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表題作美しい彼 1

平良一成,吃音をもちクラスでいじめられている高校生
清居奏,クラスの人気者の高校生

その他の収録作品

  • 番外編

あらすじ

美しく孤高に、クラスの頂点に君臨する。
清居は、生まれついてのキングだ──

無口で友達が一人もいない、クラスの最底辺──居心地の悪い新学期の教室の中、平良(ひ/ら)が一目で恋に堕ちたのは、クラスメイトの清居(きよ/い)だ。自分と今生で関わることなんてないはずが、パシリにされ携帯番号を教えられて急接近!! 清居の言葉ひとつ、貰った小銭さえが尊い。切なくて窒息する、この感情を恋と呼ぶのか──真逆な二人が織り成すラブストーリー、開幕!!

作品情報

作品名
美しい彼 1
著者
北野仁 
原作
凪良ゆう 
媒体
漫画(コミック)
出版社
徳間書店
レーベル
Charaコミックス
シリーズ
美しい彼
発売日
電子発売日
ISBN
9784199609107
4.4

(153)

(103)

萌々

(29)

(12)

中立

(4)

趣味じゃない

(5)

レビュー数
18
得点
671
評価数
153
平均
4.4 / 5
神率
67.3%

レビュー投稿数18

原作未読で読んでみました

「萌え2」評価ですが、萌えたのか?と言われるとちょっと違うような気はする。
ただ、物語としての続きはとても気になる。
1巻ということもあり、刺さるような”萌え”はなかったかな、、というのが正直なところです。

ドラマ化もされ、あまりにも有名なこちらの作品。
恥ずかしながら、実はいまだに原作未読です…

溺愛、甘いストーリー、社会人ものが大好きな自分にはどうなのだろう…と迷い、手が出せませんでした。。

でもでもでも。有名作だし、やっぱり読んでおきたい…まずはやはり手に取りやすいコミックで、ということで電子でやっと購入。

小説原作だから、ゆっくり丁寧に描かれているのだと思います。
主人公二人の距離は縮まらず。
攻めが自己紹介で吃音症状が出てしまう場面、胸が痛かった、、
吃音をバカにしてパシリにする同級生たちには吐き気が。

強烈に清居に惹かれていく平良の様子が、目線や表情から痛いくらいに伝わって来ました。コミック版の嬉しいところですね。

このままコミック版で2巻を買うか、小説に切り替えるか、ちょっと迷うところ…
コミックだとかなりスローな感じなのかなという感じがするので、小説の方に切り替えるかもしれません。

1

美しい彼の世界観そのまま

凪良ゆう先生の原作の世界観を上手くコミカライズ化してくださっています。
北野先生の繊細かつ美しい絵で、ひらきよがここにも息づいています。表紙は実写寄り、中身は原作寄りという、どちらのファンも嬉しい心配り。そして、本でしか表現できない平良の心情や清居の心情が第三者目線で読み取れるところはやはりコミックも本の部類だということを再確認させられます。
原作に沿ってコミックスもずっと続けてほしいです。

0

絵が綺麗

とっても絵が綺麗で小説を丁寧に描かれていてとっても好きです✨

0

漫画化か…と疑心暗鬼になってはみたものの

小説に撃たれて、リスペクトしてる者です。
あの美しさを漫画で表現できるのか…?凪良ゆう作品を?難しいだろ…と思いながら、コミック版を手に取りました。

結論から申し上げますと、最高でした。

小説にある文字の流れるような美しさ、数ページに渡る場面描写、それが一気に北野さんの漫画が纏めてくれています。
想像が映像で目の前に広がる感動を味わわせていただきました。
端的にいって、神です。あの作品をここまで完成度の高い漫画にしてくれるのは、北野さんを除いて他にいないでしょう。
なんでもない一コマ一コマが美しく、人物のないコマに至っては主人公たちの心情を表情や仕草なんかよりも作品のあり方を雄弁に語ります。まさしく、凪良作品そのものです。

続きをくれ!!!!

8

運命は突然に

 小説の方も読んだ作品ですが、北野先生の美しいタッチで描かれると、平良と清居の複雑で繊細な関係性が浮き彫りになって、また異なる魅力がありますね。吃音症である平良にとって、たとえ自分をパシるグループのメンバーであっても、孤高の存在でありながら淡々と接してくる清居がどれほど輝いて見えたか、手に取るように分かりました。文字で清居への崇拝っぷりを繰り返し熱く語られると私には少し共感しづらい部分もあったので、絵がメインであるこちらの方が、平良のキャラを受け入れやすかったかもしれません。コミックから入るのもありな作品だと思います。

3

実はあまり期待してなかったのだが…

原作が大好きで、ドラマもめっちゃ良かったので、コミカライズか…正直言うと読まなくてもいいかなぁ、なんて思ってたんです。
でもねぇ、読んで良かった!
原作リスペクトの姐様がたにもオススメできる作品でした。

こちらの漫画家さんは始めて知った方だったんですが、原作の雰囲気を全く壊す事なく描き上げてるなぁと思いました。
小説の挿絵の作画に少し似てるのもあるのでしょうが、原作の清居と平良のイメージそのものだったのが良かったです。

小説を読まないBLファンにもこの作品を知っていただく機会になればイイなあと思います。

まだ先の話ですが、小説でもドラマでも自己の想像に委ねるしかなかった"絡み"の部分がどう描かれるのかがすごーく楽しみです♡

9

違和感なし

原作ファンです。
実写ドラマ化、コミカライズ発表に沸き立った昨年晩秋。
単行本派につき、実際に触れられるのは一年後くらいかしら…と思っておったのですが、こんなに早く読ませていただけるなんて嬉しい驚きです。
せっせと執筆くだすった北野仁先生に感謝です。

原作イラストに寄せているとご本人が呟かれてるように、違和感がなくて素晴らしいです。
本当に美しい。
原作の文章ひとつひとつを丁寧に漫画にしてくださって、感動に震えながら読み終わりました。

続刊が楽しみで仕方ありません。

9

原作未読で読みました

すごい人気作なのにそれゆえなかなか手を出せずだったので、コミカライズに飛び付きました。
結果はとてつもなく続きが待ちきれなくなりました。
読みおわってすぐ、小説買いました…。

それを含めての感想です。
コミカライズ1巻、序章です。えっ、これからホントに2人はくっつくの?いったいこのあと何が起きるの?
が気になりすぎました。
すごく丁寧なコミカライズだと思います。時間の経過、モノローグ、説明すぎないセリフ。コミカライズも全巻買います。

序章のため萌要素がなかったので萌評価です。
残念だったのはアヒル隊長のくだり、原作の説明通りにするのは難しかったのでしょうか。とても唐突に感じました。
唐突だけどそんなに気にする要素でもないのかな?と思ったらそんなことないやつ、むしろすごく大事な要素なので、始まりが本当に惜しいと思います。

画風は繊細な線でタイトルによく合ってると思います…先生ありがとうございます…!!

このまま丁寧に進んでいきますようにと心から願っています。

4

これぞ「美しい彼」

原作の小説全部読んでいます。ドラマも全話観ました。コミカライズ…どうなんだろうと思いましたが、北野先生の作画と見事にマッチしていて、見事な再現度にびっくりしました。

小説の挿絵の雰囲気そのままに、原作の世界観にもピッタリ当てはまっています。儚げな線と透明感ある繊細な絵にドキドキ。小説を読んでいたので、頭の中で「あのシーンはこれね」なんて思いながら答え合わせのように、照らし合わせて読んでいきました。

想像以上に原作に丁寧で忠実な仕上がりに大満足。先の話も分かっているけど、続きがとても待ち遠しくなる一冊でした。
因みに、1巻はダンススタジオで清居と鉢合わせするシーンまでです^ ^

7

唯一な存在との出会い

今回は吃音がトラウマの根暗な高校生と
クラスの人気者の高校生のお話です。

受様がその後の世界を変える受様と出会い編と
攻様の目に映る受様を切り取った番外編を収録。

攻様は人前でしゃべることが苦手で
緊張するほど言葉に詰まってしまう吃音症です。

そのため緊張しないように
何度か呼吸を繰り返してから話していたのですが
同級生にはトロイやつというレッテルを張られます。

自分達と同じになれない攻様を彼らは攻め立てますが
攻様とて好きで言葉を詰まらせている訳ではなく
世の中はうまくいかない事だらけです。

そんな攻様を両親はとても気にかけてくれますが
それすらも攻様似はツライのですが
自分を愛する両親にそれを口にするのは憚られ
攻様はいつしか自分だけの世界をもつようになります。

そんな攻様の転機は高校2年生のクラス替えで
受様と出会った事でした。

受様は一目で攻様を魅了するほど圧倒的に美しく、
受様に見惚れていた攻様は
自己紹介で言葉を詰まらせるという
最大の失敗をしてしまいます。

早速、攻様は吃音症を揶揄うあだ名をつけられ
パシリ要員にさせられてしまうのです。

攻様はこのままクラスの最下層に落ちるしかないのか!?

凪良ゆう先生の「美しい彼」の完全コミカライズで
攻様が彼のキングとなる受様と出会いを
描いた1巻目になります♪

ドラマCDもいい感じのキャスティングで
テレビドラマもけっこう頑張って作られていたし
コミカライズも楽しみにはしていたものの

葛西先生のイラストイメージが強く
正直に言うと北野先生のイメージとは
うまく重ならなかったのですが
北野先生は台詞の無い行間の描き方が
とてもうまい方だなと思いました。

思わせぶりな受様や辛辣な攻様の内心が
彼らの視線やしぐさによく表れていて
とても良かったです。

この物語は
受様という唯一の存在によって変わっていく
攻様の成長モノだと思っていますが

本作の攻様は受様の中では変な奴認定で
まだ対等な存在ですら有りません。

続きが楽しみです (^-^)/

3

2巻は来春です

原作の大ファンなので、発売を楽しみに待っていました。ドラマのヒットでBLファン以外の方も原作を読み始めたのと映画化発表で、とても良いタイミングでコミカライズ版も発売されたと思いました。

読み始めて直ぐに平良のセリフが小野友樹さんの声で再生されて、城田たちが登場した時はドラマのキャストで再生されてました。

でも、コミカライズ版なのでちゃんと原作通りの設定のままだし、大事なところをキチンと描き出してるのが良かったですね。
特に平良の親子関係とか、これからの展開にとても大事なところです。

もっと読みたいって思ったところで終わってるのですが、2巻が来春なんですよね…。悲しみ…。

その前にBLCDの「悩ましい彼」が出ないかなぁと期待してます。そして「美しい彼 4」がいつ出るのかとても気になっています。

2

原作の良さを120%引き出したコミカライズ!最高でした!

凪良ゆう先生の原作小説が大好きで、挿絵の葛西リカコ先生の美しい挿絵のイメージが強かったので、別の方がコミカライズをされると聞いて読む前は不安だったのですが、いざ読んでみると北野仁先生の素晴らしい作画に感激しました。
平良の同級生の男子に恋をしてしまう心情や、清居の美しさ、キングっぷり、完璧です!原作の再現度が高くて素晴らしいです。
小説もドラマも何度かみて内容は頭に入っていてもキュンとしました。
1巻の時点では原作のかなり序盤しか描かれていませんが、その分話の進みがていねいで心理描写も凄く良いです。2巻以降がたのしみです。

7

アヒル隊長

原作大ファンで雑誌でもずっと読んでますが、まとまって読まないとな、と購入。1巻だけだとまだ真骨頂に到達してないなーとやはり思うので萌にしました。雑誌掲載分+描きおろし2P+カバー下は表紙の単一カラー図。

高校2年になった初日、清居に初めて会ってその美しさに呆然とした平良。心の準備がぶっとび、自己紹介で吃音が出てしまって、クラスの中で下僕的扱いを受けるようになり・・と続きます。

攻め受け以外の登場人物は
平良の母、清居のとりまき(♂)、倉田(♀)ぐらい?あ、アヒル隊長がいましたね。

++この巻で好きだったところ

清居に電話番号教えてもらって、登録するところとか、清居のもちものになった!!!!!!!!!!と嬉しそうに走るところがめっちゃ可愛いかったんです。そこが好きだったなあ。小説読んでいるときは、キモいウザい(でも可愛い)という印象で、可愛いのインパクトがそんなに強くなかったんですよね。でも絵で見ると、嬉しそうに目を見開いているところなんかが想像以上に可愛かったでした。

清居はキングなんだけど、まだ平良に惚れていないから、キング状態だけ。とってもキングキングしていてカッコキレイなんですけど、ちょっともの足りなくて。早く平良に惚れてほしいなあ・・・と楽しみに待つ心地な1巻でした!

コミック読んで先が気になった方、ぜひぜひ小説をよろしくお願いいたします!

5

原作に忠実

北野仁先生初読み、原作既読です。
原作、ドラマCD、実写ドラマときてのコミカライズ。いろんな描かれ方した上での漫画化は、相当プレッシャーに感じるだろうなと思います。

小説挿絵の葛西リカコ先生の絵にとても寄せて描いてくださってる感じがしました。
原作の挿絵と同じアングルのカットがあったりもしたので、既視感がありました。

今回一番ハッとさせられたシーンは、平良が写真を加工しているところです。
学校で孤立してる息子を心配して趣味のひとつにでもなればと中学生には、高価な一眼レフカメラを買い与える両親。
それを持って家族で出掛けて撮影した百合の草原の色とりどりの百合を画像加工で切り取って我に返って自己嫌悪する。
平良の加工した写真をずっと見てみたいと思ってたので、このコミカライズでやっと叶いました。
確かに花だけが切り取られた写真は、人が見るとギョッとするし、なんなんだろうと考えさせられる。同時に、拗らせてんなーと思う。
街中の人物だけ消して風景を当てはめた写真もどんな感じなんだろうと思ってたので今後出てくるのを期待してます。

小説のコミカライズの醍醐味は、絵で見ることで発見できる表現を楽しむ事だと思ってます。
主役以外の登場人物の姿がこんな感じだったんだとか、どの位平良が、清居が、お互いを目で追っていたのかを感じてみたり。

丁寧に描いてくださっていたのでとても満足でした。

でも、1巻ここで終わるの???
ってもどかしかったです。原作読んでからの漫画だとこの先の面白さもわかってるのですが、漫画しか読んでなかったら引きが弱くない?って。
巻末に2巻は2023年春発売予定とありました。
1巻は原作の2割程度でした。
私の予想では全5巻として、5巻が出るのは2026年かぁと気が遠くなりました。
早く私の大好きな面白くてキュンキュンする清居ターンのお話が読みたい!
この先憎らしい彼、悩ましい彼もコミカライズして頂きたいけど、超ロングランになるな。

10

北野先生でよかった

小説の『美しい彼』を読んでからこちらを読みました。

元々、北野先生の作品が好きで『美しい彼』のコミカライズが決まった時に
コミカライズを読む前に原作を…と思い先に小説を読みました。

そして、本日コミカライズ版の『美しい彼』を読んだのですが
それはそれはすごく良かったです…!!!!
北野先生の描く清居と平良の表情が素晴らしくて…!!!
平良の影のある表情や、清居のスンッとした表情がとにかく素晴らしかったです。


内容は小説から特に変わった部分はないので、
小説読むのが好きじゃない方も、小説を既に読んでいる方も楽しめるかと思います。

あぁ~早く続きが読みたい!と思わせてくれる作品でした(*´∀`*)

0

どこみてんのよ~って感じ?

意地で小説をよまないわけじゃないんです
文字だけを黙々と読むことができない呪いにかかってるんだと思います たぶん

眠くなっちゃうんですよ

いや なっちゃうどころか 文庫本5ページが限界 毎度同じところで寝落ちるもんだから15年かかってもまだ読み終えない文庫があるくらい

やべぇな あたし って本気で思います

そんな呪いのせいで表紙にどれだけ惹かれても手がだせなくて どんなに話題になっててもコミカライズを待つしかできないのが現状(悲しいかな実写ドラマになかなか魅力を見いだせなの)

そんな小説未読なヤツが読んでどう思ったか ってところなんですが


蔑まされ澱んでいくものや 疎ましさから歪んでしまったもの

あぁ胸くそ悪いもの読んでるんだな たぶんこれ と
大好きですよ?卑下も蔑も ただあまり卑屈なのはちょっとって警戒しきりだったかな


信じるものは救われる
信じるものがあるのならそれで救われればいい
その信じられるものがなんだろうがかまわない

そうね 不格好ではあっても踏み出す一歩がそれだったんなら……って


正直 出会いの部分と美しい彼の存在 そこに向ける想いを存分に魅せてはいただいても まだなにもはじまっちゃいないし 動いてもいない

ただ コミカライズって小説を読んでる前提で描かれてるいわけではないとは思うんですが 理解力の足りないあたしとしては たまに大事なところを削り落とされたみたいな気分にされることがあって その点このお話に関しては言葉にできない部分をすごく大事に 丁寧に描いてくださってるんだろうな って

ある意味 申し訳なさを感じるいくらい その関係性や感情 物事の機微までを感じさせてもらったかなって

うん 今まで読ませていただいたコミカライズのなかで断トツに感じたのはそこでした


個人的に神評価が高いものほど自分の好みから外れてしまっていて躊躇したんだけど 読んでほんとよかった

続き 楽しみにお待ちしてます
てか 北野さんの絵の感じがいつもと違うように感じるのはお話のせいなのかな?

6

大それたことは言えませんが

コミカライズ、北野仁先生が描いてくれて本当によかったな。
間違いなく「美しい彼」だと思うんだ、私は。

2

素晴らしきコミカライズ版。

凪良さんといえばBL作品の小説界の中でも人気、実力ともに高い作家さまですが、その凪良作品の中でも人気の高い「美しい彼」。今作品は、シリーズ化され小説、ドラマCD、そして実写ドラマ化と相次いで商品化されている「美しい彼」の、コミカライズ版に当たる作品です。

ということで否が応でも期待値が上がってしまい、発売日を心待ちにしていました。小説版の挿絵を担当されているのは葛西リカコさんでしたが、コミカライズ版は北野さんが描かれています。葛西さんの描かれる清居くんや平良くんはもちろんイメージぴったりでしたが、北野さんの絵柄も非常に麗しくイメージにぴったりでした。

小説版と、内容はもちろん同じですが一応ざっくりと書こうと思います。ネタバレ含んでいますので、苦手な方は注意されてください。




主人公は高校生の平良くん。
子どもの時から彼を悩ませている吃音のために人との関わりをなるべく避けて生活している青年だ。そんな彼も高校生になり、その初日。クラスメイトの自己紹介時に、一人の同級生に目を奪われる。清居だ。美しい彼に心奪われる平良くんだったが、ここでも今までと同じように、いじめともいえる行為をクラスメイトから受けるように。

そんな彼の心の拠り所は清居くん。
彼のすべては清居くんのために。どんなに酷いことをされても、清居くんのためなら頑張れるー。

という、平良くん視点で進むお話です。

小説版の、まだほんの入り口までが今巻で描かれている感じ。時系列でいうと高校生活を送る彼らのお話で、しかも清居くんが応募したオーディションにまだ残っている、という部分まで。つまりかなりしっかり描いてくださっていて、小説ありきのコミカライズ版は端折りすぎてあっさりしすぎてしまうものも多くある中、今作品は小説にかなり沿った内容が描かれています。

しっかり描かれ過ぎていて、平良くんへのいじめが読んでいてしんどかった。いや、この部分は小説版もそうですが、ストーリーの軸になるので端折れない重要な部分ではあるのですが、「いじめ」という行為が苦手な方にはかなりしんどい描写が続きます。

清居くんという男の子は芸能人になるほどの美貌を持った青年ではあるのですが、タイトルの『美しい彼』というのは彼のビジュアルのみをさしているのでは非ず。彼の内面がですね、とってもカッコいい。美しいのです。小説版を既読の方はすでに認識されていると思いますが、スクールカーストにおいてトップ(平良くんの言い方をするならば「キング」ですね)に君臨していた清居くんが、この後追い込まれていきます。いきますが、それでいてなお、彼の内面の美しさは損なわれることはない。彼の凛とした美しさは、さながら内面をそのまま投影している、といった感じ。

その清居くんに傅くのが、平良くんです。
先述しましたように、物語としてはまだほんの序盤でしかなくいったい何巻完結を目指しているのかと思ってしまう。巻数が増えても読者はついてくるだろうという版元の強い意志を感じますが、はい。もう、ストーリーはもちろん、北野さんの描かれた絵柄も非常に良かったです。どこまでもついていきますので、じっくりしっかり描いてほしいなと思います。

あ、あともう一点。
アヒル隊長。このワードは『美しい彼』とは切り離せないワードですが、もうとにかく読んでいて切なかった。北野さんの描き方が非常にお上手で、表情一つ、しぐさ一つで読者に端的に読ませる。小説はあまり読まない、という方にも、小説はすべて読破済み、という方にも、ぜひとも多くの方に手に取っていただきたいと思う素晴らしい1冊でした。

今から次巻の発売が待ち遠しいです。

11

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