運命なんだよ。おれたち絶対。

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表題作さんかく窓の外側は夜 10

あらすじ

先生とともに閉じ込められ、出られなくなった冷川。
三角は、迎、英莉可、逆木、半澤の力を借り、
冷川を救済するため全力を尽くす。
先生がいる部屋に辿り着いた三角に先生は問いかける。
「ぼくが誰だか知りたいか?」
強い攻撃を三角は跳ねのける。
そして遂に冷川のもとに辿り着く。
三角が全身全霊で絞り出した言葉に冷川は――。
愛と救済の完結巻。

作品情報

作品名
さんかく窓の外側は夜 10
著者
ヤマシタトモコ 
媒体
漫画(コミック)
出版社
リブレ
レーベル
クロフネコミックス【非BL】
シリーズ
さんかく窓の外側は夜
発売日
電子発売日
ISBN
9784799751664
4.2

(42)

(26)

萌々

(7)

(4)

中立

(4)

趣味じゃない

(1)

レビュー数
11
得点
174
評価数
42
平均
4.2 / 5
神率
61.9%

レビュー投稿数11

愛の戦士

先生は妻のために置いて出たって言っているけれど、そもそもが、妻を自分の物だと思っているような、そもそもが他者を利用するような考え方から成長できていない人だったのが問題だったんだろうと思った
身勝手な考え方をする大人に三角も被害を受けていたんだ
冷川の可哀想なのは本当に可哀想で可哀想で、でも半澤が助け続けたことで救われていたってこと、良かった
英莉可も、逆木が道を間違えてしまっただけのまともな人で良かった
お母さんが娘のために勇気を出せて良かった
冷川のお母さん、特別な力を授かった存在だからああいう風にするのが正しいって本当に思っていたんだろうね
自分が産んだのに心のある、育てなければいけない人間の子供だと思わなかったのね
迎が愛を知る人で、人間を愛するって接し方の元に1年とも感じる時間を冷川の説得にかけたこと、その愛が冷川にも伝わったことがもっと年月が経って、冷川がもっと言葉を知って解る日が来ると良いな
三角にただ側にいて欲しくて、三角は側にいあげたくて、だから2人は運命なんだって
三角は冷川の愛の戦士だから一緒にいたら怖くなく生きていける
もうめっちゃくちゃ泣いちゃった

0

読み応えたっぷり!満足度高し!

切ないなあ…、が読み終わった後の素直な感想です。三角と冷川の物語もすごくすごく良かったけど、三角と母親との物語に泣きました。母の苦しみを理解している良き息子な三角に感動です。
“先生”はやっぱりよく分からなかったかな。その憎しみがここまで大きなことになるの?って分からない。まあ自分の子供を消したいと考える親の気持ちなんて、理解できないのが正解なのかもしれないけれど。
そして冷川救出に向かう愛の戦士三角!三角の中でこんなに気持ちが育っていたなんて…三角から「運命」って言い出すとは思わなくて驚きました。冷川は無事に人間になれたようで良かったです。契約を消された後の放心顔が最高でした!
事件が片付いてからも三角はメガネをかけなくなってて、冷川は普通に仕事に向かう様子で、霊能力?に影響はなかったってことなのかな。これからもクライアントにお察しフェイスされながら、元気に二人でお仕事して欲しいと思います。
読み応えたっぷりの面白すぎる作品でした!

0

みごとな完結!

表紙からして希望の予感!

一冊でどうやって収集つくの?と勝手に心配してましたが、さすがです!
全てを描写する必要ないんですね。一コマでも一言でもわかる、伝わる!

もぉ〜三角、本当に良い子に育ってくれてありがとね(泣)
お母さんの大きな穴、冷川の心の空室、君さえいれば!だよ。

宝箱のところは、あーこの人もそんなことを…と微笑ましかったのに。自分だけ救われたかった、お前のせいだ!な憎しみが消しても消しても残って燃料になっちゃったのかな?

冷川。三角があんなにまでして助けた命、大切にしてね。自由になって!一人じゃないってわかったよね?

俺といれば怖くないぜ!

お父さんのその後も気になります。その後どころかお母さんと出会う以前やお付き合いの様子も。いつか出ないかなあ。

0

優しさに浄化される/とんでもなく高い完成度

こんなに幸せな読後感になるとは。1000%いい意味で予想を裏切られました。

誰ひとり「悪人」がいなくて、シビアな境遇のキャラが多い中、人の優しさを感じました。みんな芯が強くて、たくましい。
構成、人物配置も見事で、色々な歯車が噛み合い、最少人数で全て綺麗に回収したなと。

全キャラ愛しすぎる。三角くんと冷川さん、英利可ちゃんと逆木さんコンビはもちろん、系多くんの話し合う姿勢が、一年もの対話に繋がったり、半澤さんの立ち位置が霊能者たちに効いたり。全員にしっかり縁が繋がっているところが、大好きです。誰が欠けても成り立たない。三角くんと英利可ちゃんの、それぞれのお母さんも素敵。先生も、愛ゆえにというのが胸にくる。人間関係が美しく、ヤマシタ先生のおっしゃっている「10冊通しての馴れ初めを描いたBL」に納得だし、そこに限らず全体に愛情が溢れていました。

人と違うことへの孤独、親や幼少期の環境への息苦しさを扱いつつ、その描き方や視点に作者の優しさが滲んでいるように感じました。私自身、育った環境に未だ整理のつかない気持ちを抱いているので、そういった描写には厳しめな自覚があります。しかし、このお話は彼らの向き合い方、行く末を見守るうちに、不思議と心が軽くなりました。

また、冷川さんと半澤さんとの回想。白いパネル張りの壁との対比で、マス目をひらがな(外の世界で学んだ言葉)で埋めていく演出が、やりとりと相まって泣けた。
1話と最終話の「怖くなくなる」の逆転も、震えました。

独特の空気感、繊細な表情、台詞回しのセンス。感情描写。さまざまなものに魅せられてここまで読んできました。ページをめくるのがもったいなくて、1冊を2回読んでから次の巻へと、じっくり読みました。

これは、私にとって紛れもない名作です。
素晴らしい作品に出会えて、幸せに思います。

1

ブロマンス風味

前半は、三角たちが対峙してるものの正体が不気味で、絵的にもホラー要素あって面白かった。

中盤以降から、話の方向性が見えてきて、冷川さんの過去に繋がっていく。

三角は困難に正面から立ち向かっていくヒーローで、過去に囚われていた冷川さんを救い出す。冷川さんの過去の事件が重いわりに、その救済部分は意外とあっさりしていた。

除霊のシーンなど、BL的に見ることもできるけど、描かれてることはもっとヒューマンストーリー寄りな感じ。

距離が近い男性同士の物語を読みたいという方には、ちょうど良い塩梅の作品だと思う。

2

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