読んだ方がいいですよ!

16

神評価なんかじゃ足りない

もう全人類に読んで欲しいからネタバレなしで頑張ります…。

あーもう、なんだろ、愛、本能、恋。

喬くんがαだから西央くんもΩであって、西央くんがΩだから喬くんもαで…。2人がお互いじゃなきゃいけないんだ、って、愛を超えた何かを感じました。

上巻を読み終わった段階で、下巻にいくんじゃなくてもう一度上巻が読みたくなる重厚感があった。

二人はお互いが唯一、二人でひとつ、そういう言葉が本当によく似合う素敵なカップルだった。

喬くんは真面目キャラだからといって、よくある地味キャラとかではなく、しっかりと芯のあるずる賢さも持った本当に素敵な男の子で、それがすごく良かった。お前は正真正銘のαだよ。

西央くんはチャラそうにみえるThe陽キャラだけど、内に秘めた繊細さとか健気さとかがすごく愛おしくて、自分の中にある寂しさを埋めてくれるのが喬しかいないんだなって思えた。

二人は運命の番でもあり、運命の相手でもあった。そう思える最高のカップル。

最後のシーンは本当に声を出して感動した。絶対に全人類に見て欲しい。読んで欲しい。

完結なんて惜しすぎる。続編をお願いします。

14

上巻で入れ込みすぎると危険

うううむ。
すっごく煽られたんですよね、上巻で。
この状態をキープしたまま納得のいくエンディングを迎えたら、絶対「神」以上の評価がないことに地団駄を踏む!っていうくらい。
いい年してそんな失態を披露せずに済んだことを喜ぶべきか、悲しむべきか。

ヒートに当てられて訳がわからない中でも、状況を把握しようとしていた喬。
突然のヒートに浮かされて、体育倉庫で喬を待つしかできない西央。
4日目を迎えて、2人がどうなっていくのか、というところから始まる下巻。
いよいよ喬の中のαが、牙を剥き始めます。

支配欲、独占欲、自分のテリトリーから邪魔者を排除したいという縄張り意識。
身体能力も格段に向上して、ふつうの行動さえも相手に違和感を覚えさせる様子に、一気に身長も伸びたり、筋肉がすごくついたりして、肩に乗せていた兄を吸収して最終形態になったあの弟みたいになる!?とまでは思わなかったけど、目に見えて大きくなるのかと思ったら、そこは何も変化がありませんでした。

上巻はひたすら性的欲求の方にフォーカスが当てられていたので、下巻は精神的な面に進んだろうなとは思っていました。
思っていたけど、ちょっと想像していたのと違ったというか、自分の潜在的な本能が別人格化して、支配欲に全てを委ねることに抗う喬を襲ってくるシーンは…、うーん。
何か違ったんですよね。
上巻でも「少年漫画的展開」と言いましたが、このシーンはまさに「少年漫画」な感じがして、本能と感情の狭間で揺れ動くところは必須だとは思っていたけど、こういう表現方法にしたのかー、と。
どんな表現なら納得したのかと聞かれると、「上巻みたいな感じ?」という曖昧な返事しか出来ませんが、本能を具現化することで、何だろう。その本能も喬のもののはずなのに外的なものに感じてしまって、それまでの喬本人が支配される側になるようなイメージに感じられたのが、わたしは残念に感じました。

オメガバースでよくテーマになる「この気持ちは本能のせいなのか、それとも自分の感情なのか」というところは、本当に表現するのが難しい。
なぜなら恋愛感情は分析したり、数値や科学では測ったり解明したりできないものだから。
喬はもともとカッコよくて明るい西央に対して、憧れを持っていましたよね。
でも雌になった西央には、喬が憧れた部分はなくなっていたわけで。
「自分の雌を守りたい」というのは本能じゃないですか。
でも「1番になりたい」という欲求を支配で押さえ付けて叶えるんじゃなくて、「西央に選んでほしい」というのは喬本人の願い。
じゃあ西央の気持ちは?
自分の寂しさの隙間を埋めるための彼女とは、まだ全然深い結びつきもなかったから、切り捨てるのも簡単だけど、頭がいっぱいになるほど喬を好きになったのは、ヒートのせいじゃないって言い切れるのかどうか。
自分が弱っているときに甲斐甲斐しく世話をしてくれた喬を好ましく思うのは当然だけど、喬がαじゃなかったら?別の人だったら?っていうのは水掛け論ですね。反省。

分析できないと分かっていても、つい分析したくなってしまうんですよ。
わたしのような「納得できる説明を!」っていうタイプの方は、上巻より下巻の評価が下がってしまうと思います。
良かったんだけど、何かがスッキリしない。
体に変化が現れる前の、西央から見た喬の印象もきちんと描かれていて、お互いが「ああいう風になれたら」って思っていたのは分かる。
うーん、もう一回読んだ方がいいな。何かを読み落としてるのかも。

Twitterで公開されている後日談も読みました。
pixivが一番修正が甘いと書かれていましたが、検索してもヒットなし。一ノ瀬先生の個人ページでも見つけることが出来ず。
わたしの何がいけなかったのか…。
ヒートじゃない状態で求め合う2人と、「次の約束」のところが良かったです。

ちょっともう一回読み直して来ます。
それで書き直すかもしれないし、書き直さないかもしれないし。うーむ。

《追記》
読み返して来ました。
焦がれ狂うほどの「好き」という感情の根底に、不安で仕方がないときにそばにいてくれた安心感と、自分を見捨てないという信頼があって、そういう喬の優しさを独り占めしたいと感じる。
ちゃんと恋でした。

10

新たな世界の、始まりの二人

上巻から引き続き―

αもΩも、まだ誰もその存在を知らない世界で
人類初のαとΩ、いわばアダムとイヴとして覚醒した少年たち。

オメガバース設定のある作品の最初の数ページで説明されてきた
人類の第二の性への進化の過程がまさにこれなんですね。
オメガバースの世界はこうして始まったんですねぇ…

ある日、突発的に始まった西央の発情とフェロモンに引き寄せられた喬。
その現象の意味もわからないまま、二人は
体育倉庫でこっそり身体を重ね続けていました。

3日が経過し、ようやく西央のヒートが落ち着き始めた頃、
身体の変調に遅れ、今度は喬の心に変化が起き始めます。
それはヒートが終われば、また以前の日常に戻り、
西央が自分から遠のいてしまうことへの焦りでした。

周囲への支配欲求や西央への独占欲が高まり、
自分の中で“α”が目覚めていく感覚に戸惑う喬。
そして、西央に彼女がいることを知ると、嫉妬から乱暴に抱いてしまいます。

守りたいのに、笑っていて欲しいのに…
雄の部分が表出し、己の過激さや傲慢さ、暴走するαの本能と
芽生え始めた恋心の狭間での葛藤が息苦しいです。

それでも、自分の気持ちを冷静に見つめ、これから西央と
どう向き合っていきたいか、ちゃんと結論を導き出せた喬はある意味では
全然高校生らしくなく、大人びて、一人前に愛を知る男の表情をしていました。
ちょっと格好良かったな…

一方の西央は喬から向けられた激情を嬉しく感じていました。
頭で難しく考えがちな喬とは違い、こちらは心で感じるタイプ。
心に従って純粋に喬を求め、喬からの言葉にも行動にも歓びを感じ、
その全てを受け容れた上で彼の“メス”となることを望んでいました。

喬のいない空間で、寂しそうに残された喬の“気配”に寄り添う
愛おしいような、切ないような表情はまるで恋しているかのようでした。
最初は明るいイケメンくんだったのに、この7日間ですっかり
健気で可愛らしく、色気溢れる男の子に変貌を遂げておりました。

そして、未知の変化を経て、恋と本能に揺れ、迎えた7日目の朝。
二人だけのエデンを出た喬と西央が選んだ答えは―。

ラストが素晴らしすぎて、もうなんか胸がぶわぁっとなってしまった…
「世界でたった1人の俺の異性」てすっごい台詞。本当に高校生?
ともかく新感覚で、ロマンチックで、ものすごい読後感でした。

大体“進化”の一言で済まされがちなオメガバースの世界観を
遺伝子レベルの変異として捉え、人間の身体機能の向上や
オカルティックな能力の発現など、喬の科学的視点を通して
未知の部分が解き明かされていくのが目からウロコで面白かったです。

その“進化”に子孫を残すため以外にも環境への適応力や種の強化などの
意味付けがなされていて、オメガバースの世界がより一層深まりました。

神から〝進化〟という名の祝福を受けた反面、
そこには世界に二人だけという孤立感も背中合わせなわけで。
最後は世界の各地で彼らと同じように、進化の始まりが垣間見えます。
二人が“普通”に堂々と笑って生きていける世界が早くやってきますように。

本編読了後はpixivでその後のお話も読んできました。
初めての、両想い後で、ヒートなしのセックスが
今更ながら初々しくて、そんな二人にキュンとしました♡

カバー下には甘い二人やその名前の由来などがあり、
そこに込められた意味を知り、改めて感慨に浸ってしまいました。
隅々まで深いなぁ…

8

新しい世界

上巻よりもずっと面白くなって来たと思いました。

喬に現れた身体や心の変化、それによって起こる心の葛藤。
この作品は「人類初のαとΩを描く、オメガバース前夜譚」故に、当たり前ですが従来のオメガバースの世界の決まり事が全く無いのです。

それ故に喬の手探りの様子や、自分に起きた変化を必死で受け入れようとしてる西央の姿がとても愛おしいのです。

難しいテーマを、そして決して美しいとは言えない場所が彼等のエデンになるまでを見事に描き切っていたと思いました。
彼等を皮切りに人類が変化して行く様子も興味深かったです。

ただ欲を言えばSNSに公開された彼等のその先の未来を知りたいと思ったのも確かでした。

『gift』辺りから今作まで身体がとても肉感的になって魅力的になったと思いました。喬と西央の生き生きとした表情も、新しい魅力だったと思います。

でも昔の体温が低いような絵も魅力的なんですよ。興味のある方は是非読んでみて下さい。

5

神様なんか信じない僕らのエデン(下)

ラストまで一気にかけぬけました
とにかく良かった

いろんな感情が、ぶわぁっと突き刺さりました

悩める高校生達の、特別な7日間
すごく素敵なお話でした

自分気持ちに向き合うのも、相手を思いやるのも、どちらも素敵
そういうやりとりが、めちゃめちゃ刺さりました

アルファの辛さやオメガの辛さとかそういう類の話ではなく、もっと大きなお話を高校生がするっていうアンバランスさがなんとも危なかしくて脆くてけど、純粋でまっすぐですごく誠実でした

ほんとに素敵な作品でした

5

切なさと愛おしさが溢れている良作

『神様なんか信じない僕らのエデン (上)』の続編です。

高校生 喬 織人と同級生 西央 凛々斗のお話。

前作では、突然発情した凛々斗に求められた織人。
ただのクラスメイトで遠い存在だった凛々斗と体育倉庫で濃密な逃避行を続けますが…。
下巻では、2人の感情の変化と残りの4日間の様子が描かれています。

織人は頭から消えない嫌な感覚に苛まれていました。
それは…「俺ノモノニ手出シスルナ」と言うアルファの支配欲求。
支配欲求の対象は凛々斗にも向けられます。
そのため、凛々斗に彼女がいることを知った織人は感情を抑えきれなくなり…

アルファの本能で凛々斗を独り占めしたい欲望に駆られる織人。
しかし、同時に凛々斗に選ばれたいと願います。
「俺とヤりたくてヤッているんじゃない‼」
その現実から、自分の気持ちは伝えられません。
一方、はやく元に戻りたいと考える凛々斗。
ところが、凛々斗もまた織人の「メス」になりたいと思っていました。

お互いに、たった一言が言えないまま、凛々斗のヒートは落ち着き始めます。
もうすぐ「ヒート」が終わってしまう。
普通の毎日がまた始まる――それは、待ち望んでいたことなのに。
本能よりも深い部分でお互いを求めている2人の切なさと愛しさが痛いほど感じられます。

症例も文献もない初めての症状に、欲望のままにセックスし、戸惑い、苦しみ、そして導き出す。
なぜヒートは起きたのか?
織人の考えにこちらも思わず考えました。
単純に「設定」として読んでいたオメガバースが視点を変えることで奥が深いストーリー構成になることに気づかされます。
オメガバースは、ファンタジーでもパラレルワールドでも異世界でもなく、遠くない未来に起こりうる現実なのかも知れません。

とうとうヒートが終わり、体育倉庫から現実へ戻る朝。
7日目に出した2人の答えは…。
感動のラストは、ぜひ本編でご覧ください。

大人でもなく子供でもない高校生の2人が背負うには、あまりにも重圧なテーマ…のはずが、一ノ瀬ゆま先生の描くキャラが明るく前向きで暗い雰囲気にはなりませんでした。
脇キャラの2人の家族や同級生もみんないい人で良かったです。
個人的には、日を増すごとに、織人は男らしく凛々斗は艶美なっていく様子にドキドキしました。
見事なまでに7日間だけを描き切った良作だと思います。

『エデンを出たらコンビニに寄って少し明日の話をしよう』
あとがきに記載されていますが、本編の続きがSNSで掲載されています。
胸キュンする可愛いお話なので必見ですよ!

上下巻を通して、映画を観ているような完成度の高い作品に仕上がっています。
上巻のレビューにも書きましたが、オメガバースも含めてあらゆる角度から楽しませてもらいました。
この後の2人と世界はどうなるのか…気になって仕方がないです(汗)
続編はないのでしょうか?

神様は7日間で人類初のαとΩを創った
何でもない普通の2月
高校の体育倉庫から世界は変わり始める

オメガバースが好きな方はもちろん、たくさんの方に読んでいただきたいです。

11

難しいけどいい話

小説とか映画とかにありそうな設定が細かく深いストーリーで、普段読みやすいラブコメを読んでいるのでなかなか難しく感じましたが、読んだことのない設定が多くてオリジナリティーが強くどんな終わりがくるのかわくわくしながら読めました!

αとΩの話というより、まだ知られていない謎のヒートが受けの西央にあって、そのフェロモンで発情した攻めの喬。セックスの回数を重ねるごとに、視力が回復したり性器の様子がイヌ科の特徴ににていたり独占欲がでたり変化がたくさんでてきます。
2人とも最初はたまたま抜きっこした仲としか考えないようにしていたのがだんだん恋愛感情に変わっていきます。

体質のはっきりした事はわからないまま終わり、専門家に相談すべきかと悩む西央に普通ってなんだろうと語りだす喬がかっこよかったです!そこから最終話が見どころが多すぎて萌えがてんこ盛りであっという間に終わってしまいます。難しいとこやすれ違いっぽいところもあったけど終わりよければ全てよしという感じで、最後の2人は学生らしく無邪気なやりとりや笑顔で幸せそうな終わり方でほっこりしました!

10

壮大なテーマを孕んだナイスな作品

『神様なんか信じない僕らのエデン』の下巻。続きものなので上巻が未読だと理解できません。未読の方は上巻から読まれることをお勧めします。




ヒートを起こした西央くんと、彼の匂いに中てられ激しく抱いてしまった喬くん。
体調が悪いことから母親に心配を掛けたくないという理由で家に帰らず体育館倉庫に籠った西央くんと、そんな西央くんをサポートする喬くんの蜜月を描いた上巻でしたが、下巻に入り二人の感情の変遷が描かれていきます。

相手にますますのめり込む二人ですが、その想いは自分だけのものだと思い込み、それ故に二人は少しずつすれ違い―。

オメガバものってオメガ視点で体調の変化が描かれているものが多い気がしますが、今作品はアルファの体調の変化についても触れられています。

亀頭球ができること、視力が回復すること、身体能力がアップすること―。
などなど。

そして、何より心理面にも変化をきたす。
オメガに対する執着心、嫉妬心、そういった負の感情が育ち、そんな自分の感情を持て余す。

オメガバものって圧倒的にアルファが優位に立っていて、だからこそアルファはすべてにおいて余裕がある。けれど、今作品の攻めさんで、そしてアルファである喬くんは違う。

彼は西央くんと常に対等な立場でいたいと願い、自分の中に芽生える感情に嫌悪感すら覚えていく。めっちゃ可愛い。

好き、という感情とか、家庭環境とか、彼ら自身の内面とか。
そういったものがきちんとベースになっていて、「オメガバース」という因子はあくまでそれらに添えられる一つの因子でしかない。オメガバものであり、オメガバというバックボーンをフルに生かした作品でありながら、そういったストーリー展開ゆえに非常に斬新というか、他のオメガバものとは一線を画す作品だったように思います。

しいて言うと、突っ込みどころもなくはない。
さすがに、高校生とはいえ1週間も友達の家にいるとなったらさすがに親として放っておくことはできないだろうし、学校の体育館倉庫に1週間も居続けるのは無理があるだろう、とか。

が、そういった些末なことは気にならないほど、深い愛を描いた作品でした。

序盤、若干頼りなく見えた喬くんの、最後に見せる表情のなんと「男」なことか。カッコいいです。

「普通」って何?という問いも根っこにあり、壮大なテーマをいくつも孕んでいます。が、それらについてもきちんと回収しつつ進むストーリー展開も萌えが滾りました。

あ、あともう一点。
西央くんがエロいです。
存在が、エロいです。
表情とか、思考とか、彼の優しさとか健気さとか。
すべてにおいてパーフェクト。

今までにない、斬新なオメガバースものでした。

30

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