厭世的な王国軍将軍×転生した美少年の、輪廻転生ラブ

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表題作背中を預けるには 1

グラヴィス・アードルフ・ファノーレン,王弟で王国軍将軍
レオリーノ・カシュー,17歳,辺境伯四男

同時収録作品背中を預けるには 1

グラヴィス・アードルフ・ファノーレン,王弟で王国軍将軍
イオニア・ベルグント、ファノーレン王国の騎士

同時収録作品背中を預けるには 1

ルーカス・ブラント,高等教育学校の生徒
イオニア・ベルグント,高等教育学校の生徒

その他の収録作品

  • 雪よ、降り積もれ

あらすじ

かつて身をていして国を守った騎士・イオニアは、天使のように美しい辺境伯の四男・レオリーノに生まれ変わる。レオリーノは夢の中で、イオニアの人生をたどり、身分差から想いを封じた王弟・グラヴィスへの思慕を思い出す。さらに敵国の内通者によって殺された記憶までよみがえり、慰霊祭の日に裏切り者と対峙するが、逆に拘束されてしまう。命の危機にひんしたレオリーノが、「ヴィー!」と助けを求めると、イオニアを喪って以来、すっかり厭世的になっていたかつての親友であり将軍・グラヴィスが現れ――!?

作品情報

作品名
背中を預けるには 1
著者
小綱実波 
イラスト
一夜人見 
媒体
小説
出版社
KADOKAWA
レーベル
Ruby collection
シリーズ
背中を預けるには
発売日
電子発売日
ISBN
9784041111413
4.3

(284)

(207)

萌々

(26)

(19)

中立

(6)

趣味じゃない

(26)

レビュー数
34
得点
1202
評価数
284
平均
4.3 / 5
神率
72.9%

レビュー投稿数34

鈍器本にようこそ

大型新人小説家・小綱実波先生の代表作「背中を預けるには」

これは、絶対に読むべしだ、と天啓が。
あちらこちらの書店で探し回って諦めかけていたとき、遂に見つけることができてうれしかった。
それ以上の作品だということを思わずにいられなかった。
値段は決して安くはありません。流石は鈍器本というだけにあり。

ブルングウルト辺境伯家とファーノレン王家。
ブルングウルトのアウグストとマイアとの間にうまれた四男レオリーノ。
類まれな絶世の美貌を持ち、女性のような容姿。アウグストとマイア(両親)と三人の兄たちから半端ではない溺愛されていました。
そのレオリーノこそ、国のために殉職した赤毛の騎士・イオニアの記憶を受け継いでいる・・・少年時代から恐ろしい夢をずっと見るようになって・・・
イオニアは鍛冶屋の長男。イオニアはファーノレン王家の王子。お互いに惹かれ合います・・・しかし、身分の違いで到底許されぬ恋だった。思いを断ち切り、グラヴィスの盾になる、と決意。そして、グラヴィスを忘れるべく、イオニアはクラスメイトのルーカスと付き合っていますが、三角関係がとても切なすぎます・・・。グラヴィスを思うイオニアを見ると・・・本当にやるせない。
ルーカスもイオニアに思いを寄せています。
レオリーノはイオニアの殉職の真相を知ることになります。慰霊祭の日、裏切り者と対峠するも、逆に捕まってしまいます。
命の危機に瀕したレオリーノは

「ヴィー」(グラヴィスの愛称)

咄嗟に助けを求めていたら、かつてのイオニアの親友だったグラヴィスが現れ・・・イオニアを弔ったあと、厭世的になっていました・・・
レオリーノとイオニアは菫色の目を持っています。
菫色の目は類まれないですね・・・かつての英国女優エリザベス・テイラーのように。
そんなレオリーノを見たグラヴィスとルーカスは・・・

レオリーノは事故で少しばかり身体がひ弱で足も少し不自由。前世のイオニアと体格差は全くを持って違います。

ゲルマン系をモデルにしたファンタジー系。アウグスト、レオリーノの兄たちの登場人物の名前を見たら・・・
ブルングウルトのアウグストはレオリーノを溺愛。側近のフンデルトとレオリーノのやり取りにはほっこりとします。

輪廻的で半端ではないほどのシリアスなストーリーです。
複雑な人間関係など抱えている背景が見え隠れ・・・

0

胸がきゅっとなる物語

小説を読むことから10年近く離れていて、最近また人気作や話題作から順に読んでみているのですが、正直に言います、今年読んだ中で一番面白かった!!!!
表紙とあらすじくらいしか情報がない中で、私が表紙を見てまず思ったのが儚くて陶器のような美少年の受けと正統派美形の王子様のような(ただしくは王弟)攻めだな……でした。
個人的な好みでいうとその時点で外見に関してはそこまで刺さっておらず、萌えられるのか判断がつかなかったのですが、この作品がおもしろいという評判は私の耳にも届いていましたし、ちるちるさんでも神評価が多かったのでその2点を信じて読み進めることに。
予想のはるか上の面白さで興奮してテンションが上がっています。笑
鈍器BL小説というと、あれとあれとあれとあれと...とお詳しい方はすぐタイトルが浮かぶ圧倒的な厚みと重さがありますよね。
読むのも遅いしブランクもある私は、いつもまずその厚みに怯んで、これを読むのに何日かかるんだろう大丈夫かな?と不安を抱えながらページをめくり始めるのですが、この本はのめりこんでしまってこんな私でも一日数時間づつで4日で読めました。
普段の私なら1週間くらい必要だったと思うので、半分以下の日数で読み終えたことでいかに楽しかったか伝わると嬉しいです。

まず文体と表現が読みやすい!
レオリーノはイオニアという青年が亡くなった日に彼の意志と目を継いで生まれてきた子なので、それもあってか章ごとにレオリーノ→イオニア→レオリーノ→イオニアと交互にお話が展開する構成となっていました。
レオリーノはイオニアの記憶の夢を見てイオニアの記憶の欠片を集めていくのてすが、同じく読者もそこからパズルのピースを集めていくことになります。
レオリーノはお人形のようだとか妖精だとか天使だとか言われているくらいのキラッキラな美形なんですが、嫌味のない愛らしさと純朴さ、芯の強さと庇護欲をそそる世間知らずさを内に持った素直な子で、絢爛豪華な外見とはギャップのある素朴な内面を持っているのが魅力です。
天使や妖精という表現は描き方によっては、妖精…!(笑)天使...!(笑)ってことになりえないと思うのですが、なるほど多分こういうことだな?ということが文章から伝わってきたので、私はその形容も受け入れられました。
天然とは違うんですが、箱入り息子すぎて世間知らず故に浮世離れした一面がある子です。
いい子で愛嬌があるので応援したくなります。
そして、とある事件で死にかける怪我をして足が不自由であり、イオニアの記憶があるからこそせつない思いもする立場でもあります。
私の僻でもあるんですが、もういないあの人を重ねられてちゃんと自分を見てくれているのか分からない!今誰を見てるの、自分を見て!……っていうのが好きで。
そんな葛藤に苦しむ姿ってつらいんだけど、スパイスになって美味しかったです。

そしてまた美味しいのが、生前のイオニアはグラヴィスとルーカスの両方から求められていた立場なのです。
三角関係!!!!大好き!!!!
その生まれ変わりかもしれない存在のレオリーノに対して執着を見せて、レオリーノ、イオニア、グラヴィス、ルーカスの四角関係要素のようなものもあります。(レオリーノはルーカスに対して全く恋情は抱いていないのですが)
そこからグラヴィスとレオリーノが恋を感じだす気配が流れ始めるのですが、イオニアの存在というものが2人の中にあるせいで、レオリーノ、グラヴィス、イオニアの三角関係みたいな...イオニアの影がちらつきながら進んでいくんですよ。
しかも、レオリーノは兄の嫁の兄であるユリアン(美形のモテ男。浮名高い公爵家嫡男)からも求婚されていて、そちらもそちらで押してくる。笑
男同士の結婚がありな世界線なのですが、公爵家や王族なんかの位の高い人はさすがに男を嫁にすることは通常ではないようで...でもユリアンはそれを押し切って嫁に貰うことを親族に了承させてしまった強者なんです。
レオリーノを巡って矢印が交差する逆ハーレムのような状態。
レオリーノとグラヴィスは両思いだし相手以外に興味がないのですけど、そんな周りの求愛のお陰で恋を自覚したりする。
多角関係に激しく萌えるタチなので、すごく楽しませてもらいました。

そしてグラヴィス、この方がレオリーノにする仕草がキュンでした。
きっとこの方に送るべき言葉はかっこいいなんでしょう...美貌の主だし!
でもそれよりなんだか可愛くないですか???????
膝の上にレオリーノを乗せて子供をあやすみたいにゆすってみたり、頭に顎を乗せてみたりetc.……。
かと思えば庇護欲や嫉妬心や独占欲でバチバチに男を出してくるので、端々でときめかせてきます。

えっ、いい!
グラレオお似合いすぎる...!

そういえば、読み始めた頃は物語冒頭のシーンはこの巻のどこかで出てくる場面なのだろうと思っていたんですが、別の巻でやっと読めるまだ先のシーンが描かれているんですね。
うわーあとで読み返したくなる書き方だ~!!
早く辿りつきたいな。

あと、ちょっと衝撃だったことがあるんですよ。
グラヴィスがイオニアを抱いた時、閨教育で女性とは経験済みだろうと分かっていたけど、男とも経験済み(?!)だったというところ。
えっ?!て2度見しちゃいました。
「これほど強烈な快感を、どんな女からも、男からも、得られたことはない。」って、そういうことですよね???
イオニアが亡くなったあとは赤毛の体格のいい男と寝たりしてるらしかったけど、イオニアを抱く前も男娼とか抱いてたのかな。

5

胸震える壮大なファンタジー

これはすごい小説を読んでしまいました…
読了後、興奮冷めやらぬ状態で夜中に読み始めたのですが、ページをめくる手が止まらず、結局徹夜で一冊読み切りました。

ファンタジーものでこんなにも胸が震えたのは、いつぶりだろう…?初めてかな?と思うぐらい、トイレに行く時間も惜しくなるぐらい面白かった。

生まれ変わっても、以前の自分とは似ても似つかぬ小さく非力な姿で、これでは以前のようにヴィーを守れない。。と打ちのめされるレオリーノの描写に胸が痛みました。

メインCP2人ももちろん魅力的なんですが、
個人的に胸をグッと掴まれたのは、当て馬役のルーカスですね。。

心はあげられない、心はヴィーのもとにある、と言うイオニアに対して、そんなお前ごと愛してるから構わない、と言ったルーカス。
海より深い愛情と言えるのでは……

生まれ変わったレオリーノに襲いかかってしまうのは許せないことだけれど、イオリアを想うその気持ちの強さに胸を打たれて、涙が出ました。

はぁ…読了後の余韻冷めやらぬ今ですが、
続きが気になりすぎるので、これから2巻に突入したいと思います。

こんなに素敵な作品に出会えたことに感謝です◎

4

前世で知った犯人を追う

お値段とシリーズの冊数を見て、購入を躊躇してましたが…買って良かったです!面白かった!

レオリーノが幼い頃から、何度も同じ人物の夢を見る。イオニアという青年の幼い頃や大切な人との時間、そして彼が戦争で亡くなる日。様々な時間を、夢で追体験していく。多くの犠牲があった過去の戦争でイオニアは亡くなったが、仲間の裏切りを亡くなる直前に知ってしまう。イオニアの夢と、それに関わる事件で黒幕が別にいた事実を知ったレオリーノは動き出す。

夢で見る前世のイオニアは、体格も良く力があり王弟グラヴィスの盾として戦う軍人だった。対してレオリーノは、前世に関わる事件で足が満足に動かなくなってしまい、またその美貌が原因で独り立ちも難しく、身体が弱いせいで戦うこともできない。父や兄達は身体も大きく戦う戦士なのに…。イオニアを想っていたルーカス、イオニアと両思いだったが決して結ばれない恋だったグラヴィスに、自分の中のイオニアを期待される程、自分の存在が消えてしまう事やイオニアと似つかない身体を失望される事を恐れてイオニアの記憶があると言えないまだまだ幼いレオリーノが悲しい。

イオニアの記憶と、レオリーノの現在とを行き来するのは最初は混乱してしまいましたが、慣れると問題ありませんでした。
世界観を知る為の1巻目ですが、引き込まれました。
レオリーノの健気さと、幼いレオリーノに執着するいい大人2人を堪能し、次巻へ続きます。

4

挫折しそう

評価が高いので買ってみました。
あらすじをを見る限り、好きそうな感じだったのですが、読み始めてすぐに違和感が…
言葉選びが気になるというか文章が稚拙というか…
背伸びして頑張って書きましたという印象。
セリフも世界観や人物設定に合っていなかったり、あまりにステレオタイプな口調だったり。
コメディならいいんですけどね。
一旦気になりだすと設定から地名・人名まで全てが安っぽく感じられて、しらけてしまいます。
そのあたりに言及している方が少ないので、ほとんどの方が気にならないのだと思いますが…
残念ながら私には合いませんでした。
巻が進むと変わってくるのでしょうか?
ストーリーは嫌いじゃないしボリュームもあって長く楽しめそうなのに、物語自体に入り込めず、読み進めるべきか迷います。

10

設定は良い※ネタバレ注意

前世の三角関係が今世でも・・・
その三人の中で主人公だけが生まれ変わり、
約20歳ほどの年の差に。

前世の記憶は引き継いでいるけど(夢で)
人格はあくまで今世のレオリーノという人格で
セオリー通り前世の思い人や親友?には
隠さなきゃ・・・といった感じでした。

■良かった点
前世の最後に裏切り者を見つけ、
今世でその黒幕を探すといったちょっぴり
ミステリーちっくなのが良いなと思いました。
ただ恋愛だけじゃないという・・・

攻めのグラヴィスがカッコいいです!
もう一人の攻めのルーカスより理性的で、
でも内にすごい情熱を隠してる感じが凄く好み
ただ、同じ年代の誰よりも若々しいイラストなのは
ヒーロー補正?



■悪かった点
レオリーノは絶世の美少年設定ですが
会う人みんなに容姿を賛美され
一冊に十回以上は多すぎじゃない?と
何度も繰り返されると流石に飛ばしちゃう

かなりイライラしたのが、ルーカスです。
レオリーノの前世と今世で唯一の共通点が瞳なのですが
その瞳のおかげで前世の三角関係の一角
ルーカスの執着が半端ないです
それを抵抗できない相手にぶつけて
身体的に不自由なのに押さえつけて・・・
いくら前世で好きだった相手だとしても
瞳が同じなだけで、他に確証もないのに
何で決めつけられる?
もし勘違いだったら赤っ恥おじさんよ。

無理にキャラクターにアクシデントを起こさせてる感じがしました。
ストーリーに必要だからこういう行動を起こさせようという
作者の意図が透けてみえて
あんまり集中できなかったです。

とりあえず設定に惹かれたのと、
イラストがきれいだったので"萌"の評価で

5

受けの好き嫌い別れそう

・受けが超絶美形
・大切に育てられてきた箱入り
・健気で純粋無垢で汚れを知らない
・受けがトラブルメーカーで割と酷い目にあう(心身共に痛い系)
・攻めに監禁、軟禁される

が好きな人は受けのレオリーノくん大好きだし作品自体にもハマると思います!!!

作者様の言葉選びがどんぴしゃにタイプでドキドキきゅんきゅんしながら読んでおりました〜小説は、スキ!!とならないとすぐ飽きて忘れてまた1から読んで…を繰り返して中々読破出来ないのですが本作品は受けがどタイプでして二徹くらいして読み終わりました。

あと年の差好きな方もハート射抜かれそうですクール歳上攻めが年甲斐もなく19歳下のリーノくんに甘々デレデレで…恋愛初心者のリーノくんにはイマイチ愛情が伝わってなかったり…とドギマギするシーンも多くてすごく楽しめました。

ただ唯一苦手な展開というか(以下ネタバレ注意です。とはいっても1巻の序盤程のネタバレなので気にならない方は参考にして頂ければと思います)


ウーンと思うのが、輪廻転生系で前世と今世の人格が異なる場合なんですよね(T_T)前世で攻めと恋人だったけど今世では魂が同じでも人格が違う!あの人じゃなくて自分を見て!みたいな展開が苦手な方は割と辛いと思います。ただこれをどう乗り越えるのかが本作のキーポイントとも言えるので中々重いです。
私はリーノくんがタイプだったので割と受け入れられたのですが作者様の文章力と2人のキャラクター性が少しでも違ってたら地雷だったかもしれません(^_^;)
なので賛否分かれるのかなあと勝手に思っている次第です。




0

鈍器!!

一巻だけでもかなりの鈍器!!
文字も、二段書きでかなりの量だけれども!!
取り敢えず、一巻を読み終えたら、
絶対すぐに、『二巻!!!』って思います!!
(私はそうでした!!)

物語の設定もさることながら、キャラクター達が一人一人濃いし、しっかりしていて、ファンタジーの中に、
『人生とは??』、『生きるとは??』と
色々と考え身につまされる作品です。

そして、表紙のふたりが美しくかっこいいことこの上にない!!!!

前世と国とふたりの幸せと、幾重にも絡まる運命を、あなたも見届けてみませんか??

1

これは生まれ変わりではなく全くの別人!!

一巻の9割がた読んだ感想です。間違いなく神作品ですが、これではあまりにルカがかわいそすぎて読んでいられません。途中からなかなかイオニアが前世であることを告げないレオリーノにイライラしてきます。
しかもイオニアの記憶はあるけどイオニアではないというのは生まれ変わりと言わないのでは??姿形は変わってもそのまま意識を受け継いでいる設定だと思っていたのでわたしには合わないかもしれません。
これはグラヴィスが過去の想い人(イオニア)の未練を昇華してレオリーノに新しい恋をしていく物語なので読者側からすると凄くモヤモヤする人多いのではないでしょうか?
青年になったレオリーノを見て、イオニア関係なく綺麗だとか外見を褒め倒して一目惚れしそうになっているグラヴィスより、その目にイオニアを見いだして正気ではいられなくなっているルカの方が恋慕も大きいように思えてやはりルカに感情移入してしまいます。
思ってた生まれ変わりと違ったのでご注意を。

1

過去に捕われる男たちの苦悩

すごく良い作品と聞きながら積読でしたが、ようやく時間が出来たので読みました。
この世のものとも思えぬ美しい少年が前世の記憶を夢を通して知っていきます。
過去と現在を交互に話は進みます。
現在は天使のような美しさとか弱い体を持った貴族少年。方や王弟殿下の護衛を任される剣術体術に優れた平民少年。
あまりにも相反する2人だからこそ、話は複雑になっていきます。
私は電子で読んだのですが、カタカナばかりなので、土地の名前も人の名前も覚えられない。あとは貴族らしく家柄とか親戚とか出てくるけど、覚えられない(꒪д꒪II
紙本だと、登場人物のページに戻って確認できるんですけどね。
だから、先生の書かれたことの半分は理解出来てないと思います。最後まで読み切ったら、もう一度読まなくちゃ。
美しすぎる少年っていう設定はよくあるけど、美しいけど剣は強い、とか、頭がよくキレるっていうのが多いと思いますが、1巻の彼は美しく体が弱い、という、主人公としてはあまりない人物のような気がします。これから、いろいろ成長するのでしょうか。

前世のイオニアが魅力的であった為に今の自分を卑下してしまうリーノ。でもイオニアが心の中にいるから、頑張りたい気持ちもあり。
リーノは本当にいい子です。
ルカとヴィーが未だにイオニアを忘れられず、彼を思うと理性をなくすくらいだなんて。
この先、リーノはどう行動するのか、裏切り者は誰なのか、ルカはイオニアを諦められるのか、気になります。

3

大好きな物語です

カタカナが苦手で覚えられないので、レビュー上位にいるのは知っていながらも読むのを戸惑っていました。
しかし歳の差体格差が大好物なので読んでみたら、どハマりして夢中で3巻まで読んでしまいました。今は番外編を読んでいます。

フラットな文章で、視点が変わるところは改行があるので読んでいてわかりにくいことはありませんでした。また、カタカナ名前が苦手ですが、人物の簡単な説明は冒頭に説明ページがあるので、何度かそこを振り返りながら読み進めました。
家系の話が多く、誰々の従兄弟、又従兄弟、といった方も出てくるので人物相関図があればさらにわかりやすかったと思いますが、そのあたりはそれほど重要ではないので、あまり意識せずに読めます。

ほかの方もレビューしていますが、本作の主人公はいろいろ動くことで危険な目に遭う系の主人公です。
そういうタイプは実は得意ではないのですが、彼の心情が丁寧に描かれているので、そこまで気になりませんでした。

壮大な物語なので頭と心のメモリを使うのですが、出会って良かったと思える作品です。


2

でも長い

普段高尚なものを読んでいるわけでは全くないのですが、文章が直接的というか含みがないというか、惹かれませんでした。私がなろう系に慣れてないからか、Webで読んだらまた違う印象なのかもしれません。映像のように全てを描き出すような書き方で、話に関係ない部分も多くある気がしてとっても長い。制約がないのがきっと良さなのだろうし、難読とか勿体ぶった言葉がない分誤解しにくく読み易いのですが。
巻頭の登場人物紹介の多さに怯みましたが、主要以外は本文でも大体説明が付くので、覚え切らなくても話に支障がないつくりでした。

目が潰れるほど美しいが病弱なレオリーノが王都にやってくる後半は応援したくなるし、ちょっと可哀想でもありました。世界一美しいと言われた少年のドキュメンタリー映画を昨年観たので、家族がよく守ってくれてる箱入りリーノは致し方ないと思う。威厳あって頼もしいグラヴィスが危機を救ってくれる安心感。二人がくっつくまではとても長いけどかなり楽しみになりました。
イオニアがルカにも情があり肉体関係があるのはリーノの対比になって良いのですが、個人的には匂わせ程度で良かった…狂気じみたルカはリーノにはとても可哀想でした。

今後感想が変わったらコメント欄に記入します。

8

複雑に絡まり合った愛憎の糸を解し、結ぶ。

もう、素晴らしいの一言。骨太なストーリー・魅力的なキャラクターたち・作り込まれた世界観、どれをとってもトップクラスの作品でした。作者様が長い時間をかけて大切に大切に作品を創り上げてきたことが読んでいてヒシヒシと伝わります。人生初作品がこれって凄すぎます。数年前にWEB版の方も読んでいたのですが文庫版で一気に読むと圧倒されます。ボリュームも1巻に2冊分程のページ数が詰め込まれています。全3巻+番外編1冊。お値段は高いですがそれ以上の価値があるのでぜひ読んでみて欲しいです。

これだけのキャラクターたちを掘り下げ、動かし、物語を紡いだ作者様の才能に脱帽。







4

話題になっていたので買いましたが

3巻まで買いましたが2巻の途中でリタイアしました。

まず主人公が自分には合わなかったです。主人公は健気で可愛いと評判ですが、私は終始イライラしてました。家族に危ないから外に出るなと言われても、危機感も無くフラフラと出歩いた上に危険に遭ったり、危険だと分かっている相手に近付いて危ない目に遭ったり……。なんで言われた通りに大人しく出来ないの? と何度思った事か……。
『絶世の美貌を持つ』と登場人物紹介にも書いてありますが、出てくる登場人物が皆、主人公の見た目を褒め立てて気持ちが悪いです。見惚れるくらいならばまだ分かりますが、誰もが口に出して主人公を「綺麗」と……。ちょっと言い過ぎじゃないですか?

21

至福の時間を過ごせた…

 ちるちるユーザーの方の評判に違わず圧巻の読み応えでした。まるで上手く翻訳された英米小説を読んでいるようでした。転生ものなので、よくあるライトノベルを想像していたら重厚な内容で驚きました。こういう才気溢れる方がBL小説界に来られたのは、小説好きとしては嬉しい限りです。

 過去にWEB小説の単行本が読み辛い事がありましたが、本作は小さな章毎にタイトル管理されていて、読みやすかったです。夢中になってやめ時が見つからない時に、章の区分が程良い休止符になって良かったです。

 凄まじいボリュームでしたが、文章も流暢で想像力をかき立てられるので、読み出すと止まりませんでした。小説の中で繰り広げられる華やかな世界にうっとりしました。単調な日常を忘れて、至福の時間を過ごせました。あくまでレオリーノ(イオニア)、グラヴィス、ルーカスというBL当事者で盛り上がるのでなく、政情や様々な人物の思惑が絡んでくるので非常に面白かった。貴族社会のトリセツ的なものも味わえて興味深かった。

 イオ、ヴィーという呼び名や長年拗らせている三角関係に萌えました。イオニアー、グラヴィス、ルーカス、それぞれの立場や心情が理解できて、恋って本当罪作りだ。時の経過に伴う彼等の変化が切なくて…。彼等の中で変わったこと、変わらないこともあって、グッときます。。
個人的にはルーカスのキャラが気に入っているので、粗末な扱いをして欲しくないなと思った。2巻以降も過去のイオニアのエピソードが交じるといいな。
読み進めるにつれて、タイトルの意味が重くのしかかって物哀しかった。今生(?)ではレオリーノとグラヴィスがどういう関係性(守り守られる?)になるか気になります。 
 
 彼の姿を一目見た国中の人を驚かせるような絶世の美貌を持つ主人公レオリーノ君の設定がツッコミどころが満載で面白かったです。どんな美貌だよ??当方は少年マンガの主人公のようなキャラが好きなので、イオニアの方が正直萌えますが、レオリーノ君もほっとけないような、応援したい気持ちになるような愛すべき主人公でした。
レオリーノ君の乳母日傘育ちの余りの箱入りっぷりにも笑えた。イオニアと対照的過ぎるけれど、瞳の色と根本は似ているのかな?

 グラヴィスへの想いの自覚をきっかけとして、イオニアとしての前世の記憶に葛藤を抱えつつも、急速に変貌を遂げ、自我も目覚め、着実に大人の階段を登るレオリーノの今後に期待が募ります。ソムリエさんの情報では、1巻より2巻、2巻より3巻とどんどん面白くなるとの事…。1巻でこんなに楽しんでしまったので、先の事を考えると末恐ろしい。。やっぱりBL以外の土台部分がしっかりしているBL小説は格別だな。
 一つ欲を言えば、若い頃のイオニア達3人の挿絵をもっと見たかったな。レオリーノの挿絵は充実しているだけにちょっと残念です。

5

ゲームオブスローンズですか??

こちらの記者さんが再三オススメされていたので一か八かで読んでみましたが、すごい、めちゃくちゃいい。BL小説をほぼ読んだことがないし、ファンタジー、中世、カタカナ登場人物という3大苦手要素があり、かつ3冊あって1冊が1000ページもあるものに手を出すかどうか迷ったけど本当に読んでよかった、面白い!ゲームオブスローンズ見たときくらい興奮してます。話自体もすごく面白い、戦いの描写が嘘っぽくなくて白けない、かつBL要素もめちゃくちゃいい。活字というのはなぜこうもエロいのか・・。このレビューを書く時点で2巻目の途中まで読んでるんですが、もう大変、部屋の中を転げまくって悶えてます。挿絵も綺麗ですが、挿絵ない方がいいのではないかくらいに情景や人物が浮かんでくる、こういう世界観基本観苦手なのに引き込まれる。一ミリずれたら相当あざとい受けの子をなんか応援したくなる、普通絶世の美形で体が弱くてとなったら勘弁してと思いそうなのに思わない。文面がニュートラルで読みやすいし、世界感を押し付けてくる感じがしない、作者が自分の中の熱をうまく逃して読者に伝えてくれてる感じがする。なのに色っぽいシーンになるとぐっとくるというか、いやあ、うまい。どんどん読める。ずっと読める。漫画はもうしばらくいいかなと思っていた矢先にこんな名作に出会ってしまったら今度は小説にハマりそうです。

6

少数派の意見?

電子書籍で購入。
1巻から3巻まで通しての感想です。

評価がよくて、あらすじも面白そうだったので購入。

読むのがしんどかった、、、というのが読み終わっての感想。

あらすじは、ものすごく好み。
萌え要素てんこ盛り。

でもね、なんでしょう。

展開? 構成? 場面転換?
ついていけなかった。
素人臭さが、無理でした。
ネット小説ならいいのですが、お金を払ってとなると、、、、。

きつい意見で申し訳ありません。
何度も挫折しながら、やっと最後まで読み終わった次第です。
なんで、こんなに評価がいいのだろう??
少数派の意見ということで、少しでも参考になればと思いあえてレビュー致しました。

21

ファンタジーが苦手な私でも

ファンタジーが本当に苦手で、今まで読んだことなかったのですが、そんな私でも1巻スラスラ読めました。
カタカナの国と名前が覚えられないし、国の位置関係とか専門用語とか読むの苦痛かと思いましたが、ストーリーが気になりすぎて、何回かページ戻ったりはしましたが、速いペースで読めたと思います。
ここで皆さんのレビューを信じて買ってよかったです。感謝。
苦手な方もぜひ読んでみてほしい作品です。

4

深い!感動!キャラもいい!

ファンタジーBL。前世の記憶を持つ美しい主人公レオリーノ。前世からの宿命に立ち向かう中でグラヴィスと運命的に惹かれあってー。レオリーノが健気でグラヴィスもタフで美しい。ドキドキやラブはもちろん、ファンタジーとしても戦いや愛憎劇と、読み応え抜群の大河ロマンの幕開けです!

4

背中ロスです…。

文庫全三巻を今日読み終えてこのレビューを書いていますが、読み終えた充足感とロスがごっちゃになって、うわアアアアアと叫び出したい気持ちです。
それくらい物語にのめり込みました。
間違いなく、生涯のベストBL小説3作に入ります。

私はこの作品が話題になった後に読み始めたのですが、正直分厚さと異世界モノということがハードルになり、面白いと言っている知り合いも普段から沢山本を読めるタイプで私の場合は読み切れるか怪しいな…と思いとりあえずは様子見で一巻だけ買いました。
が!一巻の終盤に差し掛かると、一巻読み終えた時に2巻をすぐに読めないのはかなり辛い!!と、特典付きで売られていたコミコミさんで2.3巻をすぐに注文しました…!
最初から一巻も特典付きで買っておくんだった〜と今でも後悔しています。

あまり前情報は入れずに読んでいただきたいのでキーワードだけ…前世の記憶、王族、身分差、国家。
前世のイオニアの記憶を持ったレオリーノの少年時代から物語はスタートします。イオニアの記憶を紐解くことで前世と関係のある人物達と出会っていく…。
人物、地名は全てカタカナなので最初に少し抵抗があるかもしれませんが、1〜3巻とも頭に人物紹介がイラスト入りで入っているのでわかりやすかったです。(殆どのキャラは全巻通して同じイラストなのですが、イオニアは巻を増すごとに表情が変わっていくのがもうね…!憎い演出…!!)

愛とは、正義とは、そんなことをこの作品に教えられました。原作はムーンライトノベルズで掲載されていたというのだからすごい…。これを担当編集もいない素人の方が一人で、しかも人生で初めて書いた小説というのだから驚きです。
でも文章はとっても読みやすかったです。

背中を預けるにはに出逢わせてくれた小綱先生、出版社さん、ムーンライト時代から応援されていた読者さん、Twitterでオススメしてくれたフォロワーさん、皆さんに感謝です(*´∪`)

11

すごく面白かった!

すごく面白かったです。
ちるちるで評価が高かったので気になっていたのですが、このレーベルさんの御本はあまりにも分厚くて…
手に取るのをちょっと躊躇っていました。
試しに買ってみたら、行も2段で、これはかなり読み応えあるなぁ…。ハードル高いかなと思ったのですが。
読み始めたら面白くてどんどん物語に引き込まれました。
先が気になって止まらなくて、一気に読んでしまい、次の日には2巻を買いに走りました(笑)
裏表紙に書かれている範囲の説明ですが、転生もので記憶も甦る部分があるので、時々差し込まれる前世の記憶が個人的には若干焦ったく感じました。早く先の展開を知りたい!と前のめりになっていたので。
とは言えあの大ボリュームを飽きずに引っ張れるストーリー展開は見事です。
一冊の値段だと思うと一瞬高く感じるけど、あのボリュームであの値段は安すぎる…

12

面白いけど‥

評価が良かったので購入。
一冊でかなりのページ数で、読むのに時間がかかりました。
うーん、、読み飛ばすほどではないけれど、ハラハラドキドキ心を動かされるかというと、そこまではまれませんでした。
なんというか、細かい背景設定まである歴史を遠くから覗いている感じでしょうか。ファンタジー設定としては面白いですが、登場人物に感情移入しにくかったです。
小説に心理描写を重視する人にはあまり向かないかも知れません。
ページ数の割に二転三転するような疾走感はなく、1/3位の内容に感じました。
あと、海外設定なので仕方ないかも知れないですがカタカナがかなり多く、誰のことか、どの国のことかなど頭の中で整理するのが少し大変でした。
次巻を購入するかは微妙です。

16

壮絶な物語

まず始めに、ひかりTVブックを利用したことがない方は、3冊60%オフクーポンでかなりお得に全巻買えます。半額以下!!
一冊のお値段がお高いので手を出しにくい方で、ひかりTV初めての方はこちらで購入するのが断然お得です!笑

3冊読み終えてから書こうかと思ったんですが、このボリュームだと読み終えるまで時間がかかりそうなので1巻ずつにします。

まず読みごたえがものすごい!!
読み進める度にページ数を確認して、まだこんなにある!と噛みしめられる幸せ。笑
それほど濃厚で骨太な内容となってます。

イオニアの産まれかわりであるレオリーノが、その人生を夢に見ることで過去を知りながら物語は進んでいきます。
イオニアはグラヴィスにその人生を捧げ、最後まで国とグラヴィスのために力を尽くします。
ただ国を危機に追い込んだ内通者をグラヴィスに伝えることが出来ず、その使命をレオリーノが引き継ぎ、内通者を見つけ出そうとします。

レオリーノの想像を絶する美貌に茫然自失になる男達の様子を読むのは爽快でした!笑
その美しさでそこにいる全員を虜にする、まさに総受け状態!
ここまでくるといっそ清々しい。

ただ肝心のグラヴィスとは会う機会が少なく、なかなか二人の距離が縮まらない!!
だからこそ後半からラストにかけて、グラヴィスがレオリーノに対する執着や独占欲を感じ始めた時はゾクゾクしました。
レオリーノへの感情を自覚したグラヴィスが、これからどう迫っていくのか続きが楽しみすぎる。

ただ主要人物から脇役まで、視点がコロコロ変わるのでそのキャラが何を考えているか分かるのは良いんですが、慣れてないので若干読みにくさは感じました。

10

引き込む力がスゴい✨

まず、この本を読むきっかけになったのはちるちるさんの記事で紹介されていたからなのですが、心からお礼を言いたいと思います!この本を紹介していただいて、本当にありがとうございます!という気持ちです。

(ネットで注文していたので)本を手に取って、3巻にもかかわらず、1冊ずつがとても厚いのに驚きました。なので、大丈夫かな、ちょっとレビューを信じすぎて大きな買い物を失敗したパターンかな、と思いました。

ですが、読み始めてみたらグイグイこの世界観に引き込まれます!物語の背景もさることながら、一人一人のキャラクターも魅力的に描かれています。イオニアとグラヴィスの若い頃の話だけでも十分面白いし、レオニーノとグラヴィスの年の差の話でもそれぞれ独立して十分面白いと思うのに、イオニアの記憶を持ってレオニーノが生まれてくるところが…!この作者さん、神様ですか?と思わずにはいられません。

厚い本だと思っていた1巻をあっという間に読み終わり、早くも続きが気になるところです。2巻、3巻のあらすじも読みたいところですがもうこうなったらネタバレなしに読み進めたいと思います。

10

魅力的な登場人物たちと、その愛。

ちるちるさんでのレビューを拝見して、まずは様子見でムーンライトノベルさんにてちらっと読んでみるつもりが、先が気になって結局読みきってしまいました。
小冊子付きをやっと買えました(≧▽≦)
紙の本になったら、分厚いわ〜


受け様は、辺境伯の四男レオリーノ。
菫色の瞳で、天使のようと称される絶世の美貌を持つ少年。

攻め様は、ファノーレン王国の王弟であるグラヴィス。


レオリーノは、幼い頃から自分がイオニアという1人の青年である夢を見るようになる。
イオニアの人生をたどる内に、それが自分の前世であると確信を持つ。

イオニアには、心を捧げた愛する親友という立場のグラヴィスと、共犯者だと笑って全てを受け止めてくれる恋人のルーカスが傍にいて。

先の戦いで戦死したイオニアが、死してなおグラヴィスに伝えたかった裏切り者の存在、大切な想い。


過去と現在が交差して進む中。
イオニアとグラヴィス、ルーカス。
レオリーノとグラヴィス。
登場人物の想いもからまって、とても面白いし、続きが気になって、ページを捲る手が止まりません。
受け様攻め様だけではなく、周りの人達も魅力的です。


グラヴィスとルーカスの、イオニアへの盲執とも言えるくすぶり続けている熱い想いが、たまらなくいい。

戦士として優れた身体と能力を持つイオニアに対するレオリーノの劣等感。
自分を通してイオニアを見ているグラヴィス達に、真実を告げられない葛藤。
レオリーノの苦しさが切なかったです。

過去の3人が辿った道もまたツラい。
でも、攻め様の後悔や贖罪の想いって大好きなので、ツラい分だけ萌えでもあり。

これから、真実がどう暴かれていくのか、3人の愛はどう着地していくのか、紙本にて楽しんでいきます(*´ω`*)


書き下ろしは、グラヴィスとイオニアの最初で最後の夜のお話で、この2人の先を知っているだけに切なかったなぁ。


イラストは一夜人見先生。
人物紹介ではイケメンをたくさんありがとうございます。
でも、挿し絵は少なくてちょっぴり残念。
こんだけたくさんのイケメンが出てるのに。

8

イオの夢を見るリーノ

大好評の作品。電子版発行を待って、1-2巻を一気に読みました。
3巻は5月1日(完結)、楽しみです。
著者は「小説家になろう」出身。
読み応えある激動の物語は、ホドホドのラブコメ。
サスペンス要素を持つ冒険譚は、キャラ夫々の事情や信念が交差する、生きる意味を問う展開。
王族血統問題でぐらつく隙をついて発生する侵略。国難回避に対応する騎士と王族。
侵略者の背景に潜む異能者と内通者。

1巻は、イオとリーノの説明と、リーノが夢で見たメッセージを届ける決心までの経緯編。
軸になる人物は、
①ファノーレン王国 第二王子グラヴィス・アードルフ・ファノーレン。
②クラヴィスを暗殺者から守るために「生きた盾」に選ばれた友人の鍛冶屋の長男イオニア。
③イオニアが侵略を食い止め戦死した朝に生まれたリオネールは、イオの記憶を夢で見て知る。
④その他。イオが生前に関わった数少ない友人と部下たち数名。

1巻の前半が「リーノ幼少期」と「イオの回想」を交互に挟んで進捗する構成なので、全体の把握がしずらい。どうしてサンドイッチにしたのかな??
パラレルワールドのような展開なので、人物相関図を手描きしながら読みました。

敵襲を受けた砦で、イオが「ヴィ―に伝えなければ」と強い想いを残しながら焼け死んだ夜に、リーノが生まれる。
天使のような美貌を持つリーノは、瞳以外はイオと真逆の身体、似ていない。
イオの死に際の無念「ヴィーに伝えたかったこと」を夢で知って、イオの願いをかなえようと行動を開始する。

「愛とは?」や「生きる意味」って何だろう、と読者が考えさせられる展開なので、読後に胸が痛くなる。
憎まれ役キャラも居るけれど、あの時はああしかできなかった事情があるとサスペンス風に暴かれていって、最後に「赦し」に辿りつく構成が良いです。

★著者twの作品に関わる蘊蓄は、読み方ガイダンスだと思う。読むともっと面白くなります。
★電子版2巻を読了後、小説投稿サイトの原文と比較しながら再読したら、小タイトルが随分異なっていて、順番も変わっているし、削られている。
削られて大筋の把握がしやすくなっているのが電子版。
深く小説の世界に入り込みたいなら、粗削りだけれどウエブ投稿版の方が良いかも。自費出版じゃないから、削られても仕方ないですね。

5

文句なく神です!

ちるちるさんのレビューランキングでも徐々に上がって来て、今は1位になっています。

分厚い上に2段組でハズレだったらどうしようかと心配していましたが、読んでみたらそんな事は全くありませんでした。
お話の構成も分かりやすくて、レオリーノとイオニアについて無理なく頭に入って来る手法に脱帽しました。

レオリーノの現在になるまでが長いし、イオニアを巡るグラヴィスとルーカスの三角関係はどちらの攻めに感情移入するかで、かなり評価も変わって来ると思います。

私はグラヴィス派なのでルーカスのイオニアの隣りにいようとする強引さとか、レオニーノをイオニアとして扱おうとする無神経さが好きにはなれません。

壮大な物語と因縁とも思える人間関係に読む手が止まりませんでした。

敵国との開戦が迫る中、イオニアが伝えようとした事もまだレオニーノは伝えられて無いし、レオニーノの記憶を消したラガレア侯爵の真意も分かっていません。

王族などが持っている異能や、イオニアと同じくグラヴィスを呼び寄せる事が出来たレオニーノの心話とか、好きな人には堪らないと思います。

グラヴィスがレオニーノの父親のアウグストに大事な一言を告げたところで終わってたので、早く2巻が読みたくて仕方がありません。
2巻も辞書みたいな厚さなのかとても気になるところです。

9

挿絵が少ない――!(T_T)

表紙と、あらすじと、大作の予感がしてぽちっと購入。
こういうの待ってた―――!!
ファンタジーBL小説好きならはまっちゃうんじゃないでしょうか!

受さま超絶美青年というのも個人的に大好物。
もし好みがわかれるとしたらこの受さま、強い系じゃなくて体が弱くて守ってもらう系ってとこかな。いろいろ事情があってしょっちゅうHPとMP消費してぐったりしちゃってます。
作中での描写も相まって本当に深窓の姫。白くて細くて折れそうで、日にも当てられなさそうというか、ちょっとしたご無体されたら死んでしまいそう。挿絵で「おっと!しっかりした男の子だった」と引き戻される感じ。
それでも芯が強くて自分は好印象です。

しかし久々に出会った骨太大作です。ただダラダラと長いだけじゃない。雰囲気だけじゃない。満足!
続きが気になりすぎてフライングしてムーンライトさんで読んじゃいました。いや、それでも続刊買いますけどね。これは紙でゆっくり読みたい作品。
あと、フライングした印象ですが、こちらの作家さんは徐々に明かされる物語の暗い面、残酷ともいえる設定に抜かりがない。う~ん、この潔さが良き・・・!

もうね、文句を付けるとしたら、
挿絵の数~~~~~~!!こんなにぶ厚い本なのになぜ挿絵4枚!?
最初の人物紹介で脇キャラも見えたのは嬉しいけど、それにしても4枚・・・!ガックリ_| ̄|○
自分の場合は挿絵込みでBL小説買うタイプなのでさびしい~~~。
攻様達がほれ込む魅力的キャラであるイオニア君(受様の前世)、人物紹介で横顔だけ・・・!(T_T)しかも作中でも口元とか背中とかだし~~~!
あーーんもっと見せてくださーーい!
大人の事情?大人の事情なの?出版社さんよーー!

それでも次巻さっそく予約しますけどね・・・。

15

読み応え抜群!

本屋で見かけて「わぁ分厚い!これが好きなタイプの話なら買うんだけどなー」と何気なく後ろのあらすじに目を通して購入即決。
タイトル含め存じ上げませんでした。

プロローグを読んで、やばいこれは大好きな感じだ。こんなに長くて幸せすぎる。と思ってから読了まであっっっと言う間でした。

内容は省略しますが、輪廻転生物お好きなら読んで損はないと思います。
本の長さに比例して起こる事象も細かく表現されているので登場人物も多目です。
最初は人物紹介を何度も開いて確認しながら読み進めました。

欲を言えば、せっかくイラスト付きで人物紹介があるのでフルネームで出てくる人はフルネーム書いて欲しかったことと、ストーリーの重要な部分に戦がからんでいるので周辺の地図も載せていただきたかったです。

表紙のレオリーノがとても綺麗なので、本文中で見た目のことを何か言われるたび見返したりもしました。

続刊が待ち遠しいです。

6

消えない傷を抱き、再び巡り合う

今回は王弟で王国軍将軍と転生した辺境伯四男のお話です。

前世戦死した攻様の唯一の存在だった受様が
前世の無念を晴らすために真相を探しに王都にでるまで。

受様は大陸の中央に位置するファノーレン王国の
国境を領地とする辺境伯の四男として生まれます。

名門公爵家の出身の母は
父似の3人の男子をもうけますが
隣国との戦争中で領地に戦禍が迫る中
母似で天使のように可愛らしい受様が生まれるのです。

天使のような美幼児は
そのまま天使のような美少年に育ち
末っ子のおっとりした性格と相まって
受様は家族にも領民達にも愛されて健やかに育ちます。

受様は11才の歎じよう美を迎えた頃から
王都の平民街に住む少年の夢を見るようになります。

それは毎晩続き、受様は物語を読むような気持で
夢を見る事を楽しんでいましたが、
12才の誕生日が近づくある日
夢の中で成長した彼が戦で死んでしまうのです。

それは受様が誕生した日のことであり
王弟の率いる部隊が
占拠されていたツヴァイクリングを奪還、
敵国を破る突破口となった日だったのです。

受様は半成年を迎えた年、
ツヴァイクリングで行われる慰霊祭に
参列を許されます。

王太子、宰相、王国軍の副将軍、大司教、
内政長官と多くの要人が列席します。
受様はなぜか彼らに懐かしさを感じ、
宰相と副将軍は受様の瞳の色が
戦で失った友人そっくりなことに衝撃を受けます。

戦死した友人は副将軍の恋人であり、
王弟で今や王国軍将軍である攻様にとって
かけがえのない唯一無二の親友でした。

受様はツヴァイクリングで体調を崩しますが
目覚めた時に傍にいた兵士が夢の青年の部下であり、
戦の内通者だった事に気付くのです。

兵士はなぜ自分のことを知っているのか、
死んだはずの隊長しか知らない事を
辺境伯の息子が口にするのかと混乱します。

追い詰められた兵士は
受様を捕らえてもう1度隊長を殺して
自分も死ぬしかないと城壁から身を投げるのです!!

全てを思い出した受様は自分は
前世の記憶を引き継ぐ為に生まれたのだと悟りますが

今の自分には力もなく、ここで死ぬ運命なら
最後にもう1度攻様に会いたいと強く願います。

受様の運命はここで尽きてしまうのか!?

WEB小説サイト「ムーンライトノベルズ」に連載された
Web小説に加筆集瀬しての紙書籍化で、
身内の裏切りで戦死した受様が敵と繋がる裏切者を
探りながらかつての仲間達と関わっていく
輪廻転生ファンタジーになります♪

Ruby collection、単巻かと思って買ったら
上下巻ということがままあるのですが、
本作はまさかの3巻セットで、
次巻でも終わりませんでした。

本作はまだまだ序盤、駆け出し部分になります。

本作は今世の受様の時が進む間に
受様の過去が夢として交差していくのですが

受様の記憶を思い出すとともに
かつての仲間達と新たな繋がりができ
受様に惹かれていく様子にワクワクし通しでした♪

攻様は政略結婚で嫁いだ正妃の息子ですが
前王は妾妃との間に王太子を設けており
攻様は王家の中でも微妙な立場にいました。

そんな攻様が息抜きにと連れ出された王都で
受様に出合い、友情を育てていき
やがては受様を愛するようなります。

受様もそんな攻様を支え
彼の隣にいたいと望みますが
庶民と王子と言う身分差を超えられず
自分を好いていた友人を「恋人」に選ぶのです。

お互いに惹かれあう2人と
受様の恋人となる友人の歪な三角関係にも
たまらなく萌えさせられました♡

そして今世では王国軍将軍となった攻様と
副将軍となった受様の元恋人以外にも
受様に惹かれる人が続出なのも楽しいです。

受様が敵と通じて画策していた黒幕を探す中、
惨敗した隣国で新たな王が立ち
ファノーレン王国に再び戦の影が近づいてき
これからどうなっていくのか全くわかりません!!

次巻が楽しみです ヾ(≧▽≦)ノ

12

イケメンいっぱい

続きものとしりつつ気になって購入。長いですが面白かったので、そこそこなスピ―ドで一気に読めました。早く次が読みたいなあ。二段組の本編460P+グラヴィスとイオニアの小編8P。ムーンライトノベルスに掲載されているらしいですが、何巻まで行くんだろ?

ブルングウルド辺境伯の第4子として生をうけたレオリーノ。3人いかつめ男子が続いていて待ち望んでいた女子では無かったものの、キラッキラ超天使のような男の子。ふわふわドレスを着せられ、家族皆から溺愛され、まっすぐ天然無垢に育っていましたが、11歳ごろから「イオニア」と呼ばれる別人になりきった夢を見るようになり・・・と続きます。

攻め受け以外の登場人物はめっちゃ多い&イケメン多数きらっきら。
受け関係:イオニア(18年前に戦死した攻めの護衛役)、アウグスト(父)、マイア(母)、オリアーノ(長兄)、ヨーハン(次兄)、ガウフ(三男)、エリナ(オリアーノ嫁)、ヨセフ(護衛)、フンデルト(侍従)
受けに言い寄る方々:ユリアン(エリナの兄、がちで求婚してくる)
王族関係:ヨアヒム(国王、攻め兄)、カイル(王太子)
その他貴族:ラガレア侯爵(受け父の友人、内政長官)、マルツェル・ギンター(宰相)
攻め関係:ディルク(イオニア弟、攻めの側近)、ルーカス・ブラント(副将軍)、サーシャ(侍医)
隣国ツヴェルフ関係者:ヴァンダレン(元王太子)、ズベラフ(軍要職)
等々。その他貴族が判別困難。

++攻め受けについて

攻めが今現在、渋め37歳で、イオニアを想って独り身を貫いているってのが良い!お仕事ばりばりできるみたいだし、めっちゃ便利異能持ってるし、冷静沈着、登場するだけで周りを従える王族オーラ満々なところが大好き。すっぽり懐にレオリーノを収めてご機嫌さんっぽいところがこれまた良い・・・楽しいなあ。

受けはキラッキラ天然無垢な超天使!庇護したくてしようがない心地にさせる、ある種魔性の方なのかもです。みんな初めてレオリーノを見たら目は見開き顎はずれんばかりというご様子。ひゃーキラキラ天使見てみたい。力ある貴族で大切にされてきた四男坊なんだけど、「僕無職なんです。なんでもやりますのでお給金いただけるお仕事をあっせんしていただけないでしょうか」なんて瞳うるうるさせて言っちゃうような方。過去の記憶持ちである事情により使命感もあるんだけど、非力病弱ゆえに色々自力ではできず、めっちゃ庇護欲そそられる!

攻め受け好きだし、お話は先が気になるし、ということで萌2にしました。ちょっと長いのは、ムーンライトノベルスさん由来だからしょうがないですね。次も頑張って読もう!

11

個人的に数年に一度の神作品!

美麗な表紙につられますが、中身はそれ以上に素晴らしいと思いました。

元はネットのBL小説なんでしょうか?
ネット小説→商業化本って普通の商業誌と少し雰囲気が違うので、あまり読まないようにしてきたんですが(値段高いし)、読んでよかった。いや、続きが気になりすぎてもう少し後に買えばよかったかもです。

主要キャラたちの心理描写がとても丁寧にかかれていると思います。
1冊なのにかなり長いので3冊分読んだ感覚です。

出会って〜一悶着あって〜くっつきました〜みたいな「内容薄い!」「あー展開早すぎる」は一切ありません。
そして転生ものによくあるモヤモヤ「前世好きだったから必然的に生まれ変わりも好き」っていう感じでもなく、しっかり双方葛藤が描かれて、その葛藤もまだまだ序章なのが嬉しい。

2巻、3巻はすぐ発売されるんですかね?
待ちきれない!!!

15

過去と現在が交錯する、壮大な愛の行方

こちら、輪廻転生もので、全3冊で完結のうちの1巻目になります。

このボリュームでまだ1/3だし、決して気軽に手を出せる作品では無いんですけど。
どシリアスだし、胸がつぶれるほど切ないし、かなり痛い描写もあるし。

ただ、もんのすごく読み応えのある壮大で骨太なお話なんですよ。
切なく、苦しく、そして泣ける。

実はムーンライトノベルズさんの方で先に読んでまして、もう大好きなお話なんですよね。
書籍化を知って狂喜乱舞しましたよ。
過去と現在が交錯する壮絶な愛や執着の行く末に、主人公が果たそうとする使命。
なにより、一人の男が命をとして守ろうとしたものー。
ぜひ、皆様も最後まで見守っていただきたい!

ちなみに、ムーンライトノベルズさんで既読の方も、かなり加筆修正されてます。
大きな変更点とかは無いんですけど、内容が分かりやすくなってたり、より心を打たれるエピソードになってたり。
記憶力が大変残念な上に、1ページずつ見比べたワケでは無いので、間違ってたら申し訳ないですけど。

それにしても、表紙のレオリーノとグラヴィスの瞳が美しすぎて、もううっとりとため息しか出てこないですね。
えーと、二人の瞳の色が重要な意味を持つお話でもありまして、文章で読んではあれこれ想像してたのです。
想像してたのですが、それを上回るこの美しさ!
一夜先生、素晴らしいわ。

で、ザックリした内容です。
辺境伯の四男として生まれた、絶世の美貌を持つレオリーノ。
実は彼には、かつて身をていして国を守った騎士・イオニアの記憶があるんですね。
イオニアが死の直前に知った、仲間の裏切りとその裏に隠れている真の国賊の存在。
それを暴き、かつての親友で王弟であるグラヴィスに伝える事が自分の使命だと決意をしてー・・・と言うものです。


えーと、こちら繰り返しになりますが、過去と現在が交錯する壮大な愛の行方が見処でして。
今作だけで480ページ、しかも上下段とたっぷり使って、現在の主人公の幼少期から始まり、徐々に記憶を取り戻して行く様、そしてかつての親友・グラヴィスとの再会まで語られます。
並行して、騎士イオニアの人生が語られるって感じでしょうか。

で、個人的にめちゃくちゃ萌えるのが、レオリーノの前世であるイオニアと、まだ若かりしグラヴィスとの切なすぎる恋。

う~ん。
イオニア少年ですが、実は鍛冶屋の息子と、普通ならグラヴィスとは一生交わる事の無い運命だったんですよ。
それが幼い時分にたまたま知り合い、二人は友情を育んだ。
ここから、彼が触れた物を砕けると言う異能を偶然持っていた事もあり、グラヴィスとともに高等教育学校へ。
やがて互いに友情以上のものを覚え始めるも、イオニアは立場の違いから想いを封じ込めるしかなかった。
で、そんな彼の辛い恋を知り、全てを理解した上で共犯者として慰めをくれた、もう一人の親友・ルーカス。

これね、危うい均衡の上に成り立ってる、三人の関係と言うのにとにかく萌えるのです。
また、イオニアの、自分は決して恋人にはなれない。
でも、自分の血と忠誠は永遠にグラヴィスにー。
と言う、強い意思がとにかく切ない。
この巻で彼が戦死するまでが語られますが、その最期も壮絶すぎて。
最後の最後まで、彼はグラヴィスを想い、そして彼が守る国を自分も守り抜こうとした。

何だろうな。
彼の人生を思うと、もう涙が止まらないんですよね。
グラヴィスとの出逢いさえなければ、彼は鍛冶屋として平穏な一生を終える事が出来たであろうと。
それがグラヴィスの人間の盾となり、その手で人を殺し、過酷な戦場で戦い、やがては悲惨な最期を迎えた。
またそれでも、グラヴィスと出会えない人生より、彼と出会えたこの壮絶な人生の方が、イオニアには幸せだったんだろうなぁと。
もう、胸がつぶれそう。
悲しくて悲しくて切なくて、マジで胸がつぶれそう。

で、今作の最大の萌えですが、そんなイオニアの記憶を受け継いだ青年・レオリーノと、イオニアをそんな経緯で失いすっかり厭世的になってしまったグラヴィスとの再びの邂逅。

えーと、タイトルである「背中を預けるには」ですが、とても深い意味を持つんですよ。
かつて「力」と頑健な肉体を持ち、グラヴィスが唯一背中を預ける事が出来た騎士・イオニア。
しかし今生のレオリーノのですが、幼い頃の事故で足が不自由。
身体も繊弱。
レオリーノにとって、背中を預かる事が出来ない今の自分は、とてもイオニアの生まれ変わりだとはグラヴィスに伝えられないんですよね。
しかしイオニアと全く同じ瞳を持つ彼を見て、イオニアの生まれ変わりを疑うグラヴィス。

更に、レオリーノが一人で秘密裏に追おうとする、かつての裏切り者とその裏に隠れた真の国賊の存在。

果たして、イオニアの無念は晴らせるのか。
そして、二人の恋の行方はー?
って所でしょうか。

とりあえずですね、ここから更に物語は深みを増し、壮大な広がり見せます。
驚きの真相も明かされますし、めちゃくちゃ痛い展開も来る。
でも、とにかく面白いし萌えるんですよー!
多少歪んでしまった、ルーカスの執着愛とか。
彼もまた、気の毒な男だよなぁと。
失った恋人を18年も想い続けるって、なんて哀しい。
萌えちゃうけど。

過去と現在が交錯しと、かなり複雑なストーリーなんですよ。
で、登場人物がやたら多い上に、彼等の関係もこれまた複雑。
お話自体もビックリするほど長い。
そんなワケで、なかなか気軽に癒しを求めてってスタンスでは読めないと思います。
ただ、とにかく心を揺さぶられる、壮大で凄まじいお話なのです。
本当、ぜひ、最後まで読んでいただきたい。


最後になっちゃいましたが、ムーンライトノベルズさんの「背中を預けるには」シリーズで、番外編やスピンオフ、登場人物相関図等みれます。
ルーカス好きさんは「この恋の涯てには」が必見ですよ。
今度こそ、彼を幸せにしてやって!
ちなみに、順番としては「背中~」→「この恋~」です。

35

めっちゃ分厚く、そしてめっちゃ面白い。

めっちゃ分厚い本なんですよ。
この厚さの本て、持ちづらくて読みづらいので苦手なんですよ。

なんですが。

やっば!
めっちゃ面白かった…!
本の厚さなんてなんのその、読んでも読んでも終わらないこのボリュームに感謝。むしろこの厚さでありながら息もつかせぬ展開で一気に読ませる。素晴らしい…。

素晴らしすぎて、読後しばし放心しました。

でもね、レビューが難しい。
凄く緻密に練られたストーリーで、いたるところに伏線がまかれています。ネタバレし過ぎちゃうとよろしくないと思うのですが、何をどう書けばネタバレになりすぎず、この作品の面白さをレビューとして書けるのか。

と、少し悩みましたが、なるべくネタバレしないようにレビューを書こうと思います。





主人公はレオリーノ。
ファノーレン王国の国境に領地を持つ辺境伯の四男で、天使のような風貌を持つ彼は、裕福な家で、末っ子で、しかも母親が望み続けた麗しいビジュアルを持つことで小さいころから蝶よ花よと育てられた。

そんなレオリーノは、子どものころから見る夢がある。
今の自分とは異なる逞しい身体。
何かを守るために、命を張って闘う男性。

レオリーノは、それが誰なのか、感覚的に理解していた。

そして12歳になった日、彼はとある出来事に巻き込まれ瀕死の重体に―。

というお話。

えっと。
あらすじにも書いてあるのでここでも書いてしまいますが、ここから激しいネタバレ表現がありますのでちょっと下げます。


*******************************************







レオリーノは、ファノーレン王国の王子であるグラヴィスを守った、今は亡き騎士のイオニアの生まれ変わり、なのです。

この国には不可思議な能力を持って生まれてくる人物がいて、イオニアはその能力を持っていたのですね。で、その能力を買われる形で騎士になるのですが、能力云々ではなく、グラヴィスの希望によってイオニアは騎士となった。

幼少期に接点のあった二人には、他人が入り込めない絆ができていたから。

が、グラヴィスは王族。しかも次期国王になるべき王太子である兄がいながら、グラヴィスの方が王に適任であるという理由で王になることを望まれている。そんなグラヴィスと平民のイオニアとでは釣り合うはずもなく。

そんな中、敵に攻め込まれ、イオニアはグラヴィスを守る戦いの中で命を落としてしまう。そして、そのイオニアの生まれ変わりが、レオリーノ。

屈強な身体を持ち、特殊な能力を持ち、闘いの前線で闘い続けた騎士・イオニアとは全く異なる容姿をもつレオリーノ。けれど、レオリーノには、秘めた想いがあってー。

序盤に書きましたが、めっちゃ分厚い1冊です。
が、この分厚さに見合った内容が、この作品には描かれています。しかも、タイトルに①とついているようにまだこれで完結ではない、という。

レオリーノのバックボーン、イオニアとグラヴィスとの切ない想い、と萌えも面白さもMAXですが、いやいや、これで終わりじゃないんです。

彼らの間に割って入る人物がいます。
それは、イオニアの学生時代からの友人のルーカス。彼はイオニアがグラヴィスを愛していることを知ってなお、イオニアを深く愛してるんですね。
イオニアがグラヴィスをどれほど愛していても結ばれることはない。
イオニアがグラヴィスを愛していても良い、身体だけでも手に入れられることができたなら。

そんなルーカスが間に入ることによって、彼らの想いは交差していく。

イオニアを深く愛していたグラヴィスとルーカスは、イオニア亡き後失意の底に突き落とされますが、だからこそ、イオニアの生まれ変わりであるレオリーノに対する想いも複雑。二人が、レオリーノがイオニアの生まれ変わりなのでは?とすぐに気づくのもまた、愛ゆえか。

レオリーノはとある事情により、イオニアの生まれ変わりであることを誰にも告げられずにいますが、その「事情」も、伏せていることによって引き起こされる「こと」も、面白い。

面白いっていうと語弊があるかな?
けれど、グラヴィス、イオニア、ルーカスの三者三様の恋心という恋愛ベースだけを描いた作品ではなく、たくさん盛り込まれたバックボーンがめっちゃ面白くて一気読みしました。

主要キャラの3人、というか、レオリーノも含めると4人ですが、とにかく魅力的。が、脇を固めるキャラも素晴らしく魅力的。
個人的には、レオリーノの父親のアウグスト伯に萌えツボを刺激されました。愛情深く、賢く、強く逞しい。彼が「辺境伯」というところにもきちんと理由が存在しているのも良い…。

イオニアの意思を継いだレオリーノが、今後どう動いていくのか楽しみです。

レオリーノ、めっちゃ可愛いのですが、イオニアがドツボキャラでしんどかった。
特殊能力を持ち、グラヴィスを守るために彼は自身のすべてを投げうつ。
けれど、それと相反するように葛藤も抱え、心身ともに疲弊し。
グラヴィスを愛しているから。グラヴィスのために、イオニアは存在している。
筋肉ムッキムキの身体で、でも受けというのも良い。

あれだけカッコいいイオニアの生まれ変わりが可愛いレオリーノ、というところがまた良い。レオリーノが、今後どれだけ成長していくのか楽しみです。タイトルの「背中をあずけるには」の意味が、じわじわと読者に流れ込んできて、素晴らしいタイトルにも悶絶しました。

レオリーノのお相手となる攻めさんはグラヴィスなのだと思いますが、ルーカスも幸せにしてあげてほしいです。

イオニアは、間違いなくルーカスの事も愛していたのだと。救われていたのだと。ルーカスに伝えてほしい。

恋愛という観点も面白いですが、ストーリー自体素晴らしく練り上げられています。イオニアが持っていた「能力」ですが、この特殊能力もまた、今作品のキーワード。そこに絡めた展開も秀逸でした。

今から次巻が待ちきれない。
正座して、お待ちしています。

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