表題作

林田かんのすけ(かんちゃん)
弓冬次

あらすじ

商業誌【錆びた夜でも恋は囁く】番外編。

作品情報

作品名
著者
おげれつたなか 
媒体
漫画(コミック)
サークル
おげれつ<サークル>
ジャンル
オリジナル
シリーズ
恋愛ルビの正しいふりかた
発売日
4.5

(73)

(55)

萌々

(9)

(5)

中立

(1)

趣味じゃない

(3)

レビュー数
9
得点
327
評価数
73
平均
4.5 / 5
神率
75.3%

レビュー投稿数9

はだける怪物が更に面白くなる

 
はだける怪物 (上) 小冊子付特装版の小冊子です。

かんちゃん視点でまだ弓と付き合っていた頃のお話。
ちょうど「錆びた夜でも恋は囁く」の時だと思います。

上司に理不尽な扱いを受けるかんちゃん。
辛すぎて頭を抱えたくなりました。
かんちゃんの勤めていた会社が憎くもなりました。

小冊子とはいえ、結構なページ数がありました。
色んな思いがギュッと詰まってます。
私はこの小冊子を読んだことで本編の「はだける怪物」が更に面白く読めました。

0

読んでおかなきゃダメなやつ

いまさらですが


【はだける怪物 上】の特装版小冊子 でついてきたこれ
個人的には【錆びた夜でも恋は囁く】の後に読みたかったかな....と何度も思ったわ



辛すぎて途中読む手が止まるんだけど これを読んでおくのと読まないのとでは かんちゃんと弓の関係や【ほどける怪物】【はだける怪物】を通して壁の写真にあそこまでこだわった理由が何だかぼんやりしたままになっちゃう


確かに暴力を振るってたかんちゃんが悪いんだけど 壊れていくかんちゃんを弓が追い詰めたようなところもある ってのが かんちゃんだけでなく弓にも深い影を落とし 互いのわだかまりに繋がってる

子どもすぎた恋と大好きだから離せなかった手 罪と贖罪

【はだける怪物 下】で弓がくれるアルバムに写真とともにしまわれていく思い出に俄然深みがでる


さすがおげれつさん 痛々しさ最上級だし やるせない 辛いし 辛すぎるんだけど
これは絶対読んでおかなきゃダメなやつ

1

言葉がない (T_T)

読んでいるうち手が震えてうるうるした
最初のかんちゃんかわいいし、2人とも若いし
その後の顔と全然違う。

かんちゃんの責任感…と言ってしまえば陳腐だけど、すごく強い気持ちでがんばっていたからあんな風になってしまったし、はだける〜でも長く自責の念で苦しんだ背景が理解できた。

おげれつ先生久々に読んだけどやっぱ半端ないわあぁぁん
寸分の隙もない…改めてすごい画力構成力表現力…豪腕だわとひれ伏したくなるw

ク◯上司の顔を見せないのがね。
読者が自分にとっていちばんきつい表情を勝手に想像する。
それがすごく怖い

弓もやさしく、かんちゃんを支えようとしていたのが

弓の壊れた携帯…かんちゃんに「触らないで」と言っていたのか(真山と弓のことも考えてしまう)

タイトルが茨とかでなく薊なのがまた
薊の名前の由来がアザム(傷つける。驚き呆れる意。ウィキより)だって

私はアホで最初通常版を買い、買い直したのでうちには秀那が2人いるw
林田さん3Pできると喜びそう

余談ですが、
薊を読み、久々に錆びた夜でも〜をさくっと見直した。
かんちゃんのDVの描写が改めて辛い
弓もかんちゃんも。 

弓の真山への
「お前が〜俺をかわいそうな奴にする」
「お前が一番俺を傷つけんだよ」
「お前だけだ……」
「俺をかわいそうな奴にするな」
が刺さる。

ほどける怪物も久々にさくっと再読。
かんちゃんブラック企業に5年も勤めてたんやね。
あの状況で5年は地獄のような長さ…そこを耐え抜き、もう誰も傷つけないと誓ったの…辛い。

でも私は秀那の
「昔の恋人にひどいことしてたとか〜俺には関係ないよ」
「俺は今のアンタを好きになったんだ」
に激しく同意!

おげれつ先生はやっぱ圧っっ倒的というか、その力量に…おげれつ先生の後にはペンペン草も生えないのでは(たとえ違う?)と思ってしまう。

絵が、もうずっとおげれつ先生ですもんね。

ストーリーも見せ方もクオリティ高いだけでなく、感情持っていかれ読後何も手につかなくなる破壊力。
へろへろになるんですわ。


薊…もっと本質的な深いことを言えたらいいんだけど、私には無理だ
いつも通り表面上のことしか感じられない。 

錆びた〜とほどけるをさくっと読み返しただけで、頭ん中おげれまくって何も考えられず辛くて、はだけるは読み返せない。
再生と深い愛のいい話なのに、受け止める器が私にはまだない

そんなことを身体的にがつんとどつかれるおげれつ先生、改めてすごすぎる。

1

よく調べて書かれているシリーズだと思う

DVについて、おげれつ先生は、良くリサーチや資料を調べた上で描かれたのだと思います。

かんちゃんが、どの様な環境で育ったのか、立ち位置の説明がありました、
かんちゃんは優しくて思いやりがある、母子家庭の長男、
誰にも相談できずに「頑張らねば、守らねば」と孤高の戦いを毎日続けていた。
個性が弱点に転じて、細くて堅いかんちゃんの心。信念が有っても細くて堅いと折れやすい。折れてしまうと、逃げ道が見えなくなってしまう。

自分に内在する抑制することが出来ない狂気を止めるには、自分を破壊するしか無いと、自死=狂気を閉じ込めた箱を壊して、人に迷惑をかける行為に終りを作る人が少なくないと聞きます。

かんちゃんは、DVに陥った人の最悪のパターンではなく、『恋愛ルビの正しいふりかた』→『錆びた夜でも恋は囁く』→『はだける怪物上下』と読むと、かんちゃんが本当はとても思いやりある良い人で、諦めない人というキャラ設定であることから、シリーズの終りに、かんちゃんに良い友人が出来て、底なし沼から抜け出ることが出来そうな展開になっているので、本当に良かった。

地獄の真っ最中だと、読んでもなんの救いにもならないかもしれないけれど(幸福の青い鳥は身近にいることに気づくことが示唆されている)、こんな風に苦しんでいる人がいる事を理解する為に、良い作品だと思います。


4

かんちゃんは、怪物ではありません。

「錆びた夜でも恋は囁く」の前日譚。
かんちゃんと弓のお話ですが、
この作品を読んでから、続刊を読むことを是非に薦めたいです。

そこには、弓を心から愛し、家族思いのかんちゃんがいて、
スナップ写真の中の様な、表情豊かながカレがいた。

高校を卒業し、弓との同棲を始めた かんちゃん。
一生懸命に働き、妹の夢のため、弓との生活のためと、
文字通り、自分をすり減らし、乗り切る毎日だった。

不条理な会社先輩から止めどなく続く、罵声、軋轢、パワハラ。
妹の学費捻出は必死であり、夢を叶えてあげたいのも本意。

それでもかんちゃんは逃げず留まり続けたけれど、
板挟みの日々は、いつしか、かんちゃんから笑顔が消え、
心の闇が表情も感情も奪って行く。

かんちゃんの闇とは裏腹に、マイペースでゆるく生きる弓。
逃げればいいんだ。とのアドバイスも、
現実と背中合わせのかんちゃんが選択できる訳もない。

黒く煮えたぎった感情は、やがて暴力と言う形で弓に向けられた。

殴られても、迎えにくる弓が差し出す手を、
後悔しながら、震えながら、ダメだとおもいながらも
かんちゃんは、また、握り返してしまうのだった。

使えない携帯を、いつまでも持ち続けていた弓。
捨てられない過去がそこにあるのは、かんちゃんも気付いていた。

弓は本当にかんちゃんのことが好きだったのか?
かんちゃんの優しさに甘え、寄生していたようにも見え、狡い。

真っすぐで、真面目すぎたから、心が破滅した。
かんちゃんが頑張り過ぎた過去は辛すぎる。

続刊で彼氏 秀那に時折見せる
優しさ、柔らかい表情が、本来のかんちゃんであるのだと知るとともに、
続話のタイトルがなぜ「ほどける…」なのか、判りました。

秀那の癒しで、かんちゃんの凍った心を解きほぐし、やさしさで包み、
秀那自身も知りたがってる、本来のかんちゃんに戻れたら。と思います。

かんちゃんは、怪物なんかではありませんでした。

心が痛くなる作品ですが、
「錆びた夜でも恋は囁く」「ほどける怪物」「はだける怪物」を読む中で、
無くてはならない、お話です。

10

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