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表題作蟷螂の檻 5

深山典彦,當間家に仕える使用人で秘書
當間育郎,當間家当主

その他の収録作品

  • エピローグ 檻の中

あらすじ

炎の中で共に逝こうとした典彦と育郎。しかし、育郎が義兄・蘭蔵に助け出され、二人の心中は失敗した。
育郎は、大学の同級生・飯田に保護され東京へ。典彦とは炎の中で別れ、それきり離れ離れとなった。
かつて育郎に好意を寄せていた飯田は、傷ついた友をやさしく気遣い、兄弟ごと東京の自宅へ住まわせた。二人は、穏やかで真っ当な生活を送る日々に。
だが、典彦と別れ別れになったその日から育郎の心は空っぽなまま。
心も体も食い荒らすような愛され方に傷ついたはずだったが、典彦の不在に、育郎の心はーーー?

作品情報

作品名
蟷螂の檻 5
著者
彩景でりこ 
媒体
漫画(コミック)
出版社
祥伝社
レーベル
on BLUE comics
シリーズ
蟷螂の檻
発売日
電子発売日
ISBN
9784396785413
4.5

(124)

(95)

萌々

(12)

(12)

中立

(3)

趣味じゃない

(2)

レビュー数
24
得点
562
評価数
124
平均
4.5 / 5
神率
76.6%

レビュー投稿数24

ハマりました。

究極の愛!ここまで愛し愛されるのは幸せだな。
エロ表現も刺さります。切なくて愛おしさの表現…
素晴らしいです!
終わってしまいましたが、是非スピンオフを!

0

意味深い

もう、よいです。闇をどうやって解消するのかとおもっていたのですが、とても、よかったです

0

とんでもない一族

とうとう最終巻を読みました。
正直一回読んだだけではよくわからないような。色々ありましたね。
ようやく典彦から逃れて蘭蔵と新しい生活を始めるチャンスだったのに。

育郎にとって幸せとは?自由とは?好きなこととは?
もう選べないくらいずっと長いこと檻の中にいて、典彦しか残ってないんですかね。人並みの幸せを求めてないというか。
蘭蔵は檻から出たらたくましく?ちゃんとお世話を受けて。お兄ちゃんだった頃の記憶がとっても彼の中で大きかったんですね。

なんかもう當間一族が狂ってるというか、嫁を巻き込み子供を虐げて不義の子を溺愛して。
典彦も犠牲者だったのかな。育郎を再び手に入れても渇きが癒えないのはどうしてか?

結局檻の中が幸せなのかな。

飯田が気の毒。あんなに一人で頑張って探して。

0

結局のところ

発売されてから、すぐに読むことはできませんでした。
4巻を読み終わって、読み終わったあとはすぐに続きを読みたくて、時間が経つほどに忘れて、そして最終巻発売の告知で思い出し、でもすぐには読めず…。

やっと踏ん切りがついて、読み終わった今。
漠然とみんなが幸せになると思っていた、数十分前の自分を殴りたいです。

結局のところ、育郎が手にしたのは愛ではない。私はそう思います。幼少期に渇望してしたものは、純粋な家族愛だった。それを典彦が性愛にすり替えた。
4巻の火事の後、屋敷から蘭蔵が連れ出してくれた時、私はやっとすり替えられた愛が元に戻ると思っていました。しかし甘かった。

育郎はすり替えられたことなど、とうに気づいており、自分が元に戻れないことを分かっていました。分かっていたことに、私は分かっていませんでした。
典彦と育郎が再会した時の、あの育郎の表情。さち子には絶対に見せられません。
さち子の「他人を〜」セリフも良かったですね。私はメリバ好きですが、腕を組んでしまいました。

3

最終巻

ここへ来て何なのですが、最後しりすぼみになったような。。

坊ちゃんへの執着愛、がメインテーマであったこのシリーズ。ときには犯罪にまで手を染める典彦のぞっとするような人間性を、むしろ鑑賞する作品だったと思います。
しかし、です。

このドロドロしたお話の中で、唯一の清涼剤となった、育郎の妻。彼女が何かを替えてくれるかと期待して読み進めるも、最後は存外あっけなく、メインカプの道行きは何も変わらなかったという気がします。

一番このシリーズで疑問だったのは育郎の気持ち。
からめとるように自分を追い詰める典彦に対して、ただ抱かれるだけなのか、それ以上の何かがあるのか。。

育郎の兄や妻など良い脇役がそろっていただけに、運命の中で自らの立ち位置を見つけていく育郎の姿が見たかったですね。

いつもながら、巻末に収録されているおまけが素晴らしいです。

1

タイトル通り

すばらしくよく出来ていておもしろい。傑作です。
なんだけど、悲しいかな私には萌えがなかったので神と萌の間の萌2とさせて頂きます。すみません。
(感じたことをポツポツ書いたら長くなってしまいました)

4巻読後は、どう結末を迎えるのだろう?と読めない楽しさがありました。
が、5巻の表紙、目次でエピローグ「檻の中」を見て予想できてしまいました。
予想通りでございました。

2人にとってはああなるしかなかった、ということなんでしょうね。

しかし、典彦は育郎を手に入れてもまだ「足りない」とはどういうこと?となりました。
いっそ、育郎を殺すか心中すれば気がすむのか。

さち子の「他人を貶めた上に成り立つ幸福に何の意味があるのでしょう」「少なくとも私にとって深山はそういうものでした」が一つの答えかなと。

典彦は「この子のぜんぶがほしい」ので命までほしいのかもしれない。

育郎を手に入れても
「どうして充たされない」
「何故こんなにも渇いたままだ」
と独白する典彦が全身火傷だらけで
業火に焼かれてもなお生きている苦しみを表している餓鬼のようで、この描き方がすばらしいなと(「業火」の意味が典彦の状況に合っている)

だから、育郎を手に入れても生きている限り決して満たされない苦しみ。自業自得。
本人も自分の異常性を自覚しているのがいいんですよね。
これ無自覚だと見ていられない苦手な話になったと思います。

典彦があんな悪魔みたいな男になったのも、バックグラウンドがあったんですね。
元々持っていた資質もあるでしょうし。

諸悪の根元である育郎の父もとことんでした。
実の妹との子どもが蘭蔵なんて。
その蘭蔵を手にかけるという。
狂っている。

でりこ先生は人間の狂気に苦しめられる人々がどう生きるかを描きたかったのでしょうか。

ずっと健一は巻き込まれないで、と思ってきたけど、思いっきりそうなっちゃった。
孤独と弱さにつけ込まれてしまった。

でも、蘭蔵が迎えにきてくれてよかった。
蘭蔵はお兄ちゃんをしたかったんですね。
お互いに救われる方向でよかった。

蘭蔵がひどい目に合わなくてすんだのは、さち子のおかげですね。

最後、さち子が全部持っていってくれました。
さち子がこの世界の良心であったんですね。
性にも狂気にも翻弄されなかった人。
唯一と言っていい強い人物。
1巻冒頭に父親から、聡明でできた娘だと自慢されていた通り、ブレずに芯のあるの人物でよかった(別の一面が出てくるかとうがった見方をしてしまった。そのケースの方が多い気がして)

繰り返しになりますが、さち子の
「他人を貶めた上に成り立つ幸福に何の意味があるのでしょう」←コレが肝だと思います。

さんざん狂気や地獄を見せられたけど、私はこれで救われました。
ただおかしな世界ではない。
これが芯にあって作品世界が締まった。と思います。

地獄や狂気に生きる人は、それなりの道で生きていく。
自分が犯した罪は自分で背負う。
因果応報だよと。

さち子が育郎や蘭蔵に対して、恋愛や憎しみなどのベタな感情ではなく、肉体関係もなく自立した存在で「人として」行動し、典彦を赦さないと言ってのけたのがすばらしい。

つまりは、さち子かいなかったらただの地獄絵図ですもんねw

読者が共感できる人物、行動をさち子に演じさせたでりこ先生すばらしい。
BLによく出てくるステレオタイプの女性キャラではないところが好きです。

飯田はただの当て馬ではないのがおもしろい。
彼も育郎に魅せられた一人だけど、踏み込めず未練たっぷりなのが独特の後味の悪さでw(さち子との対比)
読者にわかりやすい社会に適合している側としての視点がよかった。

育郎と蘭蔵を俗世に引っ張ってくれる恩人でもあり。そういう意味でGJ。


蟷螂(カマキリ)=當間育郎(漢字のつくり)であり、育郎の父でもあった(1巻)

典彦はカマキリに寄生する(1巻)

蟷螂(育郎)の檻=典彦(カマキリに寄生)

育郎は檻の中で生きると共に典彦を捕食し捕食される構図でもあると。
典彦にとっては育郎が逃れられない檻でもある。
こんな単純なお話ではないかもだけど、ほんとよく出来ていると思います。

本作に似た時代背景、世界観、主従なBLを過去何作か読み、申し訳ないけど上辺ドロドロなんちゃってお耽美な印象だったんですよね。

でも本作はさすがでりこ先生!本格的で物語としておもしろかったです。
作家さんの手腕がよくわかります。ど素人が生意気にすみません。

完全に好みですが(5☆満点)
すごい ☆☆☆☆☆
面白い ☆☆☆☆☆
内容が好き ☆☆☆
絵が好き ☆☆☆☆
キャラが好き ☆☆
萌える ☆

6

読んで良かったです。

絵の体のラインがとてもきれいです。ドキドキしながら読んでました。番外編などでまた続きも読んでみたい。

2

宵闇に墜つるは、春の虚(うろ)。

これは…。私は少なからずガッカリしました。ドラマは最終話の一つ前が秀作だったりする事もある。私にとっては、前作がクライマックスで。神作だったと言わざるを得ない。前作のラストから、一足飛びで、本作のラストに繋いでも。それはそれで成り立ってしまうのではないかと思ってしまうのだ。
それは私が、育郎にある意味「普通」であって欲しい、典彦には坊ちゃんへの歪んだ愛執を諦めて欲しい、と願っていたからなのかもしれない。作者はそんな一読者の勝手な想いなんて、軽々と飛び越えて、彼等の愛の成就を見せる。それがどんなに歪なものであっても。恋人達にとっては、何者も冒し難い、一つの愛の証なのだと思わせる。
読後、ちるちるのインタビューを読んだら、編集さんが典彦の顔と局部は残して欲しいと切望したらしく。醜いケロイド痕があっても、典彦は原型を留めており。もちろん五体満足な身体で生き延びた。

火事の後。當間母子を貶めた本多は社会的な報いを受けた。
愛ゆえだとはいえ、殺人という罪を犯した健一も法による報いを受けた。
そして。その真っ直ぐな心でもって、育郎を救って欲しいと、私が勝手にも願ったさち子は、離縁された後、屋敷に戻ろうとする。焼け朽ちた家を唖然と見つめた彼女は、守られる嫁では無く、自身で當間家の事業を再建し、力強く生きて行く。

當間家に巣食う謎は等しく回収されたカタチにはなっているが、既に故人となった當間家当主・政蔵の、本当の気持ちは分からない。彼を狂わせたものは何か。実の妹との禁忌か。
この狂おしいまでの、面々と続く、血脈の物語の発端は、育郎の父であったのか。典彦の父であったのか。物語はいくつもの「匂わせ」で終わり、真実は藪の中。
ただ学生時代から育郎を密かに想っていたという飯田がラストへ向かって行く彼等を傍観者として見つめている。彼の心中を想うとやるせない。
物語は収まるところに落ち着いたんだろう。私達の心に虚(うろ)を遺して。
育郎は壊れている。壊れて尚、典彦を選ぶしか無かった。自ら足首の腱を切り、もう逃げないと誓う彼を誰が救えたというのだろう。否、彼は救われたくなんぞ無かったのである。

最終巻は「中立」という位置にして置きたいが、全編を通してはやはり神作だという他は無い。そして。私はいつか本作を超える「耽美派」の登場を願っている。

0

己がブレないさち子も好き

 最後の最後まで腐敗した空気を緩めることなく、1巻から続く重苦しさを保ったまま描き切ってくださった先生には大感謝です。序盤で病んでいても、あっさりした結末を迎えたり狂人キャラの皮が剥がれたりして拍子抜けしてしまうような作品が多い中、各々の抱える負の感情が簡単に昇華されるのではなく、その人の中にわだかまり続けて激しい未練を残している描き方に非常に魅せられました。

 典彦という檻を求め、その檻の中で暮らせないなら生きていても仕方ないと思うまでこの世に生きる価値を見出せなかった育郎。空虚な心を抱え始めていた時分に与えられ、己を慕うようになった育郎に妄執を注ぐことでようやく悦びを感じられた典彦。常識人としての仮面を捨てられなかった飯田。弟を人並みに可愛がる間もなく壊され、それでも兄という自分の役割を果たしたいという想いを持ち続けていた蘭蔵。當間という1つの腐った家の中で、歪な形で大人になった者達が歪なまま足掻き、掴み取った結末。最終的には蘭蔵も、育郎も典彦も、得たいと思った人を得たのですから、私にとってはハッピーエンドでした。その人がいるから生きていたいという理由は、愛でも、単なる執着でも、生き甲斐でも何でも構わないと思っています。

4

手に入ってもなお求め続ける先は

前巻の不穏な空気満載からの完結巻です。
それぞれの終着点を見届ける事ができたので良かったなと思います。

救済を期待していた訳ではないですが、育郎と典彦に関しては想像以上に暗い最後だったな、というのが正直な感想です。
手に入れてもなお欲し、乾き続けているとなるともうどうしようもないじゃないか、としか言いようがなく。
当事者の二人が幸せだね、と言えるならハッピーエンドなのでしょうが…


蘭蔵と健一に関しても一見ハッピーエンドに見えましたが、蘭蔵にとってはお兄ちゃんでいる事が全てで、弟だった育郎がいなくなりお兄ちゃんができなくなった今、再びお兄ちゃんになる為には弟が必要で、その弟役が今度は健一なんだよなぁと思うとここにも闇を感じずにはいられませんでした。
決して蘭蔵が悪いわけではないのですが。

さち子の強い道徳観や責任感があったからこそ蘭蔵含め救われたものがあり、典彦に怒りを抱く彼女の存在がこの物語のバランスを取っていたように思います。

執着は嫌いじゃないのです。
でも溺愛とは違い、自分の欲を全て吐き出したものを相手に塗り付けて頭から喰らうような典彦のやり方には、最後まで不気味さ、恐ろしさが付き纏いました。

深さや暗さの違う、様々な闇を感じた作品でした。

6

完結おめでとうございます

本当に心を鷲掴みにされました。
よこいぬに続き蟷螂も終わってしまいonBLUEすっかり光属性ですね…!笑

飯田くんはいい奴だから飯田っていうのを先生がどこかで仰っていて本当にその通りだったなぁと。
彼の発言があったからこそ育郎は典彦への想いを更に募らせた。
典彦と再会した時の育郎の笑顔印象的でした。

典彦は思ってもいない結果に驚き、改心しているようにも思えました。
てっきり誰か死ぬだろうと思っていたので、まさかの結末…!
でも典彦の過去編読んだらやっぱり憎めなくて拗れたの納得しかなかったです。

ふたりで一緒に生きていくと決めてそのあとがあまり描かれなかったのもなんだか良いなと思いました。同人誌とか番外編で読みたくなっちゃうやつ。

蘭蔵がお兄ちゃんしたかったんだなっていうのもうるうるしちゃいました。
それぞれが幸せになってほしい。

さち子の強さはあっぱれですね。
飯田が未練タラタラだったのでさち子の潔さが際立ちました。

万人受けするかと聞かれたらそうじゃないんだろうけど絶対一部の人たちには響きまくる作品。こういう作品はなかなか出会えない。。読めて嬉しかったです。

9

もやもやする!

5巻完結おめでとうございます。
最近長期連載完結ラッシュが来ていると思ってましたが、蟷螂の檻お前もかという気持ちでいっぱいです。

闇BLはそんなに好きじゃないんですが、画力とストーリーで殴りかかるようなこの作品、とても引き付けられました。

普段闇BLは読まないので、メリバを久しぶりに読みました。もやもやする!
もう典彦と育郎にはこれしかないんだろうと思っているので、もやもやしながらも納得です。

他の登場人物のその後も描かれていて、あの2人に巻き込まれてどす黒い世界に足を突っ込んだ人たちが、穏やかな日常を取り戻しているのを見て、何とも言えない気持ちになりました。
さち子には幸せになって欲しいです。

発売前から待ち切れず、蟷螂の檻の中の人に手を出してしまいました。
そして、このもやもやをぶつけるために、わたしの坊ちゃんがかわいすぎるとか、艶屋敷とかポチってきました。暫く蟷螂の檻にどっぷり浸かります。

8

圧巻!神作品をありがとうございました

決してハッピーエンドとは言えないと思います。ですが、二人が幸せならそれでいいと思いました。
皆心に傷を負って、皆幸せを手にしていました。個人的な解釈ですが。

4

ありがとうございました…!!!!

最高でした!!!とにかく余韻がすごいです。。。
色々と衝撃のあまりまだ感想を自分の中で纏められず、箇条書きになってしまいますが書き起こしてみます。

・さち子…!
影の主役といっても過言ではない、いやむしろ光の主役(メインカプ二人を闇として)。
気高さに惚れる…!深山典彦を最後まで捨てられなかった坊ちゃんに対して、ちゃんと怒りを抱いているところにも人間力を感じる。素敵。

・ぼっちゃん
4巻までは光の主人公だと思っていたのに…もう手遅れだったのね。4巻ラストで死を受け入れた時からなのか、典彦を失ったと思った時なのか。。。
メリバ?!メリバなのか??!

・蘭蔵
両親…まさかのおおおお
だし、障害は先天性じゃなかったのか…。
お兄ちゃんしたかったんだね、このキャラは最初から最後まで天使だったな…。

・のりぴっぴ
こいつにだけは絶対近寄りたくない
最終的に思惑通りになってきっと幸せだったね
でも健一には謝れえええ
そしてこいつの父親もまさかのあの人!!!!
もしかしたら典彦と蘭蔵は実の兄弟かもしれなくて…さらに腹違いの弟・典彦を愛さずにはいられない遺伝子なのだなあ(愛情の方向はだいぶ違うけど)

・健一
結構好きでした。
蘭蔵とお幸せにね!
続編、首を長くしてお待ちしています!!!

・飯田
君も幸せになってくれ…!!!イケメンだいすき!!!



萌えたかどうかと言われるとうーん…というところですが、
とにかく世界観に圧倒され、すごいものを読んだ…という気持ちです。
キャラクターみんながそれぞれの幸せの形を迎えられたのかな…。すっきり納得のいくエンドでした。
スピンオフの中の人ネタはまた別で楽しめますし、
本当はみんな演技、と思えば闇BLも痛みがやわらぐ気がします。

8年間もの連載、お疲れ様でした。
素晴らしい作品を読ませていただきました。
彩景先生をはじめとする制作チームの皆様に感謝です!!

9

令和耽美の金字塔?

これまたBL史上に残る名作が誕生してしまいました…ガクガク(震撼)。2巻まで読んでいて完結待ちしていましたが、結末を見届けることができて本当に幸運です!

作者様が描きたいとされる世界観が読者にバッチリ伝わってくるところは、才能と鍛錬とキャリアの成せる技ですよね。

まず、作品のコンセプトを具現化したタイトルがお見事!耽美ストーリーとしても完璧だし、エロスしかないメイン二人のへヴィーな関係性はいかにもBLらしい。闇に蝕まれた當間家をなんとか軌道修正させようと脇キャラたちがもがく姿にチラリチラリと希望の光を託す、その見せ方にも非の打ち所がない。

そしてここにきてようやっと、典彦の欲望が暴走し過激化していく裏付け——彼のサイコパス的な要素が出自や生育背景に仄めかされる重要なコマが登場します。その愛に届かぬ執念の権化がもたらした鬱エンドに至る今巻の流れは、納得以外のなにものでもありませんでした。BLとしてはハッピーなのかもしれないけど、通常ならばミステリアスに余韻を残したいところでしょうから…。

個人的にBLに萌えを求めている読者としては、正直萌えは感じられませんでした。ここまできてしまうと本作はもう、文芸作品としか読めなかったからです。

絵柄も好みだったらよかったのにな〜と、そこだけはどうしようもできず残念…。子供の頃の蘭蔵と育郎は可愛いんだけれど、典彦の顔が好きになれなくてお話にどっぷりと入りきれなかったのが悔やまれます。

わたしには蘭蔵の存在が救いでした。そう感じせてくれる技術も引くほど上手すぎると思います笑

7

坊ちゃん~~~

心中エンドしかないと思ってたら!!?の4巻からの最終巻!!!見事な闇BL!闇!闇鍋!!このドロドロごった煮、何が何だか分からないけど手を出さずにはいられないところがまさに闇鍋!!と闇鍋と言い表してるのお見かけして大共感したわけですが、蟷螂は誰だったのか、檻は何だったのか、最後まで読んでみて感じたずっしり感。蟷螂も最後は雌が雄をバリバリ食べるもんね。典彦さん、とんでもない人を育て上げたものです。

それでも育郎の根底は心の安らぎを与えてくれた典彦をただただひたすらに渇望する純粋な気持ちだったと思う。再会した時の笑顔といったら!!何が正しいかなんて、本人にしか決められない。飯田の気持ちも幸子も真っ当だけど、育郎にとってはハピエンだなって終わり方でした!育郎の中のものがいろいろ吹っ切れてく坊ちゃん成長記としても奥深い!

典彦にとってはどうなんでしょう。育郎と再会して「渇いたまま」と言っていたけど…足りなくて足りなくて、でも殺して丸ごと自分のものにしてしまうことはできなくて…蟷螂に寄生したハリガネムシは共生する道しかないそのもの。と思うとなんだか苦しいけれど、坊ちゃんが愛おしすぎて、坊ちゃんの伸びしろ凄すぎて、どんだけでも欲しくなるという欲深さ、愛情ゆえの「足りない」であり、それを理解し何でも受け入れ悦びに昇華してく育郎という関係を思うと完全なるハピエンですね!!!

坊ちゃん大好きのりピッピのアホエロ同人誌とさちこの気丈さがなければ乗り切れない面も多々あり、でりこ先生の振り幅に感服のシリーズでした!!!

6

ついに…

ついに蟷螂の檻が完結…。生きる糧がまた1つ無くなりました…。

今巻もドロドロ展開のオンパでした。
蘭蔵が夫とその妹の間に出来た子で、しかも親切心で引き取った挙句その事実をしったらおかんがおかしくなるのも無理ないですね。
こんな大人の痴情のもつれとは裏腹に、蘭蔵の純粋な弟への思いには胸打たれます。

それにしてもやっぱ典彦がはちゃめちゃにド性癖過ぎる…。執着攻め万歳

3

先生はハッピーエンドって言ってるけど(笑)

メリバですよね?

求めていた愛を手に入れられなかった人たちが拠り所を欲した為に、相手や周りの人を傷つけて自分まで苦しむ辛いお話でした。共依存の末路です。
それぞれのキャラクターたちは幸せに終わったと思いますが、読んでいる方はスッキリしないかもしれません。「真っ当な幸せ」ではありません。
それでも、納得の終わり方だったと思います。

過去の親世代の話が明るみになったり、子どもたち世代がしてきた後片付けなどもあったり、最終巻らしいまとまりがありました。


時代物らしい暗さと官能、そしていろいろな感情がむきだしになっているのがたまらない作品でした。
白いブリーフや靴下ガーターやはだける着物。エロいです。
言葉遣いや時代背景、異質の生きにくさなどとても丁寧に描かれています。

でりこ先生の作品は舌が濃厚でエロいです。口や舌の表現がとてつもなくエロいです。
登場人物はみんな美しくなまめかしい表情と身体つきをしています。


1巻の初めの頃に「この子の壊れるところが見たい」と攻めの典彦は思います。
でも結局、壊れたのは誰だったのか…
カマキリに喰われたのは誰だったのか…
檻に閉じ込められたのは誰だったのか…

育郎が典彦に再会した時の笑顔と典彦の呆けた表情を見たら、それだけでよかったと思えます。

最終巻を読み終えたら、もう一度最初からじっくりと読み直したくなります。

エロサスペンス。最後までどうなるのかわからず面白く読めました。


唯一の良き女性キャラのさち子さんもとても素敵で魅力的な人でした。みんなの憧れであり、たぶん、彼女が一番強くてよくできた人間ですね。

8

メリバ

みなさんが神評価としているなか、空気読めない振る舞いではありますが…このメリバに神をつけられるメンタルはもっておらず…!(光属性

最後の最後までノリヒコォ…な本でした。

BL本にはあるまじき?さち子推しです。2巻か3巻からずっとさち子推しです。

本当に、素晴らしい作品であることは間違い無くて、単純に自分の嗜好と合わないだけなんですが、、でも読まずにはいられない。でも好きにはなれない。

久しぶりに闇がふかーい本を読みました。番外編で明るい本が何冊か出ているようなので傷を癒します。

6

なんで気付かなかったんだ、私

私の好きな長期連載作品が去年から立て続けに
最終回を迎えています。
どの作品もとても良いラストでした。
蟷螂の檻、どんな最後なのか想像もつかないけど、
5巻の刊行を楽しみに発売日に手にしました。


復習も兼ねて4巻から読み返し5巻に突入。
さち子好きなんですよね、私。
でもBLだから育郎とさち子がうまくいく未来なんて来ないのはわかってるんですよ?
育郎の中の典彦の存在感はちょっとやそっとじゃどうにもならん位、幼少期から刷り込まれてるんだもん。

5巻読み終わって1巻から読み返してるんだけど、
1巻で既に典彦は育郎に対して何を求めてるのか書いてあったんですよ。うっかり読み流してた。でりこ先生物語の初めからラスト想定してたのかなー。
5巻読み終わってから読み返すとうわぁーーーー!って思うシーンが沢山です。
あの時のあれは、こうだったのね的な。

蘭蔵さんって元々障がいがある子だと思ってたら違うじゃない!育郎の母、美都枝に首絞められたからやないの。典彦、育郎の性癖って結局幼少期の生育環境がとても影響してる。
色んなことの悲劇の元凶は、育郎の父政蔵だわー。
この人のせいで、どれだけの人が人生狂わされてるか。
なんか、典彦と育郎良かったねとも思えないし、さち子も飯田も育郎に心を囚われたままでなんだか可哀想だし、唯一よかったねと思えたのは健一と蘭蔵かな。

描き下ろし部分、典彦と育郎が淫靡な雰囲気で寄り添っているところを少年達が覗き見してて、性のトラウマ連鎖していく様にゾクッとさせられました。

でりこ先生の描くちびっ子育郎と蘭蔵可愛かったです。あんな、純粋な可愛い子を壊したやつら、けしからんな。何という性癖だよ。


えっろえろな同人誌も、のりぴっぴのアホギャグ同人誌も紙の本で持ってますが、電子配信されているので皆さん読みやすく買いやすくなったので、未読の方は是非読んでみてほしい。

中の人の話も面白いのでまとめて単行本になるといいな。

8

闇BL

トップオブトップ闇BL
全員闇を抱えてる!
最高!

最終巻楽しみにしてました。
誰か死なないと終わらなくない?って思ってたけど…
それぞれ憎悪や葛藤を抱えながら我慢して堕落して精神的に苦痛を味わうけど人間はそれでも生きて行かなきゃいけないので過去に後悔しつつでも過去に囚われて生きてる。。。


というか、さちこがいい女よ。それに比べて男どもときたら!さちこが救いよ!唯一の救済!
飯田!10年後後悔するならあんとき抱いとけよ!
蘭蔵さん残されてかわいそうだったな。西浦とうまくやって生きて!
のりひこといくおはもう好きにして!

3

読み手を選びそうな作品ではあるが

『蟷螂の檻』の5巻目にして完結編。

ドロッドロのドシリアスなシリーズで、これ、どういう完結を迎えるんだろう…、とヤキモキしながら追いかけてきましたが。いやはや、こうきたか…!甘々でほのぼのなお話を読みたいときには回れ右。最後の最後まで痛さも闇も途切れることなく描かれている。どこまでも人の心の闇を追いかけた、そんな1冊。

屋敷に火をつけた育郎。
会社を辞任し、さち子とも離縁し、典彦と共に火に飲み込まれそのまま…、というところにやってきたのは蘭蔵だった。

蘭蔵は、育郎の手を取り燃えさかる屋敷から逃げ出すが―。

というところで終わっていた4巻。5巻はその続きからスタートします。

国会議員の汚職事件を追うブンヤさんの飯田くん。
国会議員で、tnkに真珠の入った変態オジサンの本多を追いかけ、そしてそのつながりで育郎のもとに何かしらの手掛かりを求めてやってきた。その飯田に救われる形で兄弟そろって飯田くんのもとに身を寄せることになるけれど。

さち子と共に過ごすうちに少しずつ心が成長していった蘭蔵がとにかく可愛いの。
弟が可愛くって仕方がない。
弟を守りたい。
子どもの時から、蘭蔵は育郎のお兄ちゃんだったんだなあ、と。そんな彼の純朴さに心が洗われるのだけれど、それと相反するように彼の出生の秘密も描かれていてなんとも哀しい。

そして育郎。
今までどんなに過酷な目に遭おうとも人前で涙を見せることのなかった育郎が、憚ることなく泣き続ける。それは、典彦を喪ったからなのか。あれだけのことをされてなお典彦を求める育郎の姿は、賛否両論ありそうではあるが心揺さぶられる。

さち子。
飯田くん、そして西浦くん。
彼らは典彦と接点を持たなければこれほど哀しい目に遭うことはなかったのではないかと。典彦恐るべし。

で、今作品のキモと言えるんじゃなかろうか。
典彦の、坊ちゃんへの執着心は一体どこから来ているのか。

典彦はねぇ、なんて言うんですかね。哀れな人物でしたね。
彼は愛することも愛されることも、そして人との温かなやり取りも、何も知らない。だから人を信じることもないし、傷つけることにためらいがない。坊ちゃんもまた、典彦にとっては駒の一つでしかない。いや、なかった、といった方が正解か。

典彦が持ち続けていたナイフ。
あれは、彼にとっては坊ちゃんと自身を繋ぐ、最後で唯一の「もの」だったんじゃないかな。愛することを知らなかった男が、最後まで執着したもの。それは坊ちゃんだった。それを表現するツールとしてあのナイフが描かれていたのではないかと、そう思えて仕方ありませんでした。

『蟷螂の檻』。
タイトルがまた素晴らしい。
人はだれしも、自分を自分たらしめる何かを持っている。枷、という言い方でもいい。一般的な幸せが、自分にとっての幸せとイコールなのか。典彦にとっては育郎が、そして育郎にとっては典彦が、自分を繋ぎとめる存在だったのかなあ、と。

育郎は、まるでカマキリが餌を狙うように、喰い尽くすように、典彦に喰われた。けれど、それは育郎にとっては幸せだったんですね。幸せのカタチとは、人が図れるものではないんだなあとしみじみ思いました。

さち子さんは最後までカッコよかった。
BL作品で、これほどまでに心惹かれる強く逞しい女性って、そうそういない気がします。

典彦って、かなり外道な人物ではありますが、今作品の一番の悪は、蘭蔵と育郎の父ちゃんだよなあ…。彼があそこまでクソでクソな父親でなかったなら、彼ら兄弟の未来ももっと違ったものになったであろうと思うとなんか哀しい。

痛い描写も、無理やり描写も、流血シーンもてんこ盛りの今作品。
けれど、甘いだけではなく、人を愛するということの奥深さをきっちり描き切った衝撃作。読み手を選びそうではありますが、個人的に文句なしの神作品です。

これだけドシリアスな作品ですが、fromRedで電子限定で『蟷螂の檻の中の人』が始まるとのこと。これだけ温度差のある作品もなさそうですが、そちらも楽しみに待っていようと思います。

18

傑作

めちゃくちゃ期待していたましたが、期待をはるかに超えてきました。連載を追わず(すみません・・)ずっともやもやしていたのですごくスッキリしたというか大満足です。興奮が覚めやらない。見事な完結の仕方。愛の形を見事に表現した傑作。なんだかすごいもの読んだ、静かにスタンディングオベーションしたい気持ちです。BL作品を読みだして間もない頃に先生の作品を読んであまりのエロスに固まってから、BL作品におけるエロスの原点といえば彩景先生でした。本作最初は市川崑の映画のようだ・・と度肝を抜かれて読み出しましたが、最終巻はシャーロットランプリングの「愛の嵐」を見たときのような衝撃でした。こういう独特な二人だけの愛の世界って難しくて単細胞の私にはよくわからん・・となることが多いのですが難しいようでいて結局わかりやすかった。登場人物が多くてストーリーが骨太で話にのめりこめました。最終巻は愛がプラトーに達した後の残火のような感じがじわじわきた、最高でした。どのキャラクターに関しても納得できた。漫画として面白い、最高に美しい。私のような読者がレビューを書くのも憚られますがすごく面白かったです。先生ありがとうございます。

8

calm smile

満足。

4巻が出たタイミングで読んで当時は続きがすっごく気になっていたんです。
たしか単話売りがなかったので連載は追いかけてなかったんですよね。
4巻まで読み返すのがしんどいのでとりあえず5巻のみ読後すぐの感想を。

なかなか見れない横溝と谷崎のハイブリッドのような作品。読んでいると愛のバラードが聴こえてきますw
結末も納得。全方向に攻めた作品でございました。

第三者目線のさち子が良い仕事してまして、彼女のセリフはどれも本当に素晴らしいと思う。

育朗の笑顔も良かった。あれがなければ萌2にしたかもw

という訳で神評価。

6

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