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表題作親愛なるジーンへ 2

トレヴァー・エドワーズ,36歳,NYの弁護士
ジーン・ウォーカー,21歳,元アーミッシュの青年

あらすじ

NYの弁護士・トレヴァーと元アーミッシュの大学生・ジーンが同居して2年。ジーンはカナダの大学教授が自身のエッセイに興味を持ってくれたことを知る。優しく頼りになる恋人との愛に溢れた暮らしに不満はなかった。
でも、NYは故郷ペンシルバニアからたった300マイルの場所でしかない。もっと広い世界を見たい、カナダで学びたいという気持ちは日ごとに募っていった。
ジーンの物思いに気づいていたトレヴァーは彼の選択を祝福するが、内心穏やかではいられず……。

――そして1992年。
トレヴァーの甥・ジーンは手記を読んでいることが伯父にバレてしまい――!?

作品情報

作品名
親愛なるジーンへ 2
著者
吾妻香夜 
媒体
漫画(コミック)
出版社
心交社
レーベル
Chocolat comics
シリーズ
ラムスプリンガの情景
発売日
電子発売日
ISBN
9784778135508
4.7

(362)

(311)

萌々

(26)

(7)

中立

(17)

趣味じゃない

(1)

レビュー数
54
得点
1697
評価数
362
平均
4.7 / 5
神率
85.9%

レビュー投稿数54

素晴らしい作品

胸がいっぱいになる大好きな作品です。
何度も読み返しています。
ただラストについては読む人によって感想が二分するのもわかります…ジーン側の視点が見えないから余計なのかもしれません。
思えばトレヴァーとカレンの関係も元婚約者で結婚の直前までいってたにも関わらず親友としてずっと付き合いが続いていて、愛の形は様々なんですよね。
それでもジーンとトレヴァーのいちゃいちゃがみたい!と思っていたところ、J庭のペーパーをみてこの2人はきっと元の関係に戻るな…と嬉しくなってしまいました。
ぜひいつかスピンオフも見たいです。

0

「恋」というより「愛」の物語

ラムスプリンガの情景がきっかけで、こちらの作品を知りました。ラムスプリンガの情景も大好きですが、個人的には この作品の方が、主人公たちの関係性がより丁寧に描かれているように感じました。
人を心から愛することに焦点を当てた、素晴らしい作品で、読み終わったあとは心が満たされました。
なお読む順番としては、ラムスプリンガの情景→親愛なるジーンへがオススメです。ラムスプリンガの情景に出てくるキャラクターたちが出てくるので、逆の順で読んでしまうと、よく分からない所が出てくるかと思います。

0

若者へのエールでもある

 前巻を読んでから3年近く空いたのですが、読み出してすぐ1巻の空気を思い出すことができ、吾妻先生の丁寧な描き方、世界観の作り込みが改めて素晴らしいなと感じました。アーミッシュという特殊な集団から外に出て、新しいことをどんどん吸収し世界を飛び回ることになるジーン。好奇心や知識欲はいくつになっても旺盛で悪いということはないし、若者だろうが老人だろうが、お金と時間と体力さえあればいくらでも世界を広げればいいと思います。

 故郷、家族、友人を捨て、新しい世界でようやく見つけた居場所と恋人もまた捨てるのか、と葛藤したジーン。確かに「捨てる」というと悪い意味に聞こえてしまう。けれど、本当にそれは「捨てた」のでしょうか? きちんと向き合ってそこから離れる決意をしたなら、ただ「別れた」だけではないでしょうか。人生、別れを経験しないなんてことは不可能。相手を忘れなければ、再会できる機会は巡ってくるし、自らつくることもできる。一度ちゃんと向き合ったことがあるからこそ、再会した時、トレヴァーはジーンを追いかけて再びチャンスをつくる勇気を持てたのでしょう。

 故郷との繋がりはずっと脆いものかもしれないけれど、それでも確かにそこにありましたし、これから時間をかけてジーンなりのやり方で細い糸を紡いでいけばいいと思います。1人の若者の生き方を、彼を心底愛する1人の大人と共に見守った、暖かく力強い読後感が残る作品でした。

1

海へ出たニジマスの子の行方は

ラムスプリンガの情景から始まり、親愛なるジーンへと続き、結びとなる完結巻。
いつ読もう。いつ読もうか?とあたためておくほど楽しみにしていた、1人のアーミッシュの青年の人生を描いた物語。

結論から言いますと、これほどまでに続編を待ち望んでいた作品はあるか?というくらいのめり込んで読んだ1巻ほどの熱量は残念ながら持てませんでした。
あまりにも1巻が素晴らしかったからなのかもしれません。
しかしながら、「親愛なるジーンへ」が長く愛される傑作であることに間違いはないでしょう。

周囲の人々とは違う特別な何者かになりかったはずだというのに、皮肉にもその生い立ちだけで「特別」扱いをされるアーミッシュである自分を否定したいけれどし切れず、過去を思い返しては後悔し、今を、そしてこれからをどう生きるべきなのか?と、誰しもが悩むであろう人生においての選択の難しさにもがき葛藤するジーンの姿が多く描かれているのが印象的でした。
これはジーンだけではなく、今作を読むどの人にもどこかしら重なる部分があるはず。
そんな、過ちを懺悔をするかのようなジーンにそっと赦しを与えるトレヴァー。
1巻と重なる非常に魅力的な1シーンでした。
赦し赦され、もっと自由に。
人間が持つ深い愛情で包まれたとても優しい1冊だと思います。

前作のレビューで、まだ幼いジーンが気に入っていた絵本「海を出たニジマスの子」の、大海を知ったマスはスチールヘッドになるのだという、アーミッシュをニジマスに例えたエピソードが好きだと書きました。
これは私の勝手な解釈なのですが、本人はまだ気が付いていないけれど、きっと彼は幼い頃に憧れていた特別なスチールヘッドになれたのではないかなと思います。
だって、こんなにも"ジーン"の名を持つ人がいるのですから。

2

ジーンはトレヴァーを本当に愛していたのか

読み終わって最初に感じたのはこのレビュータイトルがすべてだった。
そしてタイトルに対しての答えとしては「愛していた」だろう。
そう、愛して"いた"のだ。
そしてその愛は恋愛、性愛かと聞かれると、読了後の私の感想としては「ノー」である。

作品全体として、間違いなく神作である。
作り込まれたストーリーに現実的であり非現実的な設定に一気に引き込まれる。
どのシーンをとっても涙が止まらない。
リアルだからこそ胸が苦しくてたまらない。
まるで1本の映画をみたかのような読了感であった。
人生のBLを選べと言われたら候補にでてくるくらいには好きな話である。

だが、この作品を全巻通したときにボーイズラブだろうかという疑問が残るラストであった。
恋愛として相手を愛していたのはトレヴァーでありジーンはちがうことが二人の最終シーンでわかる。
そうするとボーイズラブとしてカテゴライズしたくはないというのが正直な感想だ。
1巻までは、本当に素晴らしいボーイズラブ作品であることにまちがいはない。

私はこのラストはバッドエンドだと思う。
大多数の読者からみたらハッピーエンドにちがいないし二人からみてもハッピーエンドなのかもしれない。
でもストーリーに没入することなく客観的にみて、またボーイズラブとして見るとバッドエンドだ。
それは彼らがまた恋人になることはかなわないだろうし、さっぱりとした友人でいることもまたできないからだ。
再開するかしないかを選べるのはジーンだった。
トレヴァーは思い出にしていた。
会うことを選択したのはジーンだ。
にもかかわらず、この先どう接したらいいかわからないという発言。
それならいっそ綺麗なままにしておくべきだったのではないか。
思い出にしておくべきだった。
この結末は、作品としてはハッピーエンドで間違いない。
しかし恋愛、性愛にスポットライトを当てたとき残酷なまでのバッドエンドになる。

少し脱線するが、私が長年応援していたアイドルグループの1人がこの間の年末に脱退した。彼はグループを愛していたといったが、愛して"いた"のだろう。
かえる場所も共に夢を追いかけている仲間もいた。だけど別の目標ができた。そうして彼は振り返ることなくスペインへ旅立った。この出会いは若い頃の思い出の1つにして、誰かに言われるまで思い出すこともせずに。
ジーンは彼と同じなんだろう。
かえる場所も愛する人もいた。だけど別の欲がでてきた。そうして彼は振り返ることなくカナダへ旅立った。この出会いは若い頃の思い出の1つにして、誰かに言われるまで思い出すこともせずに。
ジーンの行動を見ると、彼がトレヴァーに対して抱いていた感情は一時の同情や若さからくる勘違いだったとしか思えない。
そうでなければ、連絡を取っただろうし最後なにもいわずに再開したトレヴァーの前から去ることはなかったはずだ。
ジーンが15年間連絡をとらなかったのがトレヴァーだけ(トレヴァーの元婚約者とは連絡をとっていた)というのもまたそれを顕著に表しているのではないだろうか。
応援していたアイドルからくる私の主観もあるだろうが、その点から私はジーンを好きになれなかった。
結局は身勝手で成長していない大人になっていた彼がこの先トレヴァーを傷つけることは目に見えている。
それは無意識に、トレヴァーさえもわからないほどにじわじわと蝕んでいくだろう。
ジーンはトレヴァーと恋愛関係になる気はなく、それはゲイのトレヴァーにとって酷だからだ。
その点からBLとしての評価は神に至らなかった。

ジーンがトレヴァーを本当に愛しているのなら、トレヴァーという人間に対してそのような態度にはならないはずで、ジーンにとってトレヴァーは若い頃の火遊び、過去の人間、自分の人生の踏み台ということだろう。
再開した時点でのジーンはもうトレヴァーを愛していない。
そう感じずにはいられないラストだった。
でないと、1巻で神様とまでいった相手にそんな態度を取れる理由がわからない
でも、トレヴァーにとっては確かにそれは恋だった、愛だった、綺麗な思い出だった。
ボーイズラブとしてなら、1巻までのほうが美しかったし、ボーイズラブをもとめるのであれば2巻を読むことはおすすめしない。

一つの作品としては、とても素晴らしい作品であるということに違いはないし一生忘れられない大好きなものである。
ただ、もう2度とは読みたくない。
そのくらい心がすり減ってしまう作品であることも事実だ。

ただの二人の男の長い人生のほんの瞬きの間の幸せ。
毒に限りなく近い激薬のような鎮痛剤のような2年間の思い出。
ボーイズラブとして売り出すのにはもったいない傑作であった。

11

全人類に読んでほしい作品です!

ラムスプリンガの情景からスピンオフの今作通して物語を追ってきました。特に2巻なかなか出ないなぁ~とヤキモキしながら
2巻を本屋さんでみつけたときの衝撃ったらなかったです!
やっと読める~でも読むのもったいないついに完結って帯に書いてるし終わっちゃうんだ~と思うと、なかなか読めずという感じでした。
正直アーミッシュとかラムスプリンガとかいう言葉はこの作品で初めて知りました。
ちょっと検索してみたんですけど、色々と問題はあるようで、それはさておきジーンがアーミッシュから離れたことは本当に良かったし、トレヴァーと出会えたことは本当に運命的だったと思います。
作者様はジーンは、普遍的な若者の象徴のようなことが書かれてありましたが、その通りだなと思いました。誰でも1度は、自分は特別な存在で努力すれば、何にでもなれるんだと思うものですが、途中で諦めてしまうこともままあります
でもジーンはトレヴァーと出会うことで、勇気を貰います。2人は愛し愛され、与えて与えられる恋人を超越した関係だと思いました。切なくていとおしくて素晴らしい関係です。トレヴァーもジーンに出会ったことで、忘れていた暖かい感情思い出したり、家族に会いに行ったり、決して自分はひとりしゃないんだということを、思い出します。なんて尊い関係…
2巻では3人のジーンが現れてそれぞれがちがう道を歩き始めますが、どんな道を選んだとしてもそれは素晴らしいことです。
ジーンとトレヴァーが再び出会ってこれからどうなるかわかりませんが、ジーンが心から愛してる人はトレヴァーでそれはトレヴァーも同じだと思います
小冊子では、ジーン同士が初めてご対面しました。カレンも交えてコミカルでまるで本当の家族のようで、微笑ましかったです。
残念なのは、2巻でおわっちゃったことですね~もっと続いて欲しかった泣
中年カップルのイチャイチャがもっと見たかった。一生添い遂げるまで見たかったです。
本当にBLを超えて大好きな作品になりました。吾妻香夜先生のこれからの作品に期待してます♡

1

とても大切な作品

心温まる素敵なストーリーです。色んな方に読んで頂きたいです。

0

1巻と合わせて最高✨✨

切ないけど最後まで読んで涙溢れる作品でした。

0

良質な人間ドラマ

BLでありながら上質な人間ドラマを見せて頂いたような読後感です。

正直なところ、BLとしては1巻のラストが個人的にはピークだったかなと。
2巻では2人の関係性を掘り下げ、深め、それぞれの人生を描いて下さったなと。

あとがきに書かれていたように、ジーンは普遍的な若者の象徴で、トレヴァーは与え、赦し、自身もまた救われた。
恋人同士でありながら、やはり強い絆で結ばれた人間同士だなと感じました。
心に残るセリフ、名ジーンもたくさんありました。

ジーンがトレヴァーを家族に会わせるところも感動的で。
お互いのことだけではなく、家族のことも考えてあげられる(描かれる)のが深い愛だなと思います。

ただ、やはりBL的には、再会後の感動が薄い…。
離れていた15年ほどの間、ジーンは恋愛していなかった? トレヴァーのことをどう思っていた? この辺がわからなくて。
本人もこの先トレヴァーとどうしていったらいいかわからない、と言っていたのが、少し拍子抜けしてしまいましたw

タイトルは、1巻冒頭のトレヴァーからジーンへだけでなく、甥っ子、姪っ子からの手紙の意味でもあったというのが粋ですね。

7

爆泣き

最高でした...
皆さんのように語彙力はないので語りませんが、読んで損はありません、読まないと損します。買ってください。
間違えて小冊子ないやつ買ってきちゃったみたいなので小冊子付き買い直します。
最高でした

1

ロマンチストの感想文

まず申し上げたいのは、小冊子付きを買おう!ということと、電子限定書き下ろしも読もう!ということです。どちらも本編の解釈に非常に重要です。

やっぱり結末を予想しながら読んじゃうわけで。1巻読んだ段階では、別れていると見せかけて、ちょっと家を開けてるだけ落ちのストレートなハッピーストーリーを予想していたというか、そうであれと念じていたというか。蓋を開けてみれば嗚呼と嘆息せざるを得ない終わりでした。自分はかなりのロマンチストなので、恋人になってくれと思うタイプです。友達だとさ、どちらかに伴侶が出来たらそれを祝わないといけないのよ?!電子限定書き下ろしを読むと、やはりそこには友情とも違う愛があると思わせるのだけれど……書きたいことが多すぎて散り散りの碌でもないレビューになってしまうパターンっぽいです。すみません。神評価の通り唯一無二の素晴らしい作品です!!!そこは揺るがない。ジーンが雨が降ることに気付けなくなっている描写が、自分には結構キたなぁ。得るものがあれば失うものもあって、人生はその選択の繰り返しで。そして望むものもその価値も人それぞれだよな、と改めて思わされました。ジーンがトレヴァーから離れることばかりを肯定しているストーリーではないですよね。姪のジーンの選択も美しく見せているし。彼らがあの時別れなかったとして、15年後にお互いを見て笑える時があるとも限らない。まぁそれも甥のジーンという偶然のおかげだけど。このバランスも大変好き。キたシーンといえば、Grand Centralで再会したジーンの手の震えも。ジーンのキャリアはすなわちトレヴァーと引き換えに手に入れたもので、自分はこのコマから、自身の歩みをトレヴァーに伝えるジーンの心境を思いました。トレヴァーがその震えを目に留めた上で「立派になったな」と言い、ジーンがあの表情をする。それ以上にはジーンの内心が文字で書かれないところも好きです。ジーンからすれば自分からトレヴァーの手を握るわけにはいかないんだよなぁ。それでもなおジーンから行って欲しかったのよ!トレヴァーが涙を堪えながら用意したトランクを今も使ってるならさぁ!ジーンがトレヴァーの元に戻らなかったのは、故郷に戻れないという刷り込みというか縛りというかが影響しているのか。ジーンからの、信仰とは異なる愛の気持ちをもっと見たいという感想が残る。トレヴァーのいう"最後の夜"に、トレヴァーにはジーンの愛が十分伝わったようだけれど。外野の自分はあの頃の愛を超える愛でもって、ジーンに「ここから進展させる」を実行して欲しいんだが。あとがきを見ても、吾妻先生はこの終わらせ方をしたかったのだろうけど、もうひと押し見たかったところはある。なんせロマンチストなもんで。

ところで、「ラムスプリンガの情景」のレビューで、しつこく彼らのこれからは幸せなのか見せてくれと叫んでいたところ、小冊子に2人がいた事が本当に嬉しかった。オズが何を生業にしているかこそわかりませんが、少なくとも彼らは2人で幸せにやっているのだ。

6

ラストまでドキドキ

1巻では、甥っ子ジーンがトレヴァーの手記を見つけてから始まった話なので…。

やっと2巻が出た〜。やった〜。

と、読みたい気持ちと

涙必須な感じもして読みたくない気持ちが…。

いや、読みますけれども。

ジーンの性格ってのが…どこに居ても少し変わった人なんだなぁ。
うん、それならどこかへ飛んで行っても仕方ないのか。

いやぁ、でも、トレヴァーはなんて寛容。懐の深い優しい人なんだろう。
カナダに行く話を最初に聞いた時は食事も喉を通らなくて、どうなる事やら。と心配したけれど。

とりあえず、言いたい事は言えたのでトレヴァーの中でも区切りがついたんだろう。

甥っ子ジーンと過去の2人のシーンへの切替が映画のようでホントに素敵で素晴らしい。

読み終わった時は、なんだか再会があっけなかった?と思ったけれど…そりゃあ今までじっくり2人の話を読んでドップリ浸かっていたからだよな…。

小冊子の2人を読み終わって。
きっとどんな関係でもこのままずっと2人は一緒にいるよね。
2人の周りには素敵な人達ばかり。
みーーんな、幸せに。

6

映画のようなストーリー

評価がすごくよかったので期待を込めて購入
とても、とても、よかったです
自然と涙が溢れます
たった2冊の漫画なのに映画を見てるかのような感覚になりました
何度読み返しても涙が溢れます
買って損はありません
出会えてよかった作品です

8

名作につきティッシュのご準備を!

1巻と比べると2巻はストーリーの華やかさ?が
少し劣るような気がしますが、後から言い知れぬ感情がフツフツと湧いてくる作品ってそうそうお目にかかれない。やはり名作だと思う。

とにかくトレヴァーの懐の深さに圧倒される。
ジーンの夢に惜しみなく協力する中で、自身の寂しさを吐露する教会のシーンに涙が止まらない。

ジーンもトレヴァーを大切に想っているが
家族や故郷を捨てても外の世界が見たかった好奇心旺盛な人。
だからキッカケがあれば世界をもっと見たい!という気持ちが芽生えるのも理解できる。

年齢差のある2人。
未来の約束などせず自由に生きてほしいと願うトレヴァーの寛大な心にまた涙。

ジーンを喜ばせたくて購入した観葉植物たち。
現在では天井に届く程に大きく成長。
トレヴァーが1人でも丁寧に生きてきた日々を感じずにはいられない( ߹꒳߹ )

甥っ子ジーンの計らいで16年振りに再開する2人。
対応が素っ気なく見えるジーン・ウォーカーですが
当時、自分の全ての基盤を支えてくれた恋人を置いて旅立った経緯を考えるとNYに戻るから「では、モトサヤに!」とは言えないだろう。
そもそもジーンがモトサヤについて考えていたかは不明(顔を見たらやっぱり…とは思ったかな?)
根が真面目なジーンからモトサヤのお誘いは実質不可能。
なので過ぎ去るジーンの腕をトレヴァーが掴む。
書類を届けてくれた時のように...。

再会時にジーンの持っていたトランクはトレヴァーが過去に準備したものですよね?
傷み具合からしてずっと使っていたみたい。
言葉や態度ではなく愛する人からのプレゼントを
大事に使い続ける事でトレヴァーへの気持ちを表現しているのかな?と勝手に解釈しました。

〈小冊子感想〉
クリスマスの準備で微笑み合う2人
現在、体の関係こそ無いが心の奥底にある気持ちは昔と変わらないような?(だから時々変な空気なんでしょ?笑)
過去を振り返ると性的な一線を越えるのはトレヴァーじゃ無理。なので後は任せたぞ!ジーン!

余談ですがライアン可愛かった♡
途中、命に関わる一大事で冷や汗ものでしたが
おかっぱの可愛いちびっ子が「ママを困らせるな!」って文句言いに行くつもりだったなんて…。
そんな事聞かされたらママじゃなくても涙出ますってば!

色んな形の愛が詰まったこの作品を名作と呼ばずにはいられない!
皆さんもそう思いませんか??

8

男女を超えた人間の愛の物語

納得のラストでした。

1巻のときには悲しい結末ではとドキドキしましたが、
2巻は結末が分からなくても、トレヴァーの淡々とした、でも着実な生活ぶりや甥っ子への温かい深い言葉かけを見るうちに「今は一緒にいなくても良い別れ方をしたのだろうな」と感じました。

非常にリアルな年代や街が設定されているのに
誰もが共感する普遍的な愛の物語でした。

場面切り替えも情感が溢れています。

1ページ1ページ、宝物のような作品です。

9

ジーンは受け継がれていく

続巻を読むときに、前の巻をおさらいしないと読めない作品が多い(自分の中にあまり印象が残ってないんでしょうね)中、本作はいきなり2巻を読み始めても物語に没入していけました。
それこそ甥っ子のジーンが、トレヴァーとジーンの物語に入り込んでいったみたいに。

1巻で現在のトレヴァーとジーンが一緒に居ないので、もしや死別か離別か…まぁちょっとお出かけしてるだけ?なんて少しの期待もあったんですが、アメリカとカナダで連絡を取れない訳はないのにあえてそうしなかったトレヴァーの優しさに泣きました。
号泣してしまうほどジーンにそばにいて欲しかったのに、もっと色々な世界を知って色々な人と出会って欲しいとの気持ちで手放した胸の内を思うと苦しくなりました。

根っからの分かりやすいハピエン厨ですが、洋画のような本作にはこのエンドはピッタリだと思います。
むしろ別々の道を行くっていうエンドでも(悲しいけど)納得したと思います。

BLの枠に囚われずに、1人の人間としての生き方や、2人のお互いへの愛情、親愛について描かれた素晴らしい作品でした。

14

強く優しい愛の物語です

完結の2巻。二人の人生の決断を、深い深い愛の物語をとても丁寧に見せてくれました。時代背景、年齢差などの設定も見事に絡み合い、胸の奥を鷲掴みにされてしまいます。すでに何度も読み返し、そのたびに色々なことを感じさせてくれる本当に素晴らしい作品です。

8

号泣必須

吾妻先生の作品は「モブ山A…」「桜田先輩…」「藤咲忍…」のコメディのイメージが強かったので、読んでいませんでした。
でも、アーミッシュの文化に興味があったので、評判も良かった「ラムスプリンガの情景」読んでみたら涙が止まらないほど物語の世界に引き込まれ、スピンオフの「親愛なるジーンへ」の1巻は発売後すぐ買いました。

そして、待ちに待った2巻。そして最終巻。
ハンカチやティッシュを用意して読みましょう!

1巻で出会い、惹かれ合ったトレヴァーとジーンは一緒に幸せに暮らしました。でもそれで終わりではないんです。2巻ではジーンがもっと世界を広げていくためにふたりの別れがあります。
子どもから大人になる境目の選択。それは、トレヴァーの甥のジーンにもリンクします。現在と過去のお話が自然に交差していく繋がりを読むと、吾妻先生の巧さが凄いものだなぁと思います。

アメリカでは州によって21歳だったり18歳だったりと成人の線引きがバラバラにあります。いつの時代も大人の都合で(そして男性の)決まります。
世界は広くて、18歳はまだ若いから、大人のトレヴァーと大人になりかけのジーンの未来は一緒ではいられないんですよね。
手にした愛から離れても自分で世界を見に行かなくちゃいけないジーンは強いなぁと思います。「何者か」になりたいというジーンの願いを叶えるために手放すトレヴァーも素敵です。

自分にとっての「神様」とはなにか、誰か。それはアーミッシュにとっては慈悲と愛のキリストなんだろうけど、きっとジーンやトレヴァーにとっては「愛する人」が「神様」なんだろうと感じました。
それもひとつの「何者か」なんですけどね。

最後にふたりが身体を重ねるシーンから涙が止まりませんでした。
こんなに愛し合っているのに別れるなんて…と。でもふたりの別れの時の顔は一番かっこいい顔をしています。

そこから先は、ぜひぜひ読みながら号泣してください!

「親愛なるジーンへ」というタイトルの意味もグッときます。
成長したそれぞれのジーンたちの現在を見て、その意味を知り、涙があふれてきます。


特装版の有償特典のマンガは、本編の後のこれからどういう関係でいたらいいのかわからないトレヴァーとジーンのクリスマスです。本編で出来なかったことを甥のジーンやキーパーソンの元婚約者のカレンと一緒にしていきます。
一瞬ですが「ラムスプリンガの情景」のふたりや他の登場人物も出てきます。
またクリスマスに読みたいと思いました。
アメリカを舞台にしたならではの物語でした。

9

読み返す価値のある物語

私は翻訳アプリを使っている外国人読者です。誤訳があったら申し訳ないです。

Dear Geneは、私が深く胸に抱いた作品です。この作品を読んで、私は泣いたり、笑ったり
傷つき、そして愛しました。喪失と愛についての物語です。TrevorとGeneの幸せを心から応援しています。

ジーンに何が起こったのか知ることができて、本当に幸せです。エンディングでは、幸せのあまり吹き出してしまいました。冊子と一緒に漫画を買うことを強くお勧めします。

27

読み終わったらしばらく放心状態になる

とても良かった。
2巻が出るのを待って一気に読みました。

最初は甥っ子のジーンが辿る物語なのか…と、今恋人であったジーンはその場にいないから悲しい物語なのかな…と恐る恐る読み進めていきました。

でもところどころにちゃんと最高のラストに繋がる伏線が散りばめられてあって、読んでいてそれに気づくとだんだん心があたたかくなっていくような気がしました。
何度も繰り返し読んで感動できるお話だと思います。

そしてなんと言ってもジーン・エドワーズ。
最初はこの子必要?となりましたが、この物語は彼がいないと何も始まらなかったんじゃないかな。
過去は過去。この先の未来がどうなっていくかには彼の存在が欠かせないものでした。
まるで恋のキューピッドですね。甥っ子ジーンにも幸せが訪れますように。

最後は恋人になるのか、友人になるのか、明確にはされていない終わり方でしたが、個人的には20年は経ってないけど大差はきっとなくなってるから一歩踏み出してほしいな、と思いました。
でもまぁ愛する形は色々あるので、二人がこの先ずっと一緒に居られれば何よりだと思います。

11

一気読みしました

この作品を知って即購入、2巻一気読みしました。
時折泣きながら読みました。読んでよかったな思えた作品です。色々感じて考えさせられて、読むと人生が豊かになる本じゃないかなと思います。

以下ネタバレ感想です。





トレヴァー(弁護士、歳上)×ジーン(青年)の少し年の離れた2人の話。
2人はひょんなことから出会い、次第に互いに愛が芽生え、愛し合って幸せなひと時を過ごす。

そんな中でジーンは2人で過ごすことに幸せを感じつつも、新たな自分の人生を歩みだしたいと思うようになる。
トレヴァーもジーンがそうしたいならと背中を押し、ジーンはトレヴァーのもとを去っていく。2人の生活は幕を閉じて...


ジーンは、自分の人生を歩みだすために海外の大学に1人行ったわけですが、その後もトレヴァーとは会うことはなくそのまま十数年。

私の理想を言えばジーンには大学卒業後、すぐにトレヴァーのもとへ帰ってきてまた2人の幸せな生活を続けて欲しかった。
自分の居場所はトレヴァーのもとであり、必ず戻ってくると。

ですが離れ離れになるとき、2人がこれで最後だと区切りをつけていればもうその素敵なひと時はそれで終わりなんですよね。
どちらが冷たいというわけでもなく、そのひと時は2人にとって人生の1ページ、思い出となって幕を閉じたと。

時は経ち、トレヴァーの甥が再び2人を繋ぐ架け橋に。恋が再び始まるかそうでないかはわからないけれど、2人の心の結び付きはきっと生涯続いていくんでしょう。
2人にあるのは大きな“ 愛”であり、もしかしたら恋愛か家族愛が何愛かなんてさしたる問題じゃないのかもしれません。


自分らしい生き方ってなんだろう、家族って愛ってなんだろうと考えさせられる作品でした。

色々言いましたが、トレヴァーとジーンは再び恋人となって生涯楽しく幸せに過ごして欲しいというのが正直な気持ちです。また2人の幸せな生活が見たい...!


特装版のほうを買いましたが良かったです。特装版おすすめですよ!


9

ジーン

前巻でも現在のジーンについてはあかされていなかったので完結となる2巻楽しみにしてました。
若かりし頃のトレヴァーの日記から、ジーンとの幸せな日々を伺うことができるけど、今のトレヴァーは一人でいることがずっと気になっていて、もしかするとハッピーエンドではないのかもと心配で、ずっと二人の過去を甥のジーンを通して見ているのが落ち着かない感じでした。
今回ちゃんとその答えが出ているのですが、1巻からの流れを回収出来てスッキリしました。
時代もあるだろうけど、切ない別れとその後。
甥のジーンがトレヴァーにとっていい役割を果たしてくれて良かったです。
あんまり詳しく書くと楽しみがなくなってしまいそうですが、是非シリーズ通して素晴らしいので未読の方は読んでほしいです。
アーミッシュのこととかNYの場面とか、マンガの中で旅行してるようで楽しいです。もちろんそちらはおまけで、偶然出会った二人の大河ドラマのような半生を追体験できます。吾妻先生の描くお話本当に素晴らしかったです。

5

ジーンが沢山…

2巻で完結です。
ストーリーが壮大でとても良かったです。
まとめて読むのがオススメです。というのも、過去と現在が交互に来るので…集中して読みたい作品です。(髪型がジーンと甥ジーンが全然違うので、今どっち?とはなりませんが…)

ネタバレなしで読んで欲しいです!
紙本の方は、カバー裏がネタバレなので読み終わった後に読んで下さい。
所々でウルッときますし、最後はハッピーエンドです。
タイトルがとても素敵ですね。ジーンという名前もとても良いです。
ニューヨークについてもリアルでメトロとかあの時代はそうだろうなぁ…という感じでした。今は綺麗ですが…。ニューヨークは一番最初に行った海外ですし、その後も何度か行っているので思い出深いです。

…あとエロは多くはないですが、エロいです。リバも未遂ですがしてほしい…。

完結記念小冊子付きがオススメです!本編の後のストーリーになります。









紙本購入
修正は白斜線沢山です。

9

はぁ…なるほど…

2巻を読むときに、あえてレビューを見ずに読んだのですが
これはネタバレ無しで読んだほうが胸にグッとくると思います。
なので感想だけ。


最初、甥っ子のジーンは必要なのかな?と思って読んでたんですよ。
でも、彼はこのお話に確実に必要な存在だったなぁって。

途中で涙がドバドバ出てきて止まらなくなっちゃって
大変な感情に襲われたのですが
ほんとにこの作品を読んで良かったです。
二人のお話を最後まで見届けれて良かった…!

まだ読んだことない方には是非読んでほしいと思ったし、
吾妻先生のフリ幅の広さを改めて感じました。
コミカルな作品から、このような作品まで描けるなんて
ほんとにすごい作家様です。
この作品はBLという枠を超えた作品だなぁと感じました。

0

BLという枠を超えた大作

もし、この作品を未読でこれを見ている方がいるなら、あなたが心底羨ましい。
ネタバレを見ずにいて欲しいという思いがあるので、核心に触れずに書こうと思います。

前作のラムスプリンガは青さの残るみずみずしい恋愛模様だとしたら、この作品はそれよりもっと熟成されていて、悲しいくらい優しく深いです。(年齢関係なく)人生経験豊富な人ほど刺さる作品だと思いました。
自分の心との向き合い方、そして、愛と献身の尊さをまざまざと見せつけられてしまい、しばらく身動きできませんでした。
思い出すだけで勝手に涙がこみ上げてしまう作品なんてそうそうお目にかかれない。
普遍的なテーマをこんなにも情感豊かに描いてくださった吾妻先生には感謝してもしきれないです。
できれば小冊子付きを買って欲しい。素晴らしいカーテンコールです。

何度でも記憶を失って1・2巻を通して読みたい。

17

心の底から、これをハッピーエンドと呼ぼう

1巻を読んでから、ずっとあったなぜどうしての答えを知った。結末を知った上でまた結末に向かってふたりの過去を読むのは心がとても痛んだ。
途中で泣きすぎて読む手が止まったりもした。

そして、結末のその先を教えてもらった。
私はこの物語の結末を心の底からハッピーエンドと呼ぼう。
ふたりの壮大な人生の話だった。

11

ジーンとトレヴァー

感情がとっ散らかってしまって、どう表現したらいいかわからないんですけど…。

「ふたりの男性の愛とそれぞれの家族の在り方」が素晴らしいクオリティで描かれていて、すごく泣きましたし、感動しました。
作品として神…!
だけど、気持ちがもやついてしまうところもありました。

ジーンとトレヴァー。
惹かれ合い愛し合っているのは言わずもがなで、これからずっとふたりで穏やかな時間を過ごしていくんだろうと思っていたのですが…。

ジーンは聡明で自らの人生を模索して足掻き、燻った気持ちを抱えていて。
そんな若いジーンが選んだ道を本心を抑えて応援するよと背中を押し送り出したトレヴァー…。
教会で流したトレヴァーの涙にジーンへの愛の全てが凝縮されていたと感じて、胸がめちゃくちゃに締め付けられました。

トレヴァーがジーンを尊重しているのは理解ができたのですが、別れを決断してしまったふたりが悲しすぎて。
赦し赦され、救い救われ、お互いが揺るぎない存在であり、なによりも深い関係である彼らが…。
いろいろな愛の形はあるとは思いますが、未熟な私にはどうして?という気持ちが拭えず、あの展開は酷に感じてしまいました(泣)。

再会したふたりにはこれからの時間を共に過ごして、離れていた長い余白期間の分を埋めていってほしいです。
ジーンとトレヴァーの関係としてゆっくりと。
甥っ子ジーンにも幸あれ。

別れと再会のシーンの色々な部分がリンクしているのが秀逸だなあ、と思いました。

13

1巻のレストランの男性しかり、悪役について考えさせられた。

1巻の現在軸にジーン・ウォーカーが居なかったので、別れが来るのは察していましたし、2巻発売の書影や帯を見て、さようならで終わる覚悟をしました。
教会で溢れてしまったトレヴァーの姿を見てから最後まで涙が止まりませんでした。
ジーン・エドワーズ、本当にありがとう。

恋人同士に戻るのかは未だ分からないという、"残す"ところがアーミッシュシリーズらしいと思いました。

また、小冊子特装版の内容ですが、テオとジーンのニアミスが。テオとジーンの再会を見たい気持ちと、それこそ野暮だという気持ちの両方を味わいました。

11

たくさん考えました。

普段は電子派ですが、この作品に関しては紙も手元に置きたい!と予約購入。
1度目、読み終えた時、ここのコメントされている何人かの人がおっしゃる通り、私も、??と感じました。
我が人生最大の恋心を捧げたトレヴァーに対し、ジーンは…あんなに涙して愛を伝えたのに、なんでこんなに長い間連絡を取らずにいれるの?会いに来ようとしなかったの?どうして立ち去ろうとしたの?ジーンの気持ちが見えなくてモヤモヤ…心にガツンといつまでも余韻残る物語だから、ずっと頭から離れない…だから、たくさん考えてみました。

もし、あのまま別れず付き合ったまま、ジーンを送り出していたら…広い世界に出て、いろんな人に出会うジーンを目にするトレヴァーは最初は温かく見守ることができていても、そのうち心苦しくなってくるんじゃないだろうか、またそんなトレヴァーを見るジーンも苦しく…もしかしたら苛立ちを感じるかもしれない。そうなると、彼らはいい関係ではいられなくなり、別れを選んでしまうことになっていたのかも…
そして、ジーンが連絡を取らなかったのは、もしかしたら、自らが何者かになれた、ちゃんとそう思えた時トレヴァーに会いに行こう、いつか、いつか…そう思っていたら月日が流れて連絡を取りづらくなったのかも…実際、駅で、まだ何者かになれたかはわからない…とジーンが言っているので。立ち去ろうとしたのも、そんなこともあって今更そんな自分が…と思い飛び込めなかったんじゃないかな… 大人になったらなおさら…
楽しい日々で曖昧にしながらも期限付きで不確かな最初の2人、そして、長い空白があったからこそ再会後末永く一緒にいるであろう確かな2人…電子限定にそれを窺えるエピソードが、花に囲まれた素晴らしい表紙とリンクしています。是非紙派の方も電子も見てみてください。

トレヴァーの手記で語られる物語だからこそ、どうしてもジーンの気持ちは見えにくい…だからこそ、読者の想像で補うことしかできないので、いろんな感想が出てくるのですね。

その後の2人の関係は、しばらくは空白の時間を埋めるようにお互いを知り直し、きっと、ふとしたきっかけで、また恋人として過ごしてるんじゃないかなぁと願望を込めて想像しておきます。

26

深みのあるストーリー

大好きなシリーズの新作、完結編という事で大変楽しみにしていました。なぜか行きつけのBL多めの本屋に入荷されてなくて、ネット注文で読むタイミングが少しずれ、皆様のレビューがどんどん上がっていくのをタイトル・評価だけ羨ましく見ていました。

神多めとはいえ、真逆の評価もチラホラ。「えー?!まさかのバッドエンド?」とドキドキしてましたが、その心配は免れました。一応明るい感じで終わっている。でも中立以下の評価の方の気持ちも今回少しわかる気がします。

トレヴァーと再会後のジーンとの愛情の種類の違いと温度差というか。ほんのちょっぴり大人ジーンが薄情に見えてしまうというか。トレヴァーのジーンに対するそれは無償の愛、人生を賭けた恋のようですが、ジーンからトレヴァーへは敬愛、友愛、もちろん愛には違いないですが、そもそもジーンはゲイですらないんじゃないか?とか恋愛至上主義の人ではないように私には見えます。

物議を醸す空港での再会シーン。たしかにトレヴァーに引き留められなければ、そのまままた消えてたっぽいのでトレヴァーが不憫に思えます。少なくとも「ラムスプリンガの情景」ほどはBL大ハッピーエンドではないと思います。ド王道はあっちでやっちゃったのでこちらは違う趣きにしたかったのかもしれません。

あとがきを読んでも小冊子を読んでもBLエンドでも友愛エンドでもどちらにもとれるような終わり方。後者はゲイのトレヴァーには少し残酷な気がします。個人的には中年の大人ジーンには昔のリベンジでトレヴァーを抱いてあげてほしかった。まあそれはブーイングも多そうですが。

しかし、映画のように美しく壮大なストーリーを現実との考証もしっかりした上で、きっちり結末まで描いてくれた事には感謝と神評価しかありません。またこんな読み応えのあるBLストーリーが読みたいなあと思います。

11

今作に出会えて良かった

存在は知っていたものの普段手に取らない絵柄&海外が舞台の作品ということで今まで1巻も読んだことがありませんでした。ですが今回2巻が出ると知り「人気作だし読んでみよう」と思い1巻から購入して読んでみました。結果今まで知らなかったことを後悔するほど良かったです…!
ですが1巻から続けて読める今でなければ続きが気になって仕方がなかったと思うので結果的にこのタイミングで知れて良かったです…!今まで読んだことなかった方、ぜひ完結したこの機会に…!


↓ネタバレ含みます


現代と過去を行き来する構成が2巻もとても良かったです…!Dear Geneで始まった今作がDear Geneで終わる終わり方も素晴らしかった…。まさに親愛なるジーンへ、ですね。

お互いをどれだけ愛してどれだけ大切に想っているか、そして大切に想っているからこその決断が苦しく切なかったです。途中何度胸が締め付けられたことか。ですが相手のためを想い、精一杯愛を伝えあった二人が今作の決断を下してくれて良かったと思います。それでこそのラストのシーンでは涙なしには読むことができませんでした。過去と重なるシーンがあり、今作の想い出が蘇りさらに涙でした。2巻を読む前から、そして読んでいる間もずっと最後がハッピーエンドになるのかと心配していましたが最高のラストでした…!

甥ジーン君も良かったです…!トレヴァーとの絡みはクスリともさせてくれ、彼がいなければ始まらなかったと言っても過言ではない物語。全てのジーンへ幸せであって欲しいと願いました。
他の出てくるキャラ達皆人間味があり、優しく暖かい作品でした。みんなの人生がより良いものでありますようにと願います。

この世界のどこかに本当に二人が存在しているのではないかと思わせてくれました。幸せな余韻でいっぱいです。後日談が読める小冊子付きの購入をおすすめします、より幸せに浸れます…!


1巻と合わせて大切に読み返します!此方はスピンオフだと知ったのでスピンオフ元も読みたいと思います。素敵な作品に出会えて良かったです。

9

待ちに待った続刊

1の方が本当に良くて感動しまくっていたため、初めから登場していた叔父トレヴァーの側に居ないジーンは結局どうなるのか?と楽しみにしていましたが、そんな別れ方?と少し拍子抜けしてしまいました。(バッドな方ではなくて良かったですが)
村を出てきて何も持っていなかったジーンが、様々な物をトレヴァーから与えられて、それでも「何者かになりたい」という若者らしく悩んだ末にカナダへ行くことを決めたのはいいとして、十六年間連絡を取り合わなかったっていうのが…いくらでも連絡くらい取れたんでしょうけど、二人にとってそういう区切りなんだって事も理解はできるんですけど。トレヴァーもそういう葛藤を抱えているジーンや、彼が持つ無限の可能性とやらも含めて愛していたのでしょうけども…。
ジーンという一人の人間に救われ、そして思い出だけを胸に再び孤独の十六年を過ごしてシワも増えたトレヴァーさんの事を考えるとあんまりだなと思ってしまいます。
再会シーンでもトレヴァーが追いかけて腕を掴まなければ、ジーンは一人でどこへでも行ってしまったのかと思えて悲しすぎます。結局ジーンという人間はどこにでもいる若者特有の葛藤を抱えた少年で、十六年という期間に様々な人と出会い、きっと様々な経験をしたのでしょう。だからあのまま腕を取られなければ、平然と去っていけたのだろうなと思えて辛いです。何というか、こういう自由な人、いるよな、みたいなリアルさはありましたが。
結果的に二人はまた一緒に暮らす事になり、笑い合える関係には戻れたものの、ジーンに対しては何だかなと思う点の多い2巻でした。こんな感想を書きたかったわけじゃありませんが…とても楽しみにしていたので少し残念でした。

28

皆に読んで欲しい

スピンオフならではの前作とのつながりふふっと微笑むシーンもあり、ラムスプリンガでは作中にもあったように『卒業』のような読後感もあったので親愛なるジーン2巻では安心感を得られとても良かったです。(1巻は未読で、1~2巻続けて読みました。)

アーミッシュであったこと、故郷を懐かしむ気持ちはもちろん、セクシャリティの話だったり、女性の話だったり戦争、諸々を無視することなく描かれています。アメリカが舞台だから欺瞞なく読み進められたのをありますが、画面には様々な人種が表現されており吾妻先生に力がほんとにすごいなと思いました。

個人的には、Ms.ホワイトが好きで、この作品は年長者が若者にかける言葉が最高です。

2022年現在、やや宗教が要素ということで、ただの読み手の私も少し緊張しながらでした。が、あとがきやインタビューにもあったように、特別な若者の話ではなく、ひとりの自由な意思を持つみんなの話なのだとわかり納得の作品です。

画力が素晴らしいので紙がオススメです。

8

大切な1冊になりました。

わたしの中では本当に大切な1冊になりました。
BLの云々ではなくて、本当にすばらしい作品でした。
こんな作品を生み出してくれた吾妻先生に感謝します、、、

9

号泣必至です

すごかった、泣きました!ずっと楽しみでしたが、とても救われました
同性愛者であるアイデンティティへの悩みが物語の中核にあるのは間違いないですが、人生大変なことってそれだけではなくて、出生に関することや人種、コミュニティ、結婚、パートナーとの将来、そういったことが深掘りされていて非常にリアリティがありました。
「男性同士の恋愛」を読者が楽しむためのコンテンツとしてのお話というより、
男性同性愛者を登場させながら、普遍的な人生の課題を温かく描いていく姿勢が、どこか現実的な気がして最近私はとても好きです。
舞台がアメリカだったからこそ生まれた悩みも多いでしょうが、同様にアメリカだったからこそ彼らは幸せになれたんじゃないかな。
そう思うと、いつか今は救いのない現代日本を舞台にこんな素敵なお話を書いていただけないかなと願ってます。
どんなBLも好きですが、こんなお話がもっと増えていったらいいな。
次回作もとても楽しみにしています!

12

肯定の大きさ

出自や生き方、行動と失敗も、“分からないままで構わない”という肯定はなんと優しく大きい。
もしかしたらマイノリティ(性的指向でも、それ以外でも)への偏見や差別が無くなった先はそんな景色なのかもしれません。泣。
トレヴァーに関わる二人のジーンと、またそこに連なる様々な人達から、今自分が悩む些細なものにも連綿と繋がっていて、壮大で優しいお話でした…泣…

2巻かけての構成と濃密な世界観、空白の余韻、(欲を言えば若いジーンとトレヴァーの肌の違いがもっと欲しかったけど)お互いを思うが故に離れることを選び、涙し、抱きしめる感情の温度が伝わってくるようでした。どうしたら伝わるのだろうと行動するジーンに泣き、BL的にもオイシイ…
神に出会えて幸せだなとまた思い出して泣けてくる神作品でした。

7

BL云々そんなレベルの話じゃない

すごいものを読ませていただいた

その一言に尽きます。

ラムスプリンガの情景から続く「己は何者なのか」というキャラクターたちの葛藤や愛の形、そして各々が見つけ出す自分なりの答え。
もう、もう、、、ほんとうにこの作品を読んだことがない方々に無料で配って回りたいくらい、この作品に出会えてよかったと心から思います!!!
BL界隈に留めておくなんて、人類の損失なのでは?!

ただ、BLというジャンルで出版したからこそあの結末なのだと思いますので、ハピエン厨としては有り難かったですが。


アぁ〜〜〜
余韻がすごい。



出会えて幸せです。絶対読んだほうがいい。

13

なぜか、涙が出る!

泣いた理由はすぐ、自覚できなかったです。
大きくは、成長物語だと思いました。
トレヴァーは故郷のないことに、ジーンはあまりにも故郷が大切すぎることに、それぞれ悩んでいて。2年間一緒に過ごすなかで、お互いが大きな存在となったことで、その後の人生を歩んで行けた。
15、16年間会わなかったところにも、2人の絆の深さを感じました。
特にジーンは、彼だけで過ごす時間があったから、再会したトレヴァーと過ごすことができたと思います。
人との繋がりと自分に向き合うことについて考えた、素敵な物語でした。

10

期待値が高すぎた

期待値が高すぎた…。

「ラムスプリンガの情景」…最高
「親愛なるジーンへ1」…とても最高
「親愛なるジーンへ2」…う〜ん…

2年越しの続刊に期待しすぎたせいか、ストーリーにハマれなかった。
ラムスプリンガの情景から通して、このシリーズは名作の評価を受けるだろうと思われる。実際、親愛なるジーン1までは、私の感動も最高潮だった。

1巻ではトレヴァーとジーン双方の灼けるような愛を感じとれた。2巻は、どちらかと言えばトレヴァーの愛の深さと重みしか感じとれなかった。

ジーンの視点が圧倒的に足りないと思う。海外の大学への進学がきっかけで、そもそも2人がなぜ離れなければならないのか分からない。そうした明確なやりとりもないのに、2人の間にはそれが当然であるかのように事が進んでいる。
トレヴァーのジーンを愛するが故に送り出す気持ちはひしひしと伝わってくるが、ジーンからはあまり感じとれなかった。距離は離れても、トレヴァーと別れたくないと思わなかったのか。1巻で見せたトレヴァーへの愛はどこへいったのか。

そもそもそこに恋人に抱く「愛」が存在していたのかも2巻を読み始めてから分からなくなった。ジーンにとってトレヴァーは「神様」だからだ。
学費を出し、旅支度の用意まで全部して送り出したトレヴァーが、パトロンのような存在に見えてしまったのは非常に残念だった。


再開するシーンでも、トレヴァーが手を掴まなければ元の木阿弥。ジーンは何のためにトレヴァーに会いに来たのか。何かしら期待を持って来たのではないか。このときくらいはジーンがトレヴァーを掴んで求めて欲しいと思った。


物語の着地点として最善だったかも知れないが、私の中では最高ではなかった。
しかしながら、多くの読者にこんなにも高評価を受け支持されているのも事実。今後BLの歴史に名を刻む名作と称されていくのだと思う。


気に入ったシーンが1つだけ。
トレヴァーとジーンの最後のベッドシーン。そこで交わされた会話には心から胸を打たれた。

39

プラント

ジーンの視点があれば作品により深みが増した(2人が別れる説得力が増した)と思うんですが、それを描いていなかった事がどうにも腑に落ちず、小冊子の方で少しばかりジーンが思いを吐露していましたが、私の期待した答えではありませんでした。「お互い納得して別れた」、まさにその部分こそが知りたかったのに、サラッと流されてしまいましたね。トレヴァーの想いばかりで、ジーンがいつ納得したのか物語からは全く分かりませんでした。

一緒に住み顔を突き合わせている「恋人」の2人なのに、心と心をぶつけ合いながら会話をしてこなかったのかと、2人の恋人関係そのものが、随分薄いものだなと感じざるを得ませんでした。
別れのシーンがあっても別に良いんです。ただ、その別れ方とプロセスが私の期待するものではなかったということです。


「ラムスプリンガの情景」のように、誰の目にも見ても分かる最高の愛の結末を創り上げた作者さまだからこそ、私はこの2巻は前作を超える素晴らしい結末にしてくれるだろうと思っていました。あとがきの作者さまのトレヴァーとジーンの関係についての言及は、私も首を傾げてしまいましたが、それが作者さまの思い描いていた2人の物語であるならぱ受け入れるしかないですね。

再会後だけでも、トレヴァーのことをずっと想って過ごしていたんだよ。と分かる情熱的な言葉や態度があったら、またこの作品への評価も変わったかも知れません。

blackbird

▶ジーンの視点が圧倒的に足りないと思う。海外の大学への進学がきっかけで、そもそも2人がなぜ離れなければならないのか分からない

このくだり、すごく同感でした。
トレヴァーの手記から進んでいくストーリーなので仕方ないのかもしれませんが、ジーンの視点での描写があまりにないないので、その状態で彼に「お互い納得して終わった関係だと(思っていた)」、どうしたいのか「まだよくわからない」と言われてしまうと、ジーンのトレヴァーに対する想いや愛に対し懐疑的になってしまっても仕方がない気がするんですよね。
私はここを引きずってしまい、未だにモヤモヤを拭えません(1巻がすばらしかっただけに、余計)

ジーンという人を愛し、彼の未来や可能性のために恋人であることよりも、彼を導きその背中を押すことを選び、孤独さえ引き受けたトレヴァーの深い愛情と、離れても忘れ得ないジーンへの想いが、はっきりした形をもって報われてほしかったと思わずにいられませんでした。

二人がどうなるか未だわかりません、というような含みやあとがきによる念押し(?)は必要なかったとも思います。

タイトルに込められた「愛」に涙が止まらない

1巻の発売から約2年。
作中でも彼らの出会いから約2年の時が経ち、1975年から物語が始まります。

1巻では浮世離れした、何処か神聖な印象だったジーン。
ですが、本当は「自分は凡庸な人間ではない」と思い込む、1番人間らしいキャラクターでした。
「他者とは違う」と言う気持ちで地元を出た極々普通の若者で、だからこそ家族を捨て、故郷を捨てた自分の傲慢さをずっと悔やんでいたんですね。
更には愛し合っているにも関わらず、トレヴァーの側を離れようとする自分の身勝手さに罪悪感を覚え、過去の自分と対峙しながら葛藤するジーン。しかし、トレヴァーから全て赦された事で本当の「愛」を知り……

それは、1巻でカレンが話していた「幸せになって欲しいと願うことこそが親愛」「自然な愛」だったのです。
トレヴァーからの相手を想う「愛」を知り、自分を赦す事ができたジーン。ジーンの父親が言う「愛」の意味を実感して、思わず涙が溢れました。

16年間連絡を取っていなかったジーンとトレヴァー。
16年と言えば、ジーンがラムスプリンガに入った歳。
アーミッシュの仕来りに縛られた16年間を取り戻すように、本来の自分を知る為には16年の期間が必要だった。
そして、様々な経験を経て、やっとトレヴァーと同じ目線に立てたのではないでしょうか。
この2人の別れは言わば、ジーンにとっての第二の「ラムスプリンガ」だったように感じました。

その間も、決してトレヴァーを忘れる事は無く……
その証拠に、再会した時のジーンが持っているボロボロのトランクケースがトレヴァーからの贈り物だったり、トレヴァーの横に座ったジーンの手が震えていたりして、この再会も相当の覚悟を持って挑んでいたように思います。

また、ラストでの「おかえり、ジーン」のシーンでは、1巻での仲直りのシーンと対比となっていて胸が熱くなりました。様々な想いが詰まった抱擁を経て、彼らの空白の16年間は埋まったのではないでしょうか。

「親愛なるジーンへ」このタイトルに込められた意味が、読後じんわりと心に広がっています…
それは、トレヴァーからジーンへ。甥のジーンからジーンへ。そして、姪のジーンからジーンへ。
最後はジーンからのDear.で締め括られる。
全て誰かを想う「愛」が詰まったラブレター。
弟のダニー含め全員が救われる、最高のラストでした。

けれど、終わりであって始まりなんですよね。
この2人の物語はきっと現在も続いているんだろうなぁ…
そして、テオとオズの物語も。

彼等の人生が幸多きものでありますように。
そう願わずにはいられない、素晴らしい結末でした。
"友愛・恋愛・家族愛"の様々な愛の形で成り立つ2人の関係に胸が一杯です。

※特典小冊子を含んでの完結だと思います。
 未購入の方は、是非「小冊子付き」の購入がお勧めです

26

名作だった…

名作だった…
ハリウッドで映画化してくれませんか?
ただのBLではなく、LGBTQやアーミッシュ、親権問題などの80年代の時代性をはらんでいて大人の読み物でした

ネマバレ注意
これから読む人は絶対ネタバレ読まないでください!








教会でのシーンとラストで2回涙が…
一度は納得して別れたのに時を経て再会するという情に心打たれ安心しました。多分現在のジーンとトレヴァーの年齢に近い方には自分の過去に重ねてもの凄く心情がわかるのでは?私もそう。

Mrs.ホワイトの「私は別に先人になんてなりたくなかった、より良い時代を享受する側の人間に生まれたかったわ」は2022の今でも通づる。


11

完結するまで待った甲斐がありました

どうしても一気によみたくて完結を待っていました。
1から始まったので3巻以上になるのかな、と思っていましたが、全2巻です。
おかげでやっと、読めました…!

一気に読めてよかったです。
まるで映画をみたかのような漫画です。
過去と現在のシーンの切り替え、思い出と現実の交差。自然な繋がりの展開方法にすばらしすぎてため息が出ます。

この作品を神と言わずしてなんといおう、と思います。素晴らしいです。
説明不足なところがない、でも説明しすぎてもいない。展開、セリフ、モノローグにバックグラウンド。
とにかく読んでほしいと思いました。

スピンオフ元のラムスプリンガの情景を未読でも読めます。
人がなくなったり、物理的に傷つけあったりするわけではないのに涙がでます。
主役二人の心情もですが、彼らを作り上げた周囲と環境の設定も素晴らしいです。

この作品が完結したおかげで読めましたが、続いても…いいのでは…!!
幸せな2人を…みせてくれてもいいのでは…!!
と続きを望むくらいすごいです。

外国の、過去を舞台に、しかも宗教が絡み、これは相当描くの大変だったのではないかなと想像できます。
先生には尊敬と感謝しかないです。
いや〜ほんとにすごかった…
何回読んでも泣いてしまうと思うので、大事に繰り返し読んでいきたいです。


9

ネタバレ注意

2巻読了しました。
1巻を読んだ時にものすごい衝撃を受け、2巻の発売を心待ちにしていました。
バットエンドになるのではと怖かったのですが、とりあえずハッピーエンドで胸を撫で下ろしています。

画力の高さ、物語の構成、演出には感服しました。
ただ、やっぱり私には「16年程連絡を取り合っていなかった」という事実があるので、別れる前の2人の言葉の掛け合いにモヤモヤしてしまうところがあります。
トレヴァーについては、甥のジーンに対して理由を話しているので納得できているのですが、ジーンはどうして連絡しなかったのだろうと悲しくなってしまいました。
ジーンは、愛していた故郷を離れた時も後ろを振り向かず、そして掟を守り、連絡を取ることもしなかったと言う過去があります。
その過去もあり、連絡できなかったのかなとも思うのですが、「お互いに納得して終わった関係だと思っていた」発言があり尚更モヤモヤしてしまいました。
NYに戻った後も、トレヴァーの事を「恋人として好き」と言うわけではないようで…。
ジーンにとって、トレヴァーは、住む環境が変われば関わりを持たなくても良い存在だったのかな…とそればかりが気になってしまい、物語の本質の部分やその他素敵な部分に集中出来ずにいました。

この作品は「恋愛」ではなく「親愛」がテーマなのかもしれませんが、私は2人の「恋愛」が読みたかったです。
わがままかもしれませんが、ジーンからトレヴァーに対する愛をもう少し感じたかったです。

大好きな作品なので、こんな事を書きたくないのですが…悲しさが拭えないので中立の立場を取らせてください…。

36

確かに事件です

他のレビュアーさんでこれは最高すぎてもう事件であるって書いている方がおりましたが、激しく同意します。本当に、最高傑作過ぎてBL界の事件ではないでしょうか。思い出し泣きも止まらないのでもう少し心を落ち着けた後にまたあと3回くらい一巻から二巻をゆっくりと堪能したいのですが、読後すぐの感動を書いておきたいと思います。

かつて若者だったわたしたちと、いま若者である皆さんに、作者様からの本当に優しいメッセージが漫画にのって届けられており、この殺伐としたご時世に、人間の良心と創作力の素晴らしさに、すごく前向きな心になれました。インターネットが普及し、一度の過ちが激しく叩かれてしまう昨今ですが、「若者であることに罪や罰はないよ」、というトレヴァーの赦しのことば、人間はこんなに優しく寛大にもなれるのだと感動し、自分も世界も、もう少し寛容になるべきときがあるのでは、と思いました。

また、愛する人を得て人生が、心が豊かになることの素晴らしさが余すことなく表現されていたと思います。年齢の近いトレヴァーの気持ちになると、愛しているけど、確かにこんなに前途ある若者には、もっともっと羽ばたいてほしいと絶対に思ってしまうかなと思います。また、恋だけではなく少しの野心もあり、成功も手に入れたいという葛藤というのは、男性同士の恋愛ならではという感じもして、愛しているけど相手の成功を願い背中を押したい気持ち、愛しているけどもっと広い世界を見たい気持ちの二人の葛藤というところにすごくBL的萌えも感じました。

また、離婚訴訟のクライアントの彼女のとことで、先人の小さな積み重ねと弛まぬ努力により享受できている当たり前があるというところ、LGBTQの人権、女性の人権というところにつながる話で、恋愛以外でもこんないいメッセージが入っているんだなと感動しました。アメリカはエイズ問題が深刻であった80-90年代を乗り越えて、連帯し戦ってきたゲイコミュニティという土俵があるので、権利がある程度保障されたいまがあるように。自分も女性として、大それたことはできなくても、仕事も私生活も女性だからと諦めることなく小さな努力をして、のちに続く人たちの道に少しでも貢献できるよう頑張ろう、と襟を正す気持ちになりました。

最後が曖昧、と思う方もいるようですが、ちょっと気まずい、どうしようというジーンに、甥っ子ジーンが、トレヴァーのことばを引用して、焦らず、自分の気持ちを大事に、というラストは完璧だったと思います。ゲイとして“先人”であるトレヴァーが、自分の性のアイデンティティに悩む甥っ子ジーンへの素晴らしいことばをかけて、彼の心を救い、彼もまた、トレヴァーからもらったことばでジーンを励ます、という、優しいことばのバトンが次へ次へとつながる描写が秀逸でした。

すいもあまいもあるけど、人生は続いていくんだから、優しさをつむいでいきたいねという人生讃歌として、一生心に残る作品となりました。

※最後に現実的なとことして、自分で考えると22からの15年なんて怒涛であっという間に過ぎた感じがするので、ジーンとトレヴァーも案外心配しなくても15年の空白は(ベッドでいちゃいちゃすれば一発で)埋まるんじゃないかなと、あまり心配せず見てました笑笑

34

長い旅の後には、

ジーンの長い長い自分探しの旅路は、その後トレヴァーと交わる事なく15年、また、アメリカ社会の縮図であり人種のるつぼのニューヨークで今動き出す。

タイトルが『親愛なるジーン』なのは手紙でのやり取りをするからで、表紙のトレヴァーは一巻のジーンと対になるのかと、
トレヴァーの甥っ子のジーンは叔父の心の澱を祓うために密かに動きだす。

トレヴァーとジーンはあれから約15年

甥っ子のジーンは16歳になる年。

そして、見たことの無い同じ名前を持つ叔父に手紙を出すことが最後のラムスプリンガの姪のジーン。

三者三様の自分探しの旅路そして幸せの行く末にたどり着くまでの15年。

ジーンのシッターをしていた子の母親が我が子が15年後に貴方(ジーン)の様に育つのが希望だと、
この物語には、必要な時間が約15年の自分探しの時間だったのだと。
彼らそれぞれのその後が見てみたい。

9

モヤッとする

吾妻先生大好きです。今回の作品も惹き込まれるストーリーに素晴らしい作画で、途中までは胸を熱くしながら読んでいたのですが、終わり方がなんとも。。
セントラル駅での再会のときに再び背を向けて去ろうとしたジーンに対して「成長してないな」と感じてしまいました。この物語は2人の愛の物語というよりは、トレバーさんの寛大な愛withジーンを取り巻く人々の優しさ!という印象です。

21

まるで映画を見てるよう!!

1巻も感動しましたが、2巻はさらに感動して、気づいたら声を出して泣いてました。愛が溢れててほんとに素敵な作品だと思いました。
個人的に今年読んだBL作品で1番です!!特典全部揃えたくなりました!!

9

愛が繋がっていく

読み終えたあとの感情がうまくまとまらなくて、
心臓がバクバクして鳩尾がキュ~っとなったまま。
興奮ばかりが先立ってしまう…、そんな感じです。

普段は長々レビューをかいてしまう方ですが、
上手く言葉に出来ないのでシンプルに。。。

ものすごく琴線にガツンとくる作品でした。
ジーンとトレヴァーが出会えた運命が嬉しかった!!
良かった…!ホント良かったとかし言えない(;///;)

作中のジーン父の言葉なんですが (引用すみません)

『その瞳でこの世界をみておいで』
『そうして愛を身につけたら、
  いつか己も赦してあげなさい』

とあって。

トレヴァーと出会って 愛し愛されて 赦し赦されて、
やっと父の言葉が理解出来たのではないかと沁みました。
(ここは何度読んでも涙が込み上げてくる(;///;)ウウウ)

いつまでも故郷に置き去りになったままの心が、
ジーンの元に戻ってくるような描写がとても良かったです。

『親愛なるジーンへ』で始まって、
『親愛なるジーンへ』で終わる。

ダブルミーニングになっているのもグッときます。
ジーンに宛てた手紙で心地よい余韻を味わいました。
愛情と愛情を結ぶ2人のジーンの存在に救われる…ッ!!


そして小冊子の方でチラッと出てくるテオ。
これは単に私の妄想なんですが……、

2人がNYの街角で再会…という未来があるかもしれない。
その時はダニーとクロエが家族とジーンの話をするように、
ジーンもテオと故郷の話が出来る日があるのではないかと。

そうだったらいいな。
きっと今のジーンなら楽しい思い出も話せるはず。
家族への懺悔でも後悔でもなく、愛を語れるはず。
同郷のテオだからこそ共有できる感情もきっとあると思う。

そんな優しい時間をテオと過ごせたらいいなと妄想し、
自分勝手なただの妄想だけで泣きました←

この素敵な作品が、
時代関係なく長く読まれ続けますようにと願ってます。

(あとがきを見る限り、もっと見たいと言うのは酷かな?)
(描きたいものは描ききった!というのが強く伝わるよ…)
(欲を言えばジーンとトレヴァーの現在をもう少し見たかった…ゴニョゴニョ)


~ ン年後に作品チェックをしている未来の方へ~
発売年だけで判断しては勿体ないですよ!
難しく重いイメージがあったら払拭して……!!
エロ描写も美味しいし、コミカルな部分もあって、
温かい余韻が味わえる作品ですので是非ッヾ(*´∀`*)ノ

27

みんな普遍的に愛されている

こんなにも温かい愛に溢れ愛を噛み締める作品はないです。

叔父のトレヴァーがジーンとの最大の恋を綴った手記をトレヴァーの甥っ子ジーンが夏休みの滞在時に偶然に手にして読むところから始まる物語。

ジーンはトレヴァーを僕の神様というけど、トレヴァーにとってもジーンは心救ってくれた愛しい人。
それが第1巻の冒頭に書かれてあって。
2人が過ごした時間は限られたものだったけど、得がたい経験をしたことには変わりがなくて。

トレヴァーとジーンの立役者でもある甥っ子ジーンもこの手記を通じて少し自分と向き合うことができたと思うし、姪っ子のジーン、ダニー、ライアン、そしてトレヴァーも、みんな普遍的に愛される存在なんだとこの作品は言ってる気がします。

引き止めることもできたけど、人を送り出すことって愛がないとできないよ。
手紙やポストカード、お花を送ることも愛情表現の一つですよね。
ジーンが自分で選んできた道と言えるのは、それなりの自信がなきゃ言えないことだし、それを支えくれる人たちがいる証拠の言葉だとも思いました。

愛情の連鎖、そういう大切な人との繋がりを表した作品でした。
2人のeternal loveを祝福したいです!

最愛の人と踊るプロムのダンス。
そのシーンがグッズになってます!買いですね!

特装版はまた読んでからレビューします!






15

待った甲斐がありました。

これはblだけど、恋愛作品の枠に留まらない作品です。好きな人との出会い、生きる事の難しさ、赦し、別れ、信頼、成長、キャラクターを通して人生においてとても大切なものに巡り合ったと感動しました。blにおいて好きな人とずっと一緒も夢の世界も素敵ですが、この作品ではお互いが成長する為に別れもあります。成長した甥のジーンがかつての恋人のジーンとの再会を演出してくれます。トレヴァーにとって大切な二人のジーンとの出会いが宝物の様に輝いて褪せる事ない素敵な物語です。

14

読み返すほどストーリーの素晴らしさが増す

表紙が本当に素敵ですね。内容も本当に素敵な作品でした。漂う雰囲気が好き。絵が好きキャラ好き、全部好き。

1巻とトータルして神評価にしました。
最初読んだとき、よく分からないところが色々あって(私の理解力が乏しいのかも 汗)、それで何度も読み返しました。うう〜…読み返す度にすごく胸に沁みてきます。時間差でジワジワきちゃって思い出し泣きしてしまう。涙の止め方を教えて下さい…。


ジーンの学びたい欲求を、悲しみながらも応援し送り出すトレヴァーの愛の深さに涙してしまいました。教会の前で涙するトレヴァー…私の涙腺も大崩壊です。
ジーンが海外への進学をすんなり決めていたのが意外でした。だってジーンもトレヴァーのことを愛していたのにどうして?と。
ジーン視点も読みたいです。

ジーンが海外の学校へ行ってから一切の連絡をとっていなかった2人。トレヴァーは、ジーンの未来を考えて連絡をとっていませんでした。ジーンの方は多分連絡をとりたくても出来なかったし、恋人関係を続けたくても続けられなかったんじゃないかな…と。かつて自分が故郷を去り、家族との永遠の別れを決意したように。

ジーンの方からは何もアクション起こせなくて、2人が長い間離れていたんだなと思うと切なくて悲しい時間でした。でも心の中では想い合っていたことは間違いなくて、それが長年の時を経て再会に繋がったと思うと色んな意味でドラマチックでした。

2人の再会のシーンはめちゃくちゃ最高なので、これはぜひ読んで欲しいです。
帰る家が欲しかった、愛する人の元へ戻れる場所をずっと求めていたジーンにとって素敵な結末でした。

「親愛なるジーン」
故郷を離れても、ジーンの弟家族はジーンのことを想っています。帰る場所ではないかも知れないけど、ジーンのことを想っている人はたくさんいます。


周りの人たちがとても良い人ばかりで嫌な人がいないのが良い!読後感良しでした。
あと、ベッドシーンですね…身体の柔らかい線と肉感がとても官能的でした。
この作品はキャラの魅力やストーリー展開、紡がれるハイセンスな言葉、心理描写、交錯するそれぞれの思い…どれをとっても素晴らしいものでした。私はこのベッドシーンですら、この作品の価値を高める要素の一つだと思っています。それほどに美しく、もっと見たかったです。


(2022.9.18追記)
2巻表紙。トレヴァーの照れた笑顔とたくさんの花々。
トレヴァーはジーンには観葉植物をプレゼントしていました。ジーンと離れることになり、観葉植物にしておいて良かったと言っていたのは、観葉植物はそこまで手間をかけずとも枯れにくいからです。
こんなにたくさんの花を育てるようになったのは、花の世話をするであろうジーンとこれからずっと一緒に過ごしていけるということ。それが表紙から分かるようになっていたんですね。だからトレヴァーは笑顔なんだと。

この裏付けとなる絵が電子限定漫画にありました。ジーンを迎えたトレヴァーの姿が、表紙のトレヴァーと一緒!服もミニバラの鉢も、それに添えていたメッセージカード「Dear Gene」の文字も。表紙のくすぐったい笑顔のトレヴァーは、きっと「おかえり、ジーン」と言って迎えたことだと思います。

それに気づいたら、すごく背中がゾワゾワしてしまいました。我妻先生のそっと散りばめたメッセージが最高です。
そして私はまた涙が出てしまいました…

14

最高傑作としか言いようがない

これはBLでありながらかつて青年であった自分、そして大人になった自分へのご褒美のような物語だと思いました。涙が止まらない。こんなに人生で泣いたことあるか?と言うくらい号泣している、途中泣きすぎて読み進められなかったし、で今も感想書きながら泣いてる。感動的な話だけど全然泣かせようって描き方をしてない、けど泣く。陳腐な言い方だけど人を愛することがどういうことなのか、人間が成長することがどういうことなのかが鮮やかに美しく描かれていて見事としか言いようがない。ジーンがトレヴァーに色んなものを与えられて自分も努力して新しい道を歩んでいても、自分の選んだ道を後悔しているのがリアルで、田舎から都会に出てきて頑張っている人にはもう涙なしでは読めないと思う。恋愛を超えた色んな人と人との間にある愛が本当に美しく描かれていて人類全員に読んでほしい。感動作なのにユーモアもあり、ちゃんと作者の熱を冷ましてから洗練された漫画として届けてくれている、画力も合わせてすごい作家さんだと思います。1巻もラムスプリンガも見事すぎたけどこの2巻はもはや事件としか言いようがありません。吾妻香夜先生凄すぎる、ありがとうございました。

20

文句なしの神作品

最高過ぎて、読後しばし放心しました。
めちゃ良かった…。

続きものなので1巻未読だと理解できません。1巻未読の方はそちらから是非。
ということでレビューを。1巻のネタバレも含めてのレビューになります。ご注意ください。



16歳のジーンは、NYに住む苦手な叔父さん・トレヴァーのもとに夏休みを利用して訪れた。そこで彼は、トレヴァー叔父さんの日記を見つけてしまう。そこにはいつも仏頂面で何を考えているの変わらないトレヴァー叔父さんの姿ではなく、自身と同じ名を持つ「ジーン」という青年との愛おしい生活を生きる「トレヴァー」という男の心の機微が描かれていて…。

というストーリーの今作品。

1巻で、トレヴァー叔父さんの日記でしか登場しないトレヴァーの恋人(だった)方のジーンが、「現在」、どうなっているのかー。

トレヴァーの甥っ子のジーンが読む、トレヴァーの日記、を介して過去へと誘うというストーリー展開で、一歩間違えると「これ誰?」「時系列はいつの話?」になってしまう描き方だと思われますが、表情とか(しわとか肌の艶っぽさとか)あるいは髪型で「いつ・誰のことを」描いているのか端的に読ませる吾妻さんの手腕に脱帽。

そして、随所に盛り込まれる吾妻さんらしいコミカルさが良いスパイスになっていて、シリアス過ぎず、切なすぎず、でもコミカル過ぎない展開になっているところも素晴らしい。

2巻は、トレヴァーの元フィアンセのカレンが登場するシーンからスタート。
カレンさんは1巻も非常に素敵な女性として描かれていますが、2巻も相変わらず素敵です。

そして肝心のトレヴァーとジーンの過去のお話は、というと。

トレヴァーに勧められ大学に通いだしたジーン。
今まで、故郷にいたときには知り得もしなかったことを知り、そして経験していく。その中で、彼は自身がこれからどう生きていくのかを模索するが―。

ジーンを愛し、大切に想うからこそジーンの枷になりたくないと思うトレヴァー。
トレヴァーに思慕と尊敬、そして愛情を抱いているからこそ、彼の傍にいたいと願うジーン。

ジーンの「これから」を思えば、どうするべきなのかを知っている二人が選んだ道は。

今作品は、王道と言えるストーリー展開でしょう。
が、それを、甥っ子・ジーンの目を通して描かれていて、だからこそ唯一無二のストーリーに仕上がっています。甥っ子・ジーンもまた、自身のこれからを模索している少年。自身と重ね合わせて、そしてトレヴァー叔父さんと彼の恋人のジーンとの恋の行方を心配し応援する気持ちにも嘘偽りはなく。

登場人物たち全員が優しく温かく、トレヴァー×ジーンの恋の行方に萌えそしてヤキモキし、甥っ子・ジーンの素直さとか可愛さにほっこりし、彼らの家族の愛情と絆に温かな気持ちになり、もう読んでいて感情がしっちゃかめっちゃかになりました。でも、それが心地よい。

トレヴァーとジーンのその後、について、どうなったのかぜひとも読んで確認していただきたいと思いますが、もう、もう…!って感じです、はい。

「ラムスプリンガの情景」、「親愛なるジーンへ」に続く「親愛なるジーンへ 2」の3部作。「アーミッシュ」という特殊な(というとちょっと違うか?でもこうしか書けなかった)バックボーンを背景に紡がれてはいきますが、でも、自身の生き方、未来、そしてともに歩いていく人。そういうものを決めていくときの難しさや葛藤、閉塞感は、おそらく誰もが持っているものだと思います。そんな難しい心情を、アーミッシュという存在と重ね合わせて上手に描き切った秀作。

今作品には「ジーン」という名の登場人物が数人登場しています。
それぞれの「ジーン」が、彼ら自身で苦しみながら、模索しながらつかみ取った未来を、どうか大切に生きていって欲しいと思います。

そして、表紙。
これがまた良い…!
読後、しみじみと拝見しました。
トレヴァーの笑顔に、すべてが昇華した感があります。

完結してしまったのが残念ではあるのですが、こんなに素晴らしい作品を読ませていただけたことに感謝。
文句なしの神作品です。

15

うーん

続編をとっっっても楽しみにしていた作品
そのぶん、なんだかすっきりしない終わり方だなと思ってしまいました
作者さんの後書きにこれからの云々がありましたが、もう少しBがLするエンドが欲しかったと言う個人的な感想が大きいです

瞬間的にグッと来る場面は多いです
でも散らばっている印象の方が強い

期待値が高すぎたのか、少し拍子抜けの印象を受けてしまいました
先生の次作に期待します
(ラムスプリンガの情景の彼らもちらっとでてきますようれしい!)

18

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