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表題作小説仕立てのラブレター

相良藤吾、光彦幼馴染の会社員、28歳
黒田光彦、政治一家出身の大手企業の会社員、28歳

その他の収録作品

  • 恋文返信
  • あとがき

あらすじ

上司から見合いの打診があったと何気なく告げた週末の居酒屋で、突然親友の藤吾に告白された光彦。藤吾のことは大事だが、恋の相手として見たことはない。丁重に断るものの、ふたりの未来を想像してみてほしいと重ねて請われ、夢小説がよく当たると評判の小説家の従姉に、自分と藤吾の夢小説を依頼するが……? 包容力攻×生真面目受のミラクル・ロマンス。

作品情報

作品名
小説仕立てのラブレター
著者
海野幸 
イラスト
羽純ハナ 
媒体
小説
出版社
新書館
レーベル
ディアプラス文庫
発売日
電子発売日
ISBN
9784403525841
4.1

(47)

(21)

萌々

(14)

(11)

中立

(1)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
15
得点
195
評価数
47
平均
4.1 / 5
神率
44.7%

レビュー投稿数15

No Title

政治家の家に生まれて、家族に迷惑をかけないようにと生きてきた光彦に自分自身の人生を生きてほしいと願う藤吾の愛情が伝わってきてとても良かった。 自分自身の気持ちに鈍感な光彦だけど腹を決めたらめちゃくちゃかっこいいとこ…好きだよ… そして小説家の柚希ちゃんの書く物語がまたとんでもなく切なくほろ苦い展開もあり好きでした天才!! 後半は藤吾視点だったんだけど物語ラストの藤吾の提案がとっても素敵で感動したし、光彦の想いもとても良かった!小説家の従姉妹に2人の物語を書いてもらうって面白い設定だったなぁ

1

イタコ小説の通りにならなくてよかったですね

【・・・・・・お前に背中を向けられて、俺はどうやって幸せになればよかったんだ?(藤吾)】

エロス度★★★

おやおや、光彦の従姉妹が書いたイタコ小説が長い長い両片想いに終止符を打つキューピッドとなるのが面白いですね。

羽純ハナ先生が描く2人の体格・身長差も萌えちゃいます。

藤吾の想いが本当に一途で健気で、仮に光彦に想いを受け入れて貰えなくても親友として彼の人生に寄り添いたいとか・・・ドMかな?
光彦も最初から藤吾が特別だったのに自分の想いに無自覚な超鈍感っぷりがツボる。

家族や世間の目・評価を気にしていた光彦が男前に豹変したり、スイーツな名前に反して地雷多そうな展開にならなかった藤吾の幸せがたまらない。

1

イタコ小説すごい


片想い歴10年以上の男と友人が1人しかいないせいで恋がわからない男


政治家一家の次男・光彦(受け)は上司から勧められた見合い話を受けるという話を小学校からの親友・藤吾(攻め)に話します。すると、藤吾に流されて結婚するな、そして実は昔から好きだったと言われて驚きます。
持ち帰って考えてと言われた光彦は悩みに悩みんだ挙句、今ネットで話題になっている従姉妹の柚希が書くイタコ小説を書いてもらうことにするのです。
イタコ小説とは、依頼者を主人公にした小説で、小説に書かれたように行動すると恋がうまく行ったと今評判の小説なのです。
男性同士でうまく行くはずがないと告白を断った後どうなるかを小説に書いてもらった光彦でしたが‥

光彦は政治家一家に生まれていますが、家業は兄が継ぐので、光彦は完全に放置されています。それでも、政治活動に支障が出ないよう静かに暮らすことを強要される生活を生まれた時から続けています。
放置されることが寂しく、優秀であれば家族が自分を見てくれるのではないかと長年努力を続けてきて、結婚も家族のためにしようとしている状況に待ったをかけたのが藤吾でした。

今作ではイタコ小説がトリガーとなって話が進んでいきます。
これがよく出来ていて、本当に2人に憑依して未来を見てきたんではないか本気で思ったくらいです。
何度か話を作ってもらった光彦はそれを元に藤吾と話をし、頑なだった自分の殻を破り自分の気持ちに気づくことができるのです。

この作者様の受け様は変わった考え方や癖のあることが多いのに、今回は家族の愛に飢えてる比較的普通の人だなと思いながら読んでいましたが、後編で本領発揮。複雑怪奇な楽しい思考の持ち主でした。
クリスマスなんて一度も祝ったことかないのに、恋人ができたら当然のようにイベントに参入する光彦に笑える。いつもやってなかったから今回もやらないつもりだった藤吾に対して、言うに事欠いて情緒がないのか?だなんて、情緒がないのはお前だろーって笑ってしまいました。

後半の覚悟を決めた光彦は強かった。
観察に優れている柚希が読み間違えるほどに。
諦めきれないと言いながら直ぐに親友の座に戻ろうとしてしまう藤吾と今まで自覚してなかったくせに自覚した途端、家族を半ば脅迫してでも一緒にいようとする光彦という正反対な2人がとても楽しかったです。


1

儲けた気分。

雑誌掲載の受け様視点だけだと『萌2』なのですが、書き下ろしを読んだら俄然好きがマシマシ♡

受け様は名の知れた政治家の次男、光彦。
攻め様は、光彦の小学生からの幼なじみである藤吾。

社会人となってからも連絡を取り会っている2人。
光彦に見合い話が舞い込み、親や世間体を気にするばかりで、自分の幸せをまるで考えていない光彦の様子に、藤吾が「好きだ」と告白して、自分との未来を考えてみてほしい、と告げる。

びっくりして慌てた光彦が、従姉妹で小説家の柚希に自分達を主人公にしたイタコ小説を依頼すると。


柚希が書いたイタコ小説。
一途に光彦を思い続ける藤吾視点の切ないショートストーリーをいくつも読ませて貰って、本当に儲けた気持ちになりました(*´꒳`*)
絶対安心な溺愛ストーリーやラブコメも大好きですが、こんな切ないストーリーも好きですよ( *´艸`)

藤吾とは唯一無二の何より大事な”親友”だと思い込んでいた光彦が、イタコ小説を読むことで、2人の違う未来を想像して、自分の本当の気持ちに気付く。
石頭の光彦のそれからがよかった(≧▽≦)

で、書き下ろしは藤吾視点。
そういえば、光彦は藤吾の幸せばかり念頭に置いてたけど、藤吾は藤吾で光彦の幸せを一番に考えてたよなぁ、なんて思い至り、今度は藤吾頑張れ、と思ってたら。
いやはや、藤吾が一番大事だと気付いた光彦、最高でしたわ(*`ω´)b


1

攻めの一途愛!幼馴染カプの「イタコ小説」を巡る物語

やー…!海野先生の幼馴染もの(体格差あり)、良かった…!

と思いきや、皆様の評価では「萌」が多いのかな。。

海野先生ファンなので若干評価が甘めなのは否めませんが、個人的にとっても刺さる内容でした。

”イタコ小説”=「小説に書かれたことが現実になる」という小説を軸にして進む物語。

以下、簡単なあらすじです。

政治家の息子である光彦(受)。
真面目で堅物で、常に「他人からどう見られるか」「家には絶対に迷惑をかけない」ことを気にして動いており、自分が本当にしたいこと、自分の欲求に基づいて動く、ということはしてこなかったんですね。

そんな光彦の幼馴染である藤吾(攻)。ずっと光彦のことが好きなのですが、その気持ちは墓場まで持っていくつもりでした。

ところがある日二人で居酒屋で飲んでいる時、光彦から「上司から見合いの打診があった」と聞いた藤吾は、焦って自分の気持ちを告白してしまいます。

世間体を何よりも気にする光彦には、当然その告白は受け入れられません。
突然の藤吾の告白に衝撃を受けた光彦は、その足で「イタコ小説」を書いている従姉妹の柚希のもとへ。

「藤吾を”まっとう”な道へ戻さなければ…親友なんだから放っておけない」と、”自分に振られた後、藤吾がまっとうな幸せを手に入れる”内容の小説を書いて欲しいと頼むのですがー

と展開していくストーリー。


で、このイタコ小説の内容がね、いいんですよ…
切なくて、攻めの一途な想いがこれでもか!と伝わってきて。

イタコ小説、何回か出てくるんですが「お互い70代になって初めて想いが通じ合う」バージョンとか、「お互い既婚者となってから想いが通じ合う(つまり、不倫)」バージョンとか。全部が全部切ないんです。。

この不倫のターンで、藤吾が「(この罪は)俺が全部背負うから」的なことを言うんですが(うろ覚えで正確じゃありませんが;)、もう胸が締め付けられましたね。

で、終盤、柚希が書き上げたこのイタコ小説についてある事実が明かされるんですが。

もう、きゅーーーーーん!!!でした。

藤吾という攻めの一途さと包容力たるや。。
(あっ、目尻が下がり気味というのも個人的な好みに合致しております・:*+.)

で、見事くっついた後の溺愛っぷりも私好みでございました。

羽純ハナ先生のイラストで見る二人の体格差も、思いっきり堪能しました◎


そして書き下ろしの「恋文返信」がね、まためちゃくちゃいいんですよ・・・
この「返信」ってところが、肝。


で、ラブの部分ではないのですが個人的にじーんときた部分がありまして。
「小説を読む」ということの意義について、イタコ小説を書いている柚希ちゃんが語ったものです。

”本を読む間、自分は他人の人生を生きている。(中略)
現実の自分ができないことを易々とやってのける主人公の思考や行動をトレースすることで、読み手である自分の思考パターンにもなんらかの影響が生じるのだ”

いやーまさに、自分が小説を読む理由もここにあるよなあ、と。

うまく言語化できないものを、こんなにも的確に表現してくださる海野先生、さすがだわ…と、しばし感激に浸りました。

「イタコ小説」という、ちょっと珍しく聞き慣れない設定が出てくる今作。
変わった設定がお好きな方、幼馴染CPがお好きな方にぜひぜひ読んでいただきたい一作です✨

3

未来予測小説

そもそもイタコ小説って何?とあらすじを見ながら思っていたのですが、読み進めていると未来予測(未来はこうなるよ的な)小説だったと理解しました!有名なのかな?

作家買いでしたが、面白い設定だなー買って正解だったなーと思いました。

生まれ育ちのせいで頭でっかちな考え方の主人公が、幼馴染からの告白に「なんとか良い道に戻してあげなくては!」と、イタコ小説が有名になった従姉妹に「自分が振った後まっとうな幸せを手に入れる未来」を書いてほしいと依頼。届いた小説の中身は…
という内容。主人公は頑なではありますが、可愛らしさがあってイライラせずに読み進めることができました!イタコ小説に振り回されながら自分の気持ちに向き合っていく、ゆっくりですが前進していく関係にきゅんとしました。

2

設定が面白いで賞

小説の内容が現実になるという”イタコ小説”…?っていう設定のインパクトに惹かれました。イタコって…!?若い世代はこの言葉の意味わかるんかいな?!っていう興味もありましたw

海野先生はいっつも発想が面白いというか、個性的な設定に魅力を感じて、それがめちゃくちゃドはまりするときと、あんまりハマらないときとw、50:50なんですよね。んで、今回は後者でした…

なぜなら…攻め受けの人物像とか魅力があんまり伝わってこなかったっていうのと、小説のなかに小説があるせいか、ときどき視点か迷子になってしまった(私の読解力不足ともいうのかもしれませんが…汗)というところです。。他のレビュアー様も指摘されていて共感してしまったのですが、受さんが依頼するイタコ小説の内容のほうがクセが強くて私好み…面白そうな印象うけちゃったんですよね。

なんとなく、一番魅力的にみえたのがイタコ小説を執筆している受けさんの従姉妹の兼業作家さんだったりして…。んでも最初から最後まで肩の力を抜いてさらっと読める楽しいラブコメ作品だと思います。

2

題材が面白い。

唯一の親友から告白された政治家の息子の受けが、物語が現実となるイタコ小説を書く従姉に、自分とその親友の小説を書くよう頼む冒頭から始まるお話。
イタコ小説=夢小説ということなんだけど、この発想が面白かった。

実際に作中で従姉が書いたイタコ小説も読めて(ただしバームクーヘンエンドだったりするけど!)、なおかつ本来の2人の恋模様も読めて、なんだかお得な気持ちになった。

商業のBL小説でハピエン以外の展開ってほぼないので、こういうカタチでも楽しめるのって嬉しくて、なんだかニヤニヤしてしまった。
さすがベテランの作家様の作品でした。


3

色々な選択肢

作者買い

結婚して子供を作って家庭を持つ。
それが一般的普通である。と何事にも普通(ちょっと普通じゃ無いんですが)を目指した受け様が常識を覆すまでの色々な選択肢を従姉妹に「イタコ小説」を書いてもらうお話です。
20代から30代の方が読むと刺さるかも?

「素敵な選TAXI」のドラマを思い出しました。
ドラマは過去に戻って選択をし直しましたがこちらはイタコ小説によって未来を見せてもらうという面白い設定です!

人生の選択なので重い話なのですが、受け様はかなりの真面目な天然さんなのでギャグテイストでお話が進みます♡

人生の選択に悩んでる方、考え方を見直したい方にオススメです☆

5

今回はハマらなかった

今月発売のディアプラス文庫ですが、偶然にも幼馴染みと小説がテーマの作品が2作発売されてるんです。どちらの作品もそれぞれの作家さまのお話の切り口が違っていてとても面白いと思ったのですが、受けが好きになれないという点では共通してました。そして、雑誌掲載作を書き下ろしが補完してて、やっと萌評価にしてます。

海野幸先生の作品は神や萌2評価が多かったのですが、今回はあまり萌えどころがなくて萌評価にしました。イタコ小説という作中作のアイデアは面白いと思いました。従姉妹の書く小説の中の藤吾の話を読んで光彦が自分の気持ちに気がつくまでのお話なんですが、この光彦を好きになれるかによって作品の印象が違って来ると思いました。

私は正直言って受けザマァな展開もアリだなと思うくらいにはこの光彦が苦手でした。なのでそんな光彦が自分の気持ちに気がつくまで辛抱強い藤吾は好きなキャラでした。

個人的には作中作の割合が多くて藤吾や光彦の社会人としての日常をもっと書いて欲しいと思いました。

5

少数派かもしれません

あらすじ他、事前情報無しで読みました。小説仕立てのラブレターってどういうこと?なんて思いながら読み進めると…なるほどそう来たか〜!となりました。
このお話を思いつく海野先生の発想力がすごい。本当に沢山のお話を書かれている作家さんだと思うのですが、毎度被りがないバリエーションの豊富さに驚かされます。
以下、ちょっと少数派になりそうなレビューかもしれません。

幼馴染2人のうちのどちらか片方が長年片想いをしていて、ふとしたきっかけで長年の想いの丈を相手に伝える…ここまではよくある設定かなと思います。
そう、主人公の光彦が幼馴染の藤吾から告白をされ、断るところから始まる物語なのです。
しかしながら、こちらの作品の面白いところはそこではなくて、光彦の従姉妹で兼業小説家として2足の草鞋を履く柚希が書くイタコ小説の存在。
まるで依頼人とその相手を憑依させたかのように書く、イタコ小説…いわゆる夢小説の通りに行動をしたら恋愛が成就したと巷で話題になっていると聞いた光彦は、自分が振ったあとの藤吾が幸せになる小説の執筆を依頼するんですね。
これが本当に面白くて。小説の執筆を依頼する光彦の斜め上の発想も面白いのですが、イタコ小説設定が面白い。
一体どんな小説が出来上がるのかは執筆している柚希にも分からないんですよ。なにせ取り憑かれたかのように一心不乱で書いているものですから。
結果、まるで自分と藤吾に本当にあり得る未来が書かれていると思えてしまうほどリアルな小説の内容に衝撃を受け、凝り固まっていた考え方が変化していき…

この夢小説が上手く効いていて面白いんですよね。
一風変わった設定と、攻めの藤吾のあまりの一途さと隠された想い。そして、柚希の小説を交えながらではありつつも、少しずつ自分の気持ちに気が付いていく光彦は良かったのですが…
なぜかすごく萌えた〜!とはならなくてこちらの評価になりました。良かったのですけれど…

というのも、柚希が書き上げた1番初めの夢小説の内容が個人的にストライクゾーンにどんとハマってしまって、本編の2人のリアルな恋模様がそれを超えられなかったというのが大きかったかなと。それくらい内容が良かったのです。
前半で不器用で斜め上ながら、藤吾を心から大切に想う後半書き下ろし部分の光彦の行動はとっても素敵でしたし、締めの部分も物語のその後もきっと幸せで溢れるのだろうなと思える愛に満ちたもの。
けれどやっぱり、小説に頼りすぎにも感じられ、遠回りな恋だった分もうひとつ飛び抜けてグッと来るものがほしかったのかもしれません。
設定が面白く楽しめた1冊でした。

4

未来が見えたらどうしますか?

今回は板金工場勤めと大手商社勤務の会社員のお話です。

受視点で攻様が大好きな友人から唯一の最愛になる本編と
攻視点で恋人になった2人の後日談を収録。

政治家一家の次男に生れた受様は
不自由なくは育つものの、両親の関心は常に兄のみで
顧みられずに育った上に

父の影響で多数派こそ正義とばかりに
多数派から零れ落ちないよう周りを気にしすぎる
性格となります。

大手商社入社6年、社畜と言っても過言ではなく
激務な受様にとって小学校からの幼馴染である攻様は
唯一の親友です。

9月も終わりに近い金曜日、
受様は攻様が予約した居酒屋に入ると
顔色の悪さを心配されて忙しければ断れと言われますが
受様にとって攻様との約束は万難を排する案件なのです。

攻様はそんな苦笑して楽しい話題として
受様従姉の話を振ってきます。

従姉は医者一族の実家と縁を切って
会社勤めの傍ら小説を書いている強者で
彼女がイタコ状態で書く依頼者と片思い相手との
恋愛小説が現実になると評判になっていたと言います。

受様は「俺も書いてもらおうかな」と言い出し
攻様は表情を硬くして受様の好きな相手を問いますが
恋をした事のない受様に是という答えはありません。

しかしながら
上司から見合い話を奨められたと言うのです。

受様が断られなければ結婚するだろうと言うと
攻様は突然同性愛者だとカミングアウトしたばかりか
「学生時代からずっと好きだった」と告白してきて!?

雑誌掲載されたタイトル作に
後日談短編を書き下ろしての文庫化で
長く受様に片想いしていた攻様と無自覚だった受様の
コミカルな恋物語になります♪

最初の居酒屋のシーンで
攻様が長く受様に片想いしている事が発覚
それは受様には青天の霹靂でした。

攻様は受様にとって一番好きな友人で
知合いや家族を含めても一番好きな人なのですが
それは友人・知人・家族という枠組みであり
恋愛対象ではないのです(笑)

受様にとって恋愛とは異性間で成り立つものであり
攻様程の男は結婚して幸せになるべきなのです。

読者はここで受様の無自覚な恋を把握するのですが
受様は従姉に受様が攻様の告白を断った後どうなるのか
なんて小説を書いてもらおうと思い立つのですよ(激笑)

受様のこの斜めな思考回路が物語の行方を見定め難くし
従姉の書くイタコ小説が現実になるという設定が
受様の思考をグルグルされる事となり

受様が攻様の恋心を自覚し、
攻様との未来を選び取るまでドキドキ&ワクワク
とても面白かったです (^-^)v

続編が攻視点となっている事で
本編で見えなかった裏事情が見えたのも
楽しかったです。

5

イタコ

先生買い。面白かったです!ただ攻め受けにめっちゃ入れ込んだってところは無かったので萌にしました。海野先生の既刊お好きな方には、安心してオススメします!雑誌掲載分150頁ほど+その続き100頁ほど+あとがき。

政治家の家の次男に生まれた光彦。幼い頃から成績優秀、品行方正であるべしと育てられてきたからか、唯一の親友である藤吾と呑むときも、セミオーダーのスーツを着て焼き鳥屋の暖簾をくぐるという堅物人間。ある日、見合いすることになると藤吾に言うと、お前のことが好きだと告白され…と続きます。

攻め受け以外の登場人物は
柚希(受けの従姉妹)、七瀬(釣り分野のライター)。受けの家族は伝聞のみ。柚希、好き。

++攻め受けについて

攻めは気の超長ーーーい、懐が宇宙より広いんではと思う方。イケメンであれこれ言い寄ってくる等の記載はありません。ただただ受けのことを思い側にずっといることだけを希望している方。すごいなあ。

受けは政治家を父に持つ次男坊。長男が後を継ぐであろうから、あまり周囲に顧みられていなかった方で、家族愛に実は飢えてんだろうなあ…。(なんで家族がそんな酷いのかはわからん)唯一の親友、藤吾と約束ある時は万難を排して駆けつけるぐらい、藤吾大好き。カッチンコッチン石頭さんなので、自分のこの気持ちが恋愛感情とは気付いていなくてすったもんだって話です。

その二人の硬直状態に一石を投じるのが従姉妹の柚希。イタコよろしく何かが降りてくるらしく、依頼された設定で未来予想図とでも言うべき小説を書かれます。柚希に書いてもらった小説に納得いかない光彦が何度か書き直してもらっているうちに、自分の気持ちに気づいて…ってお話なのです。なんで納得いかないんだ?と自問自答するって感じですね。後半は受けが男らしく凛々しく、自分でこうあるべき!って小説書いてます。それを読んだときの攻めの様子が良かったなあ……そのシーン、カラー口絵にもなってます。本編読んだ後、口絵を見直してほしいです。

お話はとても面白かったし、じわっとするところはあったんですけど、超萌えって刺さるものが少し無かったかなって一冊でした。ほんと良かったんですけど…何があればよかったなか、うーん…分からん…

3

恋を知らない男の奮闘記

これはまた面白い切り口のお話ですね!
ファンタジーじゃないのにファンタジー感。
小説が繋ぐストーリーに、ドキドキの気持ちでいっぱいになりました。


幼馴染みからのカミングアウトと告白から始まる物語。これまでの親友関係に変化が生まれていくのですが、この話が面白いのは小説というアイテムの存在にあります。
幼馴染みで親友の藤吾に告白された光彦が頼ったのは従姉妹で小説家の柚希でした。この柚希の書く小説が"イタコ小説"と巷で噂となっているようで、彼女が依頼されて書く恋愛小説は本当になるとかならないとか…。

柚希の書く小説がこの作品の大きな要になっていきます。というのは、柚希に依頼して書いてもらった小説に、光彦は自分と冬吾の未来を投影しているからです。"自分が藤吾の告白を断ったその先の未来"や、"藤吾が結婚している未来"を知りたくて、光彦は柚希に、自分と藤吾とのストーリーを書いて欲しいと依頼します。

柚希の小説の内容を完全に…とはいかないまでもある程度信じてしまった光彦は、もちろん小説の結末に動揺します。側からみると小説に踊らされているような姿でもありますが、これは光彦にとって一種の荒療治のようなもの。
光彦は政治家の息子で、自分がどう思うかより外面をすごく気にするところがあります。未来小説のオーダーにしても、"自分が"っていうより"藤吾"の未来を知りたいと思っているあたり、そのことが伺えます。

藤吾の未来が幸せか不幸かを小説に委ね、大きなお世話発言もしちゃう光彦ですが、藤吾の幸せを一応願っている点では優しさなのかなと思います。思いますが、藤吾の幸せをお前が勝手に決めんな!という気持ちが私の中に湧かなくもなかったです(笑)


小説に影響を受け、あーだこーだと悩む光彦にとって、これほどまでに藤吾のことで頭をいっぱいにすることはなかったでしょうね。告白されて小説内の未来に想いを馳せて、凝り固まっていた自分の気持ちをこじ開ける作業は、先ほども言ったように"治療"です。そして小説は"薬"。
精神療法に近いものだと思うけど、藤吾の告白と小説のおかげでガチガチに固まっていた光彦の心の中を攪拌できたことが、その先へ進む勇気に繋がったことはいい結果だと言えるかな。

柚希の小説はただの小説でしかないんですが、光彦にとっては間違いなくその時点において魔法の小説で「未来小説」でした。藤吾にとって幸せな未来を願うために書いてもらった小説なのに、自分も幸せになっていない結果とその意味に光彦自信が早くに気付かなきゃいけなかったんですよね。
藤吾の幸せが光彦の幸せとリンクしていることは、これから彼らが過ごす時間の中で答えは自然と出てくるでしょう。


小説にのせた藤吾からのラブレターに返信をする光彦の行動が素敵でした。幼馴染みで色んな出来事や気持ちを共有してきた関係であっても、言葉や文字にしたためて自分の想いを伝えるというのは素晴らしいことだなと思います。
最後の最後に胸がジーンと温かくなって、目頭が熱くなりましたぁぁ〜…。


2人のこれからの思い出がラブレターとともに長く長く綴られていきますように。
…との願い込め、この幸せな読後感に満ちた作品に神評価をつけました。

10

夢小説の力が恋心を自覚させる

藤吾×光彦


久しぶりに海野幸先生の作品を読んだ。
やっぱり心理描写が上手で、攻めまで心の奥深さを堪能できた。

イタコ小説(夢小説)という発想が、
ちょっとファンタジー要素がある感じで、

幼馴染で親友の藤吾からの意外な告白される光彦が、
振っても2人の関係が変化はなく、絆と安定感に胸が温かくなる。
従姉のイタコ小説(夢小説)が絡んで、
光彦の恋心がだんだん自覚されていて、
カップルになる2人の展開がますます全身が熱くなる!


28歳の社会員の光彦が、
政治家の家庭に育ち、スーツ姿が決まり、見た目も素敵でも、
家族や世間の期待に忙殺され、自分の気持ちがおざなり、
結婚のことまでお見合いなど親に任せる。

光彦の従姉が執筆するイタコ小説が現実と結びつくという噂で、
彼は従姉に頼んで、イ藤吾の未来を書いてもらうことに。
光彦がその内容を読むと・・・、
藤吾を幸せにするために、まさに自身が恋に落ちるの導火線になる。
自分も気付いていなかった恋心がだんだんと膨らみ、
当て馬が登場し、嫉妬のような感情が湧き上がり、
無自覚な恋心が一気に自覚されてしまう。
彼のリアルな心の変化が見えてくるのが胸キュンのハイライト。

藤吾が、光彦の同級生で、
ゲイで、大柄でカジュアルな男臭さがカッコいい。
小学生から10年以上も光彦に片思いしている。
光彦がお見合いの話を聞いて、
愛の故で、恋愛未経験の光彦に恋の気持ちを教えようとして、
報われる瞬間が来るなんて思わなった想いを伝える。
その真っ直ぐな気持ちが心が温かくなる。

従姉が書く藤吾視点のイタコ小説(必読の3部作!)
藤吾の将来がどうであれ、
リアルに伝わってくる「どんな未来でも変わらない愛」、
彼の健気で超一途な愛がまた切なくて涙が出ちゃう・・・。
そのイタコ小説の内容が、ダークで歪んでいる部分もあるけど、
現実ではないから、逆に笑えるところもあると思う(読む人による)。

最後の光彦の自伝小説が、彼の恋心がハッキリして、
本当に2人の愛が揺るぎないものだ!絶対読むべき!

甘エッチも萌え度も満足!

光彦の戸惑いと藤吾の一途さが繊細に描かれていて、
イタコ小説の奇跡のような設定が面白い!
藤吾の健気で一途な愛情に、
光彦の心の変化と共にその愛情を受け止め、
自分も同じように藤吾を思うようになる姿が感動的で、
純粋で熱い「どんな未来でも変わらない愛」が、
胸が締め付けられるほど最高でした。

7

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