絆され系の世話焼き美容師×奔放マイペースな小説家、不器用な大人の、別れから始まるビタースイートラブストーリー

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表題作ロスタイムに餞を

成瀨尽(つくし),美容師
早坂桐生(とうい),小説家

あらすじ

あいつの体温が、今もまだ消えない―― 
同棲中の自由人な小説家・桐生(とうい)に振り回され4年、我慢の限界に達した尽(つくし)は別れを告げて家を出た。しかし「寝れない」という桐生からの連絡にしぶしぶ家へ行くと、あっという間に桐生のペースにのまれてしまう。喧嘩をするとセックスに持ち込もうとする桐生の不器用さもかつては好きだったはずなのに「来るんじゃなかった」と後悔する尽。お気に入りのキャップ、二人で見たお笑い番組、苦手だった枝豆…未練を断ち切ろうとすればするほど桐生との想い出が溢れてきて――

作品情報

作品名
ロスタイムに餞を
著者
ココミ 
媒体
漫画(コミック)
出版社
海王社
レーベル
GUSH COMICS
発売日
電子発売日
ISBN
9784796415422
4.4

(442)

(298)

萌々

(81)

(42)

中立

(15)

趣味じゃない

(6)

レビュー数
57
得点
1955
評価数
442
平均
4.4 / 5
神率
67.4%

レビュー投稿数57

絵柄が好きです

復縁ものだと聞いて買わせて頂きました。でも読んでいくとどんどん関係がマイナスになっていってちょっと不安になりました。

受けが想いを伝えるのが下手くそだなぁともやっとしてしまいました。口下手だけどそれがすぎるというか…。

最終的には復縁してくれますが、あっさりというか、「えっそれでいいの?!」って思ってしまいました。

でも絵柄はとても安定していて、繊細なかんじが個人的には好きでした。ハッピーエンドだったのはとても良かったです。

1

No Title

とても現実的な共感できるお話でした。
4年付き合って別れた後のモダモダが、わかる〜、そうなんだよね〜。

途中まではさっさと忘れるんだ!なにホイホイ部屋へ行っては流されてるんだ!と尽を引き止めたい気持ちでいっぱいでした。

不満だらけで嫌で別れたはずなのに、だんだんあれ?なんで別れたんだっけ?てなって、うやむやに復縁しちゃうの嫌だ!と思ってたんです。

桐生の誘いも襲い受けも後で理由がわかるといじらしいんですがね。その時は理由がわからず憎たらしく思ってしまって。

良い復縁でしたね。良い思い出がいっぱいあって、相性も抜群で、やっぱりお前しかいない!みたいな。
ひねくれた私は復縁後にドロドロするんじゃ?やっぱりダメだみたいな?と思ってしまいます。

1冊別れ話から別れ切れず復縁するまでのお話なんですが、桐生がやっとやっと素直に本音を言ったところが、グッときました。

こういう別れる別れる詐欺じゃないけど、結局復縁しちゃうのがひねくれた自分には、なんかな〜て感じで萌ひとつで。

2

雨降って地固まるお話

リスタートシリーズが好きで、本作の方が高評価なので楽しみに読みました。
が、結論から言いますと私は全く刺さらなかったです。
萌えどころもなし。すみません。
リスタート〜の時の絵が大好きだったのですが、変わられましたよね。より洗練されたと言いますか。よくある感じになった? 素人目なのでわかりませんが。

ストーリーとしては、乱暴に言っちゃうと倦怠期に尽が感情的になり勢いで一方的に別れを告げた。
でも未練たらたら。
桐生は別れたつもりはない。でも謝らない。反省もしない。セックスに持ち込もうとする。感情を言葉にするのが苦手だから。
このやりとりがしばらく続く。
どちらにも共感できずどこに萌えればいいのかもわからず。

コミュニケーション不足による行き違いと言ってしまえばそれまでで。
尽の言うように、わかってもらえないこと、相手のことが理解できないことは苦しくて、あきらめた方が楽かもしれない。
でも好きだからなあなあになる。
そこを一歩踏み出して、やり直したい、好きだ、ダメなところを直すと言葉にできれば簡単に元サヤに戻るという。
痴話喧嘩して反省して仲直りする。よくある話。
犬も食わないお話がBLになったのねと感じたのみです。

3

読んだあとの表紙がまた良い…

あらすじと表紙の雰囲気が気になり読んでみたところ読了感半端なかったです…。
別れた後も関係が続くという作品を避けてきていたのですが、今までなんで読まなかったんだと自分を攻めました(笑)
心理描写が凄くわかりやすくスーッと物語に集中できました。
自由奔放な受けですが過去のできごとならそういうことになり執着しないようにしてきたのにっ…。なシーンはとてもささりました。
世話焼きほだされな攻め最強なのでは!?
ハッピーエンドです️️

0

離れられない2人の物語

レビューが高いのは知っていたので読もう読もうと思っていて、やっと読みました!

同棲中の小説家・桐生に振り回され4年、我慢の限界に達した尽は別れを告げて家を出ます。
しかし何かと桐生から連絡はあり、なかなかそれを切ることができない尽。
未練を断ち切ろうとすればするほど桐生との想い出が溢れてきて…

こういうお話だったんですねぇ。
こういうのって、BLに留まらず男女間でもあるなぁ…と本当に思いました。リアル。
何か決定打があった訳ではなく積み重ねで別れることになり、でも決定打があった訳じゃないからまだ好き、相手を切れない感じ。どちらかがちゃんと言えば良いのになかなか言わない〜リアルー!
タイトルにもありますがサッカーの試合が2人にとってのキーになっていてすごくよかったです。

切なくて、温かくて、あー、こういうのあるなぁ〜と思えてすごく良いご本でした。
きちんと桐生が尽に気持ちを伝えたシーン、良すぎました。何度も読みたくなる1冊です。

1

自覚があるのが切ないね

 長い付き合いのカップルが関係を崩すところから始まる作品は結構好きです。同性同士だったら男女よりも結び付きが強くて長続きする、なんてことはなく、倦怠期とか相手の好きだった所が嫌になってくる瞬間とかは、彼らにも平等に訪れる。毎日の些細な不満が積もり積もってある日突然耐えられなくなる。やっぱりそれが現実じゃないですか。だから、そういう話を読めるとどこか安心もして。

 一方でモノローグにもある通り、よりを戻した熱が冷めればこの2人は同じことを繰り返すんだろうなぁと思うと虚しさも感じます。桐生がマメになれたらいいけれど、いい歳した人間の性格を変えるのはとても難しい。今回尽とした約束を、果たして彼はいつまで守れるでしょうか。同じ流れを繰り返す度に尽の不満がより大きくなっていくのではないか、そんな心配もしてしまいます。それでも、何度繰り返そうとお互い結局相手への未練は捨てられない、こういう虚しくも強い絆が恋愛なのかなぁと考えさせられました。

2

良すぎた

AIソムリエに勧められて書いましたが、最初から結末を知ってしまっていたため、楽しめるか不安でした。
しかし、いざ読んでみればドストライクすぎて最高でした。
2人のなんとも言えないすれ違いが、つらすぎてずっと泣きながら読んでしまいました。
いざ読み終わってみれば、壮大な痴話喧嘩とも見えなくはないような気もしますが、それはそれでとても面白いのではないでしょうか。
「別れた2人」から始まるのは新鮮でしたし、とても面白かったです。

0

キュンとした!

表紙がいい!別れから始まるストーリー。
これって誰しもが思い当たる節があるんじゃないかなあ。
なんかとってもリアル。
どちらの視点で読むかによって感じ方も変わるかとは思いますが、どっちの気持ちも分かるなあ。
尽の気持ちも分かるけど、桐生が尽を想う気持ちが切なかった。
どっちも言葉が足りない。もどかしい。
ラスト、ほんとに良かった!すーっと泣ける作品でした。

0

渋み足ラズ

「別れ」から始まる、と聞いて、どんな展開だろう⁉︎とドキドキしながら読み進める。
しかし…

思ってたのとちょっと違ってました。

冒頭〜終盤に向けて、もう一緒に暮らしていけない、一緒にいてもイライラが募るばかり、好きだったところも今となっては全部イヤに思える…という末期症状が描かれて、もうこの2人ダメだよね、的な設定ではあるんだけど。
私から見ると、主人公の尽が全然吹っ切れてないんですよね。
名前も「尽(つくし)」なんて、ダメンズに尽くすヒト許すヒト設定決定じゃないですか。
内容は基本尽の視点なので、桐生(とうい)のズルい部分が強調されて「こんな奴」という誘導がありますね。
で、それでも憎みきれない、という誘導もある。
だから読んでいて「あ〜これ復縁するよね…」ていうのが見えてしまう。
別に復縁でいいんですよ。でもこの場合成長が無いように見えるんです。
この2人はいつも同じことでこじれて、また同じように戻って、を繰り返すように思える。

誰かと添う時に。
誰でもクセはある。もちろん自分も譲り、相手にも譲ってもらい、それを自覚して抑えたり溢れさせたりしてやっていくしか無い。
そこには喜びもあるし諦めもあると思うのです。
この2人にはまだそこが見えない気がする。要は大人の関係性に至ってないというか。
すっかり大人の私は「可愛いな〜この2人」って思って読むべき?
イヤイヤ、すっかり大人の私も「渋い!」って唸れるような作品を読みたいのです。

3

とても良かった〜♡•ू( ͒ᵒ̴̶̷᷄ωᵒ̴̶̷᷅*•ू ͒) ​

とても良かったですଘ(੭´ ꒫`)੭̸*
切なくてもどかしくて、でも愛おしくて感情がグルグルとしました!
長い付き合いだからこそ別れてから気づいていく2人それぞれの想いがぎゅーっと胸を締め付けられました。

尽視点から物語は始まり、別れたはずなのに連絡してくる桐生にイラつきながらも家に来てしまう。そこで別れた経緯も明かされ、桐生の奔放さによく付き合えたなって傍観者たがら思いました(笑)
現に別れている認識も桐生は納得していないし、来て欲しいって言ってないと言う飄々な態度に結果、尽が気にして振り回されて最終的に好きなお笑い芸人?で意気投合する2人。
この自然に恋人同士というより友人のような関係に切り替わるシーンは、2人が付き合ってきた時間の月日を感じました(๑ ̄∀ ̄)
そして桐生からの押し倒しで、えっちに流されてしまう尽…あまい!笑
でも桐生のことをそれほどまでに知ってしまって好きだったからこその甘さと隙があって同時にそれが『嫌い』に変わってしまう苦しさが辛いなぁ…と思いました。

行きつけ居酒屋での鉢合わせ、食べ物のピックアップや尽の私物…色々と2人だけしか分からない理解できない部分が表れていて、付き合いの長さと思い出が滲み出ていて最後の『合鍵』を手放すか躊躇う尽の表情と気持ちが締め付けられた〜•ू( ͒ᵒ̴̶̷᷄ωᵒ̴̶̷᷅*•ू ͒) ​
まだ好きって気持ちがダダ漏れだよ、その顔は‼︎

離れてみて第三者から気付かされることがあったり、2人で色々と分かち合っていたのが当たり前だったことが…いつの間にか2人で居るのに独りのようで『寂しかった』んだね。
その気持ちを伝えれば拗れなかったかもしれないけれど、お互いに慣れきった関係だからこその衝突が今回起こってしまったんだなぁと思いました。

桐生視点でこれまでの恋愛観と感情を言葉ではなく身体でコミュニケーションを取ろうとする行動原理を知り、尽視点での桐生は悲しそうでもないし別れたつもりない余裕ある態度で尽のお人好しに付け入れて狡い人だなぁ…って思ってました。でも、この視点で実はとても繋ぎ止めるのに必死だったのだと分かったし何より『指輪』‼︎
ずーっと身に着けているコレだけで桐生の想いが伝わってきて切ない(泣)

『最後のデート』は本当最高でした♡
チケット握りしめて俯く桐生が可愛くて切ない。車中での会話で、やっとお互いに胸の内を話し合ってこれで仲直りすればいいのに‼︎って思うくらい…まだ『好き』なんだからって思ってました(。◕ ∀ ◕。)
サッカー生試合の時間カウントと自分達の関係までのカウントダウンが絶妙でエモかった❤︎そのあとの2人が取った行動は必然だなぁ〜って感じます。
初めて桐生から言葉で尽に本当の想いを伝えるシーンが印象的でした!

そのあとの展開も最高でした♪
『指輪』着けて『ただいま』って帰ってくる尽の姿に驚きと嬉しさが滲む桐生の表情が可愛らしくて、これが本当の姿でもあるんだなぁって思いました!
これからも色々と衝突するかもだけど2人ならもう大丈夫(๑ ̄∀ ̄)だと思います♪最後は2人の飛びっきりの笑顔が幸せだと伝わってきました!

他者を全て理解すること自分のことを分かってもらうことは本当に難しい。だからこそ『会話して伝たえる』ことの『大切さ』を2人を通して改めて感じさせてもらいました(੭ु ˃̶͈̀ ω ˂̶͈́)੭ु⁾⁾

0

これがラストプレー

萌、というより、心をグサグサされる感じ。

ボーイズたちのラブを読んでこういう感覚になることはあまりないのですが、この物語はオトコもオンナも関係ない・・・ものすごく悪く言うと『BLである必要ない』になるのですが、同時に『必要』って何?と自分で自分にツッコミたくもなる、、。

長い間一緒にいて、なんでもわかっていて、安心しきって、だからこそ相手をはじめのように思いやれなくなった、でも自分の心としっかり向き合えば、多少の不満はあれど、紛れもなく、たった一人のたいせつなひと。

私生活の自分の至らなさを指摘されているようで萌えるどころではなくグサグサ刺さりました。

W杯予選のラストプレーでの勝利、そしてその後の高揚感は、サッカー(ほかのスポーツも?)が好きな方ならめちゃくちゃわかると思います。一方で、あそこで引き分けてたら、負けてたら??と考えてしまう、、。

良い作品なんですが、己の日々の至らなさゆえに楽しみきれなかった気がします。作画がとても好きです。

2

納得の感動作

くっ…(涙腺崩壊なう)

読了直後です

あかん…こんなん泣くて…
めっちゃ涙出てもうた…т​ࠔт
発売当初から話題なってんの納得やわぁ…

ココミ先生の作品は
登場人物の感情が本当にリアルで
めちゃくちゃ心動かされます

はあぁぁ…
良き作品をありがとうございます

2023/04/26 読了

1

間違えて本当に良かった

Kindleってワンクリックで本が買えるじゃないですか。
それで間違えて買っちゃったんですよね。

あらすじを読んで なんか趣味に合わなそうっと思い、2ヶ月ぐらいずーっと放置していました。

昨夜やっと読む気になったんですけど―
もうね、名作じゃん。

特に最後の試合の場面がさ、涙でページが見にくいったらw

あとがきで先生がおっしゃった「付き合いが長ければ長いほど、言わなくても伝わる事は沢山ありますが、それだけに頼っちゃいけない」がカッコよくて大好きです。

素晴らしい作品に出会えた事に感謝です!

1

あらすじ程度のネタバレ有り?

元々、TikTokでこの作品をおすすめする動画を見て気になってました。別れから始まるっていうところと、攻めと受けが解釈一致だったこと、絵柄も好きで絶対に買うと決めてました。
実際に購入し、拝見して、上記に加えてストーリーも大変好みだったので大満足5つ星BLでした。評価が高いのも納得出来ます、本当に良かった。帯にある通り、リアルな感情の揺れ動きに読み手もリンクしていき読み終わった後の高揚感は映画を観たときのようです。
両手を振っておすすめ出来る商業BLでした!
ココミ先生、素敵な作品をありがとうございます。

0

泣いた

長く長く続いていた糸が千切れるのが一瞬なように、関係は簡単に崩れる。
友達から恋人へ、夫婦から他人へ。
そんな脆い糸を繋ぎ止めていたのは、奥深くに仕舞われた僅かな未練と後悔だけ。

こんなとこもあんなとこも嫌いだけど、それも全部含めて貴方だから大好きなんだって。

一時の衝動で、ってのはよくある話だけど最初の方は何とも未練がましく流されちゃう攻めに無性に腹が立った。()
他人が居なきゃだめでグズグズな生活をしてる人は大体受けだよなあ〜と思った。こういうキャラは攻めの方が個人的に好きではある…。
あと、受けだからって頼りなさげな顔立ちは苦手。受け以前に男であるわけだから、いやまあ多種多様な社会でそれを求めるのは間違っているか?いやまあこの受けは男としての自覚がある時点で男なんですよ。だから、この自信ないような顔立ちが好きじゃなかった!!。
なんだろう、だらしない人が嫌いって訳じゃなくて、性格じゃなくて顔の問題なんだよ。
ただまあ。話の設定も細かく作り込まれてて、違和感なく読めたから良かった!普通に泣いた。
なんか、男の人が歌う恋愛ソングにありそうなストーリーだなと思った。私はすごいすきだった。

0

お洒落なのにリアル、そのリアルさが響く

わ、おしゃんな表紙!!が第一印象。
表紙とタイトルに惹かれて購入した今作。

セピアカラーにオレンジが映えるカバー。

オレンジは朝靄とも夕暮れとも捉える事が出来、
ある意味、日々過ぎていく時間の中のロスタイムに感じる。
そして夜が終わる朝靄は朝の始まり、
日中が終わる夕暮れは夜の始まり。

何だかこんな情緒的な感想が出てしまう位に琴線に触れる作品でした。
それはこのセンス溢れる表紙とタイトル以上に内容が『リアル』に
刺さったから。

普段BLは傍観者として楽しむスタンスでいるのですが、今回は感情移入してしまう描写が多く、、、
ちょっと現実逃避の避難所のハズのBLからも避難したくなってしまった程でした。

この2人が出した答えが2人の正解。
恋愛は恋した人の数だけ答えがある。

その辺踏まえてこれだけ琴線に触れる作品ですが私は萌2評価で。
初読み作家様でした。
次回作もチェックさせて頂こうと思います!

2

お別れ後の心の痛みが蘇る…!!

これは間違いなく神作品。
別れから始まるBLなのでとにかく切なかった。
相手の好きなところが、いつのまにか、嫌いなところになっていた。
一緒にいる時間が長ければ長いほど、その関係に甘えてしまって、自分の事ばかり大事にして相手の気持ちを考えられなかった。
別れた後に相手の家から自分の物を持ち帰る時、もうこれで最後なんだと思うと無性に苦しく切なくなってしまう。
・・・・あれ??これ、経験した事あるぞ!??と、昔の恋愛を思い出してしんどくなり、ズキズキと心が痛くて、しんどすぎて何度も読む手が止まりました。
でも、それだけリアルで、心に刺さった素晴らしい作品でした。
切ないBLが好きな人は必読!

2

素敵なタイトルに乾杯(完敗)

成る程。これは染みますねぇ。
同性異性に関わらず、他人とひとつ屋根の下に暮らした経験の有る方は、大なり小なり出る不満。

最初は些細な事だった。
しかし少しずつ降り積もってゆく不満。
いつしか 好きが嫌いに変わる瞬間が切なかったです。

喧嘩をしたらHに雪崩れ込む桐生の行為は悪手。
小説家ならば言葉は無限にあるだろうに、行動で分かって欲しいと言うのは不器用過ぎて甘え過ぎ。

それに対して尽は我慢をし過ぎる、圧倒的に言葉が足りない。

つまりコミュニケーションが足りない2人。
うーん、過去身に覚えが有りますね。

恋から冷めた(様に見える)尽と、気付かぬ振りして引き留めようと頑張る桐生の行方が気になって仕方ない。

正直…………
萌えましたよ!
そんな2人のぎこちないエッチ
最ッ高じゃ無いですか?
何でも無い振りしながら、頑張って上に乗って煽る桐生と、もう恋を終わらせたいのに抗えない尽とか…もぅもぅ。
背徳感?罪悪感?
別れた筈の「受け」がオフェンスして「攻め」がディフェンス?
心はチクチクするんで申し訳無いんですけど、はぁー堪らん!
お互い冷静な顔しながら、感じてるのとか、はぁー堪らん!

もう読み込んでいくと、明らかに尽は未練タラタラなんですよ。
でも譲歩したら負け、の気持ちも痛いほど分かるんです。
そう、ココで許したら何も変わらない。
さぁどうなる?どうする、尽?
電車のシーン「やり直そう、そう言ってくれたらヨリが戻るのに」に

はいっ決まった!ホイッスル…ん?
いやいや、まだ終わらない。まだ、桐生君分かってない。
違います、本当のゴールはあの場面です。読んだ方はお分かりですね?
「かえって…きて…」は笛「ピーーーーー!!」が頭の中で鳴り響きましたよ。
終了ー。良かったねぇ。
2人と握手したいです。
諦めたらそこで試合終了だよね?いや試合じゃないけど!
良く諦めなかった!頑張りました!
それまでの歪な空気が甘い香りに変化。

我々読者も大なり小なり経験が有るからこそ、普遍的に感情移入しやすく共感も持てる。

2人はとうとう同じ歩幅で歩き出しました。
「歩」くとは、「少」し「止」まると書きます。彼らには少し止まる時間が必要だったのですね。
まさにロスタイムに餞を。素敵なタイトルに乾杯(完敗)。

4

号泣!

すごくよかったです!ライムさんがおすすめされてたので何気なく見たらやられました!結婚式をあげてるカップルが女性同士なのにまずうるうるきてしまい、その後はずーっと泣きっぱなしでした。伏線回収がとてもお上手で、あーそういうことねーというのが度々あり、読みごたえたっぷりでした。ワールドカップにかけてるのも斬新だし、左手薬指にちらっと見えるリングが この先何十年も続くんだろうなーと想像させてくれました。ほんとに読んで良かったです!

2

世話好き美容師✕マイペース小説家

表紙の雰囲気に心惹かれ、レビューも高評価だったので読んでみました。

相手の好きなところが嫌いになってしまうこと、それでも嫌いになりきれなくて未練を引きずってしまうことに共感できる方は好きだと思います。
反対に嫌いになって別れたならいつまでも未練を引きずるなよという方には向いていません。
個人の恋愛観によって評価が分かれるお話です。

とはいえ、尽と桐生のそれぞれの視点で過去と今を描いてあるので、こういう過去があるなら、そういう考えなら……と納得出来るかどうかも評価の分かれ目だと思います。

私はいつも尽を振り回していた桐生が尽に振り回されて、言葉にできなかった自分の気持ちをようやく尽に伝えられたところにぐっときました。
世話好きな桐生に甘えるだけでなく寄り添える関係を築いていけそうなハッピーエンドで良かったと思います。

2

新しい!!

月に10冊ほど新刊買っていますが、最初からお別れスタートのストーリーは珍しいですよね!
正直悩みましたが(1時間くらい)衝動で買ってしまいました笑

内容ですが、まあ作品化しているのでわかるように元サヤです。ただその過程が丁寧で、お互い素直になれなかったり、言葉にする難しさなど、リアルでも男女の恋愛でもありうるような展開で素直に共感できる部分も多かったです。
心情描写が丁寧で、先生の魅力が伝わりました。

少々引っかかったところは、結局くっつくきっかけになったことがそこなんだあという部分です。盛り上がった勢いじゃない??と思ってしまって、具体的な提案は思いつかないのですが、他にもあったんじゃないかなーと感じてしまいました(伝われ)

それでもやっぱり綺麗な作品なので、読んでみてほしいです!

4

うお〜!なんだこれ最高だ!

試し読みで読んだ時には、あ〜なんだかリアルだな〜と思いつつ、ベタに復縁して終わるんだろうなと思い込み、絵が好きなのもあって購入……。

結果的に最高の作品だった。マジで評価高いだけある。

最後の最後まで、2人の結末がどうなるかわかんなかった。最後のデートだって2人が何度も言うし、雰囲気とか、表情とか、もう描写全てがもう最後な気がして……もう別れるエンドなのだと……。ハピエンなのでみなさん、安心して買ってください。

尽は本当にその名の通り、尽くしまくる男で、そんな尽には手のかかる桐生がピッタリだなーって思った。
桐生はずーーっと気丈に振舞ってて、それこそ尽から本当に最後だと別れを告げられたあとも泣いたりしなかった。けど、最後のデートの後のあの涙……もうセリフも相まって、本当に離れたくないのね!となりました。いつも余裕そうな人が縋ってくるの、たまらんよね。

ストーリーもキャラも絵もエロも全て最高でした〜!!ぜひみんなも読んで欲しい!

4

表紙が秀逸

世話焼きとグータラの生活での不一致でのイライラ。同棲カップル、夫婦間あるあるな。
私は、グータラの方。
この作品のグータラの方[桐生]は可愛げある。かまって欲しくてLINEちょいちょいするし、相手がいつ帰ってきてもいいように好きなスイーツ常備したりして。世話焼きの方[尽]は、付き合いたての頃は世話焼きたかったのは自分なのに、今はだらしない相手にイライラしてる自分にイライラしてて。
好きな気持ちは2人共同じなのに。
もう、尽くんがどう気持ちの整理つけるか待ちみたいな感じ。

余談ですが、タイトルの[ロスタイム]
サッカーで使われる用語ですよね?
[ロスタイム]って言い方は、日本だけで国際的には[アディショナルタイム]なんですって。
[ロスタイム]は(失われた時間)って意味でネガティブイメージだから、いい意味の言い方に変えようと共通用語の[アディショナルタイム](加えられた時間)に2010年から言い方変更されたらしいです。

作中でもサッカーのパブリックビューイングで盛り上がって最後、生の試合観戦するシーンがあります。軽くちょっかい出して様子見をしていた桐生が一か八かの最後の勝負を賭ける。

この作品においては、[アディショナルタイム]ではなく[ロスタイム]が最適でしたね。

でも、グータラ側の私が言うときます。
性質だから変わらないよ。
ご飯は一緒に食べるようになるでしょうね。
あと、ご飯いる要らないは言ってくれるようになるかもね。
同居するって事はお互いを尊重する事であって、片方が合わせる事ではないんだよね、長く続けるには。

絵が可愛い系だけどしっかりした骨格でちゃんと男性らしさがあって手やお尻の感じも良かったです。

あと、これは反感買うかもですが、私的にはこの2人はリバがよかったなー。桐生くんがバイセクって設定もあるので、桐生くんが尽くんを攻めてるところも見てみたかったです。

紙本で購入。
太め白線修正。

2

別れてはいないと思ってしまった。

四年付き合って同棲している彼に、別れを切り出して……

冒頭で、LINEで連絡がきて、
「俺ら別れたよね」と言いつつも、元彼の桐生の元へと行ってしまう尽の姿に、あぁ…これは絶対に元サヤだなと確信しました。

だって、自分なら別れを切り出した場合には、絶対に絶対に絶対に行かないので。
どんなに薄情といわれようが、行かない。

なので「別れた」と状況にはなっているけれど、なんだかんだと一緒にいるので、私の中では「お別れした二人」には見えず……

別れを切り出したのに、心の中から元カレを追い出すことができず、あれこれ思い巡らせているうちに気づくというところが良かったな。

個人的な萌えは、こういう黒髪ロンゲ系は攻めになることがほとんどなのに、この作品は受け!というところがビジュアル的に大変喜ばしくありがとうございます!です。

5

定期的に読みたい作品

別れてから始まる話が珍しいなと思ったのととても人気だったので読んでみました。なんというか、無難な感じのお話でした。私は生活感のある作品が好きなので、2人でお笑いみたりわちゃわちゃ話してるシーンがとても良かったです。分かれた後も二人は未練タラタラの状態が続きます。途中で二人はきっぱりと別れ、しばらく会っていませんでしたが最後のデートと称して2人で付き合っていた時に約束した生のサッカー試合を見に行き、改めて互いがかけがえのない存在だという事を認識します。その後の昂りによるセックスで、桐生が別れてから初めて尽に本音を漏らすシーンはどこか切ないような気がして印象的でした。この作品の少し沈んだ様な雰囲気が、内容ととてもマッチしていて好みでした。

1

これは幸せなのか?

表紙が素敵だなーと思っていてレビューも「泣いた!」というものが多かったので「どれだけ心に刺さる物語なんだろう」と期待していたわけですが、残念ながら私には全く刺さりませんでした。
決して面白くないというわけではないんですが、この作品の評価は読み手の恋愛観によるところが大きいと思います。
尽に共感できる人は泣けるのかな…。

好きだった所も嫌いになる…離婚の理由みたいですよね。つまり好きだった所が嫌いになった時点で大概は終わりなんですよ。
それなのに尽は別れた男に会いに行っては流れでセックスしてしまう。自分から別れを切り出したのに未練タラタラで。
この時点で尽が苦手なタイプのキャラになってしまって。
そして尽の心情がどちらかというと女性的に描かれていて、ゲイ同士の恋愛観としてなんか違うなーと。まるで男女の恋愛を見せられている感覚でした。
なので結局は不満を抱えながらも未練タラタラで男と別れられない男の話、としか感じられずでした。
果たしてこれはハピエンなのか…また不満が募っては別れを繰り返し、に思えなくもないなんかモヤ〜っとする話でした。

11

恋愛観によります

人気があったので拝読しました。


一言で言うと、元サヤのお話です。
完全には別れてないので微妙ではありますが。

心理描写が細やかでわかりやすく描いてあります。
4年一緒にいて、許せないことが増えていって…という流れですが、確かに離れてみて初めてわかるもの、というのはあると思います。
ただ、自身の恋愛感においてそれがアリなのか、ナシなのかで評価が分かれるんじゃないかな、というのが勝手な感想です。
一度ダメだと思ったら2度目はないという人もいるだろうし、別れて元に戻ってを繰り返してもいいという人もいると思うので。
一方的ではあれ、別れを決めたのにズルズルと関係を続けるというのも好みが分かれる部分だと思います。

読み終えてタイトルロゴには納得したのですが、二人共サッカー好きという話は突然出てきた感があり、また不器用な大人の恋、と言う割には二人共大学生ぐらいにしか見えずで、確かに仕事はしてますが小冊子で年齢設定を見てちょっと驚きました。

個人的には辛口な感想になりましたが、お互い大好きなのが伝わるし盛大なハッピーエンドなので読了感は良いと思います。

11

ロスタイムに餞を

口コミがすごく良くて気になってたお話。付き合っている時はお互いの居心地がすごく良くて、けれどひょんなことで別れたくなってしまって、引っ込みがつなかくなっちゃて、そこからウダウダしちゃうお話。お互いまだ存分に未練がありながらも、相手のいない未来に進もうとするけれど…なんとなく展開は予想できるけれど、描写やセリフが妙にリアルで胸をえぐります。読むときによって評価が変わりそうなお話。私は1回目よりも2回目に読んだ時の方がしっくりきたし、素敵だなと思いました。空気感が穏やかで、なのに気持ちは情熱的で、けれどそれを見せたくないのはプライドなのか、なんとも男心も複雑なのだなと思いました。

6

よくある話

そう、よくある話です。別れたカップルが元サヤに収まるというやつです。
攻めは職場でカムアウトしていて受け入れられて働きやすそうで、受けは若くもベストセラー作家で、言い方悪いけど金に困らない都合のいい設定。
当て馬らしい当て馬もおらず、食の好みと笑いの好みが合う、サッカー観戦が二人共好きな普通のカップルのお話です。
その普通の日常的な中のすれ違い(部屋をきれいに使いたい、食事いらないならもっと早く言えとか)が読む側も共感できて、こういう日常系が好きな人には良いんでしょうね。
でももうちょっと何か出来事があってもよかったなと個人的には思いました。
残念ながら私にはあまり響かず…評価が良かったからちょっと期待しすぎた。

タイトルの語呂感がいいですよね。
ロスタイムって今言わないんだけど、響き的にアディショナルタイムよりいいなとは思います。

10

らぶ!!

最高です!!

5

良かった

ここ最近この作品のレビューを目にすることが多かったので、気になっていたところランキング1位になっていたので、読んでみました。
ココミ先生の作品はリスタートのシリーズを映画を観て原作が気になったので読んでいましたが、こちらの作品はチェックしていませんでした。
てっきりタイトルが似ていたのでリスタートのシリーズ的なものかと思っていたら全然違いましたが、別れから始まるお話を描いてみたかったとのこと。
最初から二人は別れている状態から始まったので、なんだか長く付き合っていると、色んな部分が見えてきて好きだけでは一緒にいられないのかと寂しさを感じましたが、攻めの尽は別れたはずなのに、受けの桐生に呼び出されると駆けつけちゃうお人好しなところがある優しい子。
桐生は別れるといわれたけどなんだかんだ帰ってきてくれると思ってる節があって。
そんな二人は熟年の夫婦みたいになってしまっていたのかも。
小さな感情のすれ違いが重なって別れる選択をした尽だけど、桐生は尽がいなくなってその存在の大事さに気付いたようで、いろいろまたやり直せないかがんばるところも、今更遅いとわかっていてもあきらめきれないところが切なくて。
尽も別れると自分から言ったけれど楽しかった時を思い出したりして、なんでこうなっちゃたんだろうかと吹っ切れない自分がいて。
お互いが過去の楽しかった時代を思い出したりするたびに、今一人でいる寂しさに胸が締め付けられました。
タイトルにあるロスタイム。サッカーのロスタイムと二人のロスタイムがシンクロして、良い終わり方でした。
ココミ先生の新しい一面を見た気がしました。
リスタートも優しいお話でしたが、こちらも二人の気持ちを丁寧に描かれていて良かったです。
ちょっと泣けて、そして優しい気持ちになれるそんなお話でした。

7

好きだけど嫌い、嫌いだけど好き。

好きだけど嫌い、嫌いだけど好き。このフレーズが好きな皆々様には刺さる作品だなと思います。くすっと笑える箇所もありながら、作中は基本的には切なく胸締め付けられつつも、恋ってこんなんだよなあ……とじーんと染み渡るような。読みながら優しい気持ちにもなれる、好きなあの子の好きなところ嫌いなところをもっともっと探したくなるような、そんな作品です。作風と絵柄がとってもマッチしていて、最初から最後まで物語と共に絵の細部まで惹き込まれながら読了しました。恋とか愛とか幸せとか、そんなものが詰まって、ここにあります。

9

思い出にするには好きすぎる

付き合って4年、好きだったところも段々とイラつくようになってくる頃でしょうか。
まだ尽は我慢強い方だったと思いますよ。

顔を見るのもイヤ、もう2度と会いたくねーと思うような別れではなくて、だらしないのを改めて欲しい、別れるって言ったら引き止めて縋って欲しい、っていうのが正直な気持ちだったんですよね。
なのに相変わらずで、振り回されるばかりでこれなら本当に別れてもいつかは良かったと思えるだろう…そりゃそうなるよね。

桐生は言葉で上手く気持ちを表現できない自分を分かっていて努力せずに今まできたし、去るものを追うって事が惨めな事だと思ってたから出来なかった。
でも尽の事だけは諦めきれなかったんだなぁ…って思ったら切なくて泣けました。
戻ってきて、っていう一言を絞り出すのにどれだけ勇気がいったか解るだけに、尽がいなくなった朝のシーンはこちらも胸が痛んだよ。

とは言え、寄りを戻してからの最初は肝心だから、もっと関白宣言してやればよかったのにと思いましたw尽はやさしーわ。
なんだかんだで桐生の世話してたいんだよね。
多分これからもたくさんケンカするんだろうなぁ。
ハピエンでホッとしました!

11

別れたいのに別れたくない

なんだかどこかで聞いたことのある話。
自身だったり、友人の愚痴だったり、異性だろうと同性だろうと、
付き合いが長くなれば一度はやってくるであろう恋人たちの危機。

だからこそ、相手の好きなところが嫌いなところにすり替わっている絶望、
二人の葛藤や気持ちの揺れが妙にリアルに感じられて感情移入しまくって
読んでしまい、最後にはうっすら泣けてしまいました。

4年間付き合った小説家の恋人・桐生と別れたばかりの尽。

だけど、なぜか“元カレ”である桐生からは
「ホラー映画見ちゃった 怖くて寝れん」なんて
別れ話なんてなかったかのような呑気なメッセージが届く始末。

お人好しな尽が放っておくこともできず家まで行くと、その度、
尽の好きなもので釣ってはエッチに持ち込み、丸め込もうとする桐生。

その後も行きつけの店で待ち伏せたり、共通の友人の催しに参加したり、
お揃いの指輪も嵌めたまんまだったり、本音がダダ漏れすぎる桐生。
別れたくないってバレバレだよ!
なんとか尽を繋ぎとめようと必死で未練タラタラで、
一言別れたくないって、ごめんって言えばいいだけなのに。

尽も口では別れると言いながら拒み切ることもできず、
桐生に謝って、戻ってきてと言われればヨリを戻す気満々なんです。

言うなればこれは盛大な痴話喧嘩。
一緒に過ごす時間が長くなってゆくうちに
出会った頃の気持ちを忘れて向き合ってくれなくなった
恋人への意地の張り合いだったのかもしれません。

だからこそ、いざ言葉にしてみれば別れたい原因なんて
日常の些細なことの積み重ねというちっぽけなことで、
意地で抑え込んでいた別れたくない気持ちが出てきてしまう。
嫌いで別れるわけじゃない。まだまだ好きなんだもの。

このままなあなあ展開でヨリ戻しちゃうのかなと思いきや、
尽から唐突に突き付けられた「さよなら」。
二人が暮らしてきた家の鍵を返し桐生を置いて去ってゆく尽に
ああ、もうこれで本当におしまいなんだと胸が締め付けられました…。

あまりにもあっけなく、一方的な終わり。
そもそもここに至るまでが全て尽の一方通行なわけで。
元凶となった桐生のマイペースっぷりも十分悪いけれど、
肝心なことは何一つ伝えずにおしまい宣言なんて尽もズルいよなぁ。

けど、大丈夫、まだロスタイムは終わってはいませんでした。
別れを告げられてもどうしても尽を諦めきれず、
尽の自宅へ押しかけて、理由をこじつけデートに誘いだす桐生。

往生際が悪すぎるし、格好悪いけれど、「これで最後」と縋るように
言葉を絞り出す桐生に、お前どんだけ別れたくないんだよ…と
泣きそうになりました。

最後のデートでようやく言葉にできなかった想いを伝え合い、
いつになく素直に気持ちを曝け出す二人が着々と別れの準備を
しているようで切なすぎました。

そして、いよいよ“別れ”を目前にしたクライマックス。
最後の最後にこぼれた「好き」と「帰ってきて」に
桐生へのいとおしさで胸がいっぱいになりました。
この一言を伝えるだけにどれだけの遠回りをしたことか。
不器用で、一生懸命で、こんなの離れ難くなっちゃうよ。

ラストは決してドラマチックではないけれど、二人の溢れんばかりの
愛にこちらまで笑顔になってしまう最高のエンディングでした。
きっとこの二人はこの先も何年かに一度こんな大きな痴話喧嘩を繰り広げ、
その度にチューニングしながら末永く寄り添って生きていくんだろうなぁ。

12

うーんとしか

コミコミさんで有償特典小冊子が出てる作品てハズレがないんです。
今回も知らない作家さまでしたが、その辺の自分の感を信じて購入しました。

まだ有償特典小冊子は読んでません。純粋に本編コミックスだけの感想です。
軒並み高評価レビューが続いている中で、このような評価とレビューをするのは勇気がいります。
個人的な好みになりますが、あまり刺さらなかったし読んだ後に他の方のレビューを読んでも良さがあまり分かりませんでした。単に私が歳を取って感動出来ないだけだからかもしれません。

カバー表紙のイラストを見れば簡単に2人の関係性が分かって、今の2人が上手くいってないのは一目瞭然です。

全てを通して読んでから思ったのは尽が桐生に勝手に腹を立てて別れておいて、更に腹を立てる意味が良く分かりませんでした。
簡単に呼び出されて好みも一緒だから趣味も合って更には体を重ねておいて…桐生がセックスに持ち込むとか尽は言い訳するけど、そもそもセックスって2人の同意が無ければ出来ないわけで。その後に急に避け出すのもなんだかなぁと。多分ですが尽の性格が好きじゃないからだと思います。

別れてからまた付き合うまでの恋のお話だから納得はするけれど、このお話が面白かったかと聞かれたら好みじゃ無いと言ってしまうと思います。

最終話は面白かったけどそこに至るまでのお話が好みじゃありませんでした。すいません。
評価は萌ですが限りなく中立です。

21

泣ける神作

初めて読む作家さんです。
別れたところから始まる話って読んだ記憶がなかったので、どんな感じなんだろう?という興味本位から。

もうめちゃくちゃ泣けました。

もう連絡しないからって最後のデートに誘うところが1番の涙腺崩壊ポイントでした。

桐生だけがずっと指輪を外さなかったり、相手の好きなデザートを冷蔵庫に入れていたり…
新しい出会いに少し期待しても、結局脳裏に浮かぶのは相手のことだったり、こういった繊細な描写の数々に胸が締め付けられました。

本当に素晴らしい作品でした。

そしてコミコミの小冊子がまた神でした。買って良かった…

11

他人と寄り添っていくには。

好きだけど、一緒に暮らせないと思ってしまう尽。
突然の別れ宣言に戸惑う桐生。
2人が違う生活様式、違う愛情表現を持っている。だから、微かだけれど、見逃せないすれ違いが生まれてしまう。
お互い好きで、相手と相性がいいとわかっているから余計に苦しい。
ずっと切ないです。
死ぬまで続く日常は、好きだ!という気持ちだけでは続けていけない。
自分とは違う他人を、愛おしみながら生きていく覚悟をすることは、こういうことかと思いました。

9

4年

絶賛が多かったので、かつ別れた人たちの話が大好きなので、珍しくかなり前のめりに読んだ作品でした。いや〜よかった。

まず、商業BLに"別れた人たちの話""倦怠期の話"が少ないので、まだまだブルーオーシャン。恋愛漫画全体で見てもそうかな。作品の冒頭でBLに、男と男に限らない話だと牽制されてるように、こんな経験したことある人はままいるだろうという恋愛の話でした。それを面白く描いてあるのは作家さんの腕。

文字で語らないところが沢山ある点も好きです。なんども大写しされる指輪はラストシーンに繋がるところだろうと読みながら思いつつ、尽がハッキリ台詞やモノローグにするところはなく。担当の小林さんは気づいてチケットと車をくれたのかな〜とか、考える隙があるのが面白い。

面倒くさい2人ではあるし、1話の桐生は勝手に思えるけど、桐生の行動全てがより戻したいムーブで外野には可愛く見えちゃうんだよな〜犬の写真を保存する尽も、最後のデートでツーショット撮っちゃう桐生も可愛くて。
最後のデートなんて響かないわけがない。王道も王道なんだけど、王道を面白くするのに必要な巧みさがしっかりある。

電子限定書き下ろし漫画1枚 似たもの同士

10

ビターですがラストは爽やか!!

すごくすごくよかったーー!!
ほんとに珠玉のBLです。大好き!
派手な内容ではなく静かなお話ですが
心理描写に共感できる傑作では?
ココミ先生
別れからはじまるストーリーと聞いて
お、良さそうって思い作家買い予約しましたが
最近ちるちるのランキングとても信頼できる!
ランキングに現れたのでやば早く読みたい!ってなりました。
このお話しょっぱなからずっとビターです。。
もう私は切なくてずっと鼻がつーんとしていました。
誰もが経験ある恋愛の終わり、、からの
お話で身に覚えありまくり。
私は好きなのに出て行く道を選ぶしかなかった
攻めの尽に感情移入してしまいました。
わかる。。
こういう恋愛にはゲイもストレートもありませんね。
ふられたのに連絡してくる彼
好きなのに別れた相手
受け桐生の気持ちもわかるな〜って
帰ってきてって言えて本当によかった!!
受けが振り回した2人でしたがしっかり傷ついて
失って気付く愛?ありがちなようで
つまらなくならないのは作者さまの力量?
あいこ?になり愛が深まる復縁できた最終話ほんとに最高でした!!
何回別れても復縁する離れられないふたり。
になるのかな?
最近ヒットな良作が続いていて
うれしい。
ほんと自分が求めてるBLってこんなん!
って思いました。おススメです。

11

切なくて、胸が温まる作品

すごく良かった。
2人が別れたところから話がスタートするのも、この先、どうなるのかすごく気になりました。

好きだったはずなのに、長い年月が経つにつれて、許せたところが許せなくなったり、好きだったところが嫌いになったり。
すごく、わかるなーと思いました。誰もが経験する気持ちですよ。
そしてそんな事を思ってしまう自分が嫌になったり。

桐生が尽の事が好きで、1人で生きるのを頑張ってたり、尽と復縁したくて頑張ってる姿が、すごく不器用で、涙が出そうになった。
もう、本当にこの2人はダメなのかな、と思った時に、桐生がもう1回頑張ってくれて良かった。

お互い好きなのに、ちょっとした事の積み重ねや、タイミングで別れちゃう事もあるんです。
その時にどうするかは、そのカップル毎に違うんでしょうけど。

作者さんも書いてるけど、定期的に大喧嘩しそうな2人ですよね。でも、今回の教訓を活かして、喧嘩してもその度に仲直りして、改めて「好きだな」と感じて、ずっと幸せにいて欲しいです。

7

心理描写がリアルでとても丁寧

すごくよかった、という評判が流れてきて、気になってお試し読みしたところ、想像以上に引き込まれて購入しました。ほんとにすごく良かった。読んで良かったです。
4年一緒に暮らしていた恋人同士のお話。
本当に小さいひずみがたまりにたまって、尽は別れを決めたはずなのに、思い切れない。
もしかして自分はまだ好きなの? いやいやそんなはず、という葛藤と、これまでのふたりの思い出が絡み合って、尽の気持ちに自然に寄り添えます。
それと同時に、長く一緒に居すぎて突然別れを告げられてもぴんと来なかったものの、硬化していく尽の態度に徐々に事態を理解していく桐生の気持ちもよく伝わり、メインキャラどちらにも共感しながら読んでいきました。
同じ物を美味しいと思い、同じ物を見て笑って、こんなにもよい時を過ごせる相手の存在の大きさを再認識して、二人は改めて手をつないで前を向いて歩いていくんだろうなと思えました。
素敵なカップルだなと憧れるような気持ちでいます。何回も読み返すと思います。

7

餞を贈る

付き合いが長くなれば何も言わなくてもわかることが増え、そういう部分まで生活の一部になったりもするけれど。
それでもお互いの気持ちが全てわかるわけではないので、すれ違ったり不満が生まれたり…
そんな感情を爆発させた尽が桐生に別れを告げたことから始まるお話でした。

尽が桐生への消化しきれなかった不満をぶつけて家を出た後も、なかなかその重大さに気付けない桐生。
尽の決意を見抜けずに簡単に呼び出したり、言葉もないままセックスに持ち込んだり。
ダメなのはそういうところだよ…!と桐生の言動を見てモヤモヤするところもありましたが。
そこから徐々に変化していく彼の感情からは、切なさや後悔、そして不器用なりに精いっぱい愛を伝えたいひたむきさも感じられたように思います。

ふたりのように大きなきっかけの無い別れこそ、本人達が受けるダメージは大きいのかもしれません。
心に積もらせた不満とそれを解消するまでの時間はそれぞれに違うし、必ずしも気持ちが戻るとも限らない。
そんな不安で苦しい時間を越えた先のふたりの晴れた表情がとても印象的でした。

息が詰まるような展開に苦しくなるところが何度もありましたが、確実に変わっていくふたりを最後まで見守ることができて良かったです。

5

最高!

いやー面白かったです!
別れから始まるBLって初めて読んだんですけど、どん底から始まり、登場人物と共に最高のボルテージまで這い上がっていけるのは何だか嬉しい気持ちになりますね。
同性同士に限らず、恋人、家族、友人、長い付き合いの相手こそ言葉に出さなくとも分かって欲しい、理解して欲しいなんて傲慢なんですよね。感謝も愛の言葉もストレートに伝えることがどれほど大事なことか改めて気付かされました。

桐生の左手薬指の指輪が映される描写が何度かあるのですが、別れた後だからこそ外せない彼の気持ちが伝わってきてホロリとなりました。

とっても、すてきな作品でした!

7

別れ話はBLにもってこい

一回別れるストーリーが大好物です。
初読み作家さんでしたが、あらすじだけで購入決定。

結果、存分に満足!
出会いからラブラブ期までを描くのとはまた違う、別れ話ならではの独特の熱の上がり下がり感、切なさがたまりません。

一般的に、物語をエンタメに仕立てるには主人公らが乗り越えるべき「困難」が必要となるのものですよね。
標準的な出会い~両想いまでを描くBLストーリーだとその困難は「仕事のトラブル」「両親など周囲の人が認めてくれない」「悪役もしくは当て馬が登場する」など。
ファンタジーならそれこそ「世界が滅びそう」とか「不治の病にかかって」とか。
それがですね、別れ話BLはですねこの「困難」にあたるものがですね、「別れる」というイベント一つで済むんです。もう超絶シンプル。

ごちゃごちゃした仕事のトラブルとか、ちょっと胸糞悪い悪役とか、辛気臭い病気とかお金の話とかね、ちょっと読むのめんどいなって思う時ありませんか?そういうのがですね、なくても成立するんです。それが別れ話BLの素晴らしさ。
余計なものはいらない。描くのは純粋に二人の関係性のみ。

だからこそ、要約しちゃえば、ただの「カップルの痴話ゲンカ」なんですけどね。
4年くらい付き合った美容師と小説家が、すれ違ってきて、美容師の尽くんから別れを切り出したんだけど、桐生くんは別れたつもりはないようで……?みたいな話。

でも、「もう別れる」って言うまでに重ねた二人のアレコレ、言った瞬間の頭の中、言ってからじわじわ募るモヤモヤ……
別れた後からお互い相手のことを四六時中思い出して頭がいっぱいになる感じ。
片想いのときとはまた違うぐるぐる感。
明快な解決方法として別れを選んだはずの尽くんが、余計割り切れなくなり右往左往している姿、相手がまだ自分に気がある様子を拒んでいない感じ
どれもこれも人間らしくて可愛い。
別れる前提でのラストデートなんて、逆に最高の思い出にしようみたいなエッジが効いていてロマンティック。
価値観を認め合う、二人の絆を深めあうっていう流れもカッコイイ。

ただし、最重要事項をお忘れなく。
これがBLであり、絶対的にメインで描かれている二人は最後にハピエンラブラブになるという大前提の上に成り立っているということ。
これらがあるから安心して二人を眺められるし、キュンキュンできるのです。

この種の話で万が一、ハピエンにならず結局グダグダ別れていたらマジで時間の無駄と感じちゃうかも。

そういう意味で、本当BLと別れ話ってすっごく相性が良いと思うんですけどね。
絶対くっつくとわかっている二人を出会わせるのも良いけど、絶対ヨリが戻るとわかっている二人を別れさせるのも最高ですよ。

脚色は最低限。二人の人間模様だけでぐるぐるキュンキュンさせる王道の別れ話BL。
この手の作品もファンももっと増えないかなー。

6

良かった…!

↓ネタバレ含みます!
以前何かの機会に雑誌を購入した際、途中話を1度読んで以来気になってずっと発売を楽しみにしてました!物語性のある表紙が切なさがありつつおしゃれです。途中は切なさ多めなストーリーがとても良かったです!


帯の通り今作はストーリーの開始時から別れています。当て馬等の他者の介入で関係がもつれたわけではなく、二人の間での不器用さ等が原因です。

作中では途中ちょこちょこと回想が入り、ふとした時に付き合っていた当時の楽しい思い出が蘇る演出が良かったです。別れたんだけど嫌いになれない感じが凄く胸にグッときました。何度も切なさに心臓をギュッと掴まれましたが、一度返し損った鍵を返したシーンと、これで最後とお願いにくるシーンと、物語のラストにかけては切なさとキャラへの愛しさで最高でした。

徐々に余裕がなくなって必死になる桐生が良い…!自分の感情を口で伝えるのが苦手な桐生が素直に言葉で伝えられたラストがとても良かったです…!尽と桐生の職業がそれぞれ美容師と小説家なのですが、どちらもその職業である必要性が生きていて、ただただ設定としてあるだけではなく物語に絡めている所が良かったです。

別れを通してより良い関係になれた二人、二人がこれからも末永く続いていくためには必要な別れだったと思います。最後はハッピーエンドなのでご安心ください…!描き下ろしは本編のその後で幸せに溢れてました!


かなり楽しみにしていたので私の中でだいぶハードルを上げて今作を読んだのですが、期待値を超える勢いで良かったです…!長く付き合ってたら色々不満に思うことも出てくると思いますが、それを乗り越えられる二人でした。作者様が後書きで言っているように今後も数年に1度は大喧嘩をする気がしますが、なんだかんだ仲良く一生一緒に二人でいてくれそうな二人で良かったです!

9

気まぐれなのは猫。(男ってのは結局こういうのに弱い。)

冒頭の女の子の台詞に、軽く傷付く尽。私もかつて、そう思っていたから、反省する。
「同性の恋人ってロマンチックですよね〜、なんか一生の付き合いって感じしません?」
同性の恋人同士だから。結婚とか出産とか無関係なところで、純粋な気持ちで完全無欠に昇華する愛情だと、どこか思っていたのだ。
本作は、男とか、女とか。そういう所には一線を画して。誰もがきっと。簡単に陥ってしまう「別れの危機」を描いてスタートする。
本編中にもしっかりと書かれてもいる。

『所詮、
 異性だろうが
 同性だろうが
 恋だろうが
 そうじゃなかろうが
 他者を理解し
 理解して貰う事は
 あまりにも難しい。』

小説家である桐生は、おそらく職業柄もあるだろう。いい加減で無頓着。甘えん坊で、尽を振り回す。尽は恋人に尽くす事が元来好きだった筈なんだけど。気まぐれな桐生に無償に尽くし続ける事に疲れてしまった。別れを切り出したのに、呼ばれればホイホイ会いに行ってしまうし。誘われれば抱いてしまう。そして。そんな自分にイライラしてしまう。
意を決して何度目かの別れを切り出した後、桐生にも変化が訪れる。
後に振り返った時に見れば。2人にはこの短い別れは必要だったと笑い合うのかもしれない。別々の人間なのだから、考えている事は分からない。分かり合えない時もあるし、理解し難い事もあるんだろう。でも。互いに想い合う気持ちさえあれば。
それは築いていける事なのだ。傷付けて、傷付けられても。一緒に居たいと思える人は得難い宝物なのだ。
やや唐突に付けられた感もあるタイトルは、「別れ」からのモラトリアム期間、それを「ロスタイム」と名付けたんだろう。サッカー用語としては「アディショナルタイム」と言うけどね。もしかしたら、本当の意味でもって「アディショナルタイム」(追加の、さらなる)とした方が意味的には合致するけれども。「ロスタイム」の方が語呂が良かったのかな。

同性でも、異性でも、同じ次元の危機を描いているとは言え。その前に、桐生の様な美人で気まぐれな、猫っぽい魅力に男は弱いんだと思う。それもまた永遠の真理なり。

0

この作品に出会えてよかった

作家様買いです。

別れから始まるって新鮮だなぁって思って読んでたんですけど、
ずっとずっと胸が苦しかったです。

二人のこれからの為には必要な時間だったんだけど、
素直に言葉に出来ない桐生も見てて辛かったし、
なによりつくしの気持ちが辛かったです。

途中途中に幸せなった二人の過去の日々が出てくるのですが
そのたびに幸せな記憶だけど辛いなぁと思わされました。

桐生はすっごく不器用なんですよね。
行きつけの居酒屋に行ったり、
つくしの好きなスイーツ買い込んだり、
スマホを気にしてたりとかなりつくしのことは好きなんですよ。

そんな桐生がつくしを最後のデートに誘うのが
読んでいてすごく辛かったです。
そんな桐生を捨てきれないつくしも辛くて
ずっと胸が痛かったんですけど、
色々あってつくしにしがみついて「帰って来て」と言う桐生に
なんとも言えない気持ちになりました。

彼がここに至るまでのトラウマがあって
でもそんなトラウマを乗り越えてまでも
彼はつくしと一緒に生きていきたいんだなぁって。



個人的には辛い気持ちになる部分も多かったのですが、
すっごく素敵なお話でした。
先生のあとがきにまたしんみりしつつ
この作品に出会えてよかったと心の底から思いました。

0

どちらの気持ちもよくわかる

美容師の攻めの尽は、小説家の受けの桐生と別れたはずなのに、呼ばれたら家に行ってしまうし、キスされたらそのままセックスになだれ込んでしまう。
嫌いで別れたわけではないから。まだ好きだから。ただ一緒にいることが辛くなったから。ふたりでいるのにひとりでいるようになってしまったから。
でも、なにかをする時もなにかを食べる時も、4年一緒にいたから同じものを好み、ふと幸せだったふたりでいた時のことを思い出してしまって断ち切れない。

桐生は小説家だからか、美容院に勤めている尽とは時間感覚がズレているのかマイペースで生活をしています。きっと付き合った当初はそれでもよかったんだろうけど、だんだんと相手に甘えてきて「伝えなくてもわかるよね」って感じになったんだと思います。
ふたりとも相手が好きなんですよね、だけどすれ違っていってしまう。よくある人間関係なので、読んでいて尽の気持ちも桐生気持ちもどっちもわかるから、すごく物語に入り込めました。

ふたりにとってのロスタイム。
桐生がサッカーのチケットを「これで最後」と言って渡してからのふたりの時間。
じっくりと読んでほしいです。

きっとふたりはこれからもケンカをしたり傷つけ合ったりしながらも、最後には笑い合って変わらずにいるんだろうと思いました。

何度かセックスもしていますが、やっぱり最後の笑顔のふたりがいいですね。

6

切なさから甘さへ

別れから始まるストーリー。

付き合いから同棲と4年間過ごしてきた尽と桐生。
一緒にいることが当たり前がいつからか相手の欠点ばかり気になり出しついに別れを告げたはずの尽だけど何かと桐生に呼び出されては流されて…を何度が繰り返しあるきっかけで本気で終わらせようと合鍵を桐生に返す尽。
その尽の行動に尽の本気を感じ取った桐生。

ここから相手に対する気持ちに変化が出て今までのことを見つめ直す2人が切なくてラストどうなるのかハラハラした。
自分が思っていた以上に相手を好きだとお互いが気づいてから行動に起こしたのは桐生でその桐生の素直さが可愛すぎた展開が最高なラストだった。子供の頃の両親の離婚から恋愛にどこか冷めてた桐生がこういう行動に出るほど尽との過ごした時間が心地よく離れ難いものになっていたのだと思うとたまらなかった。
ラストでの甘々でいちゃいちゃな2人が最高に幸せだったのがすごく良かった。
祝5年目な話が読んでみたい笑

6

痴話げんか

ちょっと拗れた痴話げんかにしか見えなかったという…。
えええ?別れたの?という桐生と同じ発想でしたw

いろいろダメ出ししつつも、でも”好き好き”してる展開に見えてしまった。
なんだか可愛いな、と。
もう、相手のこと”大好きじゃん”と何度かツッコミたくなりました。

喧嘩後のダウンタイムの心理描写が丁寧に描かれています。
相手が好きだからこそ、言いたいことが言えなかったり、恋愛におけるコミュニケーションの難しさが伝わってきます。

またちょっと喧嘩したり、甘やかしたり、怒られたり、いいとこ見て、悪いとこみて、、この積み重ねがなんだかんだ長くなって、ちょっとやそっとじゃ別れない関係性になっていくんだな~という、ここから先の日常まで見えてくるような2人でした。

10

別れてから気づいたこと

別れから始まるBLです。
切ないはずなのに、どこか温かい一冊でした。

あることが原因で、人に「伝える」のが苦手になった、小説家の桐生(受)
桐井のワガママにうんざりし、別れを切り出した、美容師の尽(攻)

別れてから気づく、相手の良さと悪さ。
今思えば良いところも悪く思え、悪いところも良いと思える。
そんな描写があり、見てて、ほんとに切ない気持ちになりました。

お互い似た者どうしで、ちゃんと言葉で伝えれなかったのが、すれ違いの原因なんだろうな…と思いました。
最後に最後で、桐生が、自分の本当の気持ちを切り出せて良かったです…

特に桐生が最後のケジメとしてデートに誘うシーンは、本当に号泣で、途中から桐生目線の話になり、お互いの心情がよく描かれています。

別れが2人を成長させてくれる、そんな温かい物語です。

11

"ロスタイム"とは

「そういうところが大嫌いで、だけどどうしようもなく好きだった」
この帯、なんて優秀…最高…。

4年付き合った恋人と別れて、一緒に住んでいた家を出た…そんなありきたりなあまりにリアルな別れから始まるふたりのお話。

2人は、なるべくしてこうなったと思います。
どうか、たくさんの人にこのふたりの"ロスタイム"を見届けてほしいです。

9

切なくも、傷が癒えていくような優しい読後感

別れから始まるBLって、実は初めて読みました。
別れからスタートするので、もう、ずっと切ない。
切ないのに、ゆっくりと傷が癒えていくような
じんわりと心が満たされていくような
最後は幸せ一杯な気持ちになる、最高の読後感でした。

4年間付き合っていた恋人達の別れから始まる本作。
別れを決めた尽と、何だかんだ甘えてしまう桐生。
優しい雰囲気の作風なのに、2人の温度差が妙にリアルで、別れる恋人達のヒリヒリした空気感が伝わってきて、何だかこちらまで落ち着かない気持ちに。

付き合っていて楽しかった事、相手の好きだった所、嫌だった所。忘れたいのに、忘れられない。そんな思い出を振り返りながら、自分の本心に気づいていく…。
この過程が切なくて胸がギュッと苦しくなりますが、メイン2人がカラッと明るいキャラクターなので暗い気持ちにならずに楽しめました。

別れた後も尽に甘えてマイペースに振り回す、気まぐれな桐生にモヤつきますが、尽に拒絶されたシーンから一変。
本音を言葉にできない桐生の不器用さが愛おしく、不器用ながらも懸命に「最後のデート」へ誘うシーンには目頭が熱くなりました。

別れた筈の2人なのに、お互いに「好き」の気持ちが作中ずっと溢れてるんですよねー……
本当はヨリを戻したいのに、上手く言葉に出来ない2人。
もう、不器用すぎて、もどかしくて愛おしい。

タイトルにある「ロスタイム」とは、試合中に負った負傷者の手当てなど、競技時間には勘定しない時間のこと。
すれ違いや衝突を重ねて傷つき合った2人ですが、一時の別れを"ロスタイム"として「そんな事もあったね」と笑いながら一緒に歩んでいく…
そんな2人の再出発を祝って、思わず餞を贈りたくなるような優しい作品でした。

ラスト"おんなじ顔"で笑い合う2人に、同じような衝突があってもきっと、もう大丈夫だろうなぁ…と感慨深い気持ちで一杯です。

▶︎シーモア/刻み海苔

16

アディショナルタイム

すーーーっごい良いお話でした。
表紙も作品の雰囲気を表していてめちゃ素敵。
(紙版も買ってしまいました 笑)

切ないんだけど…切ないを通り越して超絶感動しました。こういう日常の出来事からの切り口のお話大好きです。
付き合った人同士でもだけど、友人や同僚や家族…近い場所にいると、嫌なところしか見えなくなる時ってありますよね。多くの人が経験する気持ちだと思います。だからかな、すごく胸に響きました。


4年間付き合った2人の、なぁなぁな関係がいつしか綻びを生み別れるっていうところからスタートする物語です。
別れを切り出した尽と、別れたの?俺たち?という桐生。これからも分かる様に、尽が桐生に愛想を尽かして別れたことになりました。

尽は別れたとは言いながらも、心の中では桐生の温もりや存在をどこか感じていて、心がまだ追いついていません。一方、桐生は別れを受け入れているのかいないのか分からない態度だけど、至って普通に接してくるので、尽は調子を狂わされます。


この桐生の普通〜にする態度。
私は尽タイプで、何か言うことないのかよって思う方なので、相手がこうもいつも通りにされるとイラッとしちゃうんです…(^^;

だからどちらかと言えば尽の視点で見ていたんですけど、このイラッとすることが、なんかよく分からなくなって自分の意地だけで振り回してるんじゃないか…とか思ったりもするんですよね。そう思ったら、元々嫌いな訳じゃないから好きな気持ちがぶわ〜っと込み上げてきたり。こうなったら、逆に良かったときの記憶しか出てこなくなるので、…尽が葛藤している気持ちが痛いほど分かりました。

桐生はシレ〜っとしてるけど、本音は尽のことが大好きで、だからあんな風に繋ぎ止めようとするんですよね。行動だけじゃなく、言葉も欲しいんです。小説家なのに、言葉で伝えることの大事さを知っているはずなのに、自分のことだと逆に気付けなかったのかも知れませんね。


2人それぞれの心理描写がすごく沁みました。どちらサイドで考えても、分かる〜分かるよ〜ってなりました。
好きだったところが嫌いになって。でも離れてみると、その嫌いなところがより愛おしくなっちゃうこともあったり…。居なくなってから気付くこともたくさんありますよね。
途中分かりみが強すぎてウルってきちゃいましたよ。
お願いだから2人にはハッピーエンドでいて欲しいと願いながら、読んでいました。
最後の最後まで作者さんの見せ方が上手すぎて、え??っとなりましたが、素敵なエンディングでした。


タイトルは「ロスタイム」が付いていました。
ロスタイムといえばそうかも知れないけど、私からしたらアディショナルタイムって感じに思いましたよ。そっちの方がポジティブな意味に捉えられませんか?(^ ^)
尽と桐生にとってはマイナスなことだったかも知れないけど、その期間があったから今の2人が、そしてこれからの2人があると思います。

切ないシーンが多かった本編と対照的に、描き下ろしはあまあまですごく良かったです。尽がスタイリングした桐生がかっこ良すぎでした^ ^

10

好きでいることの苦さ。好きをやめられない苦さ。

めちゃくちゃビター。
苦みが口の中に広がって心がシクシクしました。
けれど、ああ…なんかわかるなぁ…と共感する。

好きでいることの苦さ。好きをやめられない苦さ。
好きなのに、好きだけど、湧き上がる嫌な気持ち。
嫌いになりたいのに嫌いになれない気持ち。

シンプルな「好き」だけで続かなかった関係が描かれた、
大好きな恋人との別れから始まる物語です。

これがもうめちゃくちゃ心に刺さるというか。
心理描写や魅せ方が上手いんですよね…。
別れたのにいつまでも引きずっちゃう気持ちとか、
幸せな時間の回想が上手く差し込まれててですね。

ガンガンに琴線に触れてくるんですよー(;///;)
またここから始めようというメッセージがグッとくる!

とはいえ甘々スキーで生きてる民には苦すぎて…;;
蜂蜜たっぷりのカフェオレが読書のお供に必須でした。


さてさて。

攻め:尽(つくし)/ 美容師
世話焼き体質で人に寄り添うタイプというのかな。
けれど無下にされることが続いて心がチクチク…。
堪忍袋の緒が切れて別れを切り出します。

受け:桐生 (とうい) / 小説家
とってもマイペースで自由奔放。
職業柄もあってのめり込むと尽の存在も忘れることも…。
言葉で理解しあう前に有耶無耶で終わらそうとしています。

別れたけれど踏ん切りがつかない尽は、
呼び出されると放っておけず会いにいってしまいます。
そして桐生から仲直りエッチに持ち込まれ拒みきれず。
その度に何度も後悔を繰り返しています。

断ち切りたいのに断ち切れない。
楽しかった思い出が蘇る度に辛くなる。

ずっと返せないままでいた桐生の部屋の鍵を突き返し、
最後の「さよなら」を告げてーーーと展開します。


個人的に最初は桐生のだらしなさが嫌でした。
一緒に暮らしてて報連相がないのってマジでストレス!
4年もアレに振り回されたらそりゃ堪忍袋もキレますよ…;

でも桐生だけが悪いんじゃないのが見えてくるんですね。
尽は桐生からの言葉を待ってばかりの部分があって…。

"このままじゃダメだ" と鍵を返したのは
尽自身がリセットするための覚悟に感じたのですが、
とても苦みがつきまとうモノで読んでて息苦しかったです。

で、桐生視点に変わるとまた見え方が変わる。
今度は桐生が言葉を口にしない理由が見えてきます。

最後のデートの下りは誘いの段階から泣けてしまって…!
桐生も "このままだじゃダメだ" って感じてて、
桐生なりの覚悟とケジメだったのかなー?と…。
(このシーンは何回読んでも泣けちゃうよ(;///;))

ダメダメな悪循環に陥ってた2人なんですが、
それぞれに"これが最後"と区切りを見せるのが良かった。
ループを断ち切って、反省して、また一緒に前を向いて。

お別れから始まる物語ですが、
無駄に傷つけ合うようなことをしないのもホッとします。
むしろ別れても離れられない指先の描写とかグッとくる。
(尽が色々思い出しながら寝てる桐生の髪を梳くシーンが切なくてめっちゃ好き!)

繊細な心理描写が刺さるお話でした。
幸せな回想が流れるほど苦みが強かったけれど、
躓いた心を立て直して向き合っていくのが胸熱です!

8

とても程良い、ちょっとの受けザマァ感



小説家で自分勝手な受けの桐生
そんな受けに未練がありつつも疲れて別れを切り出した攻めの尽

別れてからも受けに振り回される攻めですが、ずるずる関係を続けてしまう自分にしっかり区切りをつけて、受けに別れを告げるシーンは安心しました。
このまま流されて復縁したら薄っぺらいなと思っていたのですが、そんなことはなかったです。

そして過去の軽いトラウマから気持ちを言葉にできない受け。
キッパリ別れを告げられてからも連絡しちゃったり、つい相手の好きなものを買ってしまったり、受けの方が実は未練タラタラなんですよね。
自分勝手さが別れを招いたことを自覚しているけれど、どうしたらいいかわからなくて、とにかく肉体関係を持ってズルズルと囲おうとする姿は少しイライラしました。
でもそんな自分勝手な彼が攻めに拒否されて傷つき、落ち込む姿は胸が痛むと同時に少しスカッともしてしまいました。この辺が受けザマァ感。
でもそんな受けだからこそ、勇気を振り絞っての最後のデートのお誘いからの〜泣きながらの「帰ってきて」が響くんですよね…。
これからは頑張れよ!上手くやれよ!幸せにな!


辛いシーンが多いわけではないけれど、これは所謂受けザマァ、それもかなり程良いザマァだなと、自分は感じました。
でも攻めにも受けにも悪いところがあって、それをお互いちゃんとぶつけて認めて、元鞘に収まる。
文章にするとよくある作品のようですが、そこに至るまでの経緯がすごくリアルで入り込めましたし、面白かったです。
なんとなく購入したのですが、大当たりでした。

興味のある方は是非!





16

人生の餞には何を望むのか

人生の餞にーー。
恋愛の始まりは、勢いも若さも熱量もあるけど、
長い付き合いになっていけば、それらだけでは付き合えるわけではなく、
長ければ長いほど、一度互いを、自分自身を見つめ直す、そんなターニングポイントなストーリー。

美容師の尽(つくし)と小説家の桐生(とうい)同棲四年目のふたりだが、自由気まま過ぎる桐生に愛想を尽かした『別れた』尽だが、そうは思ってない桐生に振り回され、別れてもなお感情を乱される尽。


恋愛は『あばたもえくぼ』な時期が過ぎ『あばた』しか見えなくなる時、きちんと向き合って、言葉にした時には、
『今』よりも『少し未来』のふたりがーーー。

表紙はまるでふたりを対比して撮った様なフォトグラフで美しい。

Cモアさん、修正、刻み海苔。

7

この作品が収納されている本棚

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