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転生悪役令息は英雄の義弟アルファに溺愛されています

tensei akuyakureisoku ha eiyuu no gitei arufa ni dekiai sareteimasu

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表題作転生悪役令息は英雄の義弟アルファに溺愛されています

セオドア・ラムリー、公爵の実子でサミュエルの義弟
サミュエル・ラムリー、セオドラの義兄で事故死により転生した元日本人

その他の収録作品

  • あとがき

あらすじ

不慮の事故で亡くなった農業青年の敬人。彼が転生した先は……前世で愛読していたファンタジー小説『ウィズナー王国物語』の世界、そして嫉妬深い嫌われ者、公爵家のオメガの長男・サミュエルになっていた! 敬人として覚醒したサミュエルは、自分が長年いじめ続けた義弟のセオドアに殺されてしまう本来の筋書きを変えようと心優しき兄に変身、畑仕事に精を出すことに。 するとセオドアが義兄に恋心を抱くようになってしまい……。

作品情報

作品名
転生悪役令息は英雄の義弟アルファに溺愛されています
著者
滝沢晴 
イラスト
木村タケトキ 
媒体
小説
出版社
三交社
レーベル
ラルーナ文庫
発売日
電子発売日
ISBN
9784815532932

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12

3.8

(15)

(4)

萌々

(6)

(4)

中立

(0)

趣味じゃない

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レビュー数
5
得点
56
評価数
15
平均
3.8 / 5
神率
26.7%

レビュー投稿数5

未来の死を回避してみせます

今回は公爵の実子と異世界転生した日本人のお話です。

前世を思い出した受様が未来を変えるために奮闘し
攻様の伴侶となるまで。

この世界には男女の他に
アルファ、ベータ、オメガという第二の性があります。

ベータは普通の男女と変わりませんが
アルファは知性体力に秀でた優秀遺伝子の塊のような性で
オメガは男でも子を孕む器官を持ちます。

受様は子宝に恵まれなかった公爵家の養子ですが
4才の時に侯爵夫妻に実施が生まれた事で

自分は公爵家に要らなくなったのだと思い
嫌味と意地悪ばかりを繰り返しすようになり
屋敷内で完全に孤立してしまいます。

しかしながら10才の誕生日プレゼントに
ぬいぐるみをもらって言い放った言葉で
前世の記憶を思い出す事になります。

前世の受様は農家のうまれでしたが
心ない言葉を放った翌日に両親が他界し
深い後悔を抱え続けて生きたのです。

また地震と義弟の名前から現世が前世で読んだ
ファンタジー小説の世界だと気づきます。

物語は田舎町生まれながら
聖なるオルガの神託を受けたオメガの物語で
彼は5年戦争で受様の義弟と恋に落ちますが

受様弟は度重なる遠征で命を落とし
主人公は彼を愛し続けて国の平和を祈り続ける
と言うストーリーです。

受様は王太子の側妃で主人公を妬んで殺そうとし
義弟に切り捨てられる悪役令息だったのです。

受様なりに殺される原因は3つ
・義弟を長年虐め続けた事で恨みを買った事
・王太子の側室となり、ある程度の権力を得た事
・聖なるオメガである主人公を毒殺しようとした事

受様は今までの乱暴な態度改め
自分と義弟の死を防ごうと画策することになります。
果たして受様の望みは叶うのか!?

悪役令息に転生した受様と受様第一主義の攻様の
異世界転生オメガバースになります♪

物語にて主人公を殺そうとした悪役令息に転生した受様が
未来にある死を回避すべく態度を変えた事で
本来主人公の相手のはずの義弟にロックオンされるという
悪役令息モノとしては王道の展開なのですが

悪役令息が未来を変えようとすると
物語を本来の筋に戻そうとする強制力が働く王道設定を
上手く活かして受様をぐるぐるさせているのが面白かったです。

受視点なので受様にとって攻様は
いくつになっても可愛い義弟なためですが
読者や王太子から見たら可愛げがあるとは言い難いのも
とてもMYツボでした。

結末で罪に問われる人がおらず
根本的に受様の人が良過ぎるかなと思いましたが
受様以外はどうでもいい攻様がべったりなので
それくらいで均整がとれるのかも!?

2人と王太子夫婦なら誰もが自分の幸せを願える世界を
つくっていけそうですね。

1

今の私の好みにピッタリの作品

2月に発売された「前世で婚約者だったオメガが、異世界でアルファ王子となって俺を囲う気です」は捻りを効かせたお話でしたが、今巻は定番の異世界転生ものだったと思います。

凄く今の私の好みにピッタリで「そうそうこういうお話が読みたかったの!」と思いながら読んでいました。そして信頼のある滝沢晴先生なので、もちろん凄く面白かったです。

プロローグからしてセオドアのサミュエルに対しての執着と、その他に対する冷徹さに痺れまくりました。暴君ですよ!暴君!

更にサミュエルが前世を思い出してからの過去と現在の話の入れ方が絶妙でした。このサミュエルの生き方がまた良いのですよ。前世を思い出すまでのやらかしまでちゃんと責任を持つ誠実な人柄なんです。

サミュエルにちょっかいを出す王太子とセオドアとの攻防や、BLだからか「聖なるオメガ」のリオが登場してセオドアを狙ったりと、凄く焦ったいんです。

養子といえども我が子として愛情を注ぐラムリー公爵夫妻がとても素敵で、甲冑を着る義母にクスッとしました。また公爵家の使用人たちがセオドアの思いをずっと応援してたことに胸熱でした。

サミュエル以外はどうでも良いと一貫して態度を変えないセオドアの八面六臂の活躍が楽しめる作品でした。最後までページを捲る手が止まらなくて一気読みでした。こういう攻めを待ってました!

個人的な好みで言うならヒールは最後までヒールでいて欲しかったし、処刑くらいして欲しかったです。でもサミュエルの性格にはこの結末が自然なんでしょうね。

エピローグも最高でした。お話のまとめ方も凄く良かったです。

2

虎視眈々と兄を狙う義弟

楽しみにしていた、滝沢晴先生の新刊!
2月にも新刊が出て、2ヶ月でまた新たな作品が読めるなんて幸せすぎます…先生に感謝・:*+.

前作同様、今回もオメガバ×転生もの。(義理の兄弟関係、という点は違いあり)

……ということで、どうしても前作「前世で婚約者だったオメガが、異世界でアルファ王子となって俺を囲う気です(長い…!)」と比べてしまう;

攻めは10年以上も義理の兄を狙う執着攻めなんですが、執着度合いと一途さと行動力でいくと、前作の攻め様の方が上回っていたな、と。

設定の面白さ(転生前後で第二の性別が入れ替わる)や展開も前作が個人的に「神!」だったので、こちらも十分本当に面白いんですが、ちょっと物足りなさを感じてしまいました。

攻めが王族に対して偉そうな言動なのは、個人的にはちょっと……だったけれど、そこは好みかなあ。王族の恨みを買い、敵対勢力をじわじわ広げていってしまいそうな危うさを感じたりしました。恋敵・エセルバート王太子が特別嫌な奴ってわかではなかっただけに、ちょっと気の毒になったり。

個人的にとても好きだったのは、受けのサミュエル!!
武力はないものの、転生前の記憶を生かして灌漑事業や農地耕作をリードし積極的に関わっていくところ!
「デキる受け」ってやっぱり最高です◎

そしてもう一つ、転生先でのリオの正体…!転生前の描写の中にあった伏線の見事な回収に、「おお!」と声が出ました。

(※追記で、一点。171ページの「サミュエルは……サミュエルの手を握った」の部分は、正しくは”セオドアの手を握った”かなと。)

3

年下執着溺愛攻め最高No.1

なんて執着攻めだ!!
はぁ〜、読み終わった今幸せです。

前半はトントン拍子といいますか、異世界転生の王道と天然で鈍い主人公と英雄な義弟と王太子との三角関係で。
なんか乙女向け?王道のど真ん中を突き進んでこのまま行っちゃうの?それにしてはペースが早いし後半に何か起こるのかな?とこれでは萌評価かな…と思っていたら!!

なるほど〜。そうくるか!なお方が現れ。しかも悪知恵を働かせるわで。ピンチでしょ!なところもセオドアは筋金入りの執着攻めですからね。
は?と相手にしないところにスカッとしましたねえ。

そして前世で農業青年だったサミュエルがこの世界でも、農業にどっぷり浸かり楽しそうに野菜を育てるところも和みます。
さらには治水灌漑へとスケールアップしていき…。

こういう成し遂げる系はいいですよね〜。
国盗り物も建て直し物も大好きです。

策にはめられそうになるところを、ただ相手を守りたいんだ!それがなにか?な気持ちでやり遂げる。いい!いいよ〜!

転生後も悪役令息だったもう一人の自分を受け入れたり否定しないところも良かったです。

前半で諦めないで!とっても面白くなるから!

セオドアの優しい嘘や、サミュエルの気持ちを尊重するところ、浮気の確認などなど。
セオドアが年下執着溺愛攻め最高No.1でした。

4

闘犬大型ワンコな義弟の執着愛が堪んない

ハイスペ義弟の揺るがない愛にシビれるストーリーでした〜( ˃̶͈̀∀˂̶͈́)੭ꠥ⁾⁾
一途とも執着とも気が狂ってるともいえる、義兄へ捧げた忠誠愛を大いに堪能できる一冊です。

カテゴリー的には異世界転生もの。それに加えて義兄弟BL要素も混じってくるので、あっちもこっちも見どころだらけ。すんげー面白かったです。
ゲームの世界へ転生。しかも、そのゲーム内で悪役令息だった人物になってしまう第二の人生やり直し譚です。
このままゲーム通りに進めば死にフラグが立ってしまうので、それを回避すべく立ち回っていくのが主人公・サミュエル。転生後はもちろん人格がガラリと変わるので、悪役から一気に主役のスターダムにのし上がっていくことになります。

何が変わるかっていうと、義弟から激しく愛されること。王太子からも熱烈に求愛されるっていうこと。本来、ゲームの主人公だった人物がヒール役に成り替わるってことです。
サミュエルを取り合う楽しい三角関係から、急にきな臭さを増すシリアスな四角関係へと発展し、恋愛面ではそれぞれの思惑が入り乱れ動きが激しくなっていきます。

義兄弟とはいっても血の繋がりはありませんし、しかもαとΩなので結婚の受け入れ態勢はわりとすんなりといきます。それができたのは、義弟のセオドアの強引な駆け引きと義兄・サミュエルへの強い愛があったからで、それは国王も動かすレベルです。王太子との婚約が決まっていたサミュエルを取り戻すため、戦争を早々に集結させて帰還する剛直さには恐れ入りました。
この男のサミュエル愛は相当なもので、サミュエルと自分の幸せを脅かすものには徹底抗戦し、サミュエルを傷付ける者は、徹底的に叩き潰す勢いです。極端な話、サミュエルを守るためなら国を滅ぼすのも厭わない思想の持ち主。一途もここまでくるとマジでヤバい奴なんですけど(笑)、それくらい強く激しく義兄を愛する姿勢が全くブレず、そして迷いがないから見てて清々しいです。
弟特権で甘えたり、寝てる隙にエッチないたずらをけしかけたりと、やりたい放題のセオドアに絆されていくサミュエルのチョロさもご愛嬌。セオドアの暴発を許してるのはサミュエルが甘やかしてるからって感じもしなくないですが、それすらも計算してアプローチしてるセオドアの策士ぶりにニヤついてしまうのです♪

セオドアの曇りなき求愛の態度やセリフの数々に何度もハートが跳ねたか分かりません。カッコいいのにどこか可愛いところもあって、早くサミュエルに認めてもらいたくてウズウズしてる彼に、萌え心がくすぐられました^ ^


国の英雄として目立つ存在のセオドアだけど、実はサミュエルの方もなかなかの人物で、前の世界の農業の知識を生かした領地改革や治水事業に貢献していく手腕は見事なもの。作中でも地形を生かした灌漑事業に取り組むシーンが描かれており、読み応え抜群でした。
農業オタクで天真爛漫な性格が非常にキュート。セオドアや王太子に執着されるのも納得です。セオドアに守られてるばかりじゃなくて、自分もセオドアを守るんだっていう気概の強さにも非常に好感がもてました。
サミュエルを陥れようとする勢力の罠にヒヤヒヤさせられますが、その一方で、次第にセオドアを異性として意識していく気持ちの変化を見守っていくのがめちゃ楽しかったです^ ^


闘犬のような大型ワンコ弟の激しい執着愛に酔いしれた逸品作。読後感も文句なしです。

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