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パブリックスクール ―ツバメと殉教者―

public school

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表題作パブリックスクール ―ツバメと殉教者―

スタン・ストーク,17歳,ウェリントン寮の監督生
桂人・ヴァンフィール,17歳,ウェリントン寮の監督生

同時収録作品パブリックスクール ―ツバメと殉教者―

スタン・ストーク,17歳,ウェリントン寮の監督生
ニール・メンベラーズ,ウェリントン寮の寮代表

その他の収録作品

  • 寮代表は祈りを捧げる(書き下ろし)
  • あとがき

あらすじ

キャラ文庫の大人気シリーズ、
「パブリックスクール」のスピンオフ作品が、
書き下ろし番外編を加筆して待望の文庫化!!

由緒ある伯爵家の長男で、名門全寮制パブリックスクールの監督生──。なのに、制服は着崩し、点呼や当番はサボってばかりのスタン。同学年の監督生・桂人は、密かにスタンを敬遠していた。卒業まで、極力目立たず、無害な空気の存在でいたい──。ところがある日、桂人はスタンの情事を目撃!! 見られても悪びれない態度に、苛立つ桂人は優等生の仮面を剥がされてしまう。さらに、二人一組の当番で、スタンのお目付け役を任されて!?

栄えある寮代表(ヘッドボーイ)の座は、誰の手に──!? ノブレス・オブリージュの旗の下、 パブリックスクールを統治する、監督生たちの秘めた激情と恋!!

作品情報

作品名
パブリックスクール ―ツバメと殉教者―
著者
樋口美沙緒 
イラスト
yoco 
媒体
小説
出版社
徳間書店
レーベル
キャラ文庫
シリーズ
パブリックスクール-檻の中の王-
発売日
ISBN
9784199009570
4.5

(165)

(128)

萌々

(20)

(9)

中立

(2)

趣味じゃない

(6)

レビュー数
21
得点
749
評価数
165
平均
4.5 / 5
神率
77.6%

レビュー投稿数21

きつい

 攻めが不特定多数を抱いてる男娼設定はすごく好きです。
 受けは、一巻目の主人公と違って、女々しくなくて外見も女子供っぽくないからまだマシだった。

 ただ読んでるとすごくストレスの溜まる登場人物ばかりだな〜って印象。
 受けは養父から性的暴行されてたからいいけど、攻めが……実の母親とだったから胸糞だった。同性ならウェルカムだけど、母親と息子の近親相姦は気色悪すぎる……。可哀想とか同情ではなくて本当に気持ちが悪い。

1

相互救済ストーリー

パブリックスクール4冊目にしてエド礼ではないCP。作中にエドやデミアン・ヘッジズが卒業生として出てくるので時系列的にも4巻というところなのでしょう。

今回は監督生同士のCPで、スタンと桂人の6年生同士。スタンにも桂人にも過去に親から受けた虐待の記憶があり、その過去にずっと苦しめられていました。でもその過去からどう身の振り方を変えたかというのが2人の選択が逆になっていて、スタンは双子の弟への贖罪から不良を演じ、桂人は目立つ行動は避け常に優等生の笑顔を貼り付けている。交わりようのない2人がある事件をきっかけにお互いの仮面の裏を知るようになって話が進んでいきます。

やっぱり樋口先生は素晴らしいなと思うのは、「人が人を好きになる瞬間」だったり、「相手に惹かれる理由」を疎かにしないんですよね。だからこそ話に大きな説得力がある。スタンや桂人の生い立ちも壮絶ですがそこを抜きにして2人がお互いに惹かれたり思いやることはないわけで、その部分もとても丁寧に描写してあるのですごい吸引力で話に没頭してしまいました。

そして何よりこの本を読み終わっての感想は、メンベラーズ、恐ろしい子…。生まれながらにして人を統べる人間っているんでしょうね。いくら幼なじみで昔から知っていた双子でも、スタンとアルバートの共依存や拗れにわずか14、5歳で気付いてしまう。そしてそんな2人の確執を解消してくれる存在を探し出し、けしかけ、誘導する。今思い出してもそんな恐ろしい17歳のメンベラーズに震えます(笑)。もう影の存在ではないけど、影の主役ですね。BLにはならないのでしょうけど、そんな彼が恋に落ちたお話を読んでみたいとさえ思ってしまいます。

脱線してしまいましたが、そんなメンベラーズの計らいによって結ばれたスタンと桂人がメンベラーズ卒業後も、そして2人の卒業後も愛を誓い合うシーンがとても心に染みました。

1

世界観がすきすぎる

シリーズ読んでまして、時々読み返したくなる作品です。
そういえばレビュー書いてなかったなぁと。


大まかなストーリーは他の方が書いてくれてるので省略。

前作はエドがあれだけ態度に出していたりするのにレイはすぐマイナスの思い込みで否定してしまったりとんでもない鈍感さとかあまりにもツッコみたくなるところが多かったんですが、この作品はそれがなかったです。
スタンサイドの語りがないので終始桂人サイドで読み進めなくてはいけません。
色々あって桂人はスタンに惹かれ、スタンも何故か桂人に優しくしてくれるものだから、あ〜スタンも好きなのかなぁと思ってたんですけど、最後まで確証がもてなかったんです。スタンサイドもあるかと思ってたら作品が終わってしまったんですよね。桂人がスタンに惹かれる過程はかなり丁寧に書いてくれていて桂人自身成長するきっかけにとなったわけで納得いけたんですけど、スタンはいつ本気で好きになったの??と。スタンはスタンで問題を乗り換えたけれどそこの過程はほぼアルビーに視点だし、スタンから語られることなくメンバラーズの口からでしか知ることができませんでした。結局どうやって乗り越えることができたのかよくわからないまま。突然わだかまりが解けたから桂人と付き合いますって流れで急いだのか尺が足りなかったのか…個人的にはスタンの目線から桂人に救済されたっていう過程を細かく知りたかった。そうすれば最後にあった少しのご褒美ページもより楽しめたと思います。実はまだ続編読んでないのでその辺読めたりするのかな?と期待してます。
ストーリーも世界観もキャラクターも魅力的で前作よりもオススメかもです。ただスタンサイドも掘り下げて知りたかったです。

0

中盤でボロボロ泣いた...

ちるちる不朽の名作ランキングにランクインされていたので、最近小説読んでます。
大作『パブリックスクール』シリーズの4作品目で、この巻はメインカップルのエド×礼はほとんど出てこないもう一つのカップル、スタン×桂人(けいと)のお話です。

主人公の桂人もスタンも、キーマンになるアルバートも、みな想いや悩みは違えど愛に飢えていて、誰にも言えない闇や孤独を抱えているのがひしひしと伝わってきました。苦しくもありながら、相手に気を配る姿に心が震えました。

この一巻だけでも内容モリモリですが、特に心を突いたのはスタンが『愛される時がちゃんとくる、愛する時も』といった言葉に桂人がスタンにキスをしたシーンです。

幼少期に性被害にあい、スタンと地下の図書館で会った時にひどくされた事がありながら、桂人からスタンにキスをしたのは凄く意味のあることだと思い、困惑するスタンに読み手としてとても熱が上がりました…。

他にもスタン(兄)とアルバート(弟)の双子の確執や共依存のような関係も桂人を真ん中に嵐のように沢山の出来事があり、桂人にひどい仕打ちをするアルバートを憎く思ったり、地団駄踏みたくなるようなヤキモキした気持ちもありましたが、それでもアルバートを憎まず寄り添う桂人だったから、最後は感動的な終わり方だったように思います。

同時収録の描き下ろし『寮代表は祈りを捧げる』はウェリントンの寮代表メンベラーズ視点のお話になっており、ああ〜メンベラーズ美しきかな..。裏で色々と手を回していたりするんだろうなとはもともと思いましたが、その気持ちは改めて変わらず、本質として嘘のない人で、自分が卒業した後のリーストンに残る学生たちが上手くやっていけるよう心から心配できる慈悲深い人だなと思いました(><)

メンベラーズは魅力のあるキャラクターだと思うので是非スピンオフで主人公やってほしい。

まとめですが素晴らしい作品です、私はどっちか選ぶならエド×礼よりスタン×桂人が好みです♡

1

愛とは?

主人公をはじめ登場人物の幸せを願わずにいられない思いで胸がいっぱいに。読み終わった今、宝石のようなこの1冊との出逢いに心から感謝しています。

0

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