電子限定描き下ろし漫画付き
それを、人は愛と呼ぶ
とても面白かった。
近未来SF。
AIの発達により、人間の過去のアーカイブを入れてその人本人と見紛う程の高性能アンドロイドを作れるようになった世界。当然のように死者をアンドロイドとして蘇らせる商売が横行。主人公達はどちらかが死んでもニセモノは作らないでと約束し合うんだけど、受けは喪失に耐えられず攻めのアンドロイドを作ってしまう。結局本人ではない攻めに耐えられず病んでしまうんだけど、自分勝手に作ってしまったアンドロイドの攻めを一人残すこともできず彼のために受けのアンドロイドを用意して姿を消す展開がちょっと世にも奇妙な物語的でSFぽさも強くて好き。最後のアンドロイド同士の会話も切なくて好き。
そして物語は更に未来へと続く。人間が作ったAIが更に高性能なAI(ニューオーダー)を作り世界を管理し始める。人間はオリジンと呼ばれ絶滅危惧種のようにAIに管理保護され安寧の暮らし。世界観がめちゃくちゃ面白い。旧AIと新AIの目的というか構造の違いのようなものの対比が面白かった。ニューオーダーには感情がないので悪意もなく、本当に人間を幸せにするために活動しているんだけど、人間とは違う埋まらない溝があるのが怖い。人間の感情、人間らしさに寄り添おうとはしているけどちょっと的外れなところとか。そして反AIのレジスタンスの青年が、この世界でAIと共存し生きる目的を見つける展開もめちゃ良かった。ただニューオーダーに感情を持たせるのってめちゃ怖いね…とも思ってしまう。今の状況ってニューオーダーが悪意を持ったら終わりなので。
三月えみ先生の新作ですね
SF小説は大好きで中高時代めちゃくちゃ読んでました
また、表紙が綺麗で攻めっぽい子が受けちゃん?を優しく見つめる瞳に惹かれて購入しました
全然予備知識無しに読んだんですが、思ってたのと違ってとても壮大で奥の深いお話でした
当初人間✕アンドロイドのお話だとおもったんです
しかしオリジンとオールドタイプとさらに上をいくニュータイプたちの三者三様の物語でした
2055では弥凪がアオイに自分そっくりの分身を作ったのか理解に苦しんだのですが
なんと!アオイもアンドロイドだったなんて…
最後の弥凪の行動は痛いほどわかりました
いくら本人の意識を搭載したAIだからって
いくら本人の姿をしていたからって
違うんだろうな
かえって孤独を募らせていったんだろうなと…
2人の分身だけを残して、携帯のなかで在りし日のふたりが寄り添う姿に胸がしめつけられて、なんとも言えない気持ちになりました
それからさらに時は流れて2072です
最初ヤナギがオールドAIだと思っていたのですが、違ったんですね
事故で頭部をふっとばされてしまったスルガが、ヤナギはスルガの復活を願った。頭だけスルガの意識を残したAIで
スルガを蘇らせる代わりに実験体として
クーデターの危険性を持つ部分を消すニュータイプ?のスルガとして蘇るのが条件だった
おそらくサガミとスルガの過ごした古い記憶もそのさい消えてしまったみたいな?
であってますでしょうか?
このお話はちょっと難しいので混乱しました(汗)
つまり純粋なオリジン(人間)はサガミなんですね
2人が抱きしめ合ってるとき、スルガが頭部以外にも少し記憶を残してることがわかったっていうシーンがとてもキュンときました
アオイも登場します
ヤナギのデータも見つかったけど、また2人でくらせると…しかしアオイはそれを拒否
します
アオイにとっても偽物のヤナギと暮らすのは悲しいことだったんでしょうねちゃんと人間だった時の意識は残っていたんだなぁと思いました
そしてまた少し時間が経過して
2075年クーデターに加わった青年ミカのお話です矯正施設で、管理AIのリールと暮らしています
人間の姿も可愛いかったけどリール型がなんかペットみたいでめちゃ可愛かったです
健気なんですよね〜一生懸命ミカに尽くそうとするとこがなんとも人らしいです
料理が最悪だったり、落ち込んだり、よしよししたりとほんとかわいい
1家に1台ほしいです
リール型より人間型の方が有能で便利なんだけど、みんな同じ姿なんですよね
壊されてしまったトートは、人間型に生まれ変わるのですが、元があのリール型だったと思うと愛しさ2倍です
このお話の中で、ロボットなのに一番が人間らしいのは彼なんじゃないでしょうか?
何だかめちゃくちゃな文章で上手く説明できなかったですが、このSFBLとてもとても素晴らしい作品だということは、確かです
一番好きなカップルはやはり
葵と弥凪ですね!2人が向こうの世界で出会えますようにと願わずにはいられません
手塚治虫の「火の鳥」をロマンチックにしたようなお話で 、本当に大好きです!
2072、2075、2055と電子の単話を読んでいた時には少し理解しづらい部分もありましたが、今回単行本になって続けて読んで色々繋がりました。
また書き下ろしの「2076」も読んで更にこの物語のエモみが最大限に爆上がりしました。
サガミとスルガのことが最後まで気に掛かっていたから…
人が人であることにおいて大事なものは何か、ということや、平和な世界であり続けるには、それは人間らしさとは共存できないものなのか…などということについて考えさせられます。
後書きを読むと、この物語の世界観はまだ見えてない部分がありそうですし、「僕の断片を探してくれた人」についての物語も見てみたい!
また先生がいつかこの続きを描いてくださることを期待しています!!
本作は3組のカップルの物語が描かれたSFオムニバス作品です。
一つ一つの物語は独立しているのだけれど、
どれも少しずつ繋がっていて、
読み終えてみるとこの3作品で1つの物語なんだなと思えました。
作中では人間とアンドロイド、ニューオーダー(新型AI)が描かれています。
はじめは誰がどちら(人間かAIか)はわからずに読んでいたのだけれど、
読み終えてから見返してみると表情が違うなぁ、と改めて感心でした。
喜びや怒り、悲しみが感情豊かな人類と涙を流すことのできない
無機質なアンドロイドたち。
あとがきでは“ふきだし”でも感情のある者とない者で書き分けてる
とのことでしたが、表情も全く違っていて、その描き分けに注目して
もう1周してみても面白いなぁと思えました。
『2055』
【アオイ×弥凪、アオイ×ヤナギ】
恋人同士のアオイと弥凪ですが、
弥凪が病気の療養のために遠くへ行ってしまうことになり、
アオイを独りにしないために弥凪の人格を模倣した
アンドロイドの“ヤナギ”を置いていくことに。
自分の代わりに恋人に自分によく似たアンドロイドを用意するなんて、
理解し難いと思ったものの、読み進めていくと弥凪の行動に納得でした。
弥凪は“葵”の元へ行けたのだろうか…。
最愛だった弥凪のことを忘れ、幸せそうにヤナギに微笑みかけるアオイに
胸が締め付けられる…。
『2072』
【サガミ×スルガ】
『2055』から時間は流れ、時は2072年。
かつての人類はオリジン呼ばれ、
その数が減少したのに代わり台頭してきたニューオーダー(AI)に
管理されて生きていました。
前時代に人間が作り出した旧型アンドロイドたちは経年と共に
不具合を出すために記憶を抜き出して回収され、廃棄。
そんな彼らの記憶を抜き出す仕事に従事するオリジンのサガミとスルガ。
ある日、相方のサガミから告白されたスルガですが、
同性同士で愛し合うという気持ちがわからない彼は
旧型アンドロイドの記憶にその答えを見出そうとし…。
1話目でも途中まではすっかり騙されていましたが、
この2話目でも後半まで全く疑いもなく読んでいたら、
またやられてしまいました。
スルガの傍で彼を見守り、「好き」を伝えたサガミの気持ちを思うと
切なさに胸が張り裂けそうでした。
「俺はスルガがなんであろうと好きだから」
この一言に全てが詰まっていました。
“アオイ”との交流を通じて、ようやく全てを思い出したスルガ。
長い空白を経て、もう一度恋人同士になった二人。
それまで無感情にも見えたサガミが涙を流しながらスルガを抱くシーンは
もらい泣きせずにいられません。
けれど、束の間の幸せの後、再びサガミに告げられた残酷な現実。
やっぱり、AIに心はないのだろうか。
記憶の中の“スルガ”に別れを告げるようにスルガとの思い出を振り返り、
そっと目をつむるサガミが辛すぎる…。
どうか、サガミとスルガに救いがあって欲しい…。
【ミカ×トート】
こちらは2072年から3年後の2075年のお話。
かつてレジスタンスに属していた人間の青年・ミカと
リール型ニューオーダーのトートの物語。
どうにも救われない愛の物語を二つ読んできて、
いい加減涙腺が限界に達してきたところだったのですが、
こちらは結末からいうとハッピーエンドでした。
人間とAIの種を越えて惹かれ合い、
引き裂かれそうになっても決して手離すまいと縋り、
手に入れた二人だけの愛の形。
AIとしては不完全なことを自覚しながらもミカを愛し抜こうとするトートも、
ニューオーダーを憎みながらもトートの愛に応えようとするミカも
それぞれが不器用で、健気で愛おしくてたまりませんでした。
二人だけではきっとこの結末は迎えられなかったのだと思います。
アオイと弥凪、サガミとスルガの物語があったからこそ、
この2人のハッピーエンドがあるのだと。
そして、描き下ろしで希望が垣間見えたサガミとスルガの物語。
ミカとトートの幸せを願いつつ、傍らで二人を見守る彼らのことが
ずっと気になっていただけにこのラストの演出に救われました。
切なさでしんどくて泣きっぱなしだったけれど、
最後の最後で感動の涙が溢れました。
先生の『拒まない男』が大好きな作品。
収録作『2055』は単話購入で既読でした。単行本も高評価で気になったので購入しました。全247ページ。
『2055』『2072』『2075』それぞれ少しずつ繋がりのあるストーリー。一読して、特に2072と2075は難しいと感じるところもあったのですが、再読しつつ感想を綴ってみます。
本作はネタバレ少なめで読まれることをお勧めしたいです。以下少々ネタバレありますのでご注意ください。(ページ数は目安です)
【2055】(約25ページ)
弥凪とアオイは恋人同士。
病気治療のため遠くへ行く弥凪は、自分の代わりにアオイの側にいてもらうため、アンドロイドの“ヤナギ”を用意するが…。
初めて読んだ時、なんともやるせない、哀しい気持ちになったのを思い出しました…。海に入る弥凪の笑顔が切ない…。
単話を読んだ時は、弥凪はなぜアオイにヤナギを残したのか疑問だったのですが、次の『2072』を読んだら、アオイを一人で残したくないという弥凪の気持ちが理解できた気がします。
【2072】(約85ページ)
かなり作り込まれたストーリーで一読では難しくて再読しました。こちらは特にネタバレ抜きで読まれることをお勧めしたい。
2055のアオイも出てきてストーリーが繋がっています。
アオイのセリフ
「弥凪のために泣く事もできない オレが持てた大切な感情です」
弥凪に置いていかれたアオイの、胸痛む言葉でした…。
そして明らかになるスルガとサガミの過去…。
ラストが本当に切なくて涙なしでは読めません…。サガミの中の色鮮やかなスルガの姿がもう…。何度読んでも泣けました…。
【2075】(約103ページ)
レジスタンス矯正施設にいるミカとロボット(トート)のお話。ロボットが初めは人型でないのに感情を持ち始める様子がとても愛おしいです。手塚治虫先生の漫画を少し思い出しました。
しかし個性を持ったロボットは故障とみなされ強制的に奪われそうになり、ミカはロボットと逃げだし…。また切ないお話かと思ったら、そうではない展開にほっとしました。
と思っていたらchapter2はまた切ない展開に…読ませてくれるなぁ。
キスシーンの雫の描写がとても美しい…。
そしてトートのアップデートの描写…こちらも神秘的で美しかった!
アンドロイドらしからぬ表情豊かなトートがすごく可愛い。希望のあるエンディングに救われました。ミカ、良かったなぁ。
【2076】(描き下ろし)(約17ページ)
ミカとトートのその後メインなんだけど…
ラストのスルガとサガミが…
もう泣けなくなっていたスルガの涙に…
号泣でした!!
スルガ、サガミ、良かった…
特に『2072』と『2075』は一読だけではちょっと難しかったのですが、再読したらなんとなく理解できた気がします。それぞれの愛を描いたストーリーがとても感動的でした。
SFという題材になんとなく気後れして、なかなか読めないでいましたが、読んでよかったです‼︎
そういえば後書きの、2072についてのコマ割りやフキダシについての記載にちょっと驚きました。すごいこだわりですね!気づかなかったなぁw
後書きも読み応えありました♩
シーモア 修正必要箇所なし(濡れ場らしき描写は極々少なめ)
三月えみ先生の作品は、いつも想像がつかない展開にワクワクさせて頂いているのですが、その中でも『2055』は最初から最後まで驚きの連続ですし、それでいて胸がギュッとなって切なくて温かくて涙が溢れてしまうストーリーに感激しっぱなしでした。
『2055』
初めて読んだ時、滅茶苦茶衝撃を受けました。
アオイと弥凪のお話なのですが、読み終えた感想は、凄く寂しいような辛いような嬉しいような複雑な感情が入り混じって、本当に何と表現していいか分かりません…。
このような時代が本当に来るんじゃないかって思ってしまうくらいリアルに感じて“三月えみ先生、もしかして未来が見えているのですか…?”と思ってしまいました。
『2072』
サガミとスルガが主な話ですが、『2055』で登場したアオイも出てきます。
そしてアオイが復活したことにより、スルガの意識に変化が出てきたり、自分の過去を知ってしまうのです。
サガミがあの爆発事故で負傷した手を直さなかったのはスルガに自分から気付いて欲しかったからなのかな。
サガミのスルガへの深い想いが伝わって来て胸がいっぱいになります…。
『2075』は一番大好きなお話です!
主にミカとトートのお話です。
ミカのお世話をしているリール型汎用AIロボット、見た目はトイレットロール(!)みたいだけど、ちょっとドジっ子でミカのこと大好きなのが伝わってきます。
ミカにトートという名前をもらって、表情はないのに凄く誇らしげでちょっと嬉しそうに見えました!
途中トートが壊れて人型になったり、アプデでミカへの愛情のノイズが消えそうになったりしましたが、“消えるもんか!”と必死に抗うトートに涙が溢れました。
トートは男性になりアプデも成功したのによそよそしいのは何故?と思っていたけど、以前より人間らしくなってミカのことを意識しているからですよね!
以前のキスの感想を答えられないトートに「俺のキスを言葉になんかされてたまるかよ」と言うこんなに嬉しそうなミカの顔初めて見ました!
トートのお陰でミカはあんなに反抗していたニューオーダーとも和解できそうですね。
トートはみんなの希望です…!
『2055』『2072』は未来が少し怖くなるようねお話でしたが『2075』のお陰で、未来でも完璧でなくてもいいし人を愛することが希望に繋がるんだという明るい気持ちをもらえました。
トート、本当にありがとう!!
1度読むとまた始めから読んで色々と確認したくなりました。読めば読むほど味が出てくるお話だと思います。
映画を見ているようだし、こんな凄いお話を漫画で表現される三月えみ先生が“本当に凄い…!”と思いました。
単話で読んでいたお話が、とうとうコミックスに!
AIが人間を管理するアンドロイドと人間の共存する世界のお話ということで、なかなか難しい題材ですよね。
まりあげはも(というか、語彙力皆無なまりあげはだけが)レビューを言語化するのが非常に難しく、ふんわりとした感想でしか上げられないことを先にお詫びいたします汗
で、タイトルの「2055」。
そして、「2072」、「2075」の三本立てです。
それぞれ、お話の主人公cpは変わってきますが、登場人物はリンクしており、
どのお話もそう単純にはいきません。
冒頭の「2055」のアオイと弥凪のお話が一番説明がシンプルで分かりやすかったのかなあ、、、と。
そして、愛する人を失った弥凪の想いが切ない、、、
いや、ホントにアンドロイドが生まれ出ずる世界だからこその、選択肢よなあ、、と、、泣
何度読んでも、なんとも言えない読了感に見舞われるのです。
で、個人的に一番好きだったのは、「2075」のミカと汎用ロボットだったトートとの異種間Loveのお話。
こちらもミカのトートへの愛が行き過ぎたモノで(それもまた説明が複雑なモノなのですが)、でもだからこそリスク隣り合わせでのアップデートが、あのカタチで成功したのはよかったなあとは思いましたが、トートはあの汎用ロボットでも十分愛されていたので、色々途中苦しいお話でもあったなあ、、、と。
けれど、コミコミさんの有償特典小冊子を読んでしまうと、「2072」のサガミとスルガの関係にも身震いするほど面白く感じ、
結果、どれも面白かったのです。
でも、やっぱり全編どことなく切ないのは、題材のせいか、設定と絡む心理描写が上手すぎるせいなのか。
そして、あのトートが繋いでくれたというスルガのラスト。
こういう結末は、やはり三月先生だからこそのラストでしょうか。
うわー! と、鳥肌が立ちました。(もちろん良き意味です)
で、先生もあとがきで書かれていらっしゃいましたが、実際の2075年はどんな未来になっているのでしょうか。
少なくとも大切な人を愛する感情だけは、ずっと絶えることなき世界であるといいなあと、この作品を読みながら感じました。
単話で読んでいた時から大好きなシリーズ。コミックス化されて本当に嬉しい!
アンドロイドと人類が共生している未来のお話。2055、2072、2075とそれぞれのカプの想いと関係性がとにかく泣けて、胸が痛い程切なくて尊い。
愛する人を亡くして全く同じ存在を作れるとしたら、それに抗う事ってできるだろうか。本物でなくても記憶まで移行していたら⋯。
AIの発達が目覚ましい今この作品のような未来が来るかもしれないし、もっと進化していくのかもしれない。オリジン(人間)とニューオーダー(AI)の関係に人の真髄を見る思い。
それぞれの物語がリンクしているのに感動するし、描き下ろしの2076と小冊子が読めて感無量!オリジンミカと新型リールートートのカプには、未来への希望を感じる。(旧型の時からトートはめちゃめちゃ可愛い♡)
どれだけ世の中が変わり物事が進化したとしても、人を繋ぎ動かすのはやはり「愛」なんだとそう思う。BLとSFの枠を超えた名作。素晴らしすぎます!!
先生買い。以前2055単品で読んだ時に「おーい(´;ω;`)」と悲しい気持ちになったので、今回どうしたものかと思ったのですが、読んでみて、うーん。萌って言葉では表せないお話と思いました。激甘とか、エロいとかを求めている方はちょっと違うかも。近未来のお話3編。あと30年したら、こんな世界なんだろうなあ。法律もきちんと整備しなきゃな。
2055:アオイと弥凪の、考えに考えた末の二人の想いのお話。全ての始まり。
自分そっくりのアンドロイドを予備として考えることが出来る世界。
2072:オリジン(人間、保護対象)、
オールドAI(人間が作ったAI、消していこうと考えられている対象)、
ニューオーダーAI(AIが作ったAI、管理者的立場)がいる世界。
もうBLがどうとかじゃないんだよね。アンドロイドをどう考えるの?
て話。
2075:2072の受けのスルガと共に活動していたミカと、ミカの面倒を見る旧型
ニューオーダーAIのお話。泣く。
2076:2072の二人の後日談。
++複雑な思い
私は絶対アンドロイドに愛着湧くし、壊れて動かなくなったら号泣するタイプ。
人じゃないから永遠に傍にいてくれるという思い込みがあるので、「壊れたんなら治してえええええええええ」と泣いて暴れますね。人じゃないものを、どうすんだというメンタルが出来上がっていないので、この話を読むのは少ししんどかったでした。
あ、唯一、今の私でもすごく共感したというか、大好きだったのは、2075に出てきたトート!!!!!!!!!!!
ミカのことをとても甲斐甲斐しく世話するんですけど、ちょっとずつセンサーとか壊れてるんでしょうね、お料理作っても黒焦げちゃんwww
ちょーーーーーーーーーーう可愛い!欲しい!
でも壊れたら私のメンタルも壊れそうだから、やめとく・・・
先生は「どんなテーマで描いてもいい」と言っていただいたからこの話が出来たとあとがきに描いておられました。これから未来に向かっていく私たちに対する挑戦状?覚悟が出来ているのか?という挑戦状なのでは? と思った一冊でした。私たちはいつまで今の「人間」でいられるんですかね?
あんまり多くは特殊設定作品は読まないのですが、評判の良さに背中を押され読ませて頂きました
とても、とても…良かったです!
本格的なSF作品だと感じました
そして、受け手によって解釈が可能な余白の部分があるのも良かったです
3組のお話しでもあり、実はオリジナルCPからずっと受け継がれた意思の転生でもあるようにも受け取れる
「想いが継がれて繋がっていく」というSFの中の超原始的なアナログの強さ、みたいなものも感じました
そのアナログの最たる象徴が「愛」というのが本当に素敵でした
技術が進歩し、AIが発達し、人型アンドロイドが当たり前になっても…
その原動力になっているのが「愛」であると思うと、無機質に感じるSF世界がグッと色付いて見え、今の現実と地続きのようにも思えて来るようでした
トートがリール型だった時の感じを見て、昔観た『ウォーリー』(原題: WALL・E)という映画を思い出しました!!全然似てる訳じゃないんですけど、いじらしさとか、感情を持つロボットという所が感動を覚えた記憶を想起させてくれたように思います
久しぶりにまた観たくなりました♪
他の読者様も仰ってますが、是非じっくり読んで欲しい作品です
読者の色んな解釈や感じ方が許容されるような、作品自体が持つ包容力の大きさもまた魅力な気がしました
「2055」を単話で読んでいて、それすら「この短い中で何という話を…!」と感動したものですが、まとまって更に更に深い一冊の作品になっていることにまたまた感動いたしました。
人間とAI…そしてBLが絶妙に絡み合い、ラスト描き下ろしで泣けました。
正直に言うと「2072」のサガミ×スルガのターンは説明も多く、難しいな…と頭こんがらがらせながら読みました。大筋は分かるんだけど細かいところがね。苦手分野なもので…。
それでも大筋で掴める2人の話と関係性にじんわりきて、どちらかと言うと切ない終わり方でスッキリはせず。
でも「2075」でも地続きで2人が出てきてくれて更にその先の2人が見られて良かった。
「2075」のミカ×トートは、トートを最初トイレットペーパーかと思ったくらいで、ロボットとは言え何故その姿を採用した?笑
でもなんだかトートが可愛くて。心を閉ざしたミカと通じ合っていく様子がすごく好きでした。人間の筐体を得てからもやっぱり可愛い。
アオイとヤナギ、サガミとスルガ、ミカとトート
アンドロイドと人類が共生する世界で、それぞれがリンクし合っていて、3CPそれぞれ愛があり、心に染みるストーリーと展開でした。
じっくりストーリー重視で読みたいときにイチオシです。
実は紙で発売されたお話ぜんぶ読んでます が 申し訳ないくらいハマれず
1番ダメだったのが皆さま大絶賛 黒髪オールバックの彼のお話
あたしたぶんオールバックが苦手なんですよ
なんか うん やめときます 暴言にしかならないので
そんなこんななのになぜ買うか?
イケる気がするんですよね タイトルとあらすじみる限りは だから今回も迷わず買った次第です 今回こそはイケるッ!と信じて
お話の内容は一身上の都合で割愛します
あの しょうもない話なんですが あたしみたいな屁理屈女が読んだらきっとダメなお話なんだとおもいます
もぉ出鼻のアンドロイドの設定で躓き放題 こまけぇこという選手権が盛大に開かれました
そもそも近未来だからしかたないんですが 生きている人間から記憶をどうやって取り出すのか そこが気になってお話に集中できないのなんのって
脳細胞からでる微弱な電気を電極なしでもすくいとれるシステムの開発に成功したとかなんとか ちょろっとでも語られてれば ふ~ん ですませられるものを なんもないままサクサクお話すすむもので延々とモヤモヤしてしまう
しかも 自分の代替えとして置いていくわりにアンドロイドの人生が個別にはじまっちゃうってんだから これを残された方は最終的にどっちか選ばなきゃいけない時がくんじゃないの?これ と
出だし数ページで本置くレベルの大混乱
なのに 気づいたらちんちん勃ててる人いるし
うーーーーーーーーん
関連がないわけじゃないけど 2055・2072・2075 とそれぞれ主人公が異なる単話詰め合わせ そこはまぁいいんですが どれも人のエゴというか深い〔業〕を見せにきてたな と
それ以外は 小難しく語りはしてるけど そこに情があるようにも読めず
だって 情って心から湧き出る感情や思いやりなんでしょ?
どんなに優れたAI搭載のアンドロイドだったとしても所詮は器械 なんですもん
なんですかね アンドロイドものやヒューマノイドもの エゴや業がキライなわけではないし その不憫さを読みたくてあえて挑みにいくこともあるんですが
このお話に関して言えば 申し訳ないくらい何を読ませたいのかも 面白さもまったくわからず
絶賛の嵐の中お恥ずかしい限りなんですが あたしみたいな繊細なものが読み取れない 無神経ってんだか デリカシーがないってんだか そういった類には難しすぎるお話だったんだろうな と
今回こそは も空しく半分読んだ辺りで読むのがめんどくさくなってしまって 途中敗退です
今さらですが 合わないんですかね 作家さまと いやもぉほんとごめんなさい 理解力なさすぎて
それらしく せつなくなるような展開はあるんだけど なんでせつながらなきゃいけないのかがわからないのです あたしには
とりあえず 読みきれなかった後半はいつか必ず読むとしても 2055年の世界がどんな世界なのか 2072年は? 2075年は?
ここがわからない以上すんごい頑張って読み終わったとしても やっぱりよくわからんな なお話しで終わってしまうんだろうな あたしったら
読み切りを読んでいて、単行本になるのを楽しみにしていた作品。
3つの時代の人間とアンドロイドの愛と進化が描かれています。
「2055年」弥凪は自分のリアルの身体はなくなっても、記憶と心を見た目のアンドロイドであるアオイとヤナギに「永遠の愛」を託します。
「2072年」過去の人間やアンドロイドの記憶を管理するサガミとスルガと管理AIであるIZによってふたたび生き返させられるアオイは、まだ弥凪を求めます。そしてサガミとスルガの真実の愛の行方。
「2075年」ミカとオールドタイプのトート、再生や新しく生まれ変わることに抵抗しながらも人間の愛はなにかと考えます。そしてトートがアップデートによって生まれ変わる時、弥凪や過去の人間たちに「永遠の愛」を託されます。
どの物語でも誰がリアルな人間なのか、アンドロイドなのか、どのタイプのアンドロイドなのか、わかりにくいところもあります。でもみんなそれぞれに自分の考えを持ち、幸せや愛を求めています。その想い・記憶があることこそが「人間」である証のように。
身体が機械なのか生身なのかは重要ではないのかもしれないと感じました。誰の記憶かわからなくても、やっぱり命と愛は繋がっているんだと感じました。そしてこれからも進化し続けていくのでしょう。
最近の人気である軽くてかわいいボーイズたちの恋愛物語ではなく、スケールの大きい世界観の中にがっつり浸れるSFになっています。じっくりと読んで理解しなくてはいけないので、時間に余裕がある時に読むのをおすすめします。読んだ後にもう一度読みたくなります。さらりと読んでしまうのはもったいない!
きっと読んだら自分ならどうだろう?と考えさせられる作品になっています。
楽しかったな!ぜひ同じ時代で他のキャラの物語も読みたいです。
普段そこまでメディア化に関しては特別思う事は無い方なのですが、この作品は是非とも映画化して欲しい
ドラマではなく是非映画化を希望したい
そして多くの受け取り手に届き、色んな感情を感じて欲しい!
とは言え、漫画だからこそ!の魅せ方がこれまた秀逸なのでこの漫画が何よりも1番手に取って欲しいのは間違いないのです
この仕掛けには全く気付かなかったので、あとがきを読んだ後に読み返したのは言う迄もありません
葵と弥凪から始まった「愛」のお話しが時を経て名前や形態を変えて繋がって行きます
出口の見えないような始まりに少し心が痛くなる始まりにこのまま読めるだろうか、と心配になりながらも最後にはミカとトートというCPのお話しに確実な希望の光を感じる読後でした
「愛」という感情の複雑さ
それもノイズなのかも知れない
けれどノイズが全て除去されてしまったら画一された平面だけが残り、何も引っ掛かりがなくなってしまい起伏が生まれない
ノイズも個性
不具合も含めて愛おしく思える瞬間を増やして日々を過ごしていきたいと思います
単話でそれぞれ読んでいてレビュー済み、描き下ろし目当てでこちらを購入。
こうして一冊にまとまったものを一気に読んでみると、また違った切なさと哀しみと、そして希望が見えた…
愛を永遠にしたかった「2055」。
よりAIが発達し、逆に人間らしさを過去に問いかける「2072」。
遂に感情/ノイズを自己獲得したAI個体が現れる「2075」。
全て読むと、進化し、進化し、進化していくその高みは結局「人間」。
でもそれは堂々巡りの平面的な円環ではなく、上方に渦を巻いて登っていく螺旋のような矢印…
一つづつ最新で最先端の能力を搭載していく。進化し続けていく。
2075年、今回獲得したのは、「涙」。
誰かが大事で。大好きで。愛しくて。胸がいっぱいになって。個体から溢れ出て。
それがトートの涙。そしてスルガの涙。
愚かしく体だけ再生すれば愛が戻ると考えた「オリジン」。その愚かさを優しく許して保護するようになったニューオーダーAI。
ニューオーダーの完成形がもしニューオリジンならば…
嫉妬や怒りや争いは獲得しないでほしいものです。
さて、描き下ろし。その人って弥凪?または…オリジンとオリジンに愛されたオールドAIたちの意識集合体?
ニューオーダーにもまだまだ到達できない深い深い愛の海が存在するのですね…
読み切り時代のアンソロ誌「LiQulle pathos」にて「2072」から拝読しました
始まりである「2055」を未読の状態で読んでも心を掴まれてしまい、必ずコミックスになったらお迎えしたい…しなければ…!と思っておりました
2055、、、現在2026年なので、よく考えたら遠そうに見えて実はそうでもない未来なんですよね~。。。このお話しでは2055年から始まって2076年までが描かれています
人生100年時代、、、現実でもこの時代に追い付く事も無きにしも非ず、というのがまた不思議な感覚になってしまいますね(*˘︶˘*)
さて、お話し構成としては元が単話読み切りスタイルだったので序盤は余白と情緒のあるお話しで紡がれます
そしてこの独立してそうな各話が少しずつ重なりを残して、行く行くは1冊を通して繋がって行く、、、という、設定に負けない壮大な世界の広がりと「想い」の奥行きを感じる読み応えとなっています
全部で5話構成
「2055」「2072」「2075」「2075 Chapter2」「2076」
「2055」で世界観を把握すると共に人間の葵と弥凪/アンドロイドのアオイとヤナギの〝胸の痛み〟の意味する所に私の胸の痛みもギュッとします
「2072」では更に世界が進化していきます
人間が〝オリジン〟と呼ばれ保護対象として管理下に置かれる存在
そんなオリジンを管理するのが〝ニューオーダーAI〟(以下ニューオーダー)
AIにはもう1つ存在があり、〝オールドAI〟(以下オールド)と呼ばれ、これはかつて人間が生み出したAIの事で今はニューオーダーにより破棄対象となっています
よりファンタジー設定が進み宇宙観が増しつつ同時に生活も感じます
尚、このお話しでは人間のサガミとスルガを中心に進みます
彼らを中心にしながらも「2055」からしっかり地続きなのでキャラの接点も勿論あります
「2075」サガミとスルガというレジスタンス側の生き残り、ミカと相棒トートのお話し
進化し続ける世界、変わらぬ想い
オリジン、オールド、ニューオーダー
1つの世界に交錯する思惑を持った者が存在する世界で私たちが目撃できるものは果たして…?という物凄いメッセージ性の高さを感じるお話しです
とにかく刺さりますし考えさせられます
なので是非、ゆっくり向き合って感じて欲しいです
以下、何周もし過ぎて感じた事をアレもコレも残しておきたくてまとめ切れなかった感想の垂れ流しです…
纏まっていない事は承知なのですが、この壮大なストーリーから受け取ったものを2400字には詰め込めない…という気持ち…お察し下さると有難し…(∗´ര ̫ ര`∗)
ーーー人を生かす、人を活かすーーー
これは他者からその対象となる〝人〟への想いがあればこそ生まれる言葉
今回の物語で〝生かされた〟者達を生んだのは、生んだ者側の抱く対象者である誰かに対するともすると暴力的でさえもある…それでも正真正銘の「愛」故なのだと思います
与える愛だけでなく受けたい愛、そして共有し続けたかった愛
その重さの怖さ、失う痛みを慮って葵はアオイを拒否したのだろうか、、、
それとも受け入れる強さが葵にはあったから自然に逆らわない事を選びたかったのだろうか、、、
またはどちらも複合的に考えての事なのだろうか
葵のこの考えに思いを馳せ理解したいと思うと同時に、弥凪が葵との約束を守れずアオイに繋いでしまった想いも否定できない
そしてスルガに呼び戻されたアオイが欠片を探し求め続ける行動を見て、やっぱり弥凪の想いが間違っていたとは思えなくなってしまう
人は生きていれば誰しも喜怒哀楽という4文字だけでは片付けられない「感情」と付き合っていくもの
その感情が生まれた証が記憶
そしてこの記憶を共有した相手が居る事で想いが広がり繋がって行き、存在が自己完結ではなくなる面は大きい
自分自身の細胞に刻まれた記憶だけでなく、その時を共有した側にも刻まれる記憶
それが想いが繋がって行くと言う事
想いが繋がれ続ける限りそこには「生」が在り続け、きっと終わりは来ないのだろうと思いたい
目には決して見えない「感情」の確信を感じる生命の神秘
この「2055」という作品が私の記憶に残り続け、そして多くのBLファンに愛され続ける限り葵と弥凪から始まった愛の物語は生き続けると確信しています
素晴らしいとしか言えない1冊でした
あとがきも一言一句見逃せません!
先生、本当にありがとうございました(ღ˘͈︶˘͈ღ)
修正|修正は不要な絡みです
1月ですが、発売前からこれは発売されたらその年のマイベストと決まっていた作品です(笑)
ストーリーテラー三月えみ先生の圧巻の今作品。
できればネタバレなしで読んでいただきたい!
2055、2072、2075とオムニバス形式で進む3つの物語ですがコアな部分で全部繋がっています。
2055
愛する人を亡くしたらきっと誰しも思うであろうことが、AIによって実現可能になった近未来。
弥凪は病気療養のため愛するアオイのもとを去るため、自分の代わりに、自分そっくりのアンドロイドを置いていく。
しかしニセモノはやはり本物ではなくて。
そしてアオイが実は、、、!
これにはビックリしました。
2072
AIによって人間が管理され支配される世界。
2055時代のアンドロイドはオールドタイプと呼ばれるようになり、ニューオーダーが台頭する。
人間の意識体を導入するニューオーダー、しかし生き物らしい感情や揺らぎをもつようになるとノイズと呼ばれコントロールされる
人間によって求められ生み出されたのに都合よく消されたりアップデートされたりの矛盾が切ない
AIが人間を管理する世界へ舵をきられるのも致し方ないと思わされる2072
それでもみんなが共存できる社会を模索して、描き下ろしから有償小冊子へと繋がる
2075、2076
弥凪(そして葵たち)からスルガたちへと繋がった想いに涙腺崩壊しました。
吹き出しの細やかな心理描写もコミックスで気づきましたし、アンドロイドたちの洋服の線の本数もあとがきで気づきました!
そして
2055の弥凪の[心が痛い]→2075のスルガの[頭が痛い]
これもすごい素晴らしい表現で震えました!
心停止か脳死かどちらが死なのかという問題にも繋がるような、
(スルガを生き返らせるために頭部を…という事情があるので、記憶や感情が載るのは「心」ではなく「頭」になっているところが)
人の感情の出所(でどころ)とは、記憶のありかとは、、と、深く考えさせられました。
インタビューも拝読し、愛がテーマということで、
亡くなった人を生き返らせたいと思うのも愛、追いかけて死を選ぶのも愛、
遺されたアンドロイドと共存する道を選ぶのも愛で、
そしてデータが消えても、体がなくなっても意識は海の底にあり、時には奇跡を起こす、それも愛と呼べるのではないでしょうか。
人を、”その人”たらしめるものは何か。
そんなどこか哲学的な問いが頭に浮かび、深く考えさせられる一冊です。
ただただ一言、素晴らしかった。
「ネタバレあり」のレビューを書いていて言うのもなんですが、
特に最初のお話はネタバレなしでぜひ、読んでいただきたい…
そして今回自分はコミコミさんから紙本をお迎えしたのですが、
装丁と手触りが素晴らしいです...
有償小冊子も読んで損なし、いや読もう!読んでー!と言える、救いの光見える内容でした(サガミ×スルガ)。
保管場所等問題ない方には、ぜひ紙の本をおすすめしたく...!
ストーリーテラー・三月えみ先生による、3編からなる近未来SFファンタジー。
2055年、2072年、2075年。
時代は違いますが、それぞれのお話には繋がりがあります。
どれも切なく胸締め付けられる”黄昏”のお話でしたが、
わずか26ページと一番短い「2055」のインパクトの大きさたるや。
圧巻でした…
以下、3編それぞれについて、簡単な内容とレビューを。
全てのお話が、「AIが人間を管理下に置き、支配する近未来の世界」をベースにしたものです。
◆「2055」
AIによる管理が始まって間もない世界に生きる、
サーファーのアオイ×病気治療のためもうすぐ遠くへ旅立つ弥凪(ヤナギ)。
離れる自分の代わりにヤナギが注文し届いたヤナギそっくりのアンドロイドに、アオイは嫌悪感を示すがー
と続くお話。
やーーーーこれ…
「そっち!?」と思わず声が出ましたよー…
びっくり。。
人が亡き後、記憶と感情をアンドロイドに移したら、
それは元の人間と”同じ”と言えるのか。
人はその”復元”されたアンドロイドを、心から愛せるのか。
その一つの答えが、最大限に切ない形で提示されているお話でした。
生前と同じように性行為をし、共に暮らしていても
心から満たされることはなく、寂しさが消えることはない。
それはなぜなのかー
毎朝胸の痛みに泣いていたーというヤナギの苦しみがダイレクトに胸に響きます。
涙なしには読み終わることのできない、深い余韻の残るお話でした。
◆「2072」chapter.1&chapter.2
人間が作ったAI(オールドAI)から記憶を消去し、
弔うことを仕事にしている「記憶の掃除屋」、
サガミ×スルガのお話。
「2055」のアオイも登場し、重要な役割を果たします。
このお話にも「2055」のように、
あっと驚く事実が隠されていました。
途中から度々出てくるスルガの「頭が痛い」という言葉、
そして三月先生のあとがきにある
”どこからスルガの吹き出しが手描きになっているか”
という点が見事にリンクしていて、鳥肌が…!
あとがきを読んだら絶対にもう一度読み返し、
”そのポイント”がいつなのか、探し出したくなるはず。
サガミの台詞の吹き出しは、最初から最後まで
一貫して手描きで描かれているという細かな仕掛け。
いや、もう本当、すごすぎて言葉が出てこない…!
サガミの愛によって生み出された、
”ニューオーダー(AIによって作り出されたAI)”による頭部を持つオリジン(人間)。
泣きながらスルガを抱くサガミの表情が美しくて、切なくて、やるせなくて。。
スルガの元データが当初の約束どおり消去されることになり、
それを受け入れざるを得ないサガミ。
あまりにも切なすぎる黄昏のエンディングですが、ここで終わりではなく…!
この後の「2075」のラストに繋がっており、救いを見い出すことができました。
まだ元データを消される前、
「人間は 頭部以外にも少し記憶を保持してる」
と語ったスルガ。
抱きしめられたとき、自分の体は確かにサガミの体温を覚えていたー
との言葉に、涙が堪えきれませんでした。
一体どうしたら、こんな物語を考え出すことができるんだろう、、
言葉も出ず、ただただひれ伏したくなるほどの壮大なストーリーでした。
◆「2075」
「2072」の続きの世界観。
AIに反発し収監されている人間のミカ×彼を監視・管理するAI家事ロボット・トートとのお話です。
トートの見た目が、トイレットペーパーみたいで(←)可愛い!!!
名前もトイレの某有名企業を連想させますね(。-∀-)
家事を頑張るものの、ポンコツなところも愛らしくってほのぼのさせられます。
(もしかしたらこのシリーズで唯一の、”ほのぼの” シーンかも...)
「2072」にも出てきた爆発大事故の際、
自分を庇って散ったオールド(人間によって作られたアンドロイド)たちのことが忘れられないミカ。
ニューオーダー(AIが作ったアンドロイド)を受け入れられず、トートを新型に変更するよう勧められるも、うんとは言えずー
と続きます。
まさかまさかの、トート先導での逃走劇とその後の展開にはハラハラしたけれど…。
人型ニューオーダーとなったトートの変わらぬ愛らしさに頬が緩む!
自然と口角上がります☺︎
で、アップデートの際に起こる、奇跡のような出来事。
(この時トートの意識下に出てきた人物は、ヤナギですよね…!?)
そしてそのトートが繋いでくれた記憶の断片により、スルガが…
と繋がってゆくストーリー、震えてしまうよ。。
切なさと、簡単には言語化できない深い感動を与えてくれる3編の物語。
何一つ、本当に何一つ文句などなし!!の、「神」評価一択です・:*+.
★修正:不要な描かれ方(紙本)
★コミコミ有償小冊子:
スルガとサガミが初めて結ばれたある日の記憶についてと、その後。
切ない濡れ場と、ラストのスルガの武者震いが印象的な美しいお話でした
近未来的SFファンタジーの世界でありながらも全くの他人事ではない世界観に少なからずゾッとしました。
「2055」の作品が世に出たのは2022年とのことですが、そのときより更に世界はAIに依存するシチュエーションが増え、AIは私たちの生活にとって欠かせない身近な存在となりました。
AIを搭載したアンドロイドの普及という点においてはまだその段階にはきていませんが、この今の世界情勢を考えるとあと20年後には本当に人型アンドロイドが人間と何ら変わらずに普通に生活をする日がくるかも?……経済目的だったり、介護目的、または軍事目的かもしれませんが、この作品が何だか近い未来の預言書のように思えてならなかったです。
「2055」では、大切な人を喪った喪失感はどれだけオリジンに忠実に模したものであっても埋められないやるせなさが伝わってきて、あのラストはとても悲しかった…。弥凪の笑顔が、全てを物語っていますよね。大事なのはアオイという人間そのものだったんだと。
元のアオイは、アンドロイドの弥凪を前にしてきっと勃つことはない。その状況から見て、弥凪は目の前にいるのはアオイであってアオイじゃないんだと確信したのかもしれません。
すごく切ない終わりを迎えた「2055」のアフターストーリーとして、「2072」や「2075」との横の繋がりがあることもこの作品の面白さだと思います。55年のときから更に17年後…20年後と、人間とアンドロイドの共生の意味を問うストーリーの重みがめちゃくちゃ響くストーリーでした。
ここでこう関係していくのかよ〜!((((;゚Д゚)))))))と驚く場面もあり、ストーリーの深さにただただ平伏と拍手。人間と、人間が作ったオールドAI、そしてニューオーダーAI……この三者の複雑な関係性をベースに、「2072」と「2075」のストーリーが動いていくことの不可思議性や神秘性をたっぷりと味わって下さいね。
まぁ、最も驚くべきは、こうした繊細な感情と、AIと人間を取り巻く複雑な環境をここまで突っ込んでアプローチする作者さんの脳内で間違いない。すごいなー…どんな頭の中になってるんだろう、覗いてみたいです。
BLだということを忘れさせてしまう壮大な近未来の世界に最後の最後までひたすら没入でした。世界観、ストーリー、キャラクター、どれもが最高に素晴らしかったです。
えみ先生のストーリーテラーぶりに
ファンの方も多いと思います。
去年リリースされた『金色のいつか』では、
スピンオフでありながら、骨太な社会派人間ドラマが繰り広げられ、救済モノであるのを予感させつつも先の読めない展開で続刊が待たれる話題作でした。(書き下ろし小冊子がほんとニクい演出!)
今作は、そんなえみ先生が単話読切としてリリースされた話から、その後に連作され三部作のオムニバス形式で一冊にまとめられた近未来SFモノの作品。
「本人たちのAI搭載のアンドロイドだけが現世に残される」という話を描いたのがはじまりとなったAIシリーズです。(あとがきから)
タイトルにもなっている第一部「2055」は、↑のとおりなんですが、
全ての人間のパーソナルデータがAIによって管理され、そのバックアップデータから蘇らせたい人のアンドロイドを作るのが可能、許可されている社会が舞台になります。
続く第二部、第三部では20年後、3年後と時が流れていきAI技術も進化していくんですが、AIとの関わり方が変わり、最後の第三部ではとうとう人間とアンドロイドが心を通わせるという話が語られます。
近未来SFということですが、実際に現実世界でのAIの話から妄想して作品を描かれたそうで、BLでありながら、メッセージ性を多分に感じてしまうのは私だけでしょうか。
手◯治虫先生の鉄◯ア◯ムとか思い出されてしまったんですけど。あの作品も子ども向けですが、社会派マンガ的な意味を感じる名作ですよね。
ヤバい、こんな作家様に巡り会えた幸せに改めて震えてます。
亡くした恋人を想うひとりの
報われなかった切ない想いが、
同じように誰かを想う人へ受け継がれ
時には助け手として出現しながら派生していく
ように第二部、第三部と展開していきます。
主人公が変わることで時の流れと共に壮大なスケールに感じますし、同じ場所に居合わせた人たちを別の角度から焦点を当てて語ることで繋がりが見えドラマを深い味わいとさせています。
オムニバス形式で見事に成功されているわけですけど、このボリュームで一冊にまとまっていても物足りなさを感じないんですよね。
改めて、えみ先生のストーリーテラーぶりに舌を巻いてしまいます。
もちろん、オリジナルの設定故に理解を進めながらにはなるんですが、面白い…!が先に立って読む手が止まらなかったです。ぜひ堪能していただきたいです。
BLって、と個人的に思っているのは
かけがえのないものの存在に気付くこと
それは誰かの存在、また己でもあり
共にいる今この瞬間全てが連続していることであるかもしれない。
そして誰かを想い、心を通わせることで
救われたり、心を強められる尊さが
テーマとしてすごくあると感じているんですけど、
この作品でも見事にそのことを描かれていて、正に圧巻といったところ。
AIという身近になってきても尚、関わり方というよりかは、使う側である自分に向き合えていないような不安定な現実感を少し思い出したりもして。本当に色々な感想を持ちました。
いまボーダーレスといいますか、ジャンル関係なくBLが描かれ、BL作品のジャンルでもその多様さは止まる事がなく読者としては嬉しいばかりですが、この作品もBLから派生して進化し続けてるような作品作りをされている作家様の読み応えのある作品として是非、楽しんでほしいと思います。
今回も小冊子も本当に良かったですー!物語のエッセンスというのか、ここを読んでやっと本を閉じられる気すらします。
なんですけど、あとがきで披露された裏設定も面白すぎて気になる…是非続編を検討いただきたいですー!
追記
FFさんから、もしかして手塚治虫先生の「アトムの最後」を意識されて描かれてる?と感想を言われてる方がいらして、なんでも2055という数字がラストに出てくるとのこと。
早速、読ませていただいたんですけど、そこでは人間とアンドロイドの恋が手塚先生らしい、人間の業を感じさせる悲劇的な恋として描かれていて、復活したアトムが遭遇したその世界は機械が人間を支配する2055年の地球というお話でした。
手塚先生は哀しいまでに愚かな人間の業を描きながら人間愛を謳われていたと思うんですけど、三月先生もまた、作中でも何度も語られますが、AIに管理されながら生きる人間にとって「幸せ」に生きるとはどういったことなのかと問いながら、AI時代といわれる現代の私達だからこそ想像できる未来を再構築されて、もしかしたらオマージュされたのかな、と思わずにいられない気持ちになりました。何処までも勝手な解釈ですけど。
オマージュかどうかの真偽はさておき、
いつの時代も人間が作り出すものは不自然なものばかりで結局、それによって救われる事もなく消えていくしかない未来から、
最後は共生する未来が再構築された事、それは愛によって実現するんだっていうプロセスが語られた時、本当に感動で言葉にならなかったです。
長々と書き加えましたが、どこかBLの枠を超えたものを感じてるのは私だけではないと思います。
ぜひ、広く読まれていって欲しいと思います。
表題作を含む続き物の短編三部作です。
AI搭載のアンドロイドが当たり前になった世界でのBL、という情報だけで読みましたが予想とはまったく異なった、壮大なストーリーでした。
エロ要素はほぼないし、男性同士の恋愛だからこそのあれこれとかもないので、BLを読みたい!という方にはもしかすると向かない作品かもしれません。相手を想い、惹かれ合う物語が読みたい、SFや凝った設定の物語が読みたい、時を超えて繋がれていく想いに触れたい、そんな方にオススメです。
私は三部作とも本当に大好きです。それぞれのお話も好きだし、一つの物語としてもすごく良かったです。ハッピーエンドなだけではなく、切ないストーリーもありましたが、三部作として繋がれていくことで救いもありました。短編で読んだら、「切ない」が一番強い感情として残りそうだけど、続けて読んだことでそのラストが悲しいだけではなかったと感じられました。
愛とは何か、愛するとは何か、幸せとは何か。ひたすらに葛藤する登場人物たち。それぞれが悩んで苦しんで選んだ選択を見届けられた、そんな読後感です。読んでいてもいろいろと考えさせられます。
それぞれの登場人物も魅力的で…!!個人的には3作目のキスシーンが激推しです。なんて切なくて愛しいキスシーン…!!それ以外にも、心揺さぶられる場面が多々あります。
描き下ろしも良かった…!!あと電子限定描きおろしとカバー下がとんでもなくかわいいです。カバー下はぜひネタバレなしで全部読んだあとに味わってもらいたいです。
描き下ろしを読んだことで満足感がさらにアップしたとともに続きが読んでみたくなりました。すごく。
三月先生のエロ多めのお話も好きなのですが、エロほぼなしでも大満足でした。続き読みたい…
