3万人の腐女子、腐男子が選んだ 2011年度BLアワード! 2011年1月~2012年1月まで今年度最強のBLを総選挙!!

注目の新人2011年度総決算!

2011年度も、数多くの新人作家がデビューした。ちるちるでは積極的に新人の作品を発掘してくれる腕利きスカウターの茶鬼さんに注目の新人を直撃しました。未来を見通す鋭い眼差しで2012年度以降ブレイク必至!?のアーティストを推薦です。

出版不況と言われる中、それでもBLという分野だけでも毎年コミック・小説合わせて100人以上の作家さんが単行本デビューされています。
2011年度は小説でおよそ23人くらい(電子除く)コミックでもおおよそ91人(電子除く)がデビューされました。
10年度は小説が27人、コミックが82人でしたが、11年度にコミックの人数が増えているのは09年~10年度にかけて新しい雑誌の創刊があったりしたせいもあるかもしれません。
どの作家さんがヒットを飛ばし、また注目作家さんになるのかデビューだけでは測れない部分もありますし、2~3年かけて注目作品を出す作家さんもあったりするので、どの新人作家さんも或る意味金の卵であるとは思います。
全ての作家さんも応援したいところですが、この中から淘汰されていくのもまた現実です。その中で10~11年にかけてデビューした作家さんで注目された作家さんと作品を振り返ってみたいと思います。(独断な部分もあるかもしれないのでご容赦を)

小説新人の注目! 松雪奈々、宮緒葵

まず、小説では今年大きな注目を集めた作家さんが二人いらっしゃいました。

シャレードから出た『なんか、淫魔に憑かれちゃったんですけど』の松雪奈々さん。
普通淫魔といえばイケメンだったりそれが主人公になって恋人とハッピーエンドなのがオヤジの姿をした淫魔が登場して主人公は3日にあけずにエッチをしないと死んじゃう!っていう突飛もない設定で、しかもおやじ受けという作品は圧倒的な支持を得てこの春に、CDと第二弾も出るという人気ぶり。
そして続く作品も「オヤジだらけのシェア生活」とオヤジ作家の異名が定着しつつあるようですね。

もう一人はプラチナ文庫から『堕つればもろとも』でデビューした宮緒葵さん。仰天展開もさることながら、攻めの見事な犬ぶりと執着愛にただものではないモノを見せ、更に2作目となる『悪夢のように幸せな』では不気味なほどのとてもホラーを感じる執着愛を見せつけ読者を虜にしました。
この2名の作家さんは圧倒的に群を抜いて新人ながらベテランに負けない勢いを見せ今後も期待される作家さんとなりました。

他にも松尾マアタさんの表紙に負けない切なく健気な受けが特徴的物語で涙腺を刺激した『遠くにいる人』をデビュー作に『それが愛だとするならば』の2作品をショコラで出したひのもとうみ さん。

同じくショコラから狸がとてもかわいらしかった本宮榎南さんの『狸といっしょ』。
クールな美人受けが愉快だった一ノ瀬智さんの『指先にジェラシー』も印象深い作品でしたね。
10年度に『僕の悪魔』で鮮烈なデビューをした成瀬かのさんは11年度は4冊も刊行し色々な作品のバリエーションを見せつけすでに実力派のヒットメーカーとして定着している気がします。
草川かおりさんも11年度は4冊発行というスピードで頑張っています。
同じく10年度デビューの四ノ宮慶さん、風見香帆さん、夜月ジンさん、はなさくらさん、如月静さん、五条レナさん、鳥谷しずさん、佐田三季さん他、この年のデビュー作家さんには期待する方が多いです。
発売冊数が実力ではないですが、やはりコンスタントに作品が出ることで注目する利点はあると思われます。

コミック界の注目 のばらあいこ、秀良子、雨隠ギド

一方コミックですが、デビューコミックが賛否両論あれど大注目されたという点では圧倒的にのばらあいこさんが11年度デビュー漫画家の中では断トツだったと思います。
同人誌掲載から始まりアンソロで続きが描かれた『秋山くん』は仰天するような始まりのエッチから序々に甘いものになっていきます。
悪い言い方をすれば気持ち悪さをもよおすほどの柴くんの犬ぶりが、秋山君もまた犬かもしれない柴君限定のビッチぶりが、番外のともみちゃんが、とてもとても印象的な作品でしたね。

コミックは大体が雑誌掲載を経て単行本という形が多いので、どうしても年1冊出ればという感じになってしまいます。雑誌購読しない限りその作家さんの露出度はわからないものなので、10年度デビューした作家さんから見て行くことにしましょう。
すると10年デビューで11年度にそれを確固たる人気にした作家さんが二人いらっしゃいました。

イケメン君とさえない君』でデビューして、『ネガティブ君とポジティブ君』『リンゴに蜂蜜』を11年に出した秀良子 さん。

恋まで百輪』でデビューして『悪人を泣かせる方法』『犬とつばめ』ほかBL以外でも活躍されている雨隠ギドさん。

この二方の作品はユーモアもありながら心を打つ、心に染みる素敵な作品を描かれるという点でひょっとして共通点があるのかもしれないと思わされたものでした。

他に注目人気作品として、 アイドル×おやじが新鮮だったヤマヲミさんの『ひみつのセフレちゃん』。
少年漫画風のコントのようなお笑いが受けた『ビックリするほどドジな恋』のケビン小峰さん。
かわいらしく甘いお話と絵が特徴の『フリートーク』の雲之助さん。
大好きなゲイビ男優と勘違いしたことからはじまった恋の『ポルノスーパースター』の七海 さん。
ひきこもりオタクの成長を描いた『痛姫』の七木桂さん。
級友のとんでもない秘密の趣味を知って手伝うことになってしまった高校生が印象的だった『ひみつのお花ちゃん』の真柄うしろ さん。
苛めっ子と元苛められっ子の再会モノが愉快だった『どうにもなんない相思相愛』の山田パピコ さん。
えんどうくんの観察日記』のハヤカワノジコ さん。
『ひとりじめシリーズ』が人気のありいめめこ さん、可愛らしい絵柄とストーリーが特徴的な小嶋ララ子 さん。


等が注目されたのではと思います。 コミックは毎年コンスタントに発売される作家さんもあればそうでない作家さんもあり、必ずしも毎年単行本が出る事が人気バロメータではないですが、かわいらしい系からサブカル系まで、色々な系統の作品と作家さんがそれぞれのファンを得て活躍していることがわかります。

こうして人気作家さんと作品を見ると多種多様なニーズに合わせた作品が上がっており、必ずしもこれが流行!といったシチュエーションやカプ構成はなく、やはり作品の良しあしと共に大きな感動を呼んだり、衝撃を受けるといった作品ががヒットに繋がっているのは明白なのかな、という気はします。

各社の新人発掘能力は

レーベル別に見ると、小説ではやはり出版社の賞を取った新人作家さんや、リニューアルをしたレーベルからの作家さんに当たりの傾向が若干みられるような気がします。コミックに於いては、雑誌での人気を受けての満を持してのデビューとなった作家さんであったりもしますが、一時は新人発掘に手腕を見せた「東京漫画社」より同人系作家さんが強い「一迅社」、「ふゅーじょんぷろだくと」からのデビュー作家さんへの支持がみうけられるような気がします。
そこから見ると、若干王道路線の「角川書店」からの新人さんが弱めな傾向が見てとれるようです。

しかし、十人十色、百人百様、千差万別の言葉があるように、個人の趣味や好みは色々違うもの。その中で大勢の支持を集める作品はすごい!と思うと共に、こうやって沢山排出される作家さんの中から自分の好みの作品と作家さんを見つけるのもまた読者の楽しみでもあります。
こうした読者へ楽しみを与えてくれる作家さんを見守り応援するのは読者の役割だなと、改めて思うのでありました。

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