• 電子書籍【PR】
  • 紙書籍【PR】

表題作それは運命の恋だから

細谷達之,32歳,会社員
山崎拓海,30歳,自動車電装部品メーカー勤務

同時収録作品これも運命の恋だから

北村,32歳慎吾の従兄,細谷の同僚
倉橋慎吾,28歳,遊びの相手としか付き合えないゲイ

その他の収録作品

  • やはり運命の恋でした
  • あとがき

あらすじ

恋愛小説みたいな恋に憧れる拓海は、
出逢いを求めて参加したゲイの恋活イベントでカップリングが成立した細谷と付き合うようになり……?

作品情報

作品名
それは運命の恋だから
著者
月村奎 
イラスト
橋本あおい 
媒体
小説
出版社
新書館
レーベル
ディアプラス文庫
発売日
ISBN
9784403524486
4.2

(256)

(131)

萌々

(82)

(32)

中立

(4)

趣味じゃない

(7)

レビュー数
27
得点
1083
評価数
256
平均
4.2 / 5
神率
51.2%

レビュー投稿数27

とてつもなく可愛い受け

きゅんきゅんした恋のお話が読みたくて、こちらにたどり着きました。
いやぁ…とてもよかったです。

1冊で2つのお話が入っているのですが、繋がっているお話なので
どちらのお話も読めてよかったです。


最初のお話は職場ではクールなキャラだけど
実際は恋愛小説のような恋がしたい拓海とノンケの細谷さんとのお話。
恋活パーティーで出会ってマッチングした二人なのですが
実は細谷さんはゲイの従弟の付き添いで参加しただけのノンケなんですね。
そんなことを知らない拓海。
本当のことを言わなくては…と思う細谷さんですが
なかなか拓海に言い出すことが出来ず日々は過ぎ去っていきー…。


拓海が健気で不憫ですごく可愛いんですよ。
そんな拓海に段々惹かれていく細谷さんなのですが
とあることがきっかけで恋活パーティーに参加した理由や
ノンケということが拓海に知られてしまいます。
この時の拓海の心を思うと胸が締め付けられる気持ちでした。
恋に臆病になっていた拓海が、勇気を出した相手がノンケって。

最終的にはちゃんとハッピーエンドなのですが
それでもやっぱり拓海の中で細谷さんは元ノンケというのが抜けなくて
体位について配慮してみたりと、色々な気配りを拓海がするんですね。
それもまた切なくて泣きそうになりました。
とても臆病な拓海。
でもそんな拓海がちゃんと細谷さんを信じられるようになってよかったです。

この二人の話を読んでいると、自然と細谷さんの従弟でゲイの慎吾の恋の行方が気になります。
どうしたものか…と思っていたら、慎吾の恋の行方もちゃんと書いてくださっていて、ありがとうの気持ちです。
※そちらがもうひとつのお話です。

どちらもとても楽しめる内容になっていました。
とてもきゅんきゅんしたし、切なくなったし、幸せな気持ちにもさせてくれて
読んでよかったなぁ…と心から思った作品でした。

0

めっちゃ好きー!胸がギュッとなった

すっごーーーーーーく面白かった!私の中での色んな感情が大渋滞でした。クスッと笑うところも、楽しさや喜び、怒りや泣き…喜怒哀楽が激しく巻き起こりました。完全に私の好みの作品で、読み終えた後はしばらくボケッとしてしまいました。余韻がハンパないです。


結婚なんか興味ないとクールで無愛想な男・山崎は、実はロマンス小説が大好き。結婚にも人一倍憧れを抱いているし、性格も真面目で繊細で不器用な男。彼の不器用な生き方が、本当に切なくて胸がギュッとなります。ゲイ向け恋活パーティーに付き添いで来ていたノンケの細谷との出会い……カップル成立となって喜びのあまりテンパる姿がとても可愛いかった。でも最初の頃は細谷にその気がないから、それを知らなくて喜ぶ山崎の姿が切なくて堪りませんでした。

マイノリティだからと、周りの目や細谷の目を気にして所々でビクつく山崎に何度胸が締め付けられたことか。読み手は細谷視点も見ているので、細谷が山崎のことを好きになっていることが分かるだけに、すれ違いや勘違いのシーンは涙をダバダバ流して読みました。山崎と細谷の会社の同僚間での飲み会のシーン!ゲイを揶揄する同僚たちに腹が立ったし、そのあとの山崎の気持ちが辛すぎて泣きました。。。


中盤はとにかく泣いた。
最悪な一夜だったけど、携帯をブロックされてもめげない細谷は良かった。今こそ山崎のことを本気で好きなんだってところを見せてやれー!と応援してました。
細谷は出来る男でした…。誤解が解けたら即エッチ突入は早いよ!と思ったけど、よく考えたら細谷は今までも結構山崎に触るのを我慢してたんですよね。抑えが効かなくなった男・細谷はグッドでした。
恋人同士になったあとの細谷の山崎への愛が深いし広い!ずっと可愛い可愛い言ってて、もうラブラブです(笑)2人が恋人同士になるまでは切なくてめっちゃ泣いていた私ですが、恋人同士の彼らにはニヤニヤしかありませんでした。山崎に惚れ込んでいる細谷の心情が面白いです^ ^


とっても素敵なカップルで、この作品に出会えて良かったと思いました。
細谷の従兄弟の慎吾と北村のカップルのお話もこれまた良くて!めちゃくちゃ面白かったです。こちらは本編に登場していた2人で、もしや…と思っていたので、カップルになって良かったです。こちらのカップルエピソードも泣きました。慎吾も山崎同様、ゲイであることで一歩引いちゃう臆病なところがあって、好きなのに好きって堂々と言えない健気な姿に心打たれました。


とにかくみんながハッピーエンド!読後感がとても良かったです。何回か既に読み返しちゃいました。心理描写がとても巧みでずっとこの小説の世界に惹きつけられました。
これからもまた読み返していきたいと思います!

1

ロマンチストで繊細な三十路受けが可愛い!

以前はモテるノンケ攻めが苦手で、さら〜っと読み流してしまったこの作品。
時間を置いて読み返してみたらめちゃくちゃ面白かった…!

受けの拓海が愛しい。
会社では「偏屈王」と呼ばれる、クールでとっつきにくいキャラだけど、実は運命の恋を夢見るロマンチスト。
(意外性がたまらん)
とても純情な受け様なのです。

すぐ泣いたり、やや消極的なところは好みが別れるかもしれませんが…
細谷とのやり取りに一喜一憂する姿がいじらしくて(涙)
わたしは全力で応援したくなるキャラでした。

拓海がロマンス小説を好む理由。
これがまた切ないし、過去の恋愛もあまり良いものではなくて。
でもその全てを細谷がきちんと受けとめ、拓海を優しく愛そうとしてくれるところが良い〜!
拓海が求めているものと、細谷が与えようとしているものがぴったり合っている感じが、読んでいて嬉しかったです。

同時収録の『やはり運命の恋でした』は恋人編。
『これも運命の恋でした』は、細谷のいとこ・慎吾のストーリー。
『やはり〜』の方も慎吾の出番が多く、『これも〜』の前哨になっています。
ネコちゃんが仲良くしてるの可愛くて好きなので、拓海×慎吾のプチ同棲は私得でした。
(もちろん性的な絡みはない)

1

幸せな気分になれる安心安定の月村ブランド

昨年、初めて読んだときも”すっごい好き!!”だったんですが、
最近読み返して”やっぱり大好き!”なお気に入り作品です。
”繰り返し読んで幸せになれる作品”というところで”神”の評価です。

隠れゲイでクールぶってる山崎の表裏のギャップにキュンとします。若くして身内を亡くしたことや、自分の性癖に対する後ろめたさから、肩ひじはって強がって生きてる分、優しいアプローチにめちゃくちゃ弱くて涙もろいところ、感受性が豊かすぎて、ついついネガティブな妄想に暴走しがちなところ、月村作品の受としてわりとスタンダードな愛すべきキャラなんですけど、読書が趣味でその世界観に夢見がち…っていうところについつい親近感をおぼえて応援したくなっちゃうんですよね。めちゃくちゃ健気で可愛いんですもん。まさかから始まった運命の出会いという展開や、優しくて紳士的な細谷というキャラが、どことなく、山崎の愛するロマンス小説に通ずるものがあるような気がしました。橋本あおい先生の絵も、とても作品の雰囲気にあっています。2人の幸せで穏やかなイチャコラにニヤケがとまらなくなります。

細谷の従弟の慎吾と細谷の友人の北村のお話もキュンキュンします。どちらの物語の受も、好きな人の前ではいつもと違う(本来の自分)を曝け出すというところに尊さを感じるんですよね。主人公が幸せになるという心地よい読後感だけではなく、運命を手に入れるためには、行動を起こす勇気が必要なんですよねという、当たり前すぎて見逃しているような事実もさり気なく描かれている素敵な作品だと思います。

2

何度も読み返している。

独身主義を装いクールぶる主人公の中身が、実は不器用で悩みがちなかわいい人…というのがこの作品の最大の魅力。無料サンプルは、思い切ってゲイ向けの恋活パーティーに参加した所主人公に欠片も興味を抱いていなさそうだった男とカップルが成立して…という辺りまでだけれど、この男の事情が明らかになった時に主人公大丈夫かなと心配してしまうのは、行動し始めた彼のひたむきさに、読み手として心動かされているからだと思う。

主人公が自分の趣味のロマンス小説を貸す事になった時、ジョージェット・ヘイヤー『フレデリカの初恋』を手渡したのもしみじみと良い(この作品が好きなあまり作中に出てくる本も買って読んだ)。好きな相手の家族や環境も愛したい/愛されたい人物像が垣間見える、夢みがちそうな彼の理想がなかなか堅実だと伝わる小道具…。だけど、秘密が暴かれひどいやり取りが起こる展開は、作中にもう1作出てきていたオースティン『自負と偏見』みたいなすれ違いとも言えるかも。終始ドキドキしっ放しで非常におもしろかった。

1

1本の白髪が運命の糸に?

まさか1本の白髪の発見から、こんなに可愛らしいお話になるなんて誰も想像が出来ませんよね。

両視点でお話が進んで行く今作。
これがまた、2人の視点どちらもがちょっと笑ってしまうほどの誤解と思い込みとすれ違いのオンパレードで、絶妙に噛み合っていないのに当人達は噛み合っていると思っているのが、読者からすると面白くも切なかったりして楽しめました。

この作品、きっと両視点ではなく拓海のみの視点だったとしたら、こんなに可愛いお話にはならなかったんじゃないかなと思うんですよ。
ロマンチストで乙女度も高いですが、ネガティブ度も卑屈度も同じくらいかそれ以上に高いですから。
私はどちらかというと細谷寄りの視点で読んでいたような気がします。
だから拓海がより可愛らしく見えたんでしょうね。

以下、印象に残ったところ。
最初の誤解が解けていないまま、徐々に微笑ましく仲を深めて行く2人ですが、細谷のパーティー参加の真実を第三者の口から知り、深く傷付いて卑屈さと絶望感に拍車をかけてしまった拓海。
ここは拓海視点でのときめきと頑張りを知ってしまっているだけにちょっとかわいそうになってしまいました。
既に拓海の一挙一動にベタ惚れ状態の細谷は、どうにか傷付けないように事情を説明してからちゃんと告白をしようとしていたんですけどね…
幸せ絶頂だった分、受けた傷も大きいです。
ところが、その後のすれ違いからの答え合わせのシーンで、自ら燃料を投下している上に、細谷からの言葉にちょっとキュンとしてしまっているじゃないですか…?やっぱり好きなんですよねえ。
そして、拓海の(細谷的には)とんちんかんな反論に、謝罪をしに来たはずの細谷が「可愛すぎる!存在が罪!」くらいの勢いで逆にブチ切れ始め、あれよあれよとベッド行きになる2人。
この流れにならなければ、この恋愛はずっと平行線のまま前に進まなかった気もします。
そんな始まりだったベッドシーンですが、いつもより余裕がない中でも細谷が出来るだけ拓海に優しくしたい、大切にしたいと思っているのが描かれていてとても◎

これをきっかけに誤解も解けて、後半のお話ではベッタベタの甘々な2人が見られました。
拓海にとっては細谷が、細谷にとっては拓海が理想的過ぎる相手なのですね。
それにしても細谷、拓海に対して尊敬してしまうくらい紳士を通り越して気配りの鬼レベルなのですが…
溺愛スパダリになる予感しかしないので、これから拓海は不安がなくなるくらい毎日たっぷりと甘やかされて欲しいですし、細谷はその反応に悶えたり癒されて欲しいななんて思います。

後半といえば、拓海と慎吾がなんだか仲良くなっているのも微笑ましくて好きでした!
家庭に恵まれて来なかった拓海の周りに心許せる人がいるというのが嬉しい。
慎吾のお話は丸々1冊で読みたかったなあ。
こちらも大変可愛らしかったです。

設定や登場人物達も、ものすごく派手なわけではないけれど、読み進めて行く内にキャラクター達に愛着がわいてしまうようなラブコメ作品でした。
健気な受けがお好きな方や、受け全肯定な溺愛攻めがお好きな方におすすめの作品です。

3

運命をつかまえに

びっくりするほど泣きました。
受の拓海が、いろいろ諦めながらも出会いを渇望していて、叶ったときの昂りとか感激とかがひとつひとつ可愛くていじらしくて、すっかり没頭。
最悪の形で達之の嘘がわかったときも、その後頑なになって信じられなくなるのもとても迫って、胸が痛かった。
意を決したパーティ参加で志向を明記することやネコの方が料金が高いこととか。あんなに大切にしていたロマンス小説に何も感じなくなってしまったところとか。
嬉しいも悲しいも、拓海の喜怒哀楽にシンクロしながら最後までとても入れ込んで読んでしまいました。
そのぶんえっちが甘くてそれも悶えました。

同時収録のスピンオフというか、慎吾のお話の方も素直でない空ドライさがいじらしく、でもぽんぽん進む分こちらのCPのほうが慣れたえっちさがありました。
近場で二組だけどどちらも幸せになってほしい二組でした。慎吾たちのほうが北村さんにとって降って湧いた感じでハラハラするので、もう少しその後も読みたい。

実はちるちるで最初にソムリエさんに勧められたうちの一冊で、表紙がほんわか可愛いなあと購入を決めたのですが、余りに感動して今までレビューもまとまりませんでした。この作品でちるちるにハマったとも言えます。
でもこの作品以降のソムリエさんと余り合わないのでwまたこういう出会いを教えてほしいです。
今は月村先生ローラー中です。

2

クールな皮をかぶったロマンチストにギャップ萌え

クールでシニカルな独身主義を演出しているゲイの拓海。
本当は運命の相手との出会いを夢見るロマンチストで
勇気を出してゲイのお見合いパーティーに参加することから物語は始まります。

雰囲気に馴染めなくておどおどと壁の花と化すしながら可愛い青年と笑顔で談笑する好みど真ん中の相手を発見。
一対一の自己紹介タイムでは会話は弾まず相手の好みのタイプとは正反対と分かり意気消沈するけれど、なぜかお互いの希望が一致しカップリング成立!

二人で話すとき笑顔で答えてくれたとき拓海があまりに嬉しくて涙がポロリの場面があります。
嫌われてると思った相手が見せてくれた笑顔に喜び、解けた緊張感に感情が高ぶった匠の気持ちがよーくわかってこちらもぐっとこみ上げてしまったくらいです。
そのあとも拓海は連絡先を聞いてこない相手にやっぱりフェードアウトするつもりだからかなあなんてどうしてそうも自分に自信がないのかすごく興味が出ました。
過去の悪い恋愛経験のせいでしょうか。
日頃の仕事上は社交的でモテモテなのに一線引いたクールさとは違う実情がなんとも愛しいです。

そんなギャップのある可愛らしい拓海くんのお相手は、なんだかワケありげ、だと思ったら…

細谷の本当のお見合いパーティーへの参加理由を知った拓海が酷く傷つきます。
すごく優しくて拓海のことも大切に思っている様子だったので何もかも演技とは思えず連絡が取れずに焦りまくる細谷に何とかして起死回生してくれ!!と応援せずにはいられませんでした。

3

受けの拓海がすっごく可愛かった。

ゲイである事を隠すために「クールで皮肉屋な独身主義」を装っている受けの拓海が、本当は過剰なまでに恋と結婚に憧れるロマンチストで、ロマンス小説の愛読者というところが良かったです。

コミックだと「腐男子」とか「少女漫画愛読者」は数人いるけど、ロマンス小説愛読者はお初でした。
しかもオースティンも読んでるとかね。
なんかいいわーってそれだけで好感度大。
拓海おすすめのロマンス小説「フレデリカの初恋」は実在する小説みたいなのでこちらも読んでみるつもり。

勇気を出してゲイ向けの婚活パーティーに出かけるも、カップル成立した相手がまさかのノンケというお話だけど、ぽろっ、ぽろっと見えてくる拓海の素顔が可愛くて、いじらしくて、同性だからとかいう言う前にこんな子を傷つけたくないなぁ、泣かせたくないなぁと思ってしまう攻めの細谷の気持ちが良くわかる。

そして人一倍結婚や家族に憧れながらも孤独に生きていた拓海の背景やトラウマを知って、大切にしよう!と思う細谷が本当に優しくて、口調も丁寧でいいなーって思えました。
時々あまりの愛おしさに抱きたくてたまらなくなるんだけど、理性を総動員させて何とか衝動を抑えている姿がこれまた非常に美味しかった。

これ以上ない最悪の形で攻めがノンケだという事実を知った衝撃。
そのあとの「宝物だった本は今やがらくたと成り果てていた」という一文が気持ちの全てを表していて切ない。

スピンオフもノンケ×ゲイカプのお話で、こっちもかわいかった。
本編の受け・拓海が本当はロマンチストなのにクールな自分を装ってたように、スピンオフの受けも実は3年前からずっと好きだったのに何でもない風を装ってたという、どっちも仮面を被ってたというところが切なくも愛おしいキャラだなぁ。

あと「受けちゃん同士が仲良くする」というのにちょい萌えがあるので、拓海宅で慎吾と仲良くしてる姿、和みました。
ぎゅーぎゅー抱き合ったり、一緒のベッドに寝たりする姿、こいつら二人まとめて可愛すぎだろ!みたいな。

6

その時、ロマンスが舞い降りた⁈ ロマンティックが溢れて止まらない‼︎

「BLアワードにノミネートされなきゃ死ぬ」リストで、「恋のゴールがわかりません!」を読んだら、本作が好きな人はきっとこれも好き、リストに挙がっていたので、買いました。
表紙の右側、眼鏡を掛けた方が拓海、かと思って読み始めたので、(だってクールビューティって。)アレレ⁈って思いましたが、橋本あおい先生は大好きなんですが、こと本作に関しては描き分けが甘い様な。ちょっと自分のイメージとは違くて。 月村奎先生 × 樹要先生のコミックは好きなので、そっちのイメージと混ぜたりして、何だかほんわりイメージが固まらないまま読んでいました。

他の方も触れてますが、婚活ならぬ『恋活』でのタチネコ表記⁈ もちろん、ゲイの恋活がそれなくては話にならないと思いますが、どこで見た記事だったか、『深刻なタチ不足』というのを思い出してしまう。男女のお見合いパーティでも、医者や弁護士など、安定した高所得の男性を望む女性の参加費は高額で、女子大を出たばかりという様な若い女性を望む男性の参加費は高額と聞く。どちらもそれは欲が介在しているのだが。「ネコ」であるというだけで、高い参加費を支払わなければならないという、いたたまれなさ。自分の性癖を大っぴらにしなくてはならない、いたたまれなさ。
ただでさえ繊細で、そんな「晒し」には耐えられない拓海が勇気を振り絞って書いた相手、細谷。
単なる付き添いで来ていた細谷はノンケの筈なのに、拓海のその美しい外見と、繊細さ、臆病な可愛らしさに、程なく魅了されてしまう。そして、この関係を壊さないように、傷付け無いように。
まるでお姫様の様に。大切に大切にと、取り扱う。
両親を早くに亡くして、自分の性癖も隠してきて。友達と呼べる人も少なくて。
会社では、彼女を作らないクールキャラを演じて来た拓海は、家族愛や恋や結婚に焦がれていて、
趣味はロマンス作品を読むこと。ジェーン・オースティンの「自負と偏見」も愛読書の一つなんだそうだが。エリザベスはもっとヒステリックだし。(大体ジェーン・オースティンがヒステリーじゃないか。)けれど、高慢な筈のダーシーが、ことエリザベスに関しては必死に頑張っているという中盤からは細谷の頑張りに近いものを感じられて。拓海はヒステリックでは無いが、臆病過ぎて、卑屈過ぎる。その描写がしつこ過ぎて、読み手側としては若干引いてしまうのだが、彼が家族を亡くしてからずっと独りで寂しい思いを抱えて生きてきたことを思えば、細谷にだけは引いて欲しくない‼︎ と、勝手に思ってしまうのだ。
もちろん細谷は引かない。絶対に、絶対に、引かない。
ノンケであること、従兄弟の付き添いで参加したことなどは、拓海を傷付け無いようにタイミングを見計らって告白しようと思っていたのに。同僚の悪意の無い不用意な言葉から思いがけずバレてしまい、その事で拓海を深く傷付けてしまう。
結果的にはその事があって、ふたりの仲は一線を越える事になるのだが…。
何があっても揺るがない、細谷の愛情と優しさ。いつも拓海が望む以上のロマンスを与えてくれるその素敵さ。ひとつひとつ、ロマンティックが溢れていて。
細谷の拓海を想う愛おしさ、にはため息ものです♡
エチシーンもそう。拓海は恥ずかしさのあまりに身をよじりますが、甘あま過ぎて読みながら身をよじりそうです‼︎

スピンオフも同時収録されていて。細谷の従兄弟の恋とそのドキハラが描かれています。
一冊でお腹いっぱいロマンティック♡ 読み応えあり過ぎ‼︎

0

めっちゃロマンチック!

おおー……
怒涛のロマンチック展開にちょっと面くらいました。
冒頭で捻くれ者の恋物語が始めるかと思いきや
そう装っているだけで本当はめちゃくちゃロマンティストなんですね!
ウン、運命に憧れる気持ちはわからなくもないし
お見合いパーティーで拓海が内心落ち込んでしまう気持ちも
なるほどーとは思ったのですが
私にはちょっと乙女度が高かったかな……。
畳みかけるような細谷の優しさに気が遠くなりかけましたww
こんな気遣いさんっているかな!?いやいないな!!??
そもそもこれだけの男が独り身なはずがない……。
拓海のようにとまでは言いませんが
なんとなくおネガになってしまった私です。

きっと後半も激甘なんでしょそうなんでしょと
拗ね気味で読ませていただいたらやっぱり甘かったですww
細谷の従弟・慎吾がやんちゃなネコって感じで
結局キューピッドっぽいんですもんね。
更には細谷の同僚・北村と…。
うまくいきすぎじゃないか君達は!!!
ってこれって明らかに嫉妬ですねww

多分、私にとって月村さんのお書きになる攻めはわりとタイプなんですが
受けは可愛らしすぎるような気がします。
いじらしい、健気、自分を卑下する、という感じの…。
そんな受けを甘やかして幸せにしてあげるのが
月村さんの包容力攻めなんでしょうね。
度が過ぎるとちょっと困りますが
もう少し自分に自信持っていいのに!と発破をかけたくなりますww

何はともあれ、ご馳走様でした!

6

ロマンチストギャップ受けに男前攻めが萌える!

甘~い、幸せです!絶妙なバランスで余計なすれ違いもたいしてなくあっても早めに解決し、甘くて主人公が幸せになるのを見守りこちらも幸せになれるお話です。

ロマンス小説よりも素敵な恋が出来ましたね!
拓海のギャップとそこに萌えてくれて、全てを受け入れ全肯定して愛でてくれる細谷も最高です。

拓海の天涯孤独なロマンチストな所も、細谷との幸せを噛み締めて泣きそうになるところも、ノンケ相手に気を使うところも全て愛してくれてありがとう!

拓海が可愛くて。会社でのクールビューティーの仮面とのギャップや恋がしたい!って頑張ってみるところも、細谷とのことも、なんて可愛いの!責任取ってよね!(笑)

これも運命の恋だから
こちらは細谷のいとこと同僚の慎吾と北村カップルのお話ですね。
慎吾は3年も北村に片想いしてたんですね。そして北村も俺なら慎吾を悲しませたりしないのに、俺が男も行けたらなどと…。

北村の中で男同士の壁は一気に崩れ甘々エッチに。良かったね!北村のコミカルさがいい!

どちらも受けのギャップ萌えに攻めがやられちゃいますね。

ノーストレスでかつ面白くて甘々で幸せになれるとってもいいお話でした。

6

初っ端のエピソードで完璧に持っていかれました

電子書籍で読了。挿絵、あとがき、著者・イラストレーター紹介も入っていました。

あまりにも高評価なので、ついつい手が出なかった月村さんのこのお話(へそ曲がりなんです)。
読後、最初に出た感想が「皆さんが好きなの、わかるわー」。

オトメン、ノンケ攻め、両片思いのすれ違い等々、様々な萌え要素を突っ込んで仕上げたお話は大変軽く見えますけれど、この『軽み』はベテラン作家だからこそ。『ライト方面を狙った流し打ち』とか『ぶっちぎりでドリブルしてきた後のループシュート』みたいに私は感じましたです。

コメディなんですけれど、私の気持ちを大きく抉るエピソードが初っ端にありました。
お見合いパーティーの受付で拓海がが渡された名札にはナンバーと一緒に『ネコ』の表記があり、参加費がタチよりも1,000円高かった、という部分です。
これ、自分のことだとしたら、かなり辛い。
性癖を書いた名札を付けることも辛いし、相手より沢山のものを差し出さないとパーティーに参加出来ないことを思い知らされるのも辛い。

もう、ここで一気に拓海に感情移入しちゃってね。
そうなったら、彼の幸せを全力で応援するしかないじゃありませんか!

9

サブカップルが好き♡

いまいちハマらなかったのは、受けの女々しさ故だと思います……


ゲイとして肩身が狭く、交際に憧れロマンス小説か趣味になった、ゲイバレしたくないからスカした態度でいる、これらは全然理解できるんですが……


初めての好きな人との交際で浮かれたり沈んだりするのは分かるのですが、その描写がわたしにはクド過ぎました……特にネガティブ発揮している時なんかは、突っ込みたくなるほどでした。


ですが、攻めは落ち着いた大人の男性でスパダリも目指せそうな好みのキャラで、攻めの思いやりや思慮深さにキュンときました。



1番萌えたのはサブカップルの攻めの同僚✕攻め従兄弟でした。
愛を求めて彷徨う系の子かと思いきや、ノンケの同僚くんにずっと片思いしていたとは!!


スマホを見られて気持ちがバレて泣きながら謝らないからね!と言っていたシーンにキュンキュンが止まりませんでした。
その後の同僚くんの思い切りと積極性にバンザイ!!



乙女な受けに少し抵抗がありましたが、萌えどころもあったので。

6

ない。

薄っぺら~~~いし寒い…なんでこんなに人気なのか謎です。元々はわわ系の受けは好みじゃありませんでしたがこれはクサイ。
両視点だったのも、あーはいはい感に拍車をかけてます。運命(笑)
漫画だったらまだ読めたのかもしれないけど小説でこれはキツい。
この作者の小説は初めて読みましたが、何冊も本を出してる方の作品とは思えません。
数百円出したのも悔やまれるレベル。ケータイ小説好きな人にはいいのかもしれません。

10

まさに運命の恋

本当は恋愛小説の主人公のような恋に憧れる、普段はクールに決めている拓海の気持ちが伝わるちょっとうるっとくる作品でした。
理想の恋人細谷と出会い、乙女のような気持ちで毎日を過ごす拓海に誰でも経験のあるドキドキする気持ちを思い出させてもらいました。
好きで好きで、もう言葉では言い表せられないほど大好きな細谷のことばかりを考えるからこそ、泣いたり笑ったりドキドキきゅんきゅんする拓海の心を月村先生が素敵に表現しています。どこか乙女のような拓海の気持ちは、私達女性に「あーわかるわかるその気持ち!」と言わせてしまうのです。共感できるところがたくさんあるので、拓海と一緒に悲しくて泣いたり嬉しくてにやけたり、読んでいて忙しいけどすごく楽しかったです。忘れかけてた、大好きな人のことを想う恋する気持ちを思い出させてくれた作品です。

17

両視点ならではの良さ

恋に夢見る受けの拓海は、職場ではクールを気取っています。そんな彼ですがゲイの恋活イベントに向かいダメだと思いながらも目を惹かれる細谷とのカップルを希望しそれが通ります。
まさに運命とばかりに、成立後には細谷の趣味に合わせるよう初心者向けの登山から頑張ろうとするなど健気です。

成立後、視点が攻めの細谷へと変わり彼がノンケで且つ誰ともカップルにならないよう振舞っていたという事が分かります。そのままフェードアウトしてしまえば良かったのに何故だか拓海の事が気になるので彼とのデートを楽しんでいます。
気付けば拓海に対して恋をしてしまっていますが、同僚の北村によりノンケである事とつきそいでの参加だったという事を知らされてショックを受けます。

今までの事は何だったのか、自分をあざ笑うためだったのか、ネタの為なのかとショックを受けた拓海は大好きで大切だったロマンス小説が全く楽しめないというくらい落ち込んでしまいます。しまいには手放してしまおうというくらい変わってしまいました。
この変の拓海の様子がもう心が締め付けられるくらい切なかったです。

細谷は拓海の過去の恋愛から体というよりも心を重視しているのかなと思いました。一生懸命自分を押さえつけていたのに、まさか手を出さなかったからと怒られるとは思いもせず、彼を襲います。とはいえ無理やりという訳でもないので、痛いとかでは無いのが良かったです。

終盤にもう1つのカプである、細谷の同僚の北村と細谷の従弟慎吾の短編がありますが、これもとても良かったです。短いページながらも読みごたえがありました。慎吾の過去を見ると幸せになって欲しかったので、口が軽いというか考えて言葉を発さないもの慎吾を幸せにしてくれるという人と幸せになれて良かったです。

てっきり慎吾たちのカプでもう1冊出すのかなというくらいドラマティックな感じだった分、少しメインの2人が霞んでしまったかなという印象です。逆にもう少し読みたかったかなとも思わせてくれます。
でも最後まで飽きずに読めたのかなと思うとこれはこれで良かったのかなと思います。

攻め2人がノンケだったのに簡単に受け入れたというのにはちょっと疑問はありましたが、それを抜きにしてもとても楽しい作品です。

7

運命の恋に出会えてよかったね。

雑誌掲載時よりとても好きだなーって思ったお話だったので、文庫化を待っていました。
今回、メインカプの書き下ろし+いとこの慎吾君のラブストーリーまで読めてにまにまです。

 詳細は他の方々が書いて下さってるので、好きだーって言いたい私の感想をネタバレ含めて書かせて頂きます。



 まずは受け様の拓海。
これがまたロマンチストでかわいい。
1本の白髪を発見した事で夢見る夢男さんではダメだ、と自分から1歩進もうとゲイ向け婚活パーティに参加して前向きに頑張ってる。
カップル成立した後は、細谷の言動に一喜一憂している姿はいじらしくてかわいくてたまりません。

 攻め様の細谷。
こちらもカップルになるつもりなかったのに、戸惑いつつもなんだか心惹かれる拓海に対して自分に正直に行動していて、清清しいくらい男前で包容力のあるいい男でした。

 細谷がノーマルであり、パーティに参加した本当の理由を知った時の拓海のショック加減は、本当に天国から地獄の心境で、信じられない、信じたくないと揺れ動く自分の心の天秤に振り回されていて不憫でたまりませんでした。
そして、着信拒否された細谷の焦燥具合には私の萌度アップ。

 拓海から「男が抱けるんですか?」と言われて、我慢していたのも知らずに、とキレた細谷の「責任とれよ」がまたたまらなくいい!!!
普段、拓海に対し丁寧に接していて口調も穏やかな細谷の激情にかられた乱暴なお言葉。
この攻め様の甘い命令が大好きなんです。
拓海の動揺を感じたら、すぐに甘く優しくそれでいてキッパリ求めてきて紳士ぶりをいかんなく発揮。
えちシーンも甘々でかわいくてとってもよかったです。

 書き下ろしは、いとこの慎吾くんをはさんで、お互いがやきもちを焼いちゃいました、というお話。
でも、運命の恋人を大事にしていて誤解のないように、と素直に自分の気持ちを告げるのはとても微笑ましいし、やっぱりかわいくて。

 運命の恋とはいえ現実にお付き合いとなれば、これから先もケンカもすれば不安に思う事もあるんだろうけど、この2人なら大丈夫、「大好き」という気持ちを大事にずっと手をつないで歩いていける、と思わせてくれるとても好きな2人でした。


 最後に細谷のいとこの慎吾くんのお話。
こちらも純情で天邪鬼でかわいい慎吾くんと、大らかでどーんと受け入れてくれる北村のかわいいお話。
特にクローゼットに篭城した慎吾の抱いたリスのぬいぐるみのしっぽをめぐる攻防戦のかわいいこと。
「この子だけは下さい、ごめんなさい」と泣きながら言ってる慎吾くんのかわいさ、いじらしさにはきゅん死するかと思いました。
そして、その場面の橋本あおいさんのイラストがこれまたとってもかわいい。
あんな姿見たら、落ちるよなぁ。

 2人の攻め様が、2人して相手を殺人級にかわいいと思っているような、糖度120%の甘々な1冊で大満足なのでした。

 
 

11

可愛い受け達

「それは運命の恋だから」「やはり運命の恋だから」「これも運命の恋だから」の三編が収録されてて、「これも〜」のみ表題作のスピンオフになります。
表題作もスピンオフも、受けが可愛くてキュンキュンするお話でした。
先の方が詳しくレビューされてますので、思うがままの感想で失礼します。

ロマンス小説好きで運命の恋を信じているくせに、会社ではクールにぼっち至上主義を謳う拓海が可愛いったらありゃしない(*´Д`*)
一人で肩肘張って生きてきたせいもありささやかな幸せに涙し、それを隠せているつもりでも細谷は気付いているという事に、細谷ならずとも萌えます!
付き合ってからは、本来ノンケの細谷が萎えないようにと後ろからしかHしないというのもなんともいじらしい。

対して細谷は大らかというか懐が深いというか、間違ってCPになったのに頭から拒否せずに歩み寄ろうとする態度に好感が持てました。
隠し事せずにクリーンな状態で付き合いたいという気持ちと、全て大っぴらにしたら傷つけるかもしれないという気持ちで悩むのも分かるな〜と。
結果的に拓海を傷つけてしまうんだけど、私は嫌いになれないタイプの攻め様でした。

スピンオフの受けは細谷の従弟・慎吾のお話。
慎吾はちょっと可愛こぶりっこ系かな?と思いきや、可愛らしいのは素で一思いやりがあり一途なんです。
これまた、北村じゃなくてもオチるわ…といったキャラでした。
自分の秘めてた想いがバレてクローゼットに籠城するシーンは、愛おしくていじらしくてどうしましょ!ってなります(^^;;

エロもしっかりあり、キュンと萌えを沢山頂いた作品でした。

9

一生懸命の可愛さ

安定の月村先生のラブコメ!きゅんとして可愛くて、癒されたい時にはぴったりのお話です。



職場ではクールな独身主義者のフリをしているけど、恋愛小説のような恋に憧れる乙女な倉橋。男同士の恋活パーティーに参加し、あまり話も弾まなかった北村とカップル成立!?北村には実は事情があって…というストーリー。
登山が趣味で料理上手が好みという北村さんのために、頑張ってジョギングをしたり料理しようとしてみたり、と努力する倉橋さんが可愛すぎます…!よく今までクールを装って来れましたという可愛いさです。

北村さんの、「人の出会いは全て運命的」という言葉が素敵でした。
恋活パーティーでの出会いでも、お互いがこれほど好きになれたのだから、それは運命の恋なのです。



すれ違いや、トラブルなんかもありますが、甘〜いラブコメで幸せな気分になれます。健気さんが好きな人や、癒されたい人は是非に!

6

運命の恋

タイトルと月村先生・作に興味が湧いて、新書館の新刊試し読みで心を鷲掴みされました。
出会いがとっても面白かったんです。
楽しく読めました。

山崎拓海は普段はクールな独身主義者を気取っていて、ゲイという事と結婚や家庭への憧れをひた隠しして
います。
本当は、蔵書の大半が女性向けのロマンス小説で小説のような恋愛が理想の、心は乙女タイプです。
恋活パーティーで出会う細谷達之は、ゲイの従弟の付き添いで参加しただけのノンケです。

まず、男同士の恋活パーティーの様子に興味津々でした。
タチよりネコの方が参加費が千円高いとか、プロフィールカードを見せ合うとかが面白いです。
そして拓海が一言も話していない唯一気になった細谷の名前をカードに書いたら、なぜかカップルが成立。
二人共パーティーの時とその後二人で話した時の感じが違うところに、好感を持つんですね。
両視点なので、その時々の恋する気持ちが育っていく過程が読めていいです。
初対面でのクールな鎧がはがれた拓海が、細谷にとっては可愛くてしょうがないなんて微笑ましいです。
デートを重ねながら細谷がゲイではないのにパーティーに参加した事を打ち明けられずにいるうちに、
恋愛にトラウマのある拓海を傷つけない為にそれは今じゃないと決めるなんて優しいと思っていたら、
やっぱりハラハラ要素になってしまいました。
偶発的に知ってしまった拓海は可哀想でしたが、そこは細谷の頑張り所です。
拓海を大事に思いキスまでで留まっていた細谷がなし崩し的にセックスしたことを後悔していたけど、
拓海が言葉でなくとも深くわかりあえたのは良かったです。
身も心も愛し愛されてそのまま細谷が初お泊りしたなんて、拓海くんおめでとうです。

拓海がちょっとしたことに感激して涙ぐむシーンは読むたびに私も泣きそうになって困りました。
それを拓海はごまかそうとしているけど、細谷が気づいているというのがたまりません。
ごまかし方に拓海らしい不器用さが出ていて、細谷が大切にしたいと思うのも納得です。
やきもちを焼いたり焼かれたりの後のラブラブもご馳走様でした。
拓海が素直に気持ちを伝えられるようになって、より愛が深まった感がありました。
同僚に「偏屈王の山崎が鼻歌なんて…」と言われていた拓海は、その後どうなっていくのでしょう。
問題は起きて欲しくないけど、二人の事をもっと読みたいです。

3部作になっていて、3つ目は本編に登場していた細谷の同僚・北村と細谷の従弟・慎吾のお話。
こちらは慎吾が可愛いキャラなのにドタバタしていて(笑)、慎吾にも幸せが訪れていい感じでした。
できれば1冊メインカプで読みたかった気もしたけど、お話としては繋がっているのでやっぱりこれでアリ
なのかな。
二人が名前呼び・呼び捨てになるところまで読んでみたかったかも。
細谷と拓海は出会えて本当に良かったです。

14

アラサーカプなのに可愛すぎる

今回は従弟に付き合ってゲイイベント参加したノンケと
クールビーティを装いつつ乙女なゲイのお話です。

ある誤解で始まったお付き合いが本物になるまでと
2人の後日談&従弟の恋の前日譚と
相手に恵まれない従弟に素敵な恋人ができるまで。

受様は両親を若くして亡くし
兄弟もいないために
家庭にとても憧れを持っています。

しかし受様の恋愛対象は同性なので
まずは恋愛対象となる相手を
見つける事からして難しいのです。

社会人なってから早8年、
自分の性癖をひた隠しにしている受様は
クールで皮肉屋の独身主義者で通っていますが

本当はロマンス小説の愛好家であり
過剰なまでにロマンチストなので
運命の出会いを理想としていたのです。

しかし、ある日のトイレタイムで
アラサーなのに1本の白髪を見つけて
衝撃を受けてしまいます。

運命の出会いを夢見るうちに
あっという間に冴えない中年になるかも!?

そこで受様は一念発起して
お見合いパーティーへの参加を決めて
真面目で健全なパーティを探して
決死の覚悟で申し込みます。

そして迎えた当日、
自己紹介タイム後のフリータイムには
何人かが受様にアプローチしてきますが

いつも通りには振舞えない上に
妙に身構えて生真面目な受様は戸惑われて
なかなかうまく話が弾みません。

気疲れた受様はカップル成立を諦めて
一言も会話をしなかったけれども
とても気になった男性の番号を
最終投票カードに書いたのですが

なんと相手は受様の番号を書いていて
カップル成立できてしまいます♪

その男性こそが今回の攻め様ですが
実は攻様は事情があって
このパーティーに参加していたのです。

果たして受様は攻様と恋人になれるのか!?

雑誌掲載作のタイトル作に
続編短編を書き下ろしての文庫化になります。

クールビューティな受様が大好物で
雑誌でもとっても面白く読めましたので
期待値大で手に取りましたが期待通りでした♡

実は攻様は従弟のお供で参加しただけで
カップル成立させる気はなく
同じく関心もなさそうだった受様を
相手に選んだだけだったのです。

まさかの展開に戸惑う攻様でしたが
攻様に選んでもらって幸せだ
これからは死ぬ気で頑張って
攻様好みの恋人になるという受様に
事情を話して謝るタイミングを
逸してしまいます。

そうしてお付き合いを進めるうちに
攻様も受様に惹かれていって
順調にお付き合いが進みますが

思いもかけないきっかけで
攻様が恋活パーティに参加した理由を
受様が知ってしまって疑心暗鬼に!!

2人の恋の大ピンチですが
攻様は心はもう決まっていたので
受様を説得して納得させてめでたく
身体込みのお付き合いに昇格するまで
とても楽しく読めました♪

受様視点、攻様視点が交互で進むので
受様がもやもや悩む姿も
攻様にはとっても可愛く見えたりで
2人それぞれの気持ちが丸わかりだし

受様の会社でのクールビューティぶりにも
実情を知る読者的にはムフフって笑えて
すっごく萌えました (^O^)/

続編は2人の出会いのきっかけとなった
従弟がストーキングされるというお話でしたが

受様が従弟をかばって男前だつたり
攻様が従弟にも嫉妬したりと
本編とは違った面が見れて面白かったし

その後の従弟のお話も
ロマンチストの受様におとらず
従弟くんの言動が可愛いいのですよ♪

攻様達は2人ともノーマルですが
とても可愛い恋人が出来て
受様達より幸運度は高いのかも (^m^)

今回は乙女な受様つながりで
松雪奈々さん『かわいくなくても』を
ご紹介します。
受様の片思いからの両想い展開です。

6

くっそ可愛いっ

可愛すぎて、なぜか「ヤラれた、悔しいっ」という気分です。2016年小説ディアプラスに掲載された表題作140P弱+メインカプの後日談書き下ろし60Pほど+サブカプのお話書き下ろし45P超+先生のあとがきでした。地雷は、最後の方にちょっとだけストーカーさんが出てくることぐらいかな。月村先生テイストだなあと私は思います。リーマンなのに可愛い可愛いお話でした。こんな可愛いリーマンがいるなら会社に飾っておきたい。毎日おちょくり倒したい。神にしちゃうと月村先生の作品、ほとんど神になっちゃうのではと懸念されたので萌2にします。

お話は、結婚はコスパが悪い(!)とクールな独身貴族を気取っていた拓海が、ある日トイレの鏡に映った1本の白髪に愕然とするところから始まります。運命の出会いを夢見ているのに、白髪になって腹が出てきたらそんな夢みたいな事起こり得ないじゃないか!!!と気付き、思い切ってゲイのお見合いパーティへ出かけ、そこで出会ったのが・・・と続きます。

登場人物は、攻めさんの同僚(北村)、攻めさんの従弟(慎吾)ぐらいかな。こちらの二人もまたとてつもなくいい奴&可愛い。

大好きなあおい先生の挿絵情報(人):カラー1、モノクロ大7、書き下ろしの間に小1.どれも素敵なんですけど、この小が激可愛い♡床にうつ伏せになってクッションを抱えて文庫本(おそらくロマンス小説)をニコニコ読んでる図なのですが・・・かわいすぎるーーーーーーあおい先生、可愛い表情を描いていただいたらピカイチだわ・・・・

*******以下は個人的感想

本編のカプも好きでしたが、サブカプが猛烈に好きです。あるものを北村からもらうのですが、北村の事を好きとバレてしまって、もらったプレゼントを返したくない返したくないと泣きじゃくる慎吾が強烈に可愛い、せつない、愛おしい。そんなこと言われたら、そりゃ堕ちる。そのシーン、あおい先生が描いてくださって、慎吾の表情は金メダルものです。お楽しみになさってください。

本はいろんな方法で癒しをくれるけど、BLのこういう可愛い癒しはやっぱり必需品 と思いました。

6

ギャップ萌


表題作+「やはり運命の恋でした」+SS「これも運命の恋だから」の3本立てです。

サラリーマンの山崎拓海(受け)は一念発起して参加した恋活パーティーで一目惚れした細谷(攻め)と思いがけずカップルになることができました。
恋人ができて大喜びの拓海は週末になると細谷とデートして仲を深めていくのですが‥

拓海は見目がよいのでモテるのですが、ゲイばれするのを恐れるあまり、職場では恋愛に興味がない愛想の悪いクールビューティーのキャラで通していて、結婚なんてコスパが悪いと豪語しています。
本当はロマンティストで女性向けの恋愛小説が好きな乙女な性格で、家族や結婚に強い憧れを抱いていて、結婚する同僚が羨ましくてしかたありません。
運命の相手に巡り合うというのに憧れており、作為的な出会いの場というのは避けていたのですが、思い切って恋活パーティーに参加することにするのです。
当日はとても緊張してしまい、うまく会話できなくて諦めていたのに、ダメ元で書いてみた細谷とカップルが成立し、有頂天になります。この機会を逃したら二度と恋人などできないかもと一生懸命アプローチするのです。

自分のことを卑下することもありますが、前向きに細谷に愛想尽かされないよう一生懸命頑張る姿は可愛いし、好感が持てます。


細谷は従弟の慎吾に頼まれて付き添いできていたノンケでした。誰ともカップル成立しないよう気を使い、最終投票では愛想が悪かった(緊張していただけ)上、何となく目をひいた拓海に投票し、図らずもカップル成立となり戸惑います。
気がないと思っていた拓海がカップルになったとたん一生懸命アピールする様子に本当のことが言えなくなり、そのまま付き合いううちにどんどん拓海のことかわいいと思う瞬間が増え、自分は拓海に気が付かないうちに一目ぼれしたことに気が付くのです。

パーティーに出席した理由はどうあれ今は拓海のことが好きなのだからと、付き添いで出席したということは黙っていることに決めるのですが、思わぬところから面白おかしくネタとしてばらされてしまいます。
本当に両想いでカップル成立したと思っていた拓海は激しく傷つきます。
普段はなるべく前向きにと頑張っている拓海がすっかり気落ちしてしまってかわいそうでした。真実を知った拓海が考える細谷の状況がほぼ正確に把握できているところが余計に気の毒で。
でも、殻に閉じこもろうとする拓海を力ずくでこじ開ける細谷は男前だと思いました。真実をばらした同僚をちょっとは恨みながらも、自分が原因だからと他人のせいせず、状況を打開しようと頑張る姿は好感が持てました。

めでたく本当の両想いになった二人は蜜月状態になりますが、ノンケの細谷が我に返ってしまうのを恐れ、エッチは後ろからしかしないとか気を使っている拓海が少し切なかったです。
が、そんなことを吹き飛ばすべく慎吾のトラブルに巻き込まれます。

DV男に果敢に対抗し、慎吾を自宅に避難させたり、それにより細谷と気まずくなったりとする中で、中々細谷を信じきれてなかった拓海が、細谷を信頼し、自分をさらけ出せるまでになれて本当によかったです。

SSは拓海にうっかり真実を話してしまった細谷の同僚・北村(SS攻め)視点で、男運が悪く失恋してばかりの慎吾(SS受け)の恋のお話です。
本編の二人の話の後のDV男との決着編です。
ビッチに見えて実は純情な慎吾が好きな人とやっと結ばれる話で、いい子なのに中々いい人と巡り会えない慎吾報われる日がきて、これまた良かったです。


今回は「初恋大パニック」に続き2冊目の両視点でのお話だそうです。
両視点なので、お互いが心理描写がはっきりとしていて、それぞれを好きになる過程がとてもよくわかって私はとても面白かったと思いました。

会社の人間と一緒にいる拓海が自分といるときとのギャップに萌えまくってる細谷にこれからいっぱい甘えさせてもらうといいと思います。
そして、今まで本当に好きな人とちゃんと付き合えてなかった慎吾も北村にたくさんかわいがってもらって欲しいです。

8

キュン死するわ!!!

橋本先生目当てで買いましたが大当たり!ナニコレやばい~~~!!!
この本抱き締めてごろごろしたくなった!www
最初は攻めが黒髪眼鏡とか萌えツボに嵌まるに決まってる!と自信満々(?)に読み始めたら、受けが可愛すぎて意外にそっちにもハマりまくりでした!結果二人とも大好き!はよくっつけ!!!っていうw
視点はころころ変わってますが、一貫して受けに感情移入して読めました。ドキドキしたりキュンキュンしたりする拓海と一緒になってときめける、幸せな時間をもらった気分です!外見クール美人な拓海の中身がこんなに可愛いなんてズルいでしょ~
Hシーンは攻めの敬語の言葉責めから余裕がなくなるにつれてタメ口になっていくのが堪りませんでした!萌える!萌えた!

脇カプのお話も収録されていて、こちらも可愛かったです。主役カプに萌えすぎて印象は薄いのですがw

こんなに最初からすんなり受けに感情移入できて、ここまで同じ気持ちでキュンキュンさせてくれるってすごいと思いました。そこも拓海とシンクロw
これは何回でも読みたいです!

6

かわいかった!

月村先生は心理描写が好きなので、受けがネガ系でないときは手を出すことにしています。今回は橋本先生のおかげか乙女受けがポップで可愛い雰囲気に。

お話は受け視点と攻め視点が交互に入ってくるので、かなり早い段階で攻めの裏事情が読者に明かされます。なので、このノンケの攻めがどうやって受けに惹かれていくのかを楽しみに読み進めていきました。
受けは終始恋する乙女のように一人でわたわたしてて微笑ましい。攻めは偏見の無いノンケというより普通にバイの素質があったのでは?と思わなくも無いですが(男だけど受けだけは特別というほどの事件はないので)受けに惚れていく過程が可愛らしいのでそこらへんの設定はもうなんでもいいです。何よりお互いの秘密がいつどうバレるのか、両視点でどきどきさせられる構成がすごく良かった。

月村作品の評価でよく見かけるネガティブ卑屈受けが苦手という意見ですが、私もダメだったのにこの作品にはきゅんきゅんさせられました。それと橋本先生のイラストもさすがの出来でえっちシーンのえっち度が倍増してる気がしました…。

8

だって二人は愛し合う運命なのです!!

と、鼻息も荒く叫びたくなる、こちらの作品。
これは大人女子の為の、ロマンティックラブストーリーだと思います!!

ところで、ストーリーとしてはノンケとゲイが出会って恋をすると言うだけでして、ホント取り立てて派手な作品では無いのです。
が、普通の日常がロマンティックだと思わせてくれた作品。
運命て、すごくドラマチックで非日常な気がしてましたが、意外と何気ない毎日の中に、さり気なく存在してるものなのかもしれません。


内容です。
ゲイと言うことを隠すため、クールなキャラを演じている会社員の拓海。実はかなりのロマンチストで、運命の出会いに夢を抱いています。
そんなある日、自分の頭に白髪を見つけ、このままでは出逢いも無く年を取って行くだけと言う現実に恐れを抱きます。
意を決して参加する事にしたゲイ向けの恋活パーティー。そこで自分好みのルックスを持つ細谷とカップリングが成立し、夢のような幸せを感じる拓海。
しかし、実は細谷には隠していた事情がありー・・・と言うものです。

まずこちら、月村作品ではお約束の、超卑屈でペシミストな受けです。で、極度のロマンチスト。
そしてこちらもお約束、包容力攻めです。
実は細谷はゲイでは無く、従弟の付き添いで恋活パーティーに参加してて、(カップル成立を避ける為)終始クールな態度で自分に興味が無さそうな拓海を投票カードに書いたという事情だったりします。
なのですが、実は拓海はとても緊張して無表情になっていただけ。
カップル成立後、二人での会話で素の拓海を知り、彼に惹かれる細谷。
ノンケであるのに自分の気持ちをアッサリ受け入れ、拓海と付き合う事にー・・・と言う流れです。


二人の勘違いから始まった恋と言う事で、ストーリー自体もとても面白いのです。
そして今回、月村作品では珍しい事に、両視点で書かれておりまして!!
実は個人的に、この両視点でのストーリー運びと言うのが、とてもとても好きなのです。
両片思いの二人がですね、互いにメロメロだったり、誤解からすれ違ってしまったり・・・。それをニヤニヤだったりキュンキュンだったり、または切なさに悶えながら、両視点から楽しむのが最高なのです。

また、月村作品の受けですが、ちょっぴりうっとうしい部分があり、やたら卑屈だったりしますよね。これが両視点になりますと、超可愛い受けに変身です。
と言うより、細谷にとってはこの面倒くさい受けが、めちゃくちゃ可愛いと言う事実に萌える。元々、攻めが受けにメロメロだったりするのが大好きでして!
拓海が何をやらかしても、「可愛い」と脂下がってるのが最高なのです。いやもう、あばたもエクボとは良く言ったもので。
あと、拓海の方も、何かと細谷が「とても格好いい」と思っておりまして、何かある度に「夢みたい・・・」と涙ぐんでるのにニヤニヤさせてもらいました。

この後、細谷が恋活パーティーでの真実を黙っていた事ですれ違いが起きまして、その部分は結構切ないです。
まぁでも、すれ違いの結末には悶絶。
乙女な拓海を怖がらせないよう、常に紳士的に振る舞って来た細谷。
彼がキレて欲情を剥き出しにする様に萌えまくりました。
声を大にして言いたい。普段よりエロ多めですーーー!!

他、付き合い出した二人のその後のお話や、細谷が恋活パーティーで付き添った従弟・慎吾が主役になる短編も収録されてます。
こちらも可愛い。短編なのが物足りないくらい。

と、めちゃくちゃ楽しく読めました。
とにかくロマンティックな気分に浸って、終始キュンキュンと悶えさせてもらえました。

12

この作品が収納されている本棚

マンスリーレビューランキング(小説)一覧を見る>>

PAGE TOP