愛の夜明けを待て!

ai no yoake wo mate

愛の夜明けを待て!
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神65
  • 萌×214
  • 萌7
  • 中立4
  • しゅみじゃない5

12

レビュー数
21
得点
406
評価数
95
平均
4.4 / 5
神率
68.4%
著者
樋口美沙緒 

作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます

イラスト
街子マドカ 
媒体
小説
出版社
白泉社
レーベル
花丸文庫
シリーズ
愛の巣へ落ちろ!
発売日
電子発売日
ISBN
9784592877493

あらすじ

幼少期から大学時代までを共に過ごした、ハイクラスでキベリタテハの黄辺とオオムラサキの志波。
志波とは、思春期以降、オオムラサキの寝取り寝取られのゲームにまきこまれセフレの関係だった黄辺だったが、志波の結婚を機に、距離を置いてきた。
自分の志波への想いがかなうことはないと思い知ったからだ。
そして、社会人になって5年目。
志波とはずいぶんと会っていなかったある日、黄辺のもとへ離婚した志波が突然あらわれ、家に転がり込んでくる。
拒みたいのに、くすぶったままの志波への想いが邪魔をして……。

表題作愛の夜明けを待て!

志波久史,ハイクラスのオオムラサキ
黄辺高也,ハイクラスのキベリタテハ

同時収録作品夜が明けてから

志波久史
黄辺高也

レビュー投稿数21

無理筋の恋

 ハピエンが基本お約束のBL界隈にも、時たま異形の作品が迷い込んでくることがあります。凪いだ海でいきなり土用波にさらわれるかの如く。久々にそういう一作に出会って、息もつかずに読み終えました。誰も愛せない男と、愛さずには生きてゆけない男。そんな二人をラブストーリーの主役に据えちゃうこと自体がそもそもけしからん。どうあがいたって初めっから無理筋ときまってるようなもんですもん。

 案の定物語は終始、愛さずには生きていけない男・黄辺に圧倒的不利な状況で展開する。3歳で愛せない男・志波と出会ってしまったのが運の尽き。彼のそばで心穏やかに、曲がりなりにも幸せを感じていられたのは二人飽きず夜空を見上げ星を探したごく幼い頃くらいのものだった。そこから先はひどく後味の悪い14の時の初体験に始まり、思春期には怒濤の寝取り寝取られ合戦に否応なく巻き込まれ、20歳の時の志波の結婚で不毛でいびつな関係はいったん完全に終わる。この時の黄辺の身の引き方といったらそりゃもう見事で、志波に対する思いの一切を封印し、家族を得て彼が幸せになるならと自ら痕跡を消す。セフレの鑑のようにふるまいつつ、その実黄辺の心はずっと志波にとらわれたまま。愛さずには生きていけない黄辺だけど、志波しか愛せない。彼に限っては「次いこっ!次」なんてあり得ないのだ。容姿に恵まれ、仕事も人間関係もそつなくこなし、はた目には軽やかに世間を渡っているようでも、ひと皮むけばおそろしく不器用で一途で、プライベートは身持ちの堅い未亡人顔負け。そしてその黄辺の我慢と純情と献身は、志波との6年ぶりの再会で再びあっけなく踏みにじられる羽目になる。

 愛する人には愛されたい。ずっと一緒にいたい。普通の恋人同士ならごく当たり前の願いが、愛せない男相手だと永遠にかなわない。散々悩んで苦しんで、ラストで黄辺がたどり着くのは苦行の果ての解脱というか、一種の悟りの境地。自分にとって一番つらいのは、志波に愛されないことでも志波がそばにいないことでもなく、志波を愛さずにいることだと確信する。それって根本的に問題が解決したわけじゃなく、気の持ちようを変えてみたら楽になったという類いのような気もするけど、当の黄辺の心身が安定し、ようやく志波に振り回されずに自分の人生を歩めるようになったというんだからめでたいんだよね、たぶん。

 巻末の甘さマシマシの後日談は主にここまでの激辛一直線に耐えた読者へのご褒美だったのでしょうか。某日本で一番有名な鬼退治譚の登場人物をまねて「もしも~し、志波さ~ん、いまあなたが踏み込んでいるのは溺愛という名の泥沼ですよ~」って教えてあげたくなりました。

0

愛を知らない攻めと愛にあふれた受けの愛の物語

愛し愛されないことは不幸なのか?
何をもって「愛する」といえるのか?を問いかけられた作品でした。

まじめで一途な高也が、幼いころに出会った孤独でさみしそうな久史に同情から始まって自分が理解してそばにいてあげないとだめになってしまうと尽くした挙句に久史の結婚で別れ6年後の再会で第2幕が開くところから物語が始めります。

クズでゲスちっとも優しくないし愛してもくれない久史なんかをどうして好きになっちゃうかなぁと全く理解できませんでしたが、読んでいくうちに愛を循環させることが幸せだと信じる高也にとって、愛情が空っぽな久史だからこそ愛を注ぎたくなってしまったのではないのかなと思えるようになりました。

愛し愛されることが幸せだと信じるのなら、だれも愛せないだれにも愛されない事が寂しく孤独なことで不幸なことだと思うのは当然のことなのかもしれません。

久史が、誰かのことを大切に思えたり、そばにいて居心地よく思えるけど愛じゃない、成長を喜んだり楽しく思えても愛じゃないとい感情は最後までよくわかりませんでした。
結局久史が愛だと定義づける状態が大幅にずれていておまけに愛について過剰に期待しすぎているように感じました。

これではいつまでたっても久史は『誰かを愛する』は永久にできないと思っていたけれど、その「ずれ」に二人が気付いてお互いの中で歩み寄ったり訂正していくことで納得できる落としどころに持っていくことができそうな予感がしてきました。

きっと二人一緒に一生かかって愛するとは何かを考えながら共に過ごしていくような気がします。

1

この先が知りたい

ムシシリーズ『愛の本能に従え!』のスピンオフ。個人的に本能の2人が好きだったので、同人誌でも今回の2人のお話メインになることが増えてモヤモヤすることもあってようやくメインのお話ができてホッとしたところがあります。
そして、2人の関係性も気になっていたので決着のようなものがついて良かったです。このお話の後の2人の話はもっと供給してほしいと思っています。続かないかな…

きれいなもの巡礼とか、待ってあげられる黄辺さんの諦めなのか愛なのか愛なのか。何を考えているのかわからない相手だと大変だなと思いました。

1

黄辺と志波、二人の夜明け


ムシシリーズ待望の新作は、「愛の本能に従え!」で出てきた二人の話ということで発売前からドキドキしてました。
樋口美沙緒先生の丁寧な心理描写で紡がれる愛の話は読んでいるだけで心に染み渡っていくような感覚があります。
本当に素敵なお話なので、今までムシシリーズを読んだ事が無い方も読んで欲しです。

0

志波のソレはすでにアレなのでは

『愛の本能に従え!』の大和と歩が大好きな一方で、志波と黄辺は正直あんまり萌えないかなーって思ってたんですが、ところがどっこい読み始めたら止まらず一気に読んで今2周目に入ってます。
黄辺の健気さ、愛することが幸せの精神に、見返りを求めまくってる私の打算にまみれた心がノックダウンです。

電子版で読んだんですが、電子限定SS『朝の終わり、日は真南』ってやっぱ電子限定なんですよね!?
紙書籍にも、なんなら本編に入れてほしいくらいの内容なんですけど!
紙書籍購入のみの方にもこの電子限定SS読んで欲しい……
結婚しようかって志波のソレはもう愛なのでは?愛の夜明けぜよ!

続編を激しく希望です。志波に「愛してる」を言わせたい!

5

愛って難しい

虫シリーズが好きで既刊は全て読んでいたため、ワクワクで読み始めました!

虫シリーズを知らない方でも世界観が掴めればこの作品単体でも十分楽しめるかと思います。

今までの作品はハイクラスとロウクラスのお話でしたが、今回はハイクラスの大人同士のお話。

以下ネタバレあり

他の方のレビューにもありますが、お話の前半部分では志波の感情が読み難いです。
世捨て人みたいな空気感があったり、でも黄辺に対する興味や執着はあるような気がしたり。
よくわからなくて好きになれなかった、という方が多いのも理解できます。
しかし個人的には志波の気持ちがよくわかり、まるで自分の分身かのように思いました。

志波の愛することができないという気持ちはすごく共感する部分があります。
大抵の人には優しく出来るし、誰に対しても同じく優しい方が楽。すごくよくわかる。
子供に対して好意以上の感情がわかない、というのもよくわかる。
無償の愛だとか熱を持った愛みたいなものって小さい頃から両親に与えられてこないと、持てるようにならないと私も日々思っていました。

黄辺の愛情深さをその愛が向けられていたからこそよく知っていて、自分には同じ気持ちがない、返せないと思うのもとても共感できました。

多くの人は黄辺の報われなさ、切なさに共感して涙するかもしれませんが、私は志波の考えに共感できて心に刺さりました。
愛を知る人は志波がわからないかもしれませんが私のような人間には深く理解できる部分が多かったです。

自分と近い部分がある志波にとっての愛の夜明けのがきて幸せになってくれたら、同じような愛を持たない人間も幸せになれるかなと思いながら後日談を読んでいました。

志波の気持ちを後半部分で理解してからまた何度でも読み直したくなる作品でした。

8

到達する境地

ムシシリーズ9作目。「愛の本能に従え!」のスピンオフとのことですが、これ単独でも読めると思います。ひたすら耐えて耐えて乗り越えたという印象のお話、本編350P弱+あとがき+番外編。番外編があって良かった。なかったら読み終わった後呆然としたかも。今、メンタルが超低空飛行なので、なかなか読むのがしんどかったため、萌にしました。

初恋の相手、久史が20歳で結婚し、それ以来誰とも恋愛をしてこなかった黄辺。勤め先で、久史の一族が経営する会社の話題が出たその日、マンションの前で久史が待っていて「しばらく置いてくれないか?」と言ってきて・・と続きます。

攻め受け以外の登場人物は
大和(愛の本能に従え!の攻め、二人の幼馴染)、攻めの兄二人、受けの勤務先関係者少々ぐらいかな。

++攻め受けについて

受けは攻めが結婚してからは、どうやって生きてきたかよく覚えていないというぐらい、攻めが好きだった方。表にはまったく出していないつもりだし、追いかけて行っている訳でもないし、そのままだったら、どうやって生きていくつもりだったんだろう?と思いました。号泣するような酷さというのではなく、静かに心の中で涙をこぼしているという印象の方でした。

攻めは、すいません、よく分からん!誰も愛することが出来ないというけど、結局「受けのところに帰って来とるやんけ!!!!!!!」と思うんです。ムシシリーズの中で一番よく分からん攻めさんだった気がします。最後に還ってきてくれたので、安堵はしたものの、惚れる箇所は一ミリも無かったでした(ごめんなさい)。受けがこの攻めを好きなので「しょうがない」とは思いますし、最後の様子を見ていると、二人で穏やかに生きていけそうだなとは思いますし、いいセリフもあって読後感は悪くないのですが、うーん・・・忍耐強く読める方限定でおススメかもです。受けさんはほんと菩薩の境地に至ったのでは。

4

泣いた。

終盤の展開に涙が出てしまったのだけど、悲しくてとか、切なくてとかではなく、その清々しさに涙が出た。

雨雲が過ぎ去り、新緑の若葉が日に照らされた様な清々しさだった。


志波を手に入れるためには、何でも言うことを聞けばいいわけではなく、泣いてすがり付けばいいわけではなく、ひたすらに愛を囁けばいいわけではなかった。

しっかりと自立し、自らの生活を送り、日々を自分なりに楽しみ、自分に誇れるような仕事をする。

ただ、それだけだった。

幼い頃の志波が可愛すぎた。

好きなものはキレイなもの。
蜜蜂の産毛。
キラキラした黄辺の髪の毛。

そんな純粋な幼い志波の心が守られなかった出来事は、何とも辛く痛々しい。

自分の服や不動産、財産さえも重いと言い、自ら軽くしていく様は本当に死に向かっていくのではないかと心配になった。

最後、あとがきの後の話がいい!
本当に最高だった。

感動とか幸せな気分になったとかの感想よりも、清々しいと一番に感じた作品であった。

3

あとがきの後

ムシシリーズの最新作で「愛の本能に従え!」のスピンオフ作品。
樋口先生復帰後の長編作品と言える今作、楽しみにしていました。

ムシシリーズはハイクラスとロウクラスという階級差が背景にあったお話が多かったので、同じハイクラス同士で気になっていた黄辺と志波のお話でした。

とにかく、読んでいる最中はため息の連続で、小休止を挟みながらでないと読めないくらいしんどかった…
志波がわからないんです、黄辺を嫌いじゃないだろうというのはわかるんですが、本当に掴めない。
黄辺はとても優しくて、志波に振り回されてばかりでもうたくさんだ、と思いながらもいつも志波の事を考えていて、愛している。
そんな黄辺を見ているととてもしんどいのですが…

後半の志波の淡々とした告白を聴くと、志波への情がムクムクと湧き上がってきました。
何事もあまり興味を示さず、冷たく見える志波ですが、自分に愛がない、誰も愛せない事を自覚し、自分を愛してくれている黄辺に、返せる愛がないからと自分にできる事を精一杯してから姿を消します。
黄辺からすれば、その告白は最後通告のようなもので、すべてわかってはいたけど辛いものでした。
でも、自分が求めているものや、志波は本当に愛がないのか、自分にしてくれた事、周りへの配慮、そういうものも少なからず愛と言えるのではないかと考えるうちに、志波を愛し続ける事を決意した黄辺。
志波と運命の再会を果たした黄辺は自分の思いを打ち明け、待っている、と告げます。
数年後、志波は黄辺の元へ戻ります。
志波の様子が以前と違うので、焦る黄辺が微笑ましく、これからの幸せを予感させるところで、あとがき。

そこからです。その後です。
これを読むと、しんどかった事が昇華されます。
これが本来の志波なんだろう、とウンウン頷きながら読みました。
再会した時の黄辺の言葉に志波が大きく影響を受けていることは明らかで、嬉しくなりました。
常に黄辺の予想を裏切る甘々ぶりに満たされます。
志波にとって一番きれいなものは黄辺なんだなぁと思いつつ、愛にはいろんな形がある事を改めて気づかせてもらえる作品でした。

8

忘れえぬ人

今回は幼馴染同士の大手製薬会社の部長代理と
大手広告代理店営業マンのお話です。

片恋相手の攻様と再会した受様が新たな関係を築くまで
本編後の2人を描いた後日談を収録。

遠い昔、地球に栄えていた文明は滅亡し、
人類は強い生命力を持つ接触動物と融合して
生き延びる道を選びます。

今の人類は起源種であるムシの特性を受け継ぎ、
ハイクラスとロウクラスの2種類に分かれ
弱肉強食の世界に生きています。

受様はハイクラスのキベリタテハが起源種で
甘やかに整った顔立ちでほっそりした
中性的な艶めかしさもつ青年です。

大手広告代理店に勤務して5年目、
争いごとは苦手で出世欲もなく、
気持ちよく好きな仕事をしたいと思っています。

ある日、
大手製薬会社の化粧品部門の出向社員の
後任探しが始まったという話を耳にします。

大きな取引先ヘの出向は雑用係のようもので
出世欲の強い先輩社員には不評なようですが

受様には小規模なキャンペーンは
関係者と緊密な関係が築けるし、
顧客の喜びも感じられて興味深いと思います。

しかしながら
今回の取引先は受様の幼馴染の実家の企業で
受様は幼馴染が結婚して以来、
社内でも極力関わらないようにいたのです。
この幼馴染が今回の攻様ですね♪

攻様の起源種は寝取りの習性のあるオオムラサキで
攻様はキスもセックスも受様の初めての相手であり
今でもずっと恋焦がれる相手なのです。

オオムラサキは圧倒的なハイクラスですが
同種の香りを付けた相手を寝取る習性は
子供が生まれることによってしかやむ事が無く
攻様は親の決めた相手と20才で学生結婚しています。

受様は攻様が思春期を迎えてから結婚するまで
セフレのような立場であり
攻様の結婚を素直には受け入れられませんでした。

それでも攻様が厄介な本能から解放されて
幸せになれるのならと笑顔で祝福した後は
攻様から離れる道を選ぶのです。

攻様は結婚1年で子供が生まれ
大学卒業は実家の会社に就職したと聞いていますが
受様も恋人を作らずキスもセックスも誰ともせず
6年という月日がすぎました。

ところが先輩社員と飲んで帰ったある夜
マンションの前にいるはずのない攻様を見て
受様は固まってしまう事になります。

攻様はもう一人の幼馴染から受様の住所を聞いたらしく
受様は動揺しながらも部屋に招き入れます。

攻様は離婚していくところがないから
「しばらく置いて欲しい」と受様を驚かせますが
1晩だけと断ると「慰めて」と受様を押し倒してきて!?

攻様との再会が受様にもたらす未来とは!?

ムシシリーズ9作目となる本作は
5作目の「愛の本能に従え!」の攻様の幼馴染2人の
恋物語になります♪

ムシシリーズは
ハイクラスとして常に強者である攻様の弱さと
体格的にも体力的にも攻様より弱い受様が見せる強さの
対比が胸に響くシリーズだと思っていますが

脇キャラのスピンオフ展開が多く
既刊で報われなかったキャラが幸せになるお話を
読めるという点でもとてもお気に入りのシリーズです。

今回は「愛の本能」で
片恋相手である攻様に想いを寄せながらも
攻様の兄に抱かれてしまったり
攻様が好意を抱く相手に抱かれていた受様の
恋の成就が読めると楽しみにしていました。

愛とはどこから生まれるのか
それが愛だとどうやって気づくのか
溢れてくる想いにつける名前が愛なのか
愛のカタチはただ一つなのか

今回も色々と考えさせられました ๐·°(৹˃ᗝ˂৹)°·๐

誰かの中にある愛が
他の人の中に愛と同じである必要はなく
受様にとって攻様が受様に寄せる想いが喜びなら
周りに理解される必要はないのかもしれません。

8

最後までページを捲る手が止まりませんでした

私は長らくムシシリーズから遠ざかっていて既刊の内容も朧げだったのですが、こちらの新刊だけでも問題無く楽しめました。

読み始めは志波の人でなし具合に胸糞悪くなってたんです。でも読み進めて行くと今度は黄辺の最初から諦めていて、気持ちを伝えないどころか話をしないですぐ逃げるところに腹が立って仕方なくなりました。

そして終盤の2人の気持ちがずっと平行線を辿る流れに、コレってもしかしたらバッドエンドなのかしらとドキドキが止まらなくなりました。

だって愛する事が出来ないって言う志波は、黄辺に対する態度を見る限りそれは愛から発生するものにしか思えませんでした。この人って愛する事が出来ないのでは無くて、愛に気付かないだけでは無いかと思いました。

でもそういう人って自分で気付かない限り、誰が何を言っても認識出来ないんですよね。だから最終的に黄辺が吹っ切れて、自分なりに決着出来たのにとても納得出来ました。そんな黄辺の愛があったからこそ、志波は戻って来たのだと思います。

あとがき後の短編はまさに愛のなせる結果であり、あの二年間が志波には必要だったのだと思いました。

それにしても樋口先生は色々な愛の形を書かれる天才だと思います。大好きです!

4

やっぱりムシシリーズ好き…

いっきに読みましたー!
巻末短編の満足度が特に高かったです。
これが2人にとっての愛。こういう愛のかたちもあるよねというお話。
しっかりと本編、あとがき、巻末と読んで欲しいです!長いですけど一気に読みましょう!

ちょいちょい志波に対しては思考回路どうなってるの?と思うところもありましたが、でも志波のいいなと思うところは嘘がなく、自分の言葉で話をしてくれるところだなと。黄辺は後悔や贖罪の気持ちから感情が高ぶって思いを伝えたり、問い質したりという場面もありましたが、それに対して淡々と自分はこう考えているよと教えてくれる志波。それが正しい、間違ってるかは別として。凄くいいなと。

多分これから先も黄辺は志波から愛することできない宣言をされているので、
志波の態度が甘々で慈愛に満ちていたとしても、志波は愛することが出来ないって言っていたし、自分の勘違いかな…とぐるぐる考えるのかもしれませんが。
いつか志波が人を愛することが出来ると納得してそれを言葉にして黄辺に伝えてくれたら素敵ですよね。

4

黄辺に感情移入しすぎて…

シリーズで行く末が気になっていた志波×黄辺です。虫シリーズは受けが痛いことになることが多いので、少なくありますように…と思って読み始めましたが、オオムラサキの特性上やはりそれなりでしたね。。自分の生活も黄辺の描写とリンクしていて、読んでいて泣けてきました。傍目からはそれなりの人生で、見目麗しく、きちんと社会生活をして、自活していても、明けない夜の中にいるように空っぽで虚しい。自分だけ愛の循環の中にいない。
黄辺は志波と向き合い、志波の形もきちんと愛だと理由をつけ、自分が愛し続けることにも理由をつけましたが、そうすることでしか、愛し続けることしかできない黄辺は進めないのですが、読み手として納得するには苦しく、切なかった。
物語は黄辺視点で進むので、志波が言葉にしたこと以外心の真相は掴めないのですが、巻末のSSでは甘々なのに、関係性に名をつけることもできず、いつかまたどこかへ行きたくなるかもしれない志波に対して、結局受け身でしかいられない黄辺が不憫で、いつか志波が自分の愛を悟り、愛の言葉とは言わずともせめて約束を口にできる日が来るのか、気になります。2人の未来の話も読みたくなりました。
明言はされていないですが他の方が仰っていたように、SSを読むと志波は愛せないのではなく、気づいてないだけだと思います。熾烈な激情じゃなくても。(いや、兄を殺すというくらい、大和ともうしないでというくらい独占欲はありますからね、ある意味熾烈だと思いますが…)志波、気づいて~!!

6

タイトルが全てを物語る…

黄辺が心配で心配で堪らない気持ちで読み始めました。予想を裏切らない志波の冷たさに、黄辺の健気さに9割がた心を痛めながら読みましたが、まさかの展開にお花畑に迷い込んだ気持ちになりました。
樋口先生、生まれてきてくださってありがとうございます。

3

ムシシリーズ最高✧*。

ムシシリーズでずっと気になっていた志波と黃辺の話。
『愛の本能に従え!』や2人のSSを読んでて一筋縄ではいかないと思ってたけど想像以上に辛かった。黃辺は優しい一途な人って印象だったので、黃辺目線だと志波の言動に怒りを覚えてしまって…でも最後には黃辺の出した答えや志波の言動に納得、色んな形があるもんね。この2人らしいと思いました。
巻末の『夜が明けてから』が黃辺くん良かったね〜と泣き笑いで読みました。この本が読めて良かった。優しい気持ちになれました。この作品が加わったムシシリーズが更に好きになりました。

5

長すぎる

大好きな樋口先生のムシシリーズ!
と期待しましたが、自分とは少々相性がよくない作品でした。ともかく長い。長すぎる。ふつう厚いだけよろこぶべきでしょうが、受けの心情を丁寧に描かれるゆえ、黄辺のようなキャラクターに寄り添うには疲れました。でも頁をすすめればきっと……! と思うのですが、最後まで攻めの志波が物足りない。
樋口先生の著作はどんどん1冊が長くなっているような傾向を感じるのですが、個人的には薄いときのほうが好きだったりします。もう少し全体的に軽く展開して、エピローグのようなくだりもほかと同じように膨らませてほしかったです。
そのぶん繊細で真摯な「愛」についての物語に仕上がっていますが、つきあうに長いが得るものが少なく感じました。
脇の社員・桜葉が好きです。

10

「愛」とは何かを問いかけられる

シリーズいち共感出来ない攻めと、シリーズいち一途な受けの物語だったと思う。
決して手放して喜べるラストじゃなかった。
それなのに、書き下ろしは一変して甘々。
ここに違和感を抱かずにはいられませんでした。


それでも、この難儀な愛を最後まで書き切った樋口先生はすごい。
最後までハラハラさせられた。
熱量を感じる筆致に圧倒された。
その点が素晴らしかったと思う。

黄辺の元に帰ってきた志波は、憑き物が落ちたように見えた。
「きれいなもの」をみて心が洗われた?
〝良かった〟だけでは終わらせなくないから、志波が何を見て何を感じ、頑なだった心がどう変化したのか知りたい。
志波視点も読んでみたい。

時間をおいて読んだら、また違った感想が生まれるかもしれないとも思う。
とりあえず、咀嚼するにはもう少し時間が必要だ。

11

表紙からして先が読めなかったけど

今回も神作品でした、ムシシリーズは全部良き。
タイトルに毎回『愛』が入ってますが、いろんな愛のカタチがあるなーって思わされる。

報われなくてもずっと愛し続ける受け(このタイプはムシシリーズの受けの子大体そうかな)と
人と比べて自分の愛が希薄だな、人を愛せないから愛は要らないと愛を拒否する攻め

久史の行動と発言が予想つかなくて振り回される黄辺くんが可哀想でずっと感情移入して読んでしまう。
黄辺くんに感情移入しつつ、私自身は久史に近い。
愛が希薄で好かれてる気がしなくて不安になるって2人に泣かれた事がある。
人と比べなくても自分なりに好きならいいんじゃ?と思うけど、そこんとこバカに誠実な久史は黄辺くんにこの先も愛せないからって言っちゃうんだよ。
一緒にいてて居心地良くて、ずっと見てて飽きないって好きなんだよ、興味持ってるんだもん。
もう、今作五分の四くらいずーっとツラくて最後やっと救われる。

尚且つ、先生のあとがきの後にあるお話、[夜が明けてから]がやっと私にとっての、ご褒美のお話で泣いてしまいました。

久史が世界中放浪してる時に黄辺の事忘れられなかった。ずっと一緒にいたい、週3回体を求めてくる。しかも、丁寧なご奉仕セックスで、感じてる顔を見るのが好き。事あるごとにキスしてくる。
なんて、もうラブラブではないですか?

今まで受け視点と攻め視点があったと思うけど、今回は敢えてなのかもだけど、受けの黄辺視点のみなので、久史の考えがわからなかったけど、言ってる事に嘘はないよって言ってたのでそのまんまなんかな。

また、同人誌か何かで後日談あるならば、久史視点のお話が読みたいです。その時には苗字の黄辺呼びではなく高也呼びに変わってたらいいな。

8

綺麗なもの

志波は綺麗なものが好き。俺は汚れてる。だから好かれてない、と落ち込む黄辺君の話でした。一途で辛い。

一方の志波は自分は実の娘にすら興味が無い。人を愛することが出来ないなどとのたまうのですが、根本のお手本が黄辺君なので優しくて大きな包容力あって寛容力あるものを愛だと誤解しているんじゃないのかこの人と思いながら読んでました。

なんだかんだ黄辺君限定に執着も独占欲もあるようですし、聖地巡礼て予想外だなぶっ飛んでる。後書きのあとを入れてくれて心底良かった。終わり良ければ安心しました。

同人の段階では人為的なボルバキア症の話が端に散りばめてあった気がするんだけど伏線かと思ってたら子供は産まれんかー。

2

萌え不足、愛は満ちている。

黄辺の愛せる事が幸福だと思えるが刺さりました。夜が明けてからを読めばムシシリーズを読んでいると思うけども、本編は純文学でした。夜が明けてからを読めば久史も黄辺を愛する心が持てたと漸く昇華されたと嬉しくなりますが、久史は恋が出来ないアセクシャル的な意味合いではなくそもそも、人を愛せない自分の子供でさえも愛する事が出来なかった欠落した人間だと思っている。だから愛を知る黄辺を近くに置き、自分を愛していると知りながら黄辺へは愛を受け取る事は無いのがとても辛い。しかし黄辺は傷付きながらも、もっと大きな愛に目覚め、求めるのではなく愛せる事そのものが幸福だと久史を愛せる事を感謝する件は、本当にマリア様も仏様もいるのでは無いかとすら思えてきました。愛に対しての大きな問いを出されているのはないか?と。激情の様な熱いものはなくても、親切や小さな優しさも愛で人は皆、等しく愛の循環の中で生きてる。そこに気付いているか否かだけではないか?というのがこの小説の大きな主題な様にも受け取れました、素晴らしい名作です。凪良ゆうさん、一穂ミチさんと人気の方が一般書へが続いてますが、私は樋口美沙緒さんも続くのかな?なんて思ってしまいました。けども、blを描き続けて頂いたい萌えの塊であるムシシリーズの次回作を期待せずにはいられません。

9

本能と魂の狭間で

待望の虫シリーズの最新刊
愛の本能に従え!に登場した黄辺と志波のお話
正直本能〜や短編で黄辺君は後悔して苦しんでいるのは伝わってきたけど
志波君の内面が分からなすぎたので
今回この二人と聞きどうなる事やらと不安でしたが虫シリーズらしい愛について考えさせられるお話でした

このシリーズというか樋口作品でのもう一つのテーマは孤独と思っているのですが今回も愛と孤独をどう受け入れるかがテーマかなと思います

途中夜の街の灯火を眺めるシーンや
カラオケボックスでの周囲のざわめきの中一人でいるシーンや海でのシーンなど
一人でいる孤独
共にいるのに孤独と黄辺の寂しさが身に染みました

愛することに正解はないと思いつつも
周囲を見渡すと優しく愛のキャッチボールを交わしている人達ばかりいる様に見える
羨ましいと思うのではなく
愛し愛される愛の循環の中に自分が入れない孤独と悲しみを受け入れるのは現代人には身近なテーマだと思います
だからこそ樋口作品は響くのかも

今回は黄辺が自分の愛の形に辿り着き
黄辺の愛を通して志波が愛の多様性を知るというか黄辺に受け入れられた自分を受け入れるまでのお話と思う
黄辺の迷いが自己憐憫のように受け止められそうなギリギリのラインを攻めてるなと思いつつ
黄辺の愛が正しいとか正しくないとかいう問題ではなく二人の愛の形がこうして出来上がったという事だと思う
志波はアセクシャルか
愛の許容度を知らないだけのどちらだろうと思って読み進めていたのですが
最後の志波を読むとアセクシャルではなかったと思う
志波は黄辺に育てられたかったと言っていましたが結局短い間でも志波は黄辺を通して愛する事を教えてもらい自分の愛の形を受け入れたように思います
黄辺はまだしばらく混乱しそうですが幸せな混乱だと思うから二人頑張ってほしい

二人が紆余曲折の末たどり着いた道をゆっくりと歩んで行ってくれます様にと願うばかりです


オオムラサキの本能のえぐさは前作でも思い知らされましたが
過去のお話として描かれてもやっぱりえぐいなと思わずにはいられませんでした
本能に振り回された二人の魂の形を読めてよかったです

志波の二番目の兄もいつか番を持てるといいなあと思っています

10

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