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おまえでダメならもうダメだ

omae de dame nara moudame da

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表題作おまえでダメならもうダメだ

大野八雲,バーの店長
伊勢島博記,経理部のサラリーマン

その他の収録作品

  • 描き下ろし

あらすじ

親友が一夜にして恋人に――!? 
柔軟すぎる伊達男×空気の読めない自己中男の、
土下座からはじまる究極ラブ!!

「こんな俺とつきあえるのは、
もうお前しかいない!!」
十年来の親友のリーマン・伊勢島から、
突然土下座でプロポーズされたバー経営者・八雲。
空気を読まない性格ゆえに式直前に
花嫁に逃げられ破局――
このまま一生独身で孤独死は嫌だ!! 
そう言う伊勢島に呆れつつも、
熱烈に自分を必要としてくれる姿に絆された八雲は、うっかり求愛を受け入れるが!?

作品情報

作品名
おまえでダメならもうダメだ
著者
未散ソノオ 
媒体
漫画(コミック)
出版社
徳間書店
レーベル
Charaコミックス
発売日
ISBN
9784199608285
4.4

(160)

(102)

萌々

(34)

(17)

中立

(6)

趣味じゃない

(1)

レビュー数
18
得点
703
評価数
160
平均
4.4 / 5
神率
63.7%

レビュー投稿数18

規格外に世間知らずな彼

同級生3人がいい感じに絡むお話。
一人はリーマン、もう二人はカフェのオーナーと店長。カップルなのはリーマンの伊勢島と、店長の八雲さんです。

伊勢島はよくこのカフェに来るのですが、話を聞くとどうも会社でいじめられているっぽい。
それというのも伊勢島はかなり変人で、気を遣うことが全くないのですが、悪意もないという。それを心配する同級生二人なのでした。

ある日降られた伊勢島は、これまで友人として自分を大切にしてきてくれた八雲に、もうおまえしかいない、つきあってくれ、と言う。
そこがもうだいぶぶっ飛んでいるのですが。。

この二人がどのようにお互いを必要とするようになるのか、未散テイストのストーリーが面白かったです。

0

すごすぎる

さすが未散ソノオ先生。
社会に共通認識として作り上げられた”普通”には当てはまらない、それに苦しみ孤独を感じている人の描写がうますぎる。

契約のような始まりから、徐々に人の心を理解し合って歩み寄っていく。
情緒の成長具合がしっかりと描かれていて、読み応えがあります。

お互いにベクトルの違う性質であっても、それがうまく交わりながら先に進むことができる。
まさにタイトル通りであり、お互いにお互いでなければダメな2人なんだと感じました。

伊勢島!そういうとこやぞ!と感じるところも、八雲の性質にぴったりとハマっていてたいていのことはうまくいく。
八雲の方が比重は重そうですが、それでうまくいく関係のようです。

心情の描写が完璧で、すごいなあと読後は感動しました。
何度でも読みたい作品です。

0

お互いにしか見えない部分

婚約していた恋人にフラれて色々考えた結果、
自分には長年の友人・八雲しかいないとプロポーズするヒロ。
関係を成立させるために方便で取り繕うことは簡単ですが、
絶対にそんなことはせずに一貫して正直なところが良かったです。

卑屈ではありませんが二人とも自己評価が低めです。
でも自分で気づかない長所にお互いがしっかり気づいていて、
それを言葉や行動で示すのが本当に素敵でした。
八雲がせっせとお弁当を作り、身なりをキメて会社に来るシーン大好きです。
(課長には本当に痛い目みてほしいです)
ミトさんが描いた穴の開いた人物の絵。
これを八雲も自分だと思ったのに、ヒロは八雲に穴なんてないと言うのが最高でした。

本当に買って良かったです。

0

妙にクセになる変な会話が楽しい

個性強めのキャラと変な会話がクセになる作品でした。反論する友人達の言い分も分かるけど、伊勢島の言ってることにすごく頷いちゃいます。結婚となると、愛に縋るより現実的な効率重視の方が先を見据えやすいから。…ってそんなお話ではないのですが。
伊勢島に目を付けられた?八雲が不思議で素敵で萌えました。雰囲気のあるイケメンと思ってたら陰があったりして、包容力もありそうで。友人と恋人の線引きが分からないところがありますが、ちゃんと怒ったり嫉妬したりから愛情が見えます。
八雲と伊勢島が、類を見ない形で恋人になっていく様子がすごく面白いです。八雲の穴が埋まっていって、伊勢島に人間味が出てきて、そんな二人で寄り添っていくっていう。
ミトさんのくだりは唐突に差し込まれた感があり、理解しきれたわけではないですが、八雲を知るためには重要で、萌えと感動を底上げしてくれました。
まあ妙な読後感です。じんわり感動してるのかなあと思いますが、それもよく分かんなくなるみたいな。この独特過ぎる世界観にのまれちゃったのかもしれません。この先何度も読み返すであろう作品です。

0

人の心の描き方が圧巻

本作で未散先生の既刊単行本読破だわ〜と喜んでいたら最後にキタ〜!!
先生の好きな作品たくさんあるけど、本作がその集大成のように私には思えてNo.1です。
先生作品のいい所、すごい所が詰まりまくっている。

まず、そでの先生の言葉
「みんな気がつかないうちに腹に穴があいてるもので、その穴含めて好きなんだなあ、と思います」
これぞ未散先生ですよね(胸でなく腹というのもおもしろいw)。

人間の弱いとこ、どうしようもないところをどの作品でも慈しむような描き方をされる、とてもやさしい。
それでいて軽妙洒脱に人生の悲哀や含蓄が込められていてウィットに富んでいる。

ユーモアとインテリジェンスの見事なバランス。

伊勢島の変わり者っぷりがおもしろく、タイトルはそれか〜と楽しく読み。
八雲は天然?ないい人なのかな〜と思っていたら。

ミトさんがこうくるのか!?と。
そでの先生の言葉の回収がすごかった!
八雲がああなっちゃうだなんて。

でも私は伊瀬島が言うように、八雲が空っぽなわけないと思います。

ミトさんは八雲のそういう一面を見て伝えたかったんだろうなと。

この2人の気持ちがどう通じあうのかと思ったら、そこも見事でした。
笑いあり涙あり。説得力あり←大事

お互い初めて好きになってからの照れ、デレ、いちゃがめちゃくちゃかわいい。
それまでの経緯があるので、余計きますね。

いや〜すごい作品です。
未散先生すごいとは思っていたけど、やっぱりすごい。大好きです。

0

「上辺だけ」は見せかけ

うーん、深い。未散ソノオ先生作品を読んだ後は思考を巡らせる時間がやってきます。
一見何もかも完璧な八雲。誰がみてもそう捉えるけれど、果たして本当にそうか?
それを見抜いたミトはすごいですね。
ぽっかり大きな穴が空いた自分を見て見ぬふりし続けた八雲は、きっとミトに指摘されるまで忘れてしまっていたかもしれません。
でもそれをあえて八雲に伝えにきたのはミトの温かな優しさ。
その優しさに触れて、伊勢島にぶつかっていった八雲の勇気に感動しました。
寂しいのはこわい。そしてさらけ出すのもまたすごくこわかったでしょう。
そんな八雲の心が伊勢島の考えまで変えていって、温かな心の連鎖は素敵だなと思いました。
みんないいキャラでみんなに幸せになってほしいなと思える作品でした。

0

合理的かつ身勝手な主人公に思えて…

きっと深くて心を揺さぶってとてもいいお話なはず。神レビューばかりで皆きちんと読み取れてるようで。

伊勢島のキャラに最初からはまれず。それをひきずってしまいなかなかお話に感情移入しきれず。

伊勢島の突き抜けたところ、結婚の考え方、それは百歩譲って個人の自由だとしても、自分の孤独死が嫌だから10年来の親友で一番信頼できる八雲に土下座プロポーズするなんて。八雲が断らないとわかってて。

まずはお付き合いからにしたのに、こうしとけばいいんだろって色々義務的?結婚生活にセックスは最優先だ!とか言う割に全部八雲任せで目を閉じてマグロで、セックスした気になってて。

八雲もここまで求められたのは初めてで。伊勢島の無神経さもすべて許して付き合ってあげて。
職場のイジメに対抗すべく力作のお弁当や会社まで届けに行ったり。もう伊勢島に惚れてますね。

八雲が自分には何もなくて強烈キャラの友人の世話を焼いて自分の居場所ができてると思うところは、八雲はリトさんの絵を見て自覚して泣いてたけど。
自分にはこれがある!と思える人の方が少ないのでは?
自分には何もないと思ってる人はいっぱいいると思うんですが。私もそうだし。

まあ伊勢島も八雲の愛情をやっと感じるようになって、八雲への好きって気もちが溢れて。

良かったです。
伊勢島がもっと情緒を身に着けて八雲を幸せにしてほしいな。

1

読んで良かった

未散ソノオ先生の描くお話には読んだあとになぜか泣きたくなるような物があって、このお話もちょっぴり涙が出ました
多分、読んだ人の辿ってきた道によって場面やセリフの理解が違うんじゃないかと思うのですが、それぞれが少し心を引っ掻かれて、でもその後で丁寧にさすってもらったような気持ちになるんじゃないかと思います
伊勢島には八雲だし八雲にも伊勢島が良いみたいだけど、幾がミトを連れてこなかったら二人とも寂しさに気付けないで疲れちゃったのではないかと思うと3人で良かったと感じました

5

誰かから見た不完全。誰かにとっては無二の完全。

足りてない者同士がリスペクトし合う姿っていいですよね。
ましてや愛し合う姿は最高です。

伊勢島博記は数学と物理と簿記以外はまるで苦手なサラリーマン。
ある日1円単位でピッタリの家計簿を付けようとしたところ婚約者に逃げられてしまう。
このまま孤独死は嫌だ――どうしても結婚という社会保障を手に入れたい伊勢島が考えついたのは、自分を捨てていく女ではなく、最も信頼できる相手、すなわち10年来の友人・八雲へプロポーズすること。唐突な申し出に驚きつつもお付き合いを受け入れる八雲。
好きとかわからん。全部八雲に任せる。俺は八雲で行く。
色々とんでもないけれど素直すぎる伊勢島の言動に八雲の心は絆されはじめ……?

とまぁ中盤まではこのような内容。
なるほど、ちょっとズレてるけど強引な受に優しい攻が絆される話か。
なんだかんだでヌルっとまとまりそうだなーと最初の印象は正直地味めでした。

前半の見せどころはヒロくんのちょいポンコツ具合。

もめたらセックスすればなんとかなる。
待たせたら詫びればなんとかなる。
キープインタッチが大切だからメッセージをボットで送信。
選ぶのが面倒だから冬はかけ蕎麦、夏は盛り蕎麦オンリー。

たしかに…。情緒は欠けてるけど理屈はわかる。
そんなヒロくん語録にあちゃーと頭を抱えたり、くすっと思わず笑ったり。

が、本作はそんな微笑ましくぬるーい話では終わりませんでした。

お付き合いにOKしてくれて、見た目が良くて、料理上手で、優しくて。
そんな完璧攻様のように見える八雲の内面に隠れされたものとは?――後半戦の展開が想像以上に深かった。


自分には何もない。
人の都合に合わせて動いているだけ。
「してあげる側」でいたいだけ。
空っぽの自分を埋めてくれる相手を利用しているだけ。
必死で自分を求めてくれるヒロくんを利用しているだけ。

いとも容易いお付き合いOKの裏にあった八雲の本心。
低すぎる自主性と自尊心の穴を、他人に求められることで代償していたというのです。
芸術家ミトに見透かされたことでその現実にぐらついてしまう八雲。

でもね、ヒロくんはそんなことでは動じません。
ヒロくんはやっぱりヒロくんの論理で生きている人だから。

ヒロくんにとって八雲は完璧。
自分を救ってくれたのは八雲。
八雲がどう思っていようが、その事実は変えられない。

ヒロくんは不完全な八雲を力強く完全だと言い切るんですね。
その姿がなんかもう尊くて。
ヒロくん今めっちゃ情緒あるよ!ってなりました。

一方、八雲だって世間から見ればポンコツなヒロくんのことを、タフでおもしろくて素直で可愛いって思ってるんですよ。
利用だなんだって言って、もうとっくのとうに大好きなんです。

結局二人は、不完全な部分まるごと含めて唯一無二の完全体の人間として見つめ合っている。

つまり、そちらから見えた欠点なんて、こちら側から見ればそもそも存在しないのでは?という話なんです。
彼らは二人でいることでその嬉しい事実を伝え合えるんですよね。

こうして八雲のモヤモヤを乗り越え、二人は無事に婚約。


前半油断してたけど、めっちゃ良い話だったじゃん……。
生きづらさを抱えた一人と一人が一緒になって初めて気付ける幸せに、温かい気持ちになりました。

上辺で終わらせず、受攻両方の内面まで踏み込みながら二人が幸せを見つけるって、ある種理想的なBLの姿だと思います。

コンパクトで読みやすいのに関係性にしっかり萌えられる、満足度の高い1冊でした。

12

ハッピーなのにじんわり泣けた

感想書くの苦手なんですけどこの作品はたくさんの人に読んでもらいたくなって初めてレビュー。
とにかく衝撃ってかんじでぶわっと心に広がるというかいいお話でした。

高校から10年間友人だったバーのイケメンもて店員(経営者?)八雲と、変人サラリーマンのヒロくんのお話し。

婚約者に結婚直前に振られてしまったヒロ君は将来への不安という理由のみで友人の八雲に結婚を申し込む。ふつうはここで断るでしょってなるのですがなぜか受け入れてしまう(もちろんこの時点で二人とも恋愛感情はない)
とにかく不思議な冒頭で未散ソノオさんの作品を読むのが初めてだった私は「えっ????」となりましたが作者の方の力量なのでしょうか、皆さんの仰るこれが未散ソノオワールドなのか何故かしっくりと読み進んでしまう。

攻めの八雲が格好よくて優しいし、ヒロ君は素直で正直もので面白くてかわいかった。八雲の心の穴を埋められたのはヒロ君の頑丈な心だったのかな。
もっと二人の幸せなお話しを読みたいと思ってしまった。

幾さんとミトのお話が現在連載中とのことで本になるのは先が長そうだけどそちらも楽しみ。
この場合どちらが攻めになるんだろう?

10

文句なし!の神作品

さすがのソノオ先生…すっ!ばらしいお話でした!
読後の余韻が半端なくいい。幸せな結末にほんわかします。

前作の『君はパーフェクト』はコメディ色が強くて
それはそれで楽しく読めましたが、今回の『おまえで~』は
同じく割れ鍋に綴じ蓋カプなのに切なくて、少し苦しかったです。

結婚直前に破断になった昔馴染みの友人・伊勢島(ヒロくん)からいきなり
「結婚を前提に付き合ってくれ」と土下座された八雲。
そこから相互理解が始まっていき、結果は幸せな大団円。

絵本作家のミトさんの絵をみて泣く伊勢島と八雲が素敵です。
ミトさんと幾さんのカプも色々と謎ですが、雰囲気がとてもいい…

とりあえず伊勢島さんは色々難アリ(笑)です。
そりゃあ破断になるわ!ってなりますけど、それが伊勢島さんで
その伊勢島さんを理解できるのが八雲。
でも…八雲だって色々と足りてないので、それを埋めるのが伊勢島。

とてもいいカプだと思います。切ないけど幸せになれる✨

3

割れ鍋に綴じ蓋

2人ともいい大人なんだけどなんだかかわいく見えてくるタイトル通りの割れ鍋に綴じ蓋なCP。
でも消去法のように見えてお互いにお前じゃなきゃって選んでるんですよね。
内に抱えた空虚さや社会的な抑圧だったり生きているうえで何かしら身に覚えがある痛みをいいバランスで笑いや萌えを加えつつ昇華してくれる作品。
受けのある意味ぶっ飛んだ思考と周りに何言われてもブレない強さ、攻めの空虚を抱えていても他人を思い手を差し伸べられる優しさは中々できるもんじゃないからそれだけでも凄いよ君たち( ˘ω˘ )
Kindleで同人誌も読めるので、そちらも是非!

5

本当の自分を見てくれる人、好きになってくれる人を諦めないで

 今回もキャラクターが一癖も二癖もあって、とても魅力的で面白かったです。ユーモアたっぷりにもちろん誇張されてはいるけれども、掘り下げていけば私達現代人の中に実は少なくなく潜んでいるキャラなんじゃないかと思ったり。たとえば攻めの八雲。顔も良くて仕事も料理も器用にこなし、人当たりも良く言うことなしの男。でも、器用貧乏というか何でもそつなくこなせる代わりに、本当に自分がしたいことが分からず、個性の強い人と比べて自分には何もないんじゃないかという虚しさを感じていて。

 一方で受けのヒロは、圧倒的前向きさ、挫けなさが目立ち、職場でのいじめにも無頓着。一見とてもタフというか鈍感な人に見えるけれど、きっと元来そういう人なわけではないと思うんですよね。ちょっと人とずれた感性が原因で他者から疎まれ続けた結果、心が傷付かないように無意識の内に諦めていて、自分は嫌われやすい人間なのだと最初から予防線を張っているようにも見えました。彼の場合、恋愛的な意味での好きが分からないどころか、そもそも人間的に誰かに好きになってもらえるということからよく分かっていなかったわけで。それってどんなに悲しいことなんでしょうか。

 ヒロが本で泣いたのは感情が死んでいないことの証。きっと元々は誰より感性が豊かな人間なんじゃないかと思う。ふとした時に自分を好きでいてくれる恋人の存在に胸が苦しくなって泣くなんて、そんな恋愛ソングやドラマを地で行く人、そう多くはないと思います。八雲に関しても、個性がないと感じているのは自分だけで、他人の方がその魅力を知っているかもしれない。どうしてもそれが信じられないのなら、自分はその空っぽな八雲が好きなのだと言ってくれたヒロ。空気が読めなかろうと、突拍子もないことを言おうと、人を傷付けず前向きさを失わないヒロを好きになってくれた八雲。まさに破れ鍋に綴じ蓋の2人。どちらもとっても応援したくなる温かい作品でした。

5

結婚は社会保障って

未散先生の作るお話、今回も面白かった。
何というか、この、独特なポジティブ思想や、嫌な人が出てこない平和な雰囲気がすごく好きなの。

結婚式直前で婚約者に逃げられた伊勢島の突然の求婚を、とりあえず受け入れた八雲。
人の心の機微というものが全く分かっていなかった伊勢島を、八雲はどうするつもりなの?
エロらしいエロはほとんど無いし、画面のトーンだって全体に華々しい絵でもないけど、お話の面白さですごくツボにはまってしまう。

それより、前田先輩とミトのお話ってどこかで読めるのかな?
こっちも気になる。

7

これが宇宙

言葉で表現し難い感覚的な良さがあって勢いで宇宙ってタイトル笑
家計簿は宇宙…

◾︎大野八雲(バー店長?)×伊勢島博記(経理,高校大学の同級生)
未散ソノオ先生大好きなんでもう読む前から好きなんですけど、土下座1カメ、2カメ、3カメでじわじわきて、初見ワイルドイケメンかと思った八雲のセリフが書き文字で「たってよ〜」だったので天を仰ぎました。好きじゃんよそんなの。
読み終わって言えることは、この時の感覚が大正解ということですね。この時点からキャラはブレずに話数を重ねるごと熟していって…はー最高。

八雲さんの次は畳み掛けるようにヒロくんが可愛い。家計簿は宇宙の人で、尻の穴がつつましくて、良い香りはファーファ…1話読んだら八雲と同じように矢が刺さりまくってました。八雲評"頑丈でおもしろくてかわいい"か。いいなぁ。簡単な言葉なのにぴったりで、非常にいい。語彙力が減る。いいとしか言えない。

八雲さんが持ってる空虚さは、側からみれば理解され難そう。顔も良くて生活に不自由してなさそうな人が何を言うかと思われそう。それでも人の悩みとか弱みってそれぞれだし、そこを埋めてくれる人や支えてくれる対象も人によって違いますよね。

幾さん(前田,バー店員)とミトさん(畔柳三斗,絵本作家)の関係ももっと詳しく知りたい。続編が描かれてるのかな?

ヒロくんは会社でいじめられててあの性格だからなんとかなってる…って八雲は言ってますが、その性格だからいじめられるのでは…まぁうんイジメヨクナイ

電子限定描き下ろし4枚は読むべき!買いましょう!

3

やっぱり好きです

未散先生大好きです
今回のお話も最高でした

キャラクターが魅力的
まず八雲
カッコ良すぎ パーフェクトでした
なのに、完璧じゃなかったところにきゅんとします
ヒロくんは、天然なんて言葉では足りないくらいキレイな人
不思議なカップリングだなぁと思いながらも、ぴたりとハマる感じが読んでいて気持ち良い

幾さんとミトさんもなかなか興味深い
絵本作家と元クズ男の組み合わせもなかなか

未散先生のお話は、砂場の山崩しのような感じで、ゴールは分かっているのにそれをゆっくり少しずつ崩していくような、絶妙な崩し加減で大好きです

今作も本当に良かった
雰囲気のある絵も美味しそうなお弁当も全て良かった

4

愛の不可思議

未散ソノオ先生の「不可思議ワールド」炸裂!という感覚。

完全ノンケ男性、そして他人にどう思われても平気、いじめ/無視・軽視を全く気にしてない伊勢島。
そんな伊勢島が婚約破棄して、いきなり「結婚」を申し込まれる友人の八雲。
この2人のお話です。

はじめのうちは、変な事言ってる伊勢島と押されてタジタジの八雲、という2人のコミカルなやり取り、な話なのかな、という印象で読む。
しかし中盤、関係ないと思われていた先輩の幾さんと絵本作家のミトさんが絡んできて、一気に「愛の不可思議」とでもいうべき「心の深層」の展開になっていく。
優しくて、段々伊勢島にほだされた〜?という感じだった八雲は、実は自分を穴が空いた空っぽの人間だと感じていた…
八雲は、いじめをいじめとも思わず何をされても糠に釘的な伊勢島に救われたのかも…
なんにせよ、物事を一つの面から見るだけではない世界を提示してくれたなぁという読後感。
愛って…不思議だ。

5

控えめに言って最高でした!

うわー、やられた。
油断してたら泣かされた(´°̥̥̥̥̥̥̥̥ω°̥̥̥̥̥̥̥̥`)
独特な世界観とキャラ、そして、さりげなく深層心理を抉るストーリー展開ーー神すぎる!

「結婚を前提に俺と付き合ってくれ」

バーの店長・八雲は、十年以上友だちとして付き合ってきた友人・伊勢島に突然告白されます。
孤独死は嫌だ、結婚は社会保障だ!と言い切る伊勢島は、
結婚を破談にされたド天然なKY男。

〝おまえでダメなら俺はもうダメなんだ!〟

こう言われて、お付き合いを始めちゃう八雲は、男前で優しいパーフェクト男子です。

とにかく、伊勢島の天然振りには驚かされました。
前の女の色濃い部屋で同棲をせがむし、すぐに昔の恋愛を持ち出す。
メールはボット、放っとくと2週間も往信不通……
正直、変な奴ーって思ってました。
でも、会社でのいじめも苦にしないタフで強い男なのよね。

八雲は時々見せる伊勢島のギャップにハートを射抜かれつつ、
伊勢島をいじめる奴に怒り、自分の事のように悲しんでくれる優しい男。
カッコよく決めて、伊勢島の会社にお弁当を届けるシーンは、
最高にスカっとしました♡

その2人の先輩・幾と恋人・ミト。
関係ないような2人がストーリーに大きく関わってきて、
絵本作家のミトにおいては、八雲の深層心理に迫ってきます。

実は、八雲の心は空っぽーー
多分、人に頼られる事が自分の価値になってるんだろうなぁ。
自分でも気付かなかった本当の自分を突きつけられ、
打ちひしがれる八雲。
うーん、ここで初めて八雲の人間味を感じる事ができて、
実はちょっとだけ安心したかな。
ずっと完璧だったけど、弱い所がある八雲の方が魅力的だと思いました。

そんな八雲を丸ごと受け入れるのが伊勢島なんですよね。
ホントに読めない男だわ。
一周回って、最後は好きになってきた(笑)

八雲の告白シーンは泣いた。
〝優しい〟と言われて泣く伊勢島を見て、また泣いた。
人に好かれない伊勢島が、初めて向けられた本当の好意。
これは、嬉しかっただろうな。

クリスマス、幸せを実感して泣いちゃう伊勢島にキュンキュン♡
上手いよなぁー、こういう所。
コミカルから転調して、最後の最後にブワーっと持っていかれちゃう。

『おまえでダメならもうダメだ』というタイトル、女に懲りた伊勢島が八雲に縋るための文句だと思ってたけど、
〝八雲以外は考えられない〟って意味だったんだね。
空いた穴を埋めるんじゃなくて、そのまま寄り添って生きていくであろう2人に胸アツです。

Hはほんの少しですが、八雲のブツがエノキじゃなくてエリンギだと分かってよかった(笑)

18

この作品が収納されている本棚

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