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表題作右手にメス、左手に花束

江南耕介,18歳~,消化器外科医
永福篤臣,18歳~,法医学教室助手

その他の収録作品

  • あとがき

あらすじ

法医学教室助手の篤臣と、外科医の江南―そんな二人の出会いは9年前に遡る。K医科大学の入学式で、たまたま出席番号が隣り合わせだった二人は、その後の実験や実習もいつでも一緒で、なんとなく気も合って…。誰もが認めるイイ男で頼りがいのある江南に、篤臣は何かとじゃれつくのだったが、江南の心に秘めた思いにはまるで気づかず…それがとんでもない事態を引き起こすことに…。

作品情報

作品名
右手にメス、左手に花束
著者
椹野道流 
イラスト
加地佳鹿 
媒体
小説
出版社
二見書房
レーベル
シャレード文庫
シリーズ
右手にメス、左手に花束
発売日
ISBN
9784576006598
3.7

(28)

(14)

萌々

(2)

(4)

中立

(6)

趣味じゃない

(2)

レビュー数
9
得点
96
評価数
28
平均
3.7 / 5
神率
50%

レビュー投稿数9

実存モデルの要望で生まれた作品 萌え萌え 面白かった  

挿画担当:加地佳鹿
法医学の医師でもあるフシノ先生、「才女が書くBL」って知的で堅苦しそう・・と勝手に敬遠して今頃読んだけど・・面白かった
・・なぜなら【この小説は「実存モデル」が居て、「御当人の強い要望」で誕生】したものと知ると、俄然興味が湧いて猛読。

最初のこの巻と最新刊。「ときにはひとりで、やっぱりふたりで~メス花歳時記~」の二冊を、面白かったら全部揃えようとテスト読みのつもりで購入。
2010年発刊だけど小物以外は古臭くない。文章や構成が巧くて世界観に引き込まれる。最初にあとがきを読んで、衝撃。

「 最後の晩ごはん」のシリーズは、供養飯がテーマ。
メスハナシリーズは、生きている二人の恋愛もの、知的な美男二人の軽妙なやりとりと思い合う気持ちのすれ違いが凄く面白い。

姐さんがたが云う強姦?は・・今様BLを読んでいると、さほどではない、惚れた者の寄り切り勝ち。

・・と どこが面白いのか書いただけで、300文字。
ツボに嵌ったので、二人の今後を順を追って読みます。


●私立医大:国立の滑り止め・あまり学生の事を考えていない学校:
入学後の9年間のドラマ。学生時代・研修医・温泉で強姦?、絶縁・HIV疑惑・復縁まで。
季節の美味しいものが沢山出てくるので、空き腹時に読むと空腹感が増す。

江南耕介:19才 主席入学。海外旅行の資金稼ぎの為に医者志望。
初期ホンダシティが愛車 高校で水泳部。
身長180cm、細身筋肉質の美男 ニヒルな斜め視点の世界観を持つモテ男 
消化器系、外科専攻するが、法医学へ研究に出向。

永福篤臣:18才 父は内科医。獣医志望だったけど、本命の農学部不合格、医大に合格。中性的な無自覚美男。料理上手。
中学でバトミントン、高校で放送部。大学でバトミントン部。
法医学を専攻。



1

難しい判断

萌か?というのは随分悩みました。
シリーズが続いていることもあり、神にしましたが、この巻は正直読み手を選ぶというか、やはり無理矢理やっちゃうというのは受け入れがたいシーンでもあるかなと思います。

ファンタジー、BLだと、無理やりとはいえ、実は…とかプレイとして、とかそういう匂わせでの上でっていうルールみたいなものがあると思うんですが、これは全くフォローがありません。
マジに。

それだけに、その後の江南にHIV感染の恐れがあるにも関わらず、篤臣から関係を迫るところに意味が出てくるのかも知れないなと思いました。
そしてその後の物語にも、このきっかけは影を落とすんですが、、、

ただ、このために篤臣の覚悟が出来上がっていくのです。こういうのが受け入れられた時代というのか、今だと多分出版社NGなのではないかと。

今でも続いている二人、これから先を読み進めるのが楽しみです。幸せになって欲しい。

0

親友でライバルで恋人の二人の出発点

本シリーズは12巻の「離れていても、隣にいても」で初めて知りました。
江南と篤臣の関係にとても惹かれました。恋人でも甘えるだけでなく、相手のために厳しいことも言い、それぞれ外科医と法医学助手として腕を磨く。そんな二人の馴れ初めを知りたくなり、1巻を読んでみました。

医大生時代から八年間も親友だった二人。
気が強くてなんでも器用にこなす江南が本当は寂しがり屋で誰よりも努力家なことを唯一理解してくれたのが篤臣でした。一緒にいて安らげる篤臣をきっと自然に好きになっていったのでしょうね。
篤臣にとっても江南はかけがえのない親友でした。父親に褒められたくて医学部に入った後ろめたさを払しょくしてくれたのも、患者さんが亡くなった悲しみで押しつぶされそうなときに支えてくれたのも江南でした。

同性の親友への片思いは、難しくて切ないなあと思いました。
思い余った江南が篤臣を強姦してしまう場面は心が痛かったです。篤臣も傷つき苦しみましたが、何年も想いを秘めた挙句に篤臣を傷つけた江南も苦しかったと思います。

江南を許すと決めた篤臣の言葉が胸に響きました。「過ちは誰だって犯す。そのスケールに大小があるだけで」。許すことは簡単なことではないけれど、人は許し合って生きているのだろうと思います。自分を振り返ってみても、そう思います。
この「許し合う」ことが、二人の出発点なのだと思いました。許し合えると分かっているから、相手のために厳しいことも言えるし、深く心を通い合わせて関係を深めていくことができるのでしょう。12巻で読んだ、親友でライバルで恋人の二人の関係に深く納得しました。

エイズ感染の恐れに崩れそうな江南を篤臣が支え、体を重ね、晴れて恋人になった二人。とても眩しかったです。

作品が書かれたのが2000年。江南のきざっぷりや篤臣の熱いセリフに時代を感じる部分もありますが、それが気にならないくらい熱い想いが伝わってきます。
自分の学生時代と重なる雰囲気も懐かしく、胸がいっぱいになりました。

4

モデルがいるとは!

初版が2000年ということで13年前の作品と読んだ後に確認しましたが
読んでいて違和感は感じませんので、古い作品だからと躊躇されることはないと
思います。ただ、イラストは古い感じがありますが私は嫌いじゃない系統でした。

内容としては、皆さんもかかれていますが強姦・・・。
ここまでの強姦は初めて読んだかもしれません。
受の篤臣は嘔吐してしまいますし・・・。
行為自体は許されることではないのは重々承知なのですが、
結局のところ良いように収まることを予想しているので
これをどう収める?という方に頭がいって私は嫌悪感は引きずらずに
読むことができ、更に最後に来ての江南のHIV感染疑いの衝撃!
そこは受け視点で書かれているため重すぎずに済んでいるのかなと思いました。

評価に悩みましたが、あとがきで作者様の友人の外科医カプがいる!!とのことで
一気に萌が増えました。(注:真実とはかなり違うとのことです)

5

ビックリの強姦場面!

医者ものです。
と言っても、医療場面はそれほど出て来ないし、同級生ものという感じかなー。

K医大の入学式の日、永福篤臣は出席番号が隣の江南と印象的な出会いをする。
関西で男らしい恵まれた容姿の江南と、
親友として学生生活を過ごした二人は、それぞれ法医学教室と消化器外科に進み
一時期は互いの忙しさに疎遠になるが、
2年後江南は研究の為に法医学教室に出入りするようになる。

再び共に過ごす時間が増えた二人。
主催するカンファレンスで箱根に行った際、終了後の宴会で酔った篤臣は江南に襲われ…

はい。強姦です。
強姦ものは世に結構あると思うのですが、
うわー、篤臣吐いちゃったよ~って感じで、なかなかビックリなシーンでした。
いや、それほど想いを殺してきたんだろうというのは重々分かるんですが、
そんな親友でもあり愛する相手が嘔吐までしているのに、犯し続けられるものかいな?
医者だから、吐瀉物とか血とかには慣れっこってことなんだろうか~?

当然絶縁状態になった二人だが、長い間かけがえのない親友だっただけに葛藤も深い。
その後ある事件があり、篤臣は江南を受け入れることになるのだが、
個人的には、その経緯の中で先輩医師の美卯さん(♀)が励ますところで、ぐっときた。
(はい、私はBLに女が出て来るのに賛成派ですのでw)
美卯さんの言動がすごく良かったというよりも、
なんだかそこで、一瞬篤臣の気持ちにシンクロしたみたいな感じで。

江南の関西弁は良かったし、キャラも全体像としては嫌いじゃない。
テンポがよく読み易く、細かいエピソードなども悪くない。
シリーズになっていくのが分かる面白さだとは思いましたが、
うーん、あの強姦はやはり頂けないんじゃないでしょうか。
嫌悪感とかいうより、はあぁ?大丈夫か?と呆れて
どうしちゃったの?江南っ!と正気に返らせてやりたい感じでした。

評価は迷いましたが、差し引きで「萌」にしときます。

4

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