• 電子書籍【PR】
  • 紙書籍【PR】

表題作FLESH&BLOOD 25

ジェフリー・ロックフォード
26歳、イングランド海賊船の船長
カイト(東郷海斗)
18歳、現代からタイムスリップしてきた高校生

その他の収録作品

  • あとがき

あらすじ

イングランドの大砲では、アルマダに致命傷を与えられない。戦果を挙げなければ、ジェフリーの恩赦も願えない──。歴史に残る「ポートランド岬沖の戦い」を不毛に終え、焦りを募らせる海斗(かいと)。なんとしてもスペインのワイト島上陸を阻止し、手柄を立てなければ…!! 歴史の「差異」に怯えながら、海斗はワイト島での焦土作戦を計画するが!? 食料も弾薬も尽きかけ、膠着状態が続く海戦第三夜!!

作品情報

作品名
FLESH&BLOOD 25
著者
松岡なつき 
イラスト
 
媒体
小説
出版社
徳間書店
レーベル
キャラ文庫
シリーズ
FLESH&BLOOD
発売日
電子発売日
ISBN
9784199011696

ちるちる評価ランキング

53

4.7

(14)

(12)

萌々

(1)

(1)

中立

(0)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
2
得点
67
評価数
14
平均
4.7 / 5
神率
85.7%

レビュー投稿数2

おかえりなさい!

ショートストーリーを追ってはいたけれど、いざキャラ文庫の刊行予定表に「FLESH&BLOOD(25)」の文字を見つけてからというもの、こんなにもうれしいことがあるだなんて!と、いてもたってもいられない気持ちでいっぱいになりました。

松岡先生、おかえりなさい!
この10年間、何度も読み返しながら我らがキャプテンの帰還をずっとお待ちしておりました。
本編のカイトたちに再び会えるのはもちろん、松岡先生が紡ぐ物語の続きが読めることが1番の喜びです。
あとがきの「セール・ホー!」の一言が本当にうれしくてたまりません。大好きです。

新刊を読むからには全巻読み返してから読むぞ…!と、数日をかけてどっぷりとFLESH&BLOODの世界に浸り、いざ25巻へ。
物語は辛く厳しい戦いの渦中だというのに、見知った面々が登場するたびに懐かしさを覚え、読める幸せを噛み締めてしまった自分がいます。
本編刊行が10年空いていたとは思えないほど自然に、24巻の先を生きる彼らがそこにはいました。

イングランド側、スペイン側ともに緊迫した状況がひしひしと伝わる25巻でした。
アルマダの海戦に入ってからの物語の進み具合は、今までの荒波のような流れと比べればゆっくりめだと思うのです。
ですが、その分キャラクター1人1人の心情が本当に丁寧に描かれていて惹き込まれるんですね。
彼らの苦悩、想い、深い心の繋がり、生きざまをじっくりと追いかけられるかと思います。
ジェフリーと海斗の関係性に関しては言わずもがな。
すっかりグローリア号に馴染んだキットを交え、協力し合いながら最良の方法を考え、実行する仲間たちの姿は読み応えたっぷりです。

そして、作中で特に印象的だったのは、形は違えどお互いに相手のことを想う海斗とビセンテの心情でした。
全てを知っているからこその海斗の苦悩と成長、海斗の生死を未だ知らずにいるビセンテ。
イングランド側はもちろん、スペイン側のことも好きになってしまっているものですから、難しいとはわかっていてもどうにかどちら側も無事でいてほしいと願うばかりです。
魅力的がゆえに、どちらを、誰を応援したらいいのかがわからない。
それがこの作品の1番悩ましいところかもしれませんね。

ジェフリーと海斗の命運を握ると言っても過言ではない、蠍の心臓作戦はどうなるのか?
海斗が考えるように歴史の差異があるのだとすれば、今後作中でどう影響を及ぼすのか?
まだまだ気になることだらけな海戦の行方を引き続き追いかけたいです。
大満足の1冊でした!

0

10年ぶりの本編続刊。敵のワイト島上陸を阻止すべく、天下分け目の戦いが始まる

待ちに待っていた、この25巻…!
松岡なつき先生、本当に本当にありがとうございます。
どうか、無理はなさらず、お身体お大事になさいますよう…!


24巻発売から10年(その間に番外編は出版されていますが)、
リアタイしていた方々にとっては本当に歓喜の瞬間ですよね…

1・2巻をKindle unlimitedで読みすっかりハマり、
全巻揃えてしまいました。
現在、電子書店で1〜10巻まで50%OFFになっているようです。(7/3まで)

25巻もあるなんて…と躊躇されるかもしれませんが、
読み始めたら止まらなくなる15世紀イングランドの海賊船物語、
ぜひこれを機に色々な方に手に取っていただけたら…!

さてさて、アルマダ海戦の戦いの火蓋が切って落とされた、25巻。
紙の御本で312P、駆け抜けました。胸いっぱいです。
開戦中ですから、ジェフリー×海斗の濡れ場なんかは当然なし。

けれど、彼らが交わす会話や視線、読み取れる表情、
ジェフリーの不意打ちの軽いキス…
それら全てに心が沸き立ちました。萌えました。

補給がなく、食糧も弾薬も尽きかけピンチに陥っている
スペインの無敵艦隊。

食糧と弾薬を奪うため、イングランドのワイト島上陸を
目指しています。

それを迎え撃つイングランド勢。
ここが天下分け目の戦いだと覚悟を決め、ワイト島死守のため、
島民を巻き込み”決死の作戦”を決行することとしー


決行しようとしていた奇襲作戦・火船計画が
突然の凪により中止を余儀なくされ、
大自然・天候の前には人間の力は無力だ…と思い知らされる海斗たち。

過去を知る海斗の知識や各々の知恵を生かし、
なんとか史実とは違った風を起こそうと動くも、
歴史の”修正”が入り皮肉にも史実どおりの展開・結末に近づいていくー

「人が神に縋りたくなる時とは、こんな時なのかもしれない」と
心の底から理解できた…という海斗の独白が、切なく沁みます。

特に自分はビセンテ推しでもあるので、
敗戦を分かっていても軍人として逃げることは許されず、
大ピンチの中からなんとか活路を見出そうとするビセンテを思うと
やるせなくて…( ; ; )

海斗が生きていることを、いまだ知らないビセンテが抱える傷もまた、
切なさを加速させます。

レオとアロンソ・デ・レイバ殿。
ビセンテはもちろん、もーーーこの二人にも何があっても絶っっっ対に
生き残ってほしいのです、、

ワイト島を”焦土化”させる(ように見せかける)作戦により
スペイン艦隊が退却を決断したとしても、
イングランドはそれをみすみす見逃すようなことはしない。

逃げる敵の尻を追いかけ、喰らいつき、とどめをさす。

とはいえ物語的にそう簡単に「やられました」で
終わることはないはず(信じてます…!涙)なので、
ここから彼らの運命がどう展開してゆくのか、
固唾を飲んで見守っていく所存です。

それにしても海斗、本当に見違えるように
内面が成長しましたよね..

いや、環境から”成長せざるを得なかった”ということ
なんだろうけれども。。
月並みだけど、感無量、としか言葉が出てきません。

海斗の内心の葛藤に気付きつつ、
さりげなく気遣い心を軽くしてくれるジェフリー。
最高のメイトで最高の恋人です✨

誰よりも強いプレッシャーを感じているはずの船長だけれど、
決して、水夫達を不安に陥らせるような言動はしない。
しなやかで飄々としていて、誰よりも強いジェフリーの
力強さを再度実感する巻でもありました。

運命の海流に押し流されるまま
”祈るしかない”と悟る海斗のように、
自分もビセンテやアロンソ、レオの無事を祈りながら
(スペイン寄り...)次巻・26巻を心して待ちたいと思います。

セール・ホー!

あっ。今年秋頃に番外編が出版予定とのこと、
そちらは可愛いお話が多いとのことで
今から本当に本当に楽しみです!・:*+.

9

この作品が収納されている本棚

ちるちる評価ランキング(小説)一覧を見る>>

PAGE TOP