電子限定描き下ろし漫画付き
美容師と芸能人の恋、というBL作品では珍しくないカップリングです。
相手が芸能人だと知っていたパターンと、知らなかったパターンがありますが、今作の美容師は後者。
美容師の白石慧がお手当てがたくさんつくので時間外のお客を引き受けたところにやってきた、浮浪者のような風貌の芸能人、陣ノ内大河。
美容師という仕事に対する熱意は感じられない言動の慧ですが、腕も良く仕事もきちんとしていて、相手の様子、言動から気持ちと性格を考えて、いい匙加減で距離ととって関係を作っていく様子が、人としてとても好ましく感じます。
お客さんに誘われても普段だったらほいほい食事に付き合ったりしないのに、タイミングと気分があって付き合って、それから、またちょっと流されて体の関係を持ってしまいます。
この展開の流れ、加減が、とっても良くて、わくわくしました。
下手すると、安いAVの無理やりな導入になりそうなエピソードなのに、じわじわと2人の関係を縮めながら、縮まりすぎない程度でワンナイトラブに流れ込む様子がとてもドラマチックです。
お互い都合の良いセフレのような関係だけど、片方は根の深い執着があり、片方はほだされていった両片想い、恋愛が上手でない2人、というのにとても萌えました。
すれ違ってしまってからの、告白に至るエピソードはさらにドラマチックで華麗、情景も舞台もとてもきれいで、読み終えた後の余韻がすごいです。
何度も再読していますが、そのたびに、はあ~と幸せのため息をついてしまう作品です。
表紙(パース)がずっとネックで読むのを躊躇していた本作。
やはりいまだにレビューが上がるのを目にしますし、大人気のようなので個人的にレビュワーさんに背中を押された形で読破。
中の絵柄は全ページ美麗で非常に満足です。
カメレオン俳優である攻めの態度が演技ではなく本当なのかを信じ切れない受け。
全体的にキレイなストーリー&描写の再会系BLで、内容的にも満足です。
<モヤった(?)点>
・「ホワイトライアー(white liar)」の元ネタである英語の white lie とは、たとえば儀礼的なお世辞や、誘われて行きたくない時に言う「その日は用事があるんだよね~」みたいな、「悪意のないウソ」という意味です。
つまり無意識ではなく意図的な行為で、~ liarなら「~ウソをつく人」。
タイトル回収いつ来るんだろう?とワクワクしていましたが、本作ではその本来の意味からはズレて「ウソと呼ぶにはあまりに○○」という意味で使われていてビックリしました。これ似てるようで全然違うので。
でもこの面白い手法に作者のオリジナリティーが感じられて良かったです。
・レストランで女性の本命が寝てる時に、両想いになれるよう その友達に協力を頼む描写が、なんかちょっと少女漫画すぎて萎えました。
もし熟睡してなかったら本人に聞こえる可能性もあるだろうに…(それとも、そうやってバレる展開も狙ってたのかな?)
<好きな展開&描写>
・翌朝二人が目覚めた後にもう一回やるやつ(x2回も!)
・玄関での別れ際に攻めからちゅーして受けが驚くやつ
・朝日を浴びながら騎乗位(作画が本当に美しい!)
<注意点>
女性がガッツリ絡んでくるうえ、彼女と友人なのにお泊りまでするエピソードが出てきます(でも彼女の片想いなので何も起こりません)
久々に芹澤先生の作品を読みましたが、やはり絵が本当に綺麗ですね。大河も慧も好みの見た目でした。芸能人というだけで遊んでいそうな、一般人なんか目に入らなそうなイメージを持ってしまいますが、元は皆一般人だったわけですし、芸能界の闇に染まらない人もいるでしょう。撮影に緊張していた子供が純粋な気持ちを抱えたまま成長したのが大河という男。いつも真っ直ぐに慧をとらえる目線で、序盤から慧に対して本気なんだなぁと分からせてくれました。恋愛に後ろ向きだった慧にとって、あの頃からずっと変わらない大河ほど安心できる人は現れないでしょう。綺麗にまとまりすぎていて少し物足りなさも感じましたが、2人にはこれからも穏やかな愛を交わしてほしいと思います。
二周したら読み味が変わるという評判に惹かれて読みました。
個人的にはどんな本も最低二周以上は読んでいますが特に期待して読んでしまったからか、あっさりしてるな…という感想です。
主人公二人の背景が薄くて、なんでこんなこと言うんだろう?なんでこんな行動してるんだろう?と納得が出来ない展開が続いていきました。
恐らくこの納得出来ない、物語に入り込めないことがあっさりしてると感じた要因だと思います。
すれ違いものは好きなのですが、胸がしめつけられる切なさも感じませんでした。
ああ、こういう展開にしたいんだなぁと冷めた目で読んで終わってしまい残念でした。
一読目は、あまりの絵の美しさと、芸能界の華やかな世界の美しい2人にすっかりやられてしまい、勢いでそのまま読んでしまいました。
今回レビューするにあたり、再読したら大河の印象が変わって、萌えを感じました。
大河の華やかな外見と住む世界と、慧に対する長い片思いを貫くそのギャップが良くて、ドキドキしながら読みました。
慧は慧でこれまでの失敗があって、傷つくのが怖くて、またお互い本心の探り合いのようで、大河の気持ちをなかなか受け入れられずにすれ違う2人が切なかった。
とにかく、みんな美しくて、眼福という感じでした。