電子限定描き下ろし付き
悩み多き真面目な彫刻家×一途で麗しいヌードモデルの愛おしく眩いラブストーリー
美大生がメインだったカラー・コレクションの何年後かの世界を描いた続編にあたる今作。変わらず3組のカップルのその後が描かれています。
カラー・コレクションの時から思っていましたが、全くご都合ではない厳しい現実や恋に切なくなる展開も多くて、でもそんな中でも夢を見続け恋をする彼らが眩しい作品だと思っていました。
そして続編、そんな彼らが歳を重ねたことでさらに重かったりままならなかったり苦しかったりする現実に直面し、時には恋人のことすら見えなくなってしまって本当に切なくて辛いんです。でもやっぱり芸術家としての夢を諦めず、そして愛する人を支え愛し続けようとする彼らはどこまでも眩しくて輝いていました。
1人の戦い、孤独な戦いと思われる芸術との対面に、支えたいと思ってくれる人がいることで、余計に惨めになったり苦しんだり、予想もしない開花を見せたりするんだから、芸術と愛ってすごい、としみじみ思いました。
そして最後には特大の幸せの気持ちをくれるこの作品が大好きです。
前作からのまさかの続編の報を知った時から
この1冊が刊行されるまで楽しみで仕方なかったけれど、
こんなにも素晴らしいエンディングが用意されているとは思わなくて、
とにかく感無量の一言に尽きました。
天野と彩輝、大竹と大地、利人とミハイル、前作同様に
3組のカップルが登場し、それぞれの後日談が描かれています。
『ふたりのアトリエ』天野×彩輝
活動の場を海外に移し、アメリカと日本で遠距離恋愛の天野と彩輝。
ある日、彩輝の元に天野の個人展のデザイン依頼がきて…。
前作では恋は成就したもののその遠距離恋愛となってしまい、
少々物足りなさが残った二人のその後が読めて嬉しかったです!
二人の結婚式まで見届けることができてまさしく大団円でした♪
『花束のある風景』大地×大竹
大学を卒業後、友人と一緒にゲーム会社を設立した大地。
大竹とも同棲を始め、仕事もプライベートも順風満帆、のはずでしたが…。
もはや熟年夫婦の如く安定感のある二人でした。
大竹の表情が前作に比べると柔らかくなっていました。
そして、こんなに若く見えるのにまさかの還暦目前とは…それにもびっくり!
それなりの年の差のある二人なので、この先のことを思うと切なさもありますが、
少しでも長く二人で添い遂げられるといいな…。
『エラン・ヴィタール』高木×ミハイル
大学卒業後、大竹の助手をしながら創作活動を継続している高木。
ミハイルという恋人に刺激を受けつつ、創作もはじめこそ賞を
受賞するなど順調にいっていたけれど、徐々にスランプに陥ってゆき…。
先の2組に比べると、二人の気持ちがすれ違ってしまったりと
ちょっとドキドキさせられてしまった二人。
だけど、どれだけ離れていても最後はお互いしかいない!と思えた二人。
困難を乗り越えて結ばれたからこそその絆の強さを噛みしめられました。
高木のために一度は諦めたミハイルの跳ぶ姿にぐっときました…!
『Le bonheur de vivre-生きる歓び-』3組全カプ集合
3組のカプが全員集合!
友人たちのサプライズで天野と彩輝の結婚式が計画され、
みんなに祝福されながら締め括られる素晴らしいラストに
多幸感でいっぱいでした!
前作『カラーコレクション』が、とてもよかったので、こちらもよみました。
前作の続編にあたる作品のオムニバス作品です。
何組かの登場人物が出てきますが、どの組み合わせもよくて、読んでいて、胸がきゅんとするシーンもおおくありました。
彫刻家の高木 理人とヌードモデルのミハイル・マルコヴィチ・ニジンスキー、芸術家の天野 蒼大とデザイナーの紀井 彩輝、ゲームクリエイターの兼弘 大地と彫刻家の大竹 実のお話が収録されていて、とても読みごたえがありました。
前作から、時間が経過していて、社会人になった人々の様子が描かれていて、感慨深いものがありました。
三組の恋と芸術が描かれた、カラー・コレクション。
サブタイトルに、paradeがついて、森美を卒業し、もしくは助手として残っていたりもするけれど、社会に出たその後のお話がお目見えです。
◆トップバッターは、やはりあのふたり。
天野先輩と彩輝とのお話でした。
六年後ということで、遠恋中のふたり。
NYにいる天野先輩にもしばらく逢えてないという、デザイン事務所で働くデザイナーの彩輝のもとへ、先輩の展覧会でお願いしたい仕事があるとオファーが。
サプライズでNYへ行った彩輝。
慣れない土地で大役を任されたことにより、先輩との甘い時間より、仕事を優先してしまうようになってしまい、、、
というお話。
◆また、次はかねちと先生のお話。
せ、先生…まさかのアラ還近くでびっくりでした。
そして、かねちも38歳?!!
ゲームのリリース問題で壁にぶち当たった、かねち。
先生もまた、仕事へ長期海外へ行くことになり、クリスマスから年末にかけて合流することになったのだが、そのゲームの仕事のせいで合流どころではなくなりそうで、、、
という、お話。
◆最後は、先生の助手をしている高木とモデルをしているミハイルとのお話。
卒業後、ずっと停滞し続けていると感じていた高木。
これから先のことを考え悩む高木の目には、いつしかミハイルが映らなくなっており、、、
という、切な展開のお話。
主に、この三本柱なのですが、どのお話もじっくり魅せられ、面白かったです。
社会人としての苦悩が描かかれ、辛い場面もありました。
けれど、先生がコミックスのカバーの折り返しで述べていたように、夢のある世界観で、読後、お表紙のカルーセルを眺めているかの如く、ふわふわっとした夢見心地の余韻に包まれました。
どのcpのお話も良きでしたが、とくに一番最後の高木とミハイルのお話が、どちゃクソに切なくて、メリバも予感しましたが、夢ある結末で本当によかったです!(←まだ余韻のなかにいる)
まさにパレードを遠くから眺めているような、そんな続編の1冊でした。
どのcpも、尊い です!!
前作『カラーコレクション』美大を舞台にしたオムニバス作品で、どのCPも美術にひたむきに向き合いながら恋愛にも真っ直ぐでとても大好きな作品でした!
今回はそれぞれのCPが卒業、就職してからの様子を前作同様オムニバス形式で見ていく作品になっています。前作のキャラクターと関係性がそのまま受け継がれているので、前作どんなんだったっけ??という方、未読の方はぜひ一度読み返してから今作に入ることをおすすめします。
カラーコレクションを読んでいると絶対話題になるのが『どのCPが好き??!』なんですが、私は今作に関しては表紙にもあるように高木とミハイルCPのお話がドラマチックで好きでした!高木くんの平凡故の悩みとキラキラしている周りへの憂い。そんな中でのミハイルとの関係……と芸術と恋人への向き合い方が真っ直ぐ描かれていて素敵でした!
また、どのCPも前作からの時間の経過を感じさせてくれる所がとても良かったです。ともすると、時間は囚われやすく負なイメージが強いかもしれませんが、時間が経過したからこそ感じる変化や年齢を重ねることへの明るい印象がどのCPからも伝わって来ました!