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表題作エス 残光

宗近奎吾,33歳,ヤクザで椎葉のエス
椎葉昌紀,29歳,組対の刑事

あらすじ

警視庁組織犯罪対策第五課、通称「組対五課」の刑事である椎葉は、拳銃の密売情報を得る言わば拳銃応酬のスペシャリストだ。その、捜査方法はエス(スパイ)と呼ばれる協力者を使った情報収集活動に重点がおかれている。ある日、大物ヤクザであり椎葉のエスでもある宗近が何者かの銃によって倒れた。宗近を守るため、ある決意のもと宗近から離れた椎葉は、五堂によって深い闇を知る。複雑に絡まり合う過去と因縁。錯綜する憎しみと愛。奪われた者は何で憎しみを忘れ、奪った者は何で赦しを得るのか。この闘いに意味はあるのか?闇の中でもがき続けた男たちの鎮魂曲!

作品情報

作品名
エス 残光
著者
英田サキ 
イラスト
奈良千春 
媒体
小説
出版社
大洋図書
レーベル
SHYノベルス
シリーズ
エス
発売日
ISBN
9784813011385
4.4

(93)

(59)

萌々

(19)

(12)

中立

(2)

趣味じゃない

(1)

レビュー数
11
得点
409
評価数
93
平均
4.4 / 5
神率
63.4%

レビュー投稿数11

終わってしまうのがさみしい!

宗近×椎葉の話の最終話です。3巻の終わりがあまりにも気になる終わり方なので、たまらず4巻も読み進めてしまいました。

五堂という、得体の知れない男の懐に飛び込むことになった椎葉が、無の状態で監禁され、心が揺らいでいく様がツラいです。
そんな中、銃を咥えて命を断とうとしたときに、宗近の前でベレッタのモデルガンをしゃぶって見せたことを思い出し、自殺を思いとどまるシーンは胸を打たれました。

精神的に追い詰められながらも、東明を懐柔する椎葉はさすがです。

負傷したまま椎葉を探していた宗近に、椎葉が奪い去られていくシーンも、そのあとの椎葉が裸で一回転しちゃうシーンも好きです。
でもやっぱりふたりが気持ちを通わせるシーン&初夜みたいなセッ……シーンは最高です。ツンな椎葉がデレ始めてもうたまりません!

ふたりが「いつから相手を好きになったか」を検証し合い、イチャつくシーンも好きです。椎葉が可愛すぎますっ!

メインカプのふたりのことばかりではなく、事件のほうも終わりを迎えます。これまた宗近がかっこよく、五堂とのラストシーンでの潔さに、宗近の今まで過ごしてきた過酷な境遇を想ってしまって、じんときました。

メインのふたりは言わずもがな。五堂と東明、宗近と鹿目、宗近と東明、椎葉と篠塚、それぞれの思惑を抱えた男たちの関係性がめちゃくちゃいい! サブキャラもかっこよすぎて惚れました。

エスのすべてに魅了されました。この作品をきっかけにBLというものの存在を知り、それからたくさんのBL小説&漫画を読みましたが、この作品が最も好きです。事あるごとに読み返していますので、もはや聖典(バイブル)です。
BL小説本が聖典だなんて人には言えません。どうしてこんなにエスにばかり惹かれるのか自分でもよく分かりません。とにかく私はこの作品が大好きです。

2

クライマックスやエンディングに満足しました

ちるちるユーザーの方の評価が良かったので、手にしたエスシリーズの最終巻。
3巻に引き続き、真相に近づく4巻目でしたが、読み応えがありました。
最後まで読破して、まさしく自分にとって刑事もの小説の理想形でした。1巻からの伏線の回収も鮮やかになされて、クライマックスやエンディング展開もまさかの展開で盛り上がり、満足しました。
刑事もの小説は、途中の展開に期待しながら読み進めるものの、意外と真相がありがちでガッカリする事も多いんですが、エスはストーリーの締め方が鮮やかで文句無しです。

予期せずに宗近と五堂との関係性に萌えてしまいました。男達の様々な精神的な関係性を楽しめる事もエスシリーズの醍醐味でした。最後まで読んで、五堂の「片羽」の本当の意味を知り、驚愕しました。五堂は強烈な印象を残したキャラでした。椎葉と宗近のメインカプが霞むくらいに。。でも最後の2人の選択が漢気があり良かったです。ラストで椎葉が同僚に恋人の事を聞かれて答えた返答は名言だなーと思いました。エスシリーズにふさわしく鳥肌がたちました。。

一巻では組対五課を始めとした警察の組織内部の事や拳銃の密造販売の事など、ベールにつつまれている事を知る面白さがありましたし、2巻では同じ刑事の永倉の生き様が印象に残りました。3巻〜4巻は真相編とシリーズ構成も上手くなされていて、椎葉と宗近のメインカプのBL以外の部分でも面白さを充分堪能出来るシリーズ小説でした。

4

4巻まとめての感想


最高に面白かった!一見クールで素っ気なく見えるけど宗近を手に入るためにベレッタの銃身を舐め回ったりする椎葉に最高に興奮した(笑)。宗近も普段は余裕のある大人の男だが、椎葉のことに関してなら一歩も引かない。お互い相手にだけ素の自分を晒してしまうのはほんとたまらない(笑)。
主人公が刑事とヤクザでトラウマ設定で重い話になりがちだけど、椎葉と宗近の他愛のないやりとりがおもしろくて読んでいてニヤけが止まらないww
また、お義兄さんの設定が素晴らしい!姉のことで篠塚を嫌悪になって、けれど現場の仕事でだんだん当時の篠塚を理解できるようになって、最後はやっと素直に彼を頼りにして…しかもこの憧れは一方通行ではなく、篠塚も椎葉の前でかっこよく居たいからいつも頑張っている。これもまた尊い!最高な兄弟愛…!
今回も素敵なストーリーありがとうございました!

2

過去が明らかに

大好きなエスがついに完結編を迎えてしまいました。

姉の死の真実と宗近を襲った敵を知るために、一人五堂の元に向かう椎葉。
五堂の別荘に連れて行かれた椎葉ですが、五堂の過去の闇を知ることに。
そこで殺意が薄れてしまうところが、椎葉の弱いところですよね。
まぁ椎葉らしくもあるのですが(笑)

宗近にも別れを告げ、刑事もやめる覚悟をして全て投げ出したのに最後の一歩が踏み出せない優しい椎葉。
一方で自分の怪我のことも気にせず、ためらわず行動に起こす宗近。
やっぱり椎葉と宗近は二人でひとつですね。

完結編は椎葉と宗近の絡みが少なかったですが、今までにもましてラブラブな二人がみれてにやけてしまいました。

5

お義兄さぁ~ん

ついに完結のシリーズ第4作。第3作でメインCP二人にとって非情で恐ろしい存在となった五堂。今作では、その対決が描かれます。

宗近を守るためにすべてを捨て、五堂を倒す決意をした椎葉。しかし、五堂の人心を操る手管にはまり、監禁されてしまいます(陵辱はなし)。次第に精神をむしばまれる椎葉。
しかし、五堂はなぜかそんな椎葉を自分の別荘に置き自由にさせます。なんとかして五堂を理解し、情報を得ようと、五堂のそばで暮らす椎葉ですが、彼の心にある深い闇を知ることになります。
この辺の五堂の描写が秀逸です。ただの悪人ではない。ただ屈折しているというのでもない。ムチと飴でうまく人をコントロールしながら、自らの心も徹底的に歪ませてしまった、ぞっとするような存在。あるとき急に優しくなったり、はたまた恐怖で人を縛り付けたりする。理解できない、怖い存在として描かれていました。

今作でキーパーソンは吉澤紀里でしょう。精神的ショックで失語症になりながら、女性的なものを廃し、職人として道を求める女の子。大悪人となってしまった五堂のパートナーとして、彼を支えます。しかし、椎葉の思いやりに答える気持ちも持つ。職以外の一切の欲を廃した、透明感のある不思議な存在です。

最終作ということで、まとめに入った感があり、作品としての勢いは1作目からすると落ちています。しかし、CPの愛が落ち着くところに落ち着き、シリーズを通して読後の満足感はありました。それから、1作目からそうなんですが、どうも作品の一番の山場に来ると勢いがそがれる気がします。軽妙洒脱な会話が急に陳腐になったり、複雑で味わいのあった人間関係が、勧善懲悪の定番ものになったり。ちょっと残念です。

1作目から重要人物だった義兄の想いはどうなったのか、五堂の最期との関わりが一切出てこなかったのが心残りです。
個人的にノンフレーム眼鏡のエリート超甘いお義兄さんに萌え萌えだったので、非常に気になります。お義兄さんで続編ないかなぁ。

4

stella☆

 まぎぃさま
 こんにちは
お義兄さんで続編あります!『最果ての空』
もしかしてもうお気づきでいらっしゃるかも、
とも思ったのですけど、私は『最果ての空』も好きなので、、、
まぎぃさまのレビュー読ませていただいて
私も『エス』また読みたくなりました☆

最終話

強烈な人物が、前作から引き続き出て来ていますね。
五堂さんに東明に吉澤紀里。
この3人の壊れ度と言ったらすごい!
特に・・やっぱり五堂さんの隠れ壊れ度(笑)が
強烈だと思いました~。コワイコワイw
吉澤紀里のおわりのシーン(死ぬとかじゃなく!)もなかなか衝撃的でした~。

ドキドキハラハラな1冊でしたが、
やはり宗近と椎葉の幸せな掛け合いに
読んでいるワタクシも幸せ気分になれました♪

4作とも、読み物としてとても面白いと思いました♪

1

完結しました

シリーズ最後まで人の話を聞かない無鉄砲な椎葉でした。
もうしようがないので宗近はあきらめて椎葉の面倒をみましょう(笑)
スーパーマンは義兄の篠塚でした。
椎葉が知った凄まじい五堂の過去。
彼の死は、炎に包まれ遺体も見つかりませんでした。
おかけで五堂を撃った宗近は無罪放免?このあたりうやむやにしましたね。
拳銃を造っていた紀里も祖父の吉澤が罪を持って逝ってしまいました。
紀里に受け継がれた五堂の命が次は愛され幸せになることを祈ります。
このお話、ドラマCDから入りました。
原作を読んで良かったと思います。

2

あっさりと

思ったよりもあっさりと終わってしまった感じがしますね。
密造銃に関しては本当にあっさりかもしれない。それよりも今回は、
椎葉と宗近はもちろん、五堂や東明、紀里が中心になって話を進めているような気がしました。
個人的に気に入っている場面は、紀里と椎葉が一緒に居るところです。
ほのぼのした感じなので、癒されるところもありますが、話の展開が早すぎるので突然東明が来てグロッキーな展開になることもありました。
紀里がかわいそうで仕方がない・・・

東明は、子供がそのまま大人になってしまったような感じで、実際に自分の周りにこういう人がいたら呆れるだろうけど、この話を読んでたら仕方がないのかな?という気持ちになります。
ただ五堂の気持ちがわからないかなー?本当に何を考えているのかわからない。この人は何がしたいんだろうと思う所もありました。

宗近と椎葉の関係はようやく甘みを持つものになったと思います。
刑事とエスという関係を超えて一つになったところは綺麗でした。
この二人なら未来でも仲良く出来そうですよね。

でもやっぱりこのシリーズは難しいな~考えさせられるところがたくさんありすぎて、上手く文をまとめることができない・・・
いつもと書き方が違いますね。

1

完結…!

「エス」シリーズの完結編です。
読んだのはずっと前なのですが、今でも読み返すほど大好きなシリーズです。
最後の最後まで宗近へ抱く自分の「愛情」を認めることを恐れる椎葉。
「好き」とかいう次元じゃないんですね。「愛」なんでございますね。
認めちゃえよ!と読んでるこちらは焦らしプレイさながら、おあずけくらいつつここまで待ったわあ♪てな感じでした。
そして、影の主役(?)お義兄さまを見ていてもサブタイトルの「残光」がぴったりだなあと思いました。
このシリーズは脇役も本当に魅力的で、誰を主人公にしても物語が展開できそうなほど背景や設定に臨場感があると思います。

ジャンル的にはヤクザやら刑事モノの位置付けになってますが、
根本的な人間臭さが一番浮き彫りになってるので、ヤクザ刑事モノ苦手なかたにも、カッコイイ大人の男と男のヒューマンドラマとしてオススメいたします。
とにかく、私にとっては出会えたことに感謝できる神作です。
欲を言えば、宗近視点でも読んでみたい…♪

5

完結編

宗近を守るため、彼の側を離れ五堂のもとへと向かった椎葉。
そこで過ごすうちに五堂のどうしようもない歪みと闇を知ることになるが……
複雑に絡まり合う過去と因縁と愛情と憎しみ。
果たして彼らは一体どこへたどりつくのか。
エス、最終巻。

メイン二人の関係性以上にまわりにときめいてしまいました。
五堂と紀里。宗近と東明。
まっすぐでいられない愛情が切ないです。
特に五堂と紀里にはもう、言葉が出ない。

宗近のために五堂のもとに向かうことを選んだ椎葉が、もっとBL的に酷い目にあるのかなーと思ったらそんなことはありませんでした。いや、冷静に考えればこれがリアルです(どうもすみません)

ラスト、ほんの少しの都合のよさは感じつつもハッピーエンドに安堵しました。
ただ一巻の頃に感じたような二人の関係性の不安定さとか、その張り詰めた部分がトキメキだった気もしないでもないので……ちょっと惜しいような気もしてます。
両方を望むことは無理だってわかってるけど。
難しいですね。

1

シリーズ四作目

エスシリーズ四作目にして完結編です。
濃厚な一冊となってました。
すべての登場人物に、一つのゴールが用意されてます。明確で安定したゴールではないけれど。
不満はあります。
正直このシリーズは、一作目が一番面白かったと思う。巻を重ねるごとに、椎葉のヒリついた魅力が失われていったように思う。
三作目と四作目で大物脇役として登場した五堂は、その内面がキチガイじみすぎてて、魅力が解りづらかった。
脇役の魅力は、一巻の安東や二巻の永倉のほうが、人間臭い魅力に溢れてたように思う。
主役である椎葉と宗近の二人の幸せは嬉しいんだけど、この二人から牙を抜くのが寂しいような気もするんだよねー。
永久に戦えというのも酷な話ですがw
これは、こういうストーリーにはバッドエンドが相応しいと思ってしまう私の暗さが生みだす、一種のわがままなんだろうなという自覚もあります。

ともあれ、シリーズ四巻楽しく読ませていただきました。

2

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