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ほのぼの楽しい1巻から一転!
茨木さんの秘密主義が原因で揉める揉める。
楢崎先生も巻き込んでのドタバタとシリアス具合にグッときました。
茨木さんがカッコ悪いところを見せたくないって気持ちも分かるけど、
それじゃあ恋人じゃないって京橋くんの気持ちの方が分かる!!
全然通じなく、辛辣な雰囲気にヒヤヒヤしたけど
ここでも活躍してくれるのが楢崎先生とまんじくん!!!
茨木さんと楢崎先生が陰湿に張り合ってるのも楽しくて!
楢崎先生がいてくれて本当に良かったです……
茨木さんがもう隠し事はしません、やりたいことします、と
優しく(?)S気を見せてくるのもたまりませんでした!!
文体軽やか情緒も写実感もあってするする入ってくる食事風景が楽しい作品でした。
シリーズ続編です。
恋人同士となった二人は穏やかで甘~い時間を過ごしますが、茨木の父が亡くなったのをきっかけに、それまで京橋が漠然とは感じつつも表面には出さなかった二人の考え方の違いが明らかに。
“愛し方”の根本的な違いは、二人の間に平行線の溝を築いてしまいます。
好きな人にはいいところを見て欲しい、見せたいという気持ちは理解できるし、反対に、弱った時は頼って欲しい、どんな姿でも自分が支えてあげたいという気持ちもまた理解できますね。
しかし、住んでる家を教えない恋人というのは私的にはありえないー。
楢崎じゃないけど「遊びのつもり」だとやっぱり思っちゃいますよ。もしかして妻子を隠してるんでは?とか勘ぐっちゃうね(笑)
そういう意味で、茨木はちょっと程度が過ぎてるかな~と個人的には思った。
この「好きな人に守られるだけじゃなくて、自分も好きな人を守りたい」というのは、最近読み倒し中の「奇談シリーズ」でも扱われていたテーマだったので、それが椹野さんの「恋人」のイメージなのかな。
台詞のやりとり、言葉の選び方にも似通った感じがあって、ああ、やっぱり椹野さんだと妙なところに感心した(笑)
手料理お食事シーンが出てくるのも椹野さんらしい。
このあと、楢崎先輩とまさかの万次郎君のお話も予定されているそうなので楽しみです!
脇に周る茨木さんと京橋君の活躍にも期待が募りますねー。
前作の続きで、K医科大学付属病院の耳鼻咽喉科の医師・京橋珪一郎と病院の売店店長代理の茨木畔とのラブストーリーです。
京橋先生はアメリカ留学時に、世話になった楢崎千里先輩から「チロ」という愛称で呼ばれて可愛がられています。
対する茨木さんは名前を「クロ」と読み、チロとクロでなんとなく可愛いです。
前作では、茨木さんの告白によってめでたく相思相愛が判明し、恋人として仲良しになった二人ですが、今回は、大きな問題にぶつかってしまいます。
それは茨木さんの秘密主義。
もっぱら会うのは病院と京橋先生の自宅のマンションだけ。
茨木さんは別に自分のマンションがあるのですが、その場所すら京橋先生に教えようとはしないのです。
余命がない父を看取るために、仕事をやめて父の入院する病院に勤め始めた茨木さん。
そのことも京橋先生が問い詰めたから判明したのであって、茨木さん自らが教えてくれたことではありませんでした。
今回、ストーリー中茨木さんの父が亡くなりますが、その葬儀の段取りなどはまったく教えてもらえず、いきなり次の日から売店が休みになってしまいます。
実際には、茨木さんは父の散骨のために、荼毘にふしたあとインドに行っていたのですが、そんなこと、一言も教えてもらえない京橋先生は「自分が捨てられたんだ」と思ってしまいます。
そりゃ、そうですよね。
大事な恋人だったら、詳しく連絡をして、自分はインドに行っているから心配しないで欲しいとぐらいは言ってもいいと思います。
で、そのとき何も連絡しなかった茨木さんの言い訳は「自分の負の部分は恋人に見せたくない」と、こうですよ!
これ、絶対だめですよね!
自分の負の部分も出してこそ、ありのままの自分を認めてもらってこその、恋人だと思うんですけれど。
一応、楢崎先輩と間坂のおせっかいもあって、二人はよりを戻すことができるのですが、この二人がいなかったらどうするつもりだったんだと、その辺を茨木さんにぜひ聞いてみたかったです。
茨木さんの代理店長は、急場のアルバイトだという設定で、京橋先生との所属する世界の違いも魅力だったのですが、最後の最後で、彼も医療関係者だということがわかり「あれっ」という気持ちでした。
よりは戻ったものの最後の最後まで、プライドが高くて、やっぱり自分のことは教えてくれない茨木さんが、プライドをかなぐり捨てるシーンもぜひ読みたかったです。(←鬼畜)
京橋先生の負担が大きく、京橋先生の性格が前向きだから、この恋人関係は成り立っている気がします。
2と番号がふってあるだけに、できあがった2人の話。
ボーイズラブ小説にありがちな、当て馬が出てきて2人のあいだをひっくり返すなんて話じゃなくて、2人の性格の違いによるいざこざ話にし上がっていてオモシロイ。
父親の最期を看取りたいというために、病院売店店長代理の仕事についている茨木と、うまくいっている京橋。
が、ここにきてその茨木の父親が亡くなってから、話が大きく動く。
好きだから、恋人が弱っている時には側にいたいという京橋とダメージを受けている姿を見せたくないという茨木の、考えかたの違いが表面化。それ以外にも、恋愛にたいする考えかたが大きく違うことがわかって大喧嘩してしまうのだ。
(萌え属性で「トラウマ・障害」にチェックを入れたのは、この障害という意味で…)
(考えかたの違いのせいで)相手の言っていることがわからない、なんてすれ違うシーンはせつなくて涙がとまらなかった。
同時収録の話は、2人の友人である定食屋のバイトくん視点。作者曰く、外野から見た2人だそう。
本編が、京橋視点であるため、他の人間から京橋がどんなふうに見えているかがわかってたのしかった。
個人的には、かくしごとをやめた茨木の本性が転げるほど萌え(笑)
2作目、よかったです!
1作目はゆるくって、心地よくって、こういうのんびりとした恋愛もありかな~~と思ったのですが、2作目で衝突があって、すれ違って、仲直りして……ラブへ。
2巻がある時点で、1は挿入までしてないから2ではやるのが目的だろう、なーんて思ってたのですがそれだけじゃなかった! 挿入するには、そこまでの心の動きが必要だったのですね。(挿入、挿入言うなって!)
そして、イラストがやっぱりいいですね~。この方の他の作品は買おうか悩むところですが、草間さかえさんのイラストだと雰囲気がピッタリで、欲しくなりますね。まんじくんと楢崎先生のお話も、買おうかと思います。