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ふたりなら、幸せを見つけられる
かつての幼馴染みだった二人の“再会愛”を描いた1冊。
会計事務所で働く真智は多忙な仕事が原因で体調を崩し、
10年以上離れていた地元に帰ることに。
そこでかつて淡い想いを抱いていた幼馴染みの然と再会します。
子供の頃に不慮の事故で姉を失った真智と、
母親に捨てられた然と互いに心に傷を負ったもの同士の二人は
ついに離れ離れになるまで口には出来なかったけれど、
昔から互いに好意を抱いていました。
然もはじめこそ住職という立場に似合わずに
派手に遊んでいるようでしたが、再会すると真智への想いは溢れ出し、
彼の中で真智の存在の大きさが伝わってくるようでした。
同時発売だった『東京似非紳士倶楽部』と比べると
真智と然の抱える過去が思いの他重いもので、
ややシリアステイストに感じられました。
”行間”というか”余白”が多い作品だと思いました。描かれていることは、どシリアスなんですけど、読んでてつらくなるような重さはなかったので、ふわっと読めちゃうと思います。
が!え~もうこの状況に恋愛が介在できる~?ってくらい男ふたりが抱える問題は重い気がします。なので、めっちゃ感動して泣きました(涙)!or ちょっとわかりませんでした(涙)!で評価が割れるんじゃないのかな~と思いながら、個人的には中間に着地しました。と言うのも…、再会幼馴染はよいのですが、なんか再会前のエピに物足りなさというか、再会してやっぱまだ大好きっていうところの説得力をあまり感じられなかったかも…(読解力ないだけかもしれないんですけど)というところでした。それぞれ女性親族絡みの事情ってゆ~スピリチュアル…
袈裟とかスーツとかどしゃ降りとか、個人的な性癖に刺さるものはたっくさんありました!それぞれしんどい事情はあるけど、ふたりならなんとかやっていけるよねっていうスタンスには恋愛感情より密度高め、なんなら前世からの因縁って言えるくらいの深い”絆”を感じさせるものがありました。
救済の面として訴えかけられるストーリーでした
一方が救済されるだけではない所も素敵なお話しでした
救済ストーリーはそこに至るまでの救済されるべき負債があるのが常となりますが、今作も軽くない事情を孕んでいました
この事情がだいぶシリアスでした
種類の違うタイプの精神的負債を抱える2人
そんな2人が再会によって救われて行く、という展開は夜明け属性の私にはグッと来る所も多々ありました
ただ、受けの真智側の諦めがなぜ「恋をしない」という点にだけ絞られたのか?というのが正直明確でなかったのが気になりました
姉が出来たかも知れなかった事のうちの1つに「恋」があっただろうというのは分かります
でもなぜ「恋だけ」だったんだろう・・・?
そして攻めの然もまた仏門に身を置きながらもなぜそんなにも生き辛い考えに苛まれてしまったのだろうか・・・?
然が剃髪していないで和尚となっている事から宗派は浄土真宗かな?と推測しますが(違う可能性もあるけれど)浄土真宗であれば「救い」が教えの根幹にあると思うのです(調べた所によると・・・)
それなのに、和尚が救われていない事にとても辛さを覚えて仕方なかったです
しかもこの辛さは「人の痛みが分かる」というレベルを超えてる辛さで、どうにも読んでいて気持ちが良くはありませんでした
辛い部分の沈みが深いからこその浮上に期待を寄せたくなる気持ちは十分にありますが、それにしても「なぜ恋だけ?」「なぜ仏門?」という点が私の中で引っ掛かりとなってしまった点で萌えにストレートには結び付き切れず今回は抑え目の評価とさせて頂きました
「落花」と「破鏡」が並ぶと自然と思い浮かぶのは「落花は枝に還らずとも、破鏡再び照らさず」という、人のご縁の儚さを感じてしまうのですが…
一方「落花」だけなら「落花流水」という相思相愛を例える美しい言葉も思い起こす事が出来ます
そう考えると、、、破鏡も「破鏡不照」という悟りと迷いを示す言葉として独立して捉える事も一説あるような???
つまり、、、
「落花〝と〟破鏡」の〝と〟が接続としての場合は2つの言葉を連ねて想起して決別や後悔を感じさせる未来を感じるよりも痛みが伴うビターな「過去」寄りの印象になりますが、、、(=「落花は枝に還らずとも、破鏡再び照らさず」を暗喩)
もしも〝と〟が対比や区切りを意味しているなら?と考えると、、、
「落花〝と〟破鏡〝の〟」の〝の〟がタイトルとして効いてくるんだと思うんです
〝の〟の後に本来来るべき言葉=想いが潜んでる事が見え隠れして来ます(のように感じます♪)
ずっと秘めて想い続けた恋心が互いの元に流れ着き、破鏡する事で過去のしがらみから解き放たれたその先にはきっと「未来」が待っている…!と思わせてくれるような気がして来ます(=「落花流水」で2人の過去の想いを前に進ませ、「破鏡不照」で未来に向けた過去との決別を示唆してる⁈)
後悔も恋慕も川の流れに揺らめいて、石の角が取れ浸食で丸くなるようにきっと瑠璃姉ちゃんがゆっくりと共に見守っていてくれると思います
然が自らの感情を押し殺さずに込めた拳の先が割った窓ガラスは、粉々のままが正解でイイと思うのです
戻らなくて良いものもあるのです
水は戻らずに流れのままに行き着けばいいのです
お話しを読み、この惹き付けられる意味深なタイトルを自分なりに考察した結果、、、
過去があって今があるのは確かだけれど、未来を見れない過去はいつまでも「今」に向き合えないままにしてしまう
だからこそ未来へと続く大切にし続ける過去や人や想いと、囚われ続け身動きが取れなくなるように縛り付ける過去や人や想いは、しっかりと然るべき時に線引きしていく事から逃げてはダメだし必要な向き合いだと言う事を語り掛けられてるように感じました
(※超解釈による個人の見解なので異論は多いにおありかと思います(。-人-。)…)
作品タイトルだけで900文字以上を費やしてしまったwww
でも♪こうして作品に感化されて色々考えられる時間もまた至福の時だったりするのです(ღ˘͈︶˘͈ღ)
シリアスな面も多いですが読み方次第できっと前向きに受け取れる作品なのかな?という希望を感じる作品でした
因みに、、、然はなかなかの生臭坊主な気がしますねw
まぁあのビジュアルなのでね…周りが放っておかないですよねwww
病院から復帰した彼を囲む檀家さん?信者さん?の女性達に混じって目をキラキラさせた男性が居る所にもクスっとしてしまいました(* ̄▽ ̄)フフフ
これからは真智が側にいるのでしっかりと仏様に顔向けできるよう精進して欲しいと思いますヽ(´ー`)ノ‼
以下はちょっと評価を悩んだアレコレをつらつらと…
>彼らの思春期時代の叶わなかった両片想い時代のお話しがもっと分かり易く描かれていたら、再会後の恋の部分でもキャッキャウフフ出来たかな~なんてなけなしの乙女心が少々ウズウズした所はありましたლ(´ڡ`ლ)
でも、きっと作品の全体的な雰囲気を大事にすると、そこを敢えて明瞭にしない事が大人の読み物なんだな…(-д☆)キラリ✧と思う所がせめぎ合った事も一言残しておこうかな…と思います←ここで少し評価を悩んだ所はありましたが、、、私にも少しばかりの〝情緒〟を味わえる部分があったのでw今回はそのセンサーの感度を上げて評価をしました(見栄っ張りwww)
>途中で登場した地元の子供3人、、、何かのフラグかな?と思ったのですが、普通に猫ちゃんの捜索だけして終わってたな、、、
猫ちゃんが無事に保護されて良かった良かったฅ^•ω•^ฅ(ナンカ違ゥ…?w)
>あと、評価を押し上げたいと思ったのは何よりも然パパ和尚の存在が大きかったです⸜⸜٩( 'ω' )و //
親子は血の繋がりだけが証明するものではないからね‼
和尚の元で2人でしっかりお寺を守って行って欲しいです((っ´ω`)♡(´ω`⊂ ))
修正|無声映画のような流れるような美しいベッドシーンでした
そのシーンを邪魔しない修正ナシの描写は本当に作画の力を大いに感じる素敵な時間でした
⚠地雷になりそうな設定・展開⚠
>近しい人を喪うお話しあります
>毒親(かなり救いも無いし同情の余地も無い胸糞でしかない…)居ります
良い仲間、温かい家族、守りたいものがある人も守られていい
強くあり続けたいと踏ん張っている人や、あり続ける事にしんどさを感じてる人が読んだらホロっと来たり、グサッと来たりしそうな刺さる作品だったと思います
善と悪が分かり易い構図になっている面と、誰も悪くはなかったからこそ消化し切れない面があってすごく心が騒がしくもありました
ストーリー自体に激しさがある訳ではないのに、読み心地で感情が揺さぶられるような作品でした
BLのLはLoveと言うよりもLifeに比重がある作品なのかな?と個人的には感じました
決してLoveが無い訳ではありません
でも、Loveがある事で読み易くなっているけれど、扱ってるそれぞれの抱えてる事情は恋愛とは角度がだいぶ違う切込みをしてるし、むしろ然も真智も1番心のわだかまりになっていた事だと思います
LoveもLifeも描く作品としては少しばかりページ数が足りなかったようにも感じる読み心地には思いました
敢えて踏み込まないからこその口当たりという面も分る反面、私としてはもっと読み込みたかった知りたかったと思う感情も残りました
LoveとLifeを扱う作品を1冊にまとめるバランスの難しさを感じましたが、それでも温かな想いを汲み取れる場面も多く、読後は決して悪いものではありませんでした
里先生の2冊同時刊行という大仕事に心からの感謝をお伝えしたいです